【第16回】禁断の「あの言葉」で、子どもを夢中にさせる漢字ドリルとは?

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第16回 禁断の「あの言葉」で、子どもを夢中にさせる漢字ドリルとは?

みなさん、こんにちは!
最近、「忖度(そんたく)」という言葉を使いたくてウズウズしているヤスコです。

国会のニュースで、不本意なお茶の間デビューを果たしてしまった「忖度」ですが、意味を辞書で調べてみると「自分なりに考えて、他人の気持ちをおしはかること」。今年の流行語大賞にノミネートされるんじゃないかしら。夫なんか会社で「課長のお財布事情を忖度して、安めの居酒屋を予約しておきました」なんてジョークを飛ばしているみたいですよ(苦笑) 

というのは大人の世界の話ですが――、実は今、子どもの教材業界でも「ある言葉」の登場に激震が走っているのです。(あらかじめ断っておきますが、ヤスコは大真面目です!)

■発売1カ月半で100万部を超えた『うんこ漢字ドリル』

問題の全例文に「うんこ」という言葉が盛り込まれた『うんこ漢字ドリル』が、今飛ぶように売れているのだそうです。(まぁお下品ね、と眉をしかめる前に…まずは童心に返ってお付き合いくださいね!) 内容はいたってマジメな学習参考書なんですが、例文にあの言葉が入るだけで、とてつもなくシュールで笑える世界が広がるんです。

とにかく、実際の例文を見てみましょう。

・うんこに えんぴつを 〈いっ〉本 つきさした。 
【答え〈一〉】 小学1年生用
・うんこの〈まった〉く新しい使い道をひらめいた。
 【答え〈全〉】 小学3年生用
・極限まで自〈こ〉を追いつめてうんこをする。
 【答え〈己〉】 小学6年生用

なんということでしょう。匠の技により、退屈だったはずの漢字の学習が見違えるような爆笑の時間に。ツイッターなどでも、男の子を持つ親御さんからは「漢字練習に夢中になっている、音読までし出した」などと喜びの声も上がっています。

■出版社の社長「わたしも勉強がキライだった」

産経WEST(5月28日)によると、『うんこ漢字ドリル』は、発行元である文響社の社長・山本周嗣さんが2年間温めてきた肝いり企画だったとか。山本さん自身も子ども時代は勉強がキライで、「教育をエンターテインメントにしたい」と考えていたそうです。

ドリルには「おうちの方へ」という前書きがあり、そこからは山本さんの真摯な情熱が伝わってきます。少し長いので、要約して以下に紹介しますね。

――漢字を効率よく覚えるには、「くり返し書くことが大事」と言われていますが、それは子どもにとって「学習」ではなく、集中力の続かない「作業」になってしまいます。「うんこ」という言葉は、大人は忌避しがちですが、子どもにとっては気持ちが盛り上がり、口にするだけで楽しくなる「魔法の言葉」です。このドリルで勉強は楽しいものだと知ってもらい、笑顔で机に向かえる子どもたちが増えることを願っています。

編集に関しても、食べたり匂ったりするような「生理的に受け付けない使い方」は避け、なおかつ、子どもを飽きさせないように色々な角度から「うんこ」が登場するように細心の注意が払われたそうです。

まさに、業界のタブーを破り、革新に挑戦するフロンティア! まぁ、言葉が言葉だけに賛否両論ありますが、本当に勉強がキライな子で他に特効薬がないならば、こういう手段も個人的には「あり」だと思います。

それに実は、ヤスコのママ友たちも興味津々なんですよね。でも、ちょっと躊躇しちゃって「まだ実物を見たことがない」って言うんですよ。だったら、みんなの気持ちを「忖度」して――、ヤスコが先陣を切って書店で買ってきちゃおうかな?(笑)

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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?
【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)
【第10回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(後編)
【第11回】春のお出かけで、子どもの「教科書アレルギー」を撃退!?
【第12回】新学期、オトナの本棚に「あえて」置きたい一冊
【第13回】小6の男子が考えた「分数ものさし」で、苦手な分数を一発攻略!
【第14回】ついうっかり勉強しちゃう!? ゲーム感覚で遊べる「学習アプリ」(前編)
【第15回】ついうっかり勉強しちゃう!? ゲーム感覚で遊べる「学習アプリ」(後編)
【第16回】禁断の「あの言葉」で、子どもを夢中にさせる漢字ドリルとは?
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【第15回】ついうっかり勉強しちゃう!? ゲーム感覚で遊べる「学習アプリ」(後編)

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第15回 ついうっかり勉強しちゃう!? ゲーム感覚で遊べる「学習アプリ」(後編)

みなさん、こんにちは! ヤスコです。
さて、本日ご紹介するのは、テスト対策や受験勉強にピッタリの「超」実用アプリ。

こんなことを言うと「おばさん発言」と笑われそうですが、本当に今の子どもは恵まれていますよね~。だって、わたしたちの頃のテスト勉強は、ひたすらにアナログだった気がするんですもの。とにかく書いて覚える「1000本ノック戦法」や、まるで鍵の束のように単語カードをじゃらじゃら持ち歩く「マンション管理人戦法」など、それぞれが自分なりのワザを駆使していましたよね。

当然、今もこのような暗記法は健在ですが、ここにスマホのツールが加わったことで、学習の世界は新たなステージに移行しました。ポイントは、①手ぶらでも ②楽しみながら ③スキマ時間 に勉強できるという手軽さ。それは勉強が嫌いな子どもたちにこそ、ピッタリなのかもしれません。

まずは、小学生から楽しめるアプリの紹介です。

■小4で暗記する47都道府県がジグソーパズルに

日本の都道府県の暗記、子ども心に「がんばって覚えた」という記憶をお持ちの方も多いのではないでしょうか? 空欄になった日本地図に、都道府県名を入れていく小テストなどもありましたね。

『あそんでまなべる 日本地図パズル』(デベロッパー:Digital Gene)は、都道府県の形がジグソーパズルのピースになっていて、指先のスワイプ操作でパズルを完成することができます。タイムを計ることができ、エキスパートモードでは都道府県名を伏せて遊ぶこともできるので、ゲーム性もたっぷり。テトリスやツムツムなどのパズルゲームが好きな子にも、合いそうです。

日本をクリアしたら、別バージョンの「世界地図パズル」で国名を制覇してみましょう。また、学校のテストにはあまり出ませんが、戦国武将や歴史ゲームが好きな子は「旧国名パズル」も楽しそうです。ヤスコは、小5の娘に日本地図のタイムレース挑んでみようかしら。万が一負けてしまったら……、キャー! 親の威厳が保てない! 事前特訓は必須ですね(笑)

■中学の定期テストや受験勉強の「気晴らしツール」として

「勉強しなくちゃいけないのはわかっているけど、どうしても机に向う気がしない」「移動時間や待ち時間に、ヒマつぶしがほしい」というときは、とりあえずスマホゲームで学習するのもありかもしれません。

「あぁ~、また遊んでしまった!」という後悔もなければ、「本当は勉強しなきゃならないのに…」という焦りも軽減するはずです。

そんな補助的なツールとして、ヤスコが目を付けているのは、『ビノバ中学生』シリーズ(funspire, Inc.)。中学生の子どもたちが、受験勉強や定期テストのための勉強や暗記を「無料で」「効率的に」行えるように開発されたそうです。地理、歴史、理科、古文など、教科ごとにアプリがそろっているので、好きな教科をチョイスできるのがうれしいですね。

四択クイズに答えて、モンスターを集められる「お楽しみ要素」もしっかり用意されていますよ。

な~んて話を息子と夫に話したら、さっきから二人してアプリ検索に夢中。
息子「見て見て、『松本人志の俺の覚えたい外国語100~英語編~』っての面白そうじゃない?」
夫「おお、オレも見たいから入れてみろ。――って、ギターのコードを覚えるアプリもあるのか! 昔挫折したギター、まだ押入れにあったよな…」

あぁ~、夫に任せたのが失敗でした(苦笑)
こんなとき頼りになるのが、息子の家庭教師・Sくん。現役の大学生だし、ゲームも相当詳しいって言っていたし、ちょっと相談に乗ってもらおうかな!?

※インストールは規約をよく読んだ上で実行を。そしてテレビゲームと同じく、やり過ぎにはご注意くださいね!

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【第14回】ついうっかり勉強しちゃう!? ゲーム感覚で遊べる「学習アプリ」(前編)

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第14回 ついうっかり勉強しちゃう!? ゲーム感覚で遊べる「学習アプリ」(前編)

みなさん、こんにちは!
家族との連絡やレシピ検索、お天気情報など、いつもスマートフォンが手離せないヤスコです。

突然ですが、みなさんはお子さんにスマートフォン(以下スマホ)を持たせていますか? 内閣府の調査によると、平成28年度の小学生のスマホ所有・利用率は27.0%、中学生は51.7%、高校生は94.8%。小中学生においては、2年前と比べると約10%もの急増ぶりなんです。今やランドセル用の携帯ケースも販売される時代ですから、賛否両論あれど、クラス全員がスマホユーザーになる日も近いかもしれませんね。

そして、スマホを持つと、子どもたちがやりたがるのが「ゲーム」。これはもう彼らの生物学上の性みたいなものですから、ある程度は仕方ありません。でもどうせなら、時間の浪費ではなく、何か役に立つもの……欲を言えば「勉強」のためになってくれるものが希望なんですよねぇ。

そんなわけで、ヤスコも探してみましたよ。エンターテイメントあふれる学習アプリの数々。やはり暗記要素が多い「英語」や「社会」などが充実していますね。ゲームや絵柄のクオリティが高いのも結構あって、受験生の気分転換や時間つぶしにも一役買ってくれそうです。

まずは、2020年以降に小学校での必修化も話題となっている「英語」からスタートしてみましょう!

■ポケモンやドラクエ好きにおススメの「RPG冒険ゲーム」

英単語クイズやリスニング問題をクリアすると、モンスターをゲットできる『English Monsters(イングリッシュマスターズ)』(無料)。凝ったビジュアルと作り込まれた世界観の中でキャラクターが成長して……と、まるでポケモンのような感覚で遊べる英語学習アプリです。

また、武器や防具、アイテムやスキルを入手したり、課題達成(クエスト)を楽しむ要素も充実。小学校時代にドラゴンクエストにハマったヤスコとしても、かなり興味をそそられますね。

なーんて、本格的なロールプレイングゲームぶりに感心してしたら、なるほど、2016年には注目ゲームの見本市「東京ゲームショウ」にも出展されていたとのことでした。

高いエンタメ性を持ちながら、学校推薦数No1『エースクラウン英和辞典』とのコラボや、3000以上の日常会話・実用フレーズを登録しており、 TOEIC頻出単語使用など、実用性も兼ね備えています。

■ポケモンやドラクエ好きにおススメの「RPG冒険ゲーム」

さて一方、こちらは「ゆるキャラ」が集まる平和な学園が舞台の『えいぽんたん!』(株式会社ドリコム)。プレイヤーが英語を学習することで、生徒たちが成長し卒業できるようになります。

かわいいキャラクターたちにおやつをあげたり、デコレーションしたりという育成の楽しさもあいまって、累計230万ダウンロードを突破した人気ゲームですが、昨年にはついに『えいぽんたん for students』が登場。学生に特化し、小学生から高校生までに必要な英単語がさらにきちんと学べるようになりました。

このアプリの特徴は、最初に行う実力診断や解答データの積み重ねで、「今の自分」にピッタリの問題を出してくれること。また、オンライン上で友だちや仲間と競い合ったり、協力してゲームを進めることもできるので、モチベーションの維持にもつながります。

どちらもiPhoneやAndroidのどちらにも対応しているようです。機種との相性や条件もありますので、ご検討の際は、各社のホームページで詳細をよく読んでみてくださいね。

さて、次回の後編では、地理や公民など「社会」に特化したアプリもご紹介しますよ。お楽しみに!

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【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
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【第13回】小6の男子が考えた「分数ものさし」で、苦手な分数を一発攻略!

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第13回 小6の男子が考えた「分数ものさし」で、苦手な分数を一発攻略!

みなさん、こんにちは! ヤスコです。
今日は算数&数学ギライな子を悩ます「分数」が、あっという間に攻略できそうなアイデア教材のニュースです。(3月30日付中日新聞、4月3日付朝日新聞デジタル)

その名も「分数ものさし」。静岡県浜松市の小学校に通う山本賢一朗くん(6年生※当時)が、自分の経験をもとに「友だちにもわかりやすく教えてあげたい」と発案したもので、長さ12cmのものさしに5列の目盛りが付き、分母の違う分数が配列されています。

ものさしのイメージは、こんな感じ。

分数のイメージ

まさに目からウロコ! これなら異なる分母でも、大きさを理解するのがとてもカンタンですね。例えば、「3分の2」と「2分の1」のどちらが大きいかも感覚で判断できますし、「4分の2」と「6分の3」が同じ値だということも一目瞭然。そしてこのアイデアは、静岡大学教育学部の准教授に賞賛され、実際の教材化に向けて開発が進められているそうです。

実は、「分数ものさし」の威力はこれだけではありません。多くの子どもたちがつまずいてしまう「あの計算ルール」も、感覚で理解することができるのです。

■「6分の1」÷「2分の1」の解き方、本当に説明できますか?

「あの計算ルール」とは、割り算のやり方です。(みなさんも昔のことを思い出して、一緒に頭の体操にトライしてみましょう!)

例えば、「6分の1」÷「2分の1」という計算式を解くとします。セオリーでは、割る方の分母&分子をひっくり返して、「1分の2」をかけることになっていましたよね。いわゆる「逆数をかける」というステップです。

分数のイメージ

これは小学6年生で習うものですが、「どうして逆数にしなければならないか」が理解できず、その先に進めない子がとても多いのです。さらに中学生になっても引きずってしまい、他の単元に影響が出ているケースも少なくありません。

でもよく考えたら、難しいルールですよね。実は、ヤスコも息子に理由を聞かれたとき、上手く説明できませんでした。「ルールはルールなの!」と逆ギレ(汗)しちゃったりして……。もはや概念の世界となるので、学校の先生たちも苦労されているようです。

では、「分数ものさし」で見るとどうでしょうか?

分数のイメージ

まず、6分の1(割られる数)は、2分の1(割る数)の何倍かを考えるんですね。マスの数からして、1倍より少ないのはすぐにわかります。(この感覚がつかめることも大事!)
では具体的に何倍か? ものさし上で最小単位の「12分の1」を1マスと考えると、「6分の1」=2マス分、「2分の1」=6マス分ということで、「6分の2」=「3分の1」(倍)ということになります。

今はまわりくどい説明をしましたが、他のどんな割り算を試しても、分母と分子をひっくり返した逆数をかけるのと同じ値になるんですね。これを何度かくり返せば、そのうち考え込まなくてもルール通りにスムーズに計算できるはずです。

これは画期的! 今までなかったのが不思議なくらいです。教材としては、今年の夏以降のリリースを目途に準備が進められているそうですが、カンタンなものなら紙や無地の下敷きなどに描いて、すぐに家庭でもつくれそうです。「やってみたよ!」という皆さんからのご報告もお待ちしていますね!

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【第12回】新学期、オトナの本棚に「あえて」置きたい一冊

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第12回 新学期、オトナの本棚に「あえて」置きたい一冊

突然ですが、みなさんは子どものころ「親の本棚」ってすごく気になりませんでしたか?

ヤスコは中学生になると、親がいないときを見計らってリビングの本棚をこっそり漁っていました。衝撃を受けたのは、『課長 島耕作』でおなじみ、弘兼憲史先生が作画したマンガ『人間交差点』。任侠&夜の世界のストーリーが中心で、十代前半の女子にはかなり“オトナ”な内容でした(笑) 他にも、『漢方で〇〇が治る!』とか『〇〇氏おすすめのハードボイルド映画』など、読むことはありませんでしたが背表紙だけは記憶にあります。子どもって見ていないようで、結構見ているんですよね、きっと。

だから親になった今、子どもの目にふれる可能性のある本棚には気を配りたいと思っています。今日はそんなスペースに「あえて」置きたい本の話です。

■月ごとに、いじめへ対処法を教えてくれる本

今年の1月、小学館から『いじめから脱出しよう!』という本が発売されました。この本のすごいところは、新学期の4月から始まり、月ごとに「いじめ」から逃れる対処法を教えてくれる点です。

朝日新聞が運営する「withnews」(3月31日記事)によると、著者の玉聞伸啓(たまきのぶひろ)さんは市の職員をするかたわら、インターネットでいじめの相談を受けているそうです。これまでにいじめに悩む人や家族ら60万以上が訪問。ご自身も、小学生時代には「いじめる側」、中学生時代は「いじめられる側」、両方を経験されています。

書籍の紹介文には、こう書いてあります。
――いじめには「よくある型」があります。学校生活の4月から3月までの、同じクラスで過ごす1年間、人間関係が変化していくとともに、その「いじめの型」がさまざまな形で現れてきます。(小学館ホームページより)

確かに、クラス替えや進学したばかりの4月は、クラスメイトと新たな関係を作り上げる時期ですし、2学期、3学期と進むにつれて、仲のいいグループも固定化されてきますよね。

だから、4月はいじめる・いじめられる関係性や、気まずい相手との仲をリセットできる好機なのです。この時期に嫌がらせの手紙をもらったり、「あれ、もしかして?」不安が芽生えたときの対処法として、玉聞さんは次のようなアドバイスをしています、あまり気にせず周囲の友だちと「もっと」仲良くしたり、友だちがいない場合でも「誰でもいい」「天気の話でもいいから」近くにいる子とたくさん会話をすること。いじめっ子はそれを見ると、「アイツには仲のいい友だち(味方)がいる」と勘違いして手が出しづらくなるそうです。

■子どもはなかなか言い出せないから…

「今日から実践できる」「すぐに使える」サバイバル術がつまったハンドブック。なぜそれをあえて親の本棚に置いておくのかというと、子どもが人知れず悩んでいるとき、本の存在を思い出して読んでほしいからです。本当は親が気づいてあげたいし、娘や息子からも相談してほしいけど、子どもが親に助けを求めるのって「最後の手段」のような気がするんですよね。切ないですけど。

そもそも、自分が「いじめられている」と認めるのは、かなり辛いことです。だから、子どもの目につくように本棚に待機させておく。まだ私(親)には相談できなくても、こっそり取り出して開いてほしい。間接的ではあるけど、ヤスコが子どもたちにつくってあげられる逃げ道の一つです。

もしくは、「もしものときのお守りに」と本人に直接渡してあげてもいいかもしれませんね。その場合は、新学年の始まる4月が一番自然なように思います。「ウチの子に限って」ではなく、ニュートラルな視点で考えてあげたいものです。

本当は、いじめ自体がなくなるのが一番いいんですけどね!

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2017年春期講習会先行レポート!

2017年春期講習会先行レポート!

みなさんこんにちは!マスターブログ係のりかべーです(^^)

桜も舞い散る春休み。
4月からの新学年・入学にドキドキワクワクの時期ですね。
なにかと準備で忙しい時期ですが、実は新学期始まる直前の今が他の子に追いつく・差をつけるチャンスですよ。
みんなががんばりはじめるその前に、春一番にスタートダッシュしましょう!

先日、3月25日、26日に毎年大好評のマスター春期特別講習会を実施してきました★
春は日帰りの2日間。新2年生、新3年生のみんなが集まって朝から晩までボリューム満点!
前学年の復習から新学年の先取りまで、みんなが苦手にしやすいポイントを中心に勉強してきました(^^)

まずはそんなみんな様子をブログで先行レポートしていきます!
写真&動画のレポートも4月に公開していきますのでお楽しみに★

1.ガイダンス・チャレンジテスト

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マスターの講習会はいつもチャレンジテストからはじまります。このテストで自分の弱点を再確認。先生たちもこのテストの結果をもとに、今後の指導にいかしていきます。

2.全体授業

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授業では前学年の復習と新学年の先取りを、マスター自慢の講師陣たちがみんなが苦手にしやすいポイントを中心に教えていきました。

3.個人授業

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授業を教えている講師の他に、数人のサポート講師が授業を巡回しており、手の止まっている子や質問のある子の元にすぐに助けにかけつけます。
授業でわからないことをわからないままにしない、二重のサポートがマスター講習会の魅力です。

4.ランチタイム

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授業で頑張った後はおいしいごはんでリフレッシュ!合宿の新しいお友達と仲良くなれる場でもあります。マスターの講師陣たちが会話を盛り上げるのでひとりで来た子も安心です。

5.修了テスト

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講習会の最後は修了テストで頑張った成果を試します。苦手だったところをしっかり自分のものにできたのか。鉛筆の走る音からもみんなの緊張が伝わりました。

6.解散式

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解散式では参加したみんなに修了証を、特に頑張った生徒には敢闘賞・優秀賞がおくられました。

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長いようで短かった2日間、本当にみんなよく頑張ったね!!
みんなの笑顔がスタッフ一同頑張る原動力です。
これからはじまる新しい学年、学校でもこの調子で頑張るんだよ(^^)
また次の講習会で会いましょう!

【第11回】春のお出かけで、子どもの「教科書アレルギー」を撃退!?

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第11回 春のお出かけで、子どもの「教科書アレルギー」を撃退!?

もうすっかり桜の季節ですね。
新学年になると、どっさり受け取る教科書の山――。皆さんは子どものころ、どんな想いで受け取られたでしょうか? ヤスコには、勉強ができる子とできない子の気持ち、両方わかりますよ。なぜなら、中学までは学年トップの優等生、高校では学年ワースト3というプロ級の(!?)落ちこぼれだったからです。

勉強が「できる子」と「苦手な子」の気持ちは、まさに180度違います。優等生時代に教科書が支給されたときは、「うれしい!」とその日のうちに1冊すべて読了していましたが、おバカ女子高生時代になると「開くのもウザい、マジで捨てたい……」という気持ちしかありませんでした(笑) まさに教科書アレルギーです。

でも、今になって思うんです。教科書の中に、「これ、知ってる!」と親しみを感じるものが点在していれば、もうちょっと違ったんじゃないかと。例えば数学なら「この原理は、実は3Dアニメの仕組みに利用されている」など、本人の「ワクワクの窓」とつながっていれば、少なくとも“わかりたいと思う気持ち”だけは持ち続けられたのではないでしょうか?

じゃあ、どうすればよいのでしょう? 教科書を身近なものに感じてもらう仕掛け、ちょっと考えてみましたよ。これはある意味、親だからこそ渡してあげられる子どもたちへのギフトかもしません。

■教科書の単元にピッタリな“お出かけスポット”へGO

ヤスコが提案したいのは、「教科書の単元にピッタリの“お出かけスポット”に行ってみる」ということです。次の学年の教科書をリサーチして、授業に関連する博物館やスポットに子どもと出かけてみてはいかがでしょうか? 春のレジャーも兼ねられますよ。

例えば、小5で「電流」を習うなら、電気を自分で作る体験コーナーやサイエンスショーもある「東芝未来科学館」(神奈川県川崎市)が面白そうです。ショッピングモール「ラゾーナ川崎」に併設されているので、家族の用事も済ませられて一石二鳥! 
中学生にも向いていそうなのが、お台場にある「RiSuPia(リスーピア)」。なんと遊びながらにして「理数の原理・法則」がわかるという夢のような科学館だとか。素数以外の数字を打ち返していくという対戦型の「素数ホッケー」なんて、ヤスコもやってみたい! しかもパナソニックセンター東京の中にあるので、最新の家電やカメラなどの体験もできます。

科学館には、身体をつかう体感型のものが多いので、「勉強」への抵抗がなく入っていけそうですね。

■国語なら「キャラ立ち文豪」を発掘!

また国語なら、作家のキャラクターが感じられる資料館など実際に訪れてみるのもおススメです。くだけて言えば「キャラ立ちしている芸人」を探す感覚ですかね。

例えば、学校図書という出版社の教科書(中1)には、森鴎外の『木精(こだま)』という短編小説が出てきます。これは、フランツという少年が成長してしまったことで、幼いころは聞こえていた木精(こだま)が聞こえなくなってしまう……という、ちょっと寂しいお話。ジブリの名作『魔女の宅急便』で、相棒の猫・ジジの言葉がわからなくなってしまった魔女見習い少女・キキのように、オトナになることのほろ苦さを描いた作品なんですね。

そんな作品を生み出した森鴎外の記念館も、東京都の文京区に。鴎外の文体からは「お堅い人」のイメージがありますが、館蔵品をのぞいてみると……。鴎外さんがお皿に描いたフクロウの絵がけっこうかわいい! 表参道のカフェに置いてあってもおかしくないレベル。イラストのセンスもあったんですね。なのに、自分が亡くなったときにはデスマスクもつくっていたりして、意外性の連続。鴎外さんって、意外とキャラが濃かったのかもしれません。

これはなかなか楽しい作業ですな。現在、何か趣味がほしいという方は、いっそのこと子どもたちの教科書をネタにして、一緒に学びなおすのもアリですよ。教科書ってまさに「世の中のモト」なので、雑談のネタにも使えます。初対面の方やお得意先との会話で場もほぐれますし、「オトナとしての品格」もアップするかも!

次の学年で使う教科書の単元は、インターネットでも調べられます。とは言え、忙しい毎日の中で教科書をひとつひとつ調べるのは大変ですよね。そんなときは――、はい! 我が家の家庭教師Sくんの出番です。Sくんならきっと、何かいいヒントをくれるはず。実は最近彼女ができたみたいで、近場のお出かけスポットを片っぱしから散策しているみたいなんですよ。はぁ~、若者にも春が来た……かぁ。
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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
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【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?
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【第10回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(後編)
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【第10回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(後編)

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第10回 学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(後編)

みなさん、こんにちは!
今回は記念すべき10回目のコラム。せっかくなので「10」にちなんだ四字熟語を調べてみたら、驚くほどたくさんあるんですね! 中でも、「十全十美(じゅうぜんじゅうび)」という言葉は、「不十分な部分がなく、完全である」という意味だそうで、つい叶姉妹のような美のサイボーグを思い浮かべてしまいました。「十全十美!」なんて叫びながら、特注のジムでトレーニングしていたりして……。

四字熟語で妄想しちゃうなんて、やっぱり春が近づいているせい? みなさんはいかがお過ごしですか?

さて、気を取り直して――

先月に公開された「学習指導要綱改定案」のお話、後編です。おさらいをすると、東京オリンピック開催の2020年を皮切りにアップデートされる学校の教育方針のことでしたね。2月15日付の新聞には、小中学校ともに教科ごとの変更点が具体的に示されています。「でも細かい変更点なんて、実際に変わったときに見ればいいでしょ?」と思うかもしれませんが、それはもったいない!

実はコレ、「自分の子ども時代」と比べてみるだけでも結構面白いんですよ。だって……

■「聖徳太子」が日本史の舞台から消え去る!

なんてことが書かれているんですから。「お札に描かれる人」の常連でもあり、日本初の法律をつくったとされる歴史的スーパースターが教科書からいなくなるなんて!? いったい何があったのでしょう。まさか1400年の時を経て、不祥事発覚とか??

いえいえ、もちろん違います。

正確には、教科書から「聖徳太子」という呼び名がなくなる、ということです。説明によると、彼の本名は「厩戸王(うまやどのおう)」で、聖徳太子という称号は亡くなってから付けられたのだそう。ただし、今までの伝記やマンガなど、子どもたちがふれる書籍には古い呼び名が残っているので、しばらくは混乱を避けるために教科書では「厩戸王(聖徳太子)」または「聖徳太子(厩戸王)」と表記されるとか。

すぐに消えてしまうわけではないのですね。

でも、近い将来、複数の人から話しかけられたときに「聖徳太子じゃあるまいし!」というツッコミは通じなくなるかもしれないですね。「うまやどのおうじじゃあるまいし……」って、なんだか語呂が悪くて間違いなく噛みますね(笑)

同じ社会のカテゴリでは、「鎖国」という言葉もなくなります。江戸時代に外国との貿易や交通を絶っていたという意味で使われる「鎖国」ですが、同じ時代、長崎ではオランダや中国との交易がありました。また、松前(北海道)や薩摩(鹿児島)でも貿易が行われていたので、完全に閉ざしていたわけではなかったんですね。ゆえに「鎖国」ではない、という判断となりました。今風に言えば「グレーゾーン鎖国」「ゆる鎖国」という感じでしょうか。

領土問題や戦争の責任問題もそうですが、歴史の認識は、教科書を使う世代によって刻々と変わっていくのだなぁと感じずにはいられませんでした。「今、あの話って学校でどう教わっているの?」と子どもに聞いてみるのもたまには必要かもしれませんね。

■家庭科は「出汁」をフィーチャー、理科では「災害対策」も追加

ふと、家庭科の欄を見ると、小中学校ともに「(和食の基本としての)出汁を教える」との記載が。なぜわざわざ特記してあるのだろうーーと思ったら、そう! 2013年の12月、日本人の伝統的な食文化として「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されていましたね。

ユネスコ登録を知らせる農林水産省のホームページを引用すると <一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。>とのこと。

最近では食生活も便利になり、自分で出汁をとる家庭が減っています。これを機に、和食の文化を再び定着させたいということなんでしょうね。ヤスコも賛成! ぜひ丁寧に授業をしてほしいものです。もちろん家でも楽しく復習して、ついでにパパにも教えてあげてほしいぐらいです。(私が教えるとケンカが勃発しかねませんが、娘が教えるなら絶対おとなしく従うはず!)

理科では、小中学校ともに自然災害の基礎を充実させています。小4では、雨水が低い場所に流れることに関連させて自然災害にふれたり、中1では津波発生の仕組み、身近な地形や地層など。どれもいざというときに身を守ってくれる大切な知識ですね。

このほかも、中学の美術では知的財産権や肖像権、国語では電子メールについても扱っていて、「えー、やっぱりイマはこんなことも習うのね」ということばかり。ジェネレーションギャップという点でも面白いので、是非2月15日付の新聞をチェックしてみてください。新聞を取っていないお宅でも、図書館なら無料でバックナンバーが見られますよ!
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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?
【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)
【第10回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(後編)
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【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)

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第9回 学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)

みなさん、こんにちは!
寒い日は、首にタオルを巻いて寝ている完全武装派のヤスコです。

2月15日の朝のこと。ポストから新聞をとってきて、つい「おお!」と叫んでしまいました。

ついに公表されたんですね、今後の学校指導のベースとなる「学習指導要綱改定案」の詳細が。かなり具体的な内容が3面にわたってドドーンと紹介されていましたよ。ふむふむ……思わずパジャマ姿のまま、家にも入らず読み込んでしまいました。(へっくしょい!)

で、ヤスコの率直な感想としては――、

「こりゃ先生は大変だ」という同情に似た気持ちと、「学習内容がより“今っぽく”アップデートされていて面白い」というワクワク感がごちゃ混ぜになりました。いずれにしても、子どもたちのこれからを考える上で、知っておきたいことばかりです。

見逃した!という方のために、トピックスをお伝えしますね。

■授業時間が足りない! 先生たち「苦悩のやりくり」

小学校英語が正式な教科になるということは、前にもお話ししましたね(過去記事はこちら)。そのため、小3~小6の授業が年に35コマ増えることになりました。週に換算すると1コマ増。

えーっと、ちょっと待って。じゃあ、増えた分の授業はいつ行うのかしら。休み時間を削る? それとも休日出勤……いや、休日通学??

そうなんです。まさに今、「時間の捻出問題」が現場の先生たちを苦しめているんだとか。だって、指導要綱改訂前の今でさえ、授業スケジュールはすでにパンク寸前なんですから。

愛媛新聞には、こんな事例が紹介されていました。岐阜県大垣市小野小学校では、先生は朝7時半に出勤し、生徒は8時には教室入り。そして8時15分からは、15分間のプチ授業を行っているそうです。ちなみに取材当日の内容は、ピザづくりを話題にした英会話のワーク。「15分授業を週3回やれば、1コマ分に換算できる」という苦肉の策ですが、「反復することで定着する英語には向いている」という肯定的な意見も。なんとか前向きに考えて、やりくりするしかないのが現状のようです。

■すでにみなさんの学校でも行われているかも……

このような「短時間学習」は、すでに75%もの小学校が実施しているということなので、皆さんもご存知かもしれませんね。運動会や修学旅行などの行事に使う時間を確保するために、夏休みの短縮や土曜授業を決行した学校も多いとか……。

もし、ヤスコが先生なら「これ以上どうすりゃいいんだ~!」と雄叫びを上げたくなりますが、全国の学校のボスである文部科学省ときたら「それは現場で工夫してください」と丸投げ状態なんだそう。省内では、「英語が増えた分、何かの授業を減らせばいいのでは」という折衷案も出たとのことですが、「ゆとり教育のようになって、学力が低下したらどうするんだ!」という不安の声にかき消されたとのことでした。ふうっ……。いつの世も、しわ寄せがくるのはやはり現場なのですね(泣)

まだ救いなのは、この「学習指導要綱改定案」がまだ決定ではないということ。先生たちが頭を抱えずにすむような緩和策が盛り込まれることを祈っています。

先生の健康は、学校の健康! 学校の健康は、子どもたちの健康!

なーんてことわざはありませんが、ヤスコ個人としては「100%を目指して誰かが破たんする」よりも、「85%ぐらいでみんなが笑顔」のほうが良いかなぁと思うんですよ。あ、そうそう、もちろん「親の健康は、我が子の健康」! 保護者のわたしたちも、がんばりすぎには気を付けなくては(笑)

まぁ懸念点もありますが、一方で面白いこともあります。各教科のアップデートっぷりは、今の時代を反映していて、小・中学校共に非常に興味深いラインナップです。例えば「国語で電子メールの授業」や「家庭科では出汁にクローズアップ」、他には――

おっと、その話はまた次回の後編で。どうぞお楽しみにー♪
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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?
【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)
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【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?

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第8回 みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?

みなさん、こんにちは!
今や「トランプ」と聞くと、カードゲームではなく、金髪の暴れん坊オジサンが目に浮かんでしまう、ヤスコです。

言わずと知れた、アメリカ大統領のことですね。世界中で反発のデモが起こったりして、大きな騒動を招いています。選挙中から相当な話題だったので、ヤスコはてっきり「アメリカ国民のほとんどが、投票に参加したのね」と思い込んでいたんですよ。ところが実際の投票率ときたら、6割にも満たない想定だそうで……。「投票になんか行かなくても、当然対立候補のヒラリーさんが当選するだろう」と踏んでいた人たちは、今ごろ後悔しているかもしれませんね。

でも考えてみれば、明日は我が身。アメリカだけの話ではありません。子どもの未来のためにも、選挙で意思表示をしておくのは大事! ということで、今回は神奈川県で見つけた面白い取り組みの紹介です。

■児童が頭を悩ませた「おいしい候補者」たち

神奈川県内の複数の小学校では、昨年末から今年1月にかけて、「給食のメニューを選挙で決める」という授業が行われました。各区の選挙管理委員会と明るい選挙推進協議会が主催となり、子どもたちに、選挙の仕組みについて体験を通じて理解してもらう目的で企画されたものです。

給食といえば、きっと子どもたちにとって一番の関心ごとですよね。具体的には、ある3つのメニューから児童たちが食べたいものを選んで投票、「当選」したメニューが実際に給食として提供されるそう。そして、おいしそうな「候補者」たちは、子どもたちの頭を悩ませるわけで――。

例えば、こんな顔ぶれ。
・サンマーメン、ミックスフライ、ハンバーグ(横浜市立森東小学校)
・キムチとたくあんを混ぜたキムタクごはん、ホイコーロー丼、ビビンパ(川崎市立上丸子小学校) 

サンマーメンが登場するあたりが、さすが発祥の地・横浜といったところ。キムタクごはんは通好みですね。現代っ子が持つ「食のストライクゾーン」の広さを感じます。

立候補者のチャーミングさに反して、実は選挙の流れはかなり本格的。投票箱や名前を書く記載台、票を数える計数機は実際の選挙で使用するものを導入しています。さらに、事前に教室などに貼られた「選挙公報」をもとに、候補者(食べ物の代理として、人間)がちゃんと演説を行ったんですって。

みなさんご存知の通り、実際の投票は短時間で簡単。結構あっけないものです。あの「簡単さ」を子どもたちが体感してくれたら、将来の投票率も上がるかもしれませんね。

■応援演説で、考える基礎体力が培われる

さて、ヤスコが特に感心したのは、「演説を子ども自身が行った」という学校です。自分が推薦するメニュー(おそらくホイコーロー)について、「ピーマン嫌いでも食べられる味付けです」など良さをアピールしたといいます。なんだか微笑ましい主張ではありますが、これってスゴイことですよ。だって漠然と「おいしそうだから」では「有権者」は動きません。食べたいメニューの魅力を論理的に考え、相手に響くように話すわけですから。

このような「考える力」や「コミュニケーションスキル」は、新しい物事を発見する力や人間関係にもつながるため、子どものうちから鍛えておくのに越したことはないはず。しかも、今回のように「楽しく」「勉強とは感じない」体験の中で培われればモアベターですよね。給食選挙は頻繁に行われるものではありませんが、何らかのキッカケになってくれるような気がします。

あ! でも「子どもの関心ごと」×「論理的説得」という組み合わせなら、外食先のセレクトやおやつ、さらにはレジャーの目的地でも実行可能かもしれませんね。兄弟(姉妹)対決や、たまには夫婦対決で子どもたちにジャッジしてもらったりして。ヤスコは今、静岡県の浜松に出かけて、高級ウナギをお腹いっぱい食べたいです。「財源はどうするのか」というご質問には……お答えしかねます(笑)
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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?
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