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【第35回】サクラの樹が必ず校庭に植えてある、その意外な理由とは?

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【第35回】サクラの樹が必ず校庭に植えてある、その意外な理由とは?

♪サク~ラ サク~ラ いーまー咲き誇るぅ~

みなさん、こんにちは。森山直太朗で……いや違った、ヤスコママです。
毎年この時期になると、校庭のサクラの樹を見かける度に「卒業式には咲きそうね」とか「入学式まで花が持つかしら」なんて、見知らぬ生徒さんのことを想いやる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

梅雨はアジサイ、秋はキクなど、日本古来の花は数あれど、サクラはやっぱり別格ですよね。ほらオトナには、花見の楽しみもありますし。今年の満開予想は、東京3月25日、横浜3月27日、熊谷・銚子3月29日、宇都宮4月1日ごろだそうですよ(株式会社ウェザーマップ発表/3月13日時点)

それにしても、ちょっと不思議に思いませんか? どうしてサクラは、必ずと言っていいほど、どこの学校にも植えられているのでしょう。調べてみると、そこにはちょっと切ない昔話がありました。

■「脱・江戸幕府」「富国強兵」に使われたソメイヨシノ

日本を代表するサクラと言えば「ソメイヨシノ」と思われがちですが、実はサクラ業界の古株は「ヤマザクラ」。ソメイヨシノは、江戸時代末期からの比較的新しい品種で、江戸染井村(現在の東京都豊島区)の植木屋さんが改良して売り出したものだそうです。

そのソメイヨシノが「日本の顔」となった影には、明治政府の存在があったとか。幕末の大立ち回りの末、新しい政権をとった明治政府は、徳川時代から続いてきた体制をことごとく排除しようとしました。サクラ業界でも体制の塗り替えが行われ、「新しい時代のサクラ」としてソメイヨシノが投入されたというわけですね。

そして、学校に植えられた理由。

有力な説としては、「戦争」があるそうです。

「富国強兵」のスローガンの下で産業や軍備の強化をはかった明治政府は、ソメイヨシノの「散り際の潔さ」を「死を恐れない軍人のあり方」に、「一斉に咲く様子」を「国民は一体である」というように、イメージを共有させるために活用したとか。いま風に言うと、プロパガンダというやつですね。未来の国力となる子どもたちの学び舎に、サクラを植えたというのもうなずけます。

ちなみに、クラスメイトの意味でも使われる「同期の桜」という言葉も、特攻隊員の間で流行した軍歌から広まりました。

…とまぁ、こんな経緯はありますが、モノは考え様。現代っ子のわれわれとしては、学校のサクラを「逆プロパガンダ」にすることもできるわけですね。つまり、校庭のサクラを見る度に「自分の子どもたちが戦争を知らずにすむような、世の中を残していこう」なんて思えたら、それでいいんじゃないかと。

だからこの話、子どもたちにも教えてあげたいなぁ。学校の先生や家庭教師の先生が、教えてあげてもいい。春が来る度にみんなが少しでもこのことを思い出せば、戦争なんて起きないかもしれませんね。

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