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【第43回】多すぎても少なすぎても困る!? 海外の夏休み宿題事情

【第43回】多すぎても少なすぎても困る!? 海外の夏休み宿題事情

みなさん、ついに夏休みがやってきましたね。大人の夏休み――なら熱烈大歓迎なのですがそこは当然子どもたちの夏休み。あー、また「妖怪宿題やりなさいババぁ」にならなきゃならないのかと思うと憂鬱です。怒りはアンチエイジングの敵なのよ。皺がついちゃう眉間やほうれい線もケアしなきゃ、そうだ美容液をバージョンアップしよう……となったら結局家計を圧迫するのよ!!

なーんて、八つ当たりでスッキリしたところで、今日は「海外の夏休み宿題事情」をのぞいてみようと思います。果たして日本より多いのか、少ないのか。そこにお国柄は現れるのか?? 

■宿題のないタイやインドネシア、エジプトは3カ月も遊び通す

実は驚くことに、世界的には「夏休みの宿題がない国」がいくつもあるのです。

共同通信ニュースの『はてなニュース』によると、東南アジアのタイもその一つ。1年でもっとも暑い3~5月ごとに約2カ月の長いお休みがあるのですが、休暇後に進級があるので一般的に小中学校の宿題はないそうです。なるほどクラス替えがあったら、宿題を出した先生と評価する先生がバラバラになってしまいますもんね。

また、インドネシアは、雨季と乾季にはさまれて「夏」がないため夏休みもなく、したがって夏休みの宿題もないそうです。

宿題がなくてうらやましいと思っていたら、逆に困っているのがエジプト。
6月初旬からの約3カ月が夏休みで、基本的にその間の宿題はないそうなのですが、さすがに長すぎてヒマを持て余してしまう子どももいるとか。

カイロ近郊で暮らす小学2年のユスフ・モハメッド君(8)は、午前中は小学生も預かる保育園に行き、午後は自宅でマンガを読んだりしていますが「3カ月もただ遊んで過ごすなんてうんざり。少しぐらい宿題があってもいいのに」と嘆いています。(共同通信ニュース『はてなニュース』より引用)

宿題の分量については、やるべきタスク=宿題がなさすぎるのも考えものなんですね。長期休暇中の宿題には「学習の習慣を忘れないようにする」側面もあるので、次の学期のためにもある程度の量はあったほうがよいのかもしれません。

じゃあ、肝心の「内容」についてはどうなっているの?と調べていたら、イタリアで実際にあったすてきな宿題に遭遇しました。こんな宿題ならウチの子にも率先してやらせたい!

■イタリア人の先生が出した『夏休みにやるべき15のコト』が話題に

3年ほど前、イタリア北東部の小さな町フェルモにある高校の教師、チェーザレ・カタさんが出した宿題リストが、すばらしいと口コミで話題になりました。イタリア語ならきっと「ブラボー!」でしょうね。

ハフポストの取材によると、たとえば…

1.ときどき、朝ひとりきりで海辺に散歩にでかけること。
日の光が水面に反射する様子を眺めて、自分が人生で最も愛する物事について考えよう。幸せになるんだ。

3.できる限り多くの本を読むこと。
でも、読まなければならないからではないよ。夏は、冒険心や夢を駆り立ててくれるから読むんだ。本を開けば、君たちは空中を飛ぶツバメのような気分になるだろう。読書は、“もっと素晴らしい反抗の手段”だ。どの本を読むべきかアドバイスが欲しければ、私のところに来るように。

6.踊ろう、恥かしがらずに。
近所のダンスフロアでも、自分の部屋でひとり踊ってもいい。夏はダンスだ。踊らないなんてばかげている。

なんてキラキラしているんでしょう。思い起こせば、思春期の「夏」ってちょっと特別。部活や友だち、進路の決断……いろいろなことで弾んだり揺れたりしていました。そんな子どもたちが「自分らしさ」や「自分の本当の気持ち」を考えるきっかけになりそうです。

カタ先生が指導者としてお手本にしているのは、アメリカの人気俳優だったロビン・ウイリアムズさんが映画『いまを生きる』で演じた先生だそう。全寮制の名門進学校にやってきた破天荒な英語教師が生徒の心を開いていく作品で、第62回アカデミー賞脚本賞も受賞した名作です。

と、まぁ世界の宿題を旅してきましたが、それぞれの国の子どもたちがそれぞれのやり方で「夏」と向き合っているんですね。その親御さんたちにも色々な想いがあるはず――なんてことを想像して、「妖怪宿題やりなさいババぁ」になりそうな皆さま、一緒にがんばりましょう! 目指せ皺のない夏休み!

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模試案内

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【第42回】どっぷり笑えて、生きる知恵まで身に付く「新作落語」3選

【第42回】どっぷり笑えて、生きる知恵まで身に付く「新作落語」3選

みなさん、こんにちは! 最近すっかり落語にハマってしまい、気を抜くと「私は」のつもりが「あっしは」と口走っているヤスコです。

先日7月2日、日本のエンタメ界に大きなニュースが駆け巡りました。テレビ番組「笑点」の名司会者だった桂歌丸さんの永眠。御年81歳でした。

シニカルな時事ネタで笑いをとる一方で、笑点のメンバーからは、「ミイラ」「骸骨」などと散々いじり倒されてきた歌丸師匠でしたが、50年間も同番組のレギュラーとして活躍した師匠のすごいところは、さまざまな病気と闘って2016年に同番組を“勇退”したその後にありました。鼻に酸素チューブを通しながら高座(舞台)で客席をわかせるようすは、まさに「芸人魂」。エンタテイメント界のトップランナーとしての情熱や気迫にあふれていました。その話芸はまさに国宝級。子どもからオトナまで笑わせてしまう力があります。

ところで、みなさんはふだん落語を聞きますか?

「落語なんて昔の話でしょ」と食わず嫌いだとしたら、もったいない! 実は落語には、江戸~明治時代にできた「古典落語」とは別に、現代の生活をネタにした「新作落語」というジャンルもあるんです。主人公には、スマホ中毒の大学生、初恋の相手を忘れられないおじいさん、動物園の動物まで、思わず応援したくなるような魅力的な人物がたくさん登場します。そう、まるでコントや漫才を楽しむ感覚で、聞くことができるのです。

気軽につまめるエンタメながら、国宝級の話芸や、学校では教えてくれない「生きる知恵」がぎっしり。図書館などでもCDやDVDが無料で借りられるので「テレビを見ながら食事」「スマホをいじりながら暇つぶし」の代わりに、一度聞いてみませんか?

でも、何から聞けばいいの?というあなたへ。

今日はヤスコが実際に聞いた作品の中から、子どもと大人が一緒に笑えるオススメ落語を「新作」「古典」まじえて3作紹介しますね。

1.財政難の動物園を救え!「任侠流山動物園」

ライオンやトラのような人気動物がいないせいで、客足が遠のき経営難におちいった架空の動物園が舞台。「このままでは自分たちもクビになってしまう!」と危惧した当の動物たちが「とある計画」を実行するために一致団結します。

園長がブタの豚次に「県からの補助金が打ち切られて財政難」とこぼすシーンなど、オトナにとってリアルな要素もありつつ、子どもにとっては、ニワトリのチャボ子や豚次の元兄貴分・虎夫の「なりきり演技」がツボにはまるはず!

“任侠”というタイトル通り、動物同士のコミュニケーションから「他人に何かを頼むときの礼儀」や「協力し合ってピンチを乗り越える姿勢」など、学べるところも多そうです。(ストーリーはちょっと大げさですけどね:笑)

2.ケチな節約生活、ここに極まれり!「始末の極意」

「せこい!」としか言いようのない生活の知恵(悪知恵!?)も、ここまでくると職人技かもしれない。そんな自他ともに認める「ケチ」な大家さんが登場します。

たとえば、隣から流れてくるウナギ屋の「匂い」をおかずにご飯を食べていたら、ウナギ屋から「匂いの分だけ代金を払え」と要求される。そこで「びた一文払いたくない」大家さんがとった行動は……?

タダで青菜を手に入れる方法、扇子を孫の代までもたせる方法など、思わず苦笑いしてしまいそうな「せこ技」のオンパレードですが、そのちゃっかりした賢さは「サザエさんのカツオくん」に通じる憎めなさがあります。

大家さんのアイデアは決して褒められたものではありませんが、ビジネスや暮らしの工夫とはこういう「とんち」から生まれるのかもしれませんね。

3.今度の習い事は、あくび?「あくび指南」

こちらは、『おやこ寄席』(小学館)というCDブックで、小学校低学年からでも楽しめそうな音源も収録されています(「あくびのおけいこ」)。

習い事といえば、ピアノや水泳などを思い浮かべるかもしれませんが、主人公の友人・熊さんがこれから習いに行くのは、眠いときに出るあの「あくび」。なんだか胡散臭いお師匠さん曰く、あくびには「いいあくび」と「悪いあくび(駄あくび)」があるとのこと。かくして熊さんは、「夏の船でするあくび」「ぬるくて退屈なお風呂で出るあくび」などの稽古を一生懸命つけてもらうのですが、当然うまくいくはずもなく――。

師匠と熊さんのまぬけなやり取りが笑いを誘います。しかし、そんなダメな熊さんを、文句を言いつつもかたわらで見守る主人公との間には、おだやかな友情を感じたりして。

落語の魅力には、「失敗」を笑い飛ばせるおおらかさや、一般的によしとされない性格(短気、忘れっぽい、内気)の登場人物が活躍できる明るさにもあります。

落語は「オトナも子どもも楽しめるお笑い」であると同時に、生きる知恵がつまった「栄養ドリンク」なんです。1つの演目が、30分~1時間で終わることが多いので、ぜひおやつ感覚でつまみ食いしてみてくださいね。

慣れてきたという方には、冒頭で紹介した故・桂歌丸師匠の左甚五郎シリーズもおすすめですよ! 左甚五郎は、江戸時代のレジェンドとも言われた彫刻職人。今ごろは師匠と二人、天国で再会して、落語談議に花を咲かせていることでしょうね。

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