【第44回】「通信制サポート校」って、いったい何?
もはや「暑い」を通りこして、「熱い」夏。ボーっとしていたら、思わぬニュースにたたき起こされましたよ。
ホリエモンこと、実業家の堀江貴文さんが、なんと高校をつくったとか。校舎を持たない、その名も「ゼロ高等学院(通称・ゼロ高)」。7月26日にお披露目の会見が行われ、各メディアで一斉に報道されていました。
さてさて、学校の概要はどんなものかといいますと……
モット―は、「座学より行動」。
「自分のやりたいことは、行動によってしか見つからない」
という堀江さんの人生経験から、子どもたちに働き方の選択肢や未来へのチャンスを与えたいという気持ちが根っこにあるそうです。
それを実現するために、堀江さんは自身のネットワークを駆使して、各分野のプロたちから最先端の技術や知識を学べるようにしました。
たとえば、宇宙ロケットの開発や発射、すし職人の技術やお店の経営術、和牛の生産や販売、ファッションのプロやエンジニアなどです。その他、TOKIOが取り組んだ「ダッシュ村」のように、何もないところから村をつくる取り組みなどにも参加できると言います。
ただし、ここには仕掛けがありまして――。
実は、堀江さんの「ゼロ高」は、学校教育法上の高等学校でありません。だから、ゼロ高に入学するだけでは高卒資格はとれないのです。じゃあどうするの?というと、ゼロ校は通信制の高校と提携しています。生徒はゼロ高への入学と同時に、
通信制高校にも入学することで、高卒の資格がとれるという仕組みなんですね。
今までも、ゼロ高のようなスタイルの学校は存在しました。これらは通信制高校と区別して「通信制サポート校」や「サポート校」と呼ばれています。
自学自習が基本の通信制高校では、勉強に挫折してしまう生徒も多く、公立の通信制高校の中退率は4割を超えるともいわれています。そこで「サポート校」が、生徒の学習面や生活、メンタル面でのサポートを行っているというわけです。
サポート校のメリットは、「卒業に定められた単位がとりやすくなる」という点に加えて、「個人の興味にあわせて、ふつうの高校では取得できない技術や知識が学べる」という点にもあります。
たとえばサポート校には、前述のゼロ高のほかに、サッカーのFC琉球が運営する「FC琉球高等学校」や デザインスクールでおなじみのバンタングループが運営する「バンタン高等学院 ドローン&ロボティクス専攻」などがあります。調べてみると、個性豊かな学校がたくさんで面白いですよ。
一方、デメリットとしては、形式上は2つの学校に入学することになるので、より多くの学費が必要になることが挙げられます。
進路の選択肢が増えていくことで、子どもたちの「将来の自由度」も増しています。夏休みは、そんな将来について考える時間もたっぷりあるはず。親子で話し合ってみるのもいいかもしれませんね!
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