日別アーカイブ: 2018年2月7日

【第32回】ミセスやすこの「話題のトピックス“3分”つまみ食い」「なんでウチの子、こんなこともできないの!?」と思ったときに、知っておきたいこと

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【第32回】「なんでウチの子、こんなこともできないの!?」と思ったときに、知っておきたいこと

みなさん、こんにちは。やすこです。
今年の冬は、驚くほどの寒さ。でも気が付けば、道ばたの梅の木が、ふっくらとつぼみを膨らませていて――。もうすぐ春ですね。

ウチの子も、あの草木のように少しずつ成長しているのでしょうか。
今日は、お子さんの「不得意なこと」についてのお話しです。

■集中できない、忘れ物が多い、簡単な計算でつまづく原因は?

このコラムを読んでくださっている親御さんの中には、授業参観や家庭でお子さんを見ていて「なんでウチの子だけ、こんなに簡単なことができないのかしら」と悩まれている方もいらっしゃると思います。

たとえば、
・授業中や宿題の最中、イスにじっと座っていられない
・整理整頓が苦手で忘れ物が多い
・順番を待てない
・知的発達に遅れはないのに、簡単な計算問題でつまづく
・日常会話の意図が理解できない
など。

子どもの努力が足りない? わたしの教育がまちがっている?
いえ、どちらでもありません。
発達障害」といって、生まれつき脳の一部の機能に障害があるケースがあります。
これは心の病や病気とは違い、身体の「特性」です。
障害というと能力が劣っているように感じてしまいますが、決してそうではありません。あくまで特徴なので、活かし方さえ知れば、そこは「長所」や「魅力」に変身するのです。

では、主な発達障害のタイプについて、1つずつ見ていきましょう。

■歴史上の偉人にも多い「注意欠如・多動性障害(ADHD)」

細かい症状はたくさんありますが、大きく分類すると
●「多動」
じっとしていられない・周囲の状況を気にせずしゃべりすぎる・感情の起伏が激しい
●「不注意」
忘れ物やうっかりミスが多い・集中できず気が散りやすい・ボーっとして話しかけても聞いていないように見える
に分けられます。

一般的に、多動性は成長と共に軽くなる場合が多いそうですが、不注意は成人しても続くことがあるそうです。小学生には3~7%存在し、男子は女子より数倍多いとか。男子は成長するごとに症状が減りますが、女子の症状は年齢を重ねても変わらないという報告もあるそうです。

【長所になりうる点】
見方を変えれば、多動は「エネルギッシュで活動的」、飽きっぽいことは「新しいものを見つける才能がある」とも言えるでしょう。
ADHDの人は、頭の中に「フェラーリ」や「レーシングカー」を積んでいると例えられることがあります。一般の車(人)に比べてハンドルやブレーキが利きづらく細かい制御が苦手ですが、かわりに超高性能のエンジンを持っているので、走りやすいコースに出られれば、猪突猛進に突き進むことができるそうです。

偉人の中では、エジソンや坂本龍馬もADHDだったのではないかと言われています。

■好きな分野で才能が開花する「自閉症スペクトラム障害」

知的障害を伴わない程度の自閉症やアスペルガー症候群などが、ここに含まれます。

自閉症の場合は、
・他人と目線を合わせることができない
・周りに関心がないように見える(一方的に自分の話したいことだけ話す)
・相手の気持ちがわからない
と、対人関係に苦手意識を持つ場合や
・毎日決まった行動をとることに固執する
などがあげられます。

アスペルガー症候群の人も、以下のようにコミュニケーションが苦手です。
・言われたことをそのままの意味で受け取ってしまう。(「お風呂を見ておいて」と頼んだら、お湯があふれても止めずに見ているだけ、など)
視線や表情などから意味を読み取るのが苦手
・遠回しな表現ができないので、人を傷つけるような発言をしてしまう
・急な予定変更に対応できない

自閉症スペクトラム障害の人は、近年では約100人に1~2人いるとか。男性は女性の数倍多く、一家族に複数存在することもあるそうです。

【長所になりうる点】
基本的にマジメで、「自分が興味を持ったこと」に対しては類まれなる集中力を発揮します。一人で行動することも苦にならないので、「その道の専門家」になる人も多いそうです。

■目に見えないがんばり屋さん「学習障害(LD)」

知的な発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど、ある特定のことだけが特別に困難な状態を指します。

・文章を読んでいると、どこを読んでいるのかわからなくなる
・黒板やプリントの字が書き写せない、時間がかかる
・計算の繰り上げ、繰り下げができない
など。たとえば、「見た文字を発音するのが苦手」というケースなどは、脳の情報伝達機能がうまく繋がっていないことなどが考えられます。

小学校2~4年生ごろに成績が伸び悩んで、学習障害であることが発覚することも多いそうです。確かにこれでは、勉強に自信もなくしてしまいますね。学習障害の人は、全体の2~10%と予測されていて、読みの困難については、男性が女性より数倍多いとの報告があるそうです。

【長所になりうる点】
学習障害の子は、人知れず、日々苦手なことにチャレンジしている「がんばり屋さん」です。苦手な作業は、大人の手助けでラクになる場合もあります。文章を読むのが難しいときは、大きくコピーした教科書を指でなぞりながら読んだり、きれいに書くのが難しいときはマス目入りのノートに変えたり、計算問題をイラストにして理解してみたりーー。工夫次第で再び「学ぶことの楽しさ」が蘇ってくるかもしれません。

■身近な機関でも相談できる

もしかしてウチの子も……と思ったときは、地域に相談できる機関はたくさんあります。生活の中で改善できる点や治療のヒントももらえるはず。保健所や市町村の保健センター、発達障害者支援センターなどがあります。もちろん学校の先生やお子さんが関わっている教育機関でもかまいません。

本もたくさん出ています。たとえば、『15歳までに始めたい! 発達障害の子のライフスキル・トレーニング』(講談社/梅永雄二 監修)などには、保護者や周りの大人がサポートしやすい義務教育が終わるまでに、身につけたい生活スキルなどが盛りこまれています。

お子さんの「できない」や「苦手」なことに、可能性の芽が隠れているかもしれません。大きく育って花が開きますように!

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