日本と中国のカンニングから、
「将来有望な人材」について考えてみた
試験のあるところにカンニングあり。今年も、大学入試の共通テストで試験問題が流出したニュースがありましたね。
スマホで動画を撮影しSNSで答えを聞くなど、ヤスコの学生時代にはなかった手法です。もはや都市伝説化していますが、当時も歴史の年号を手首のウラに油性マジックで書いたり、シャーペンの筒に元素の周期表をくるくる巻いて忍ばせるなど涙ぐましい努力があったようです。
ちなみに平安時代までさかのぼると、貴族が持っている笏(しゃく)(アニメの「おじゃる丸」が胸元に持っている平たい木の板ですね)も、元はカンニングの道具だったとか。彼らの仕事は「儀式」。長くて複雑な儀式を間違わずに進めるために、式次第などをメモした紙を貼っていたと言われています。
不正行為自体はいけないことですが、、必死の工夫の中には、常に時代が反映されています。
同月29日の東洋経済オンラインでも、『中国の入試「カンニング」驚愕のハイテク化実態』という興味深い記事が上がっていました。中国では学校側の対策も徹底していて、デジタル通信機器でのカンニングを防ぐために、試験中はWi-Fiや電話回線が遮断されたり、金属探知機でのボディチェックやモニター監視は当たり前だとか。
カンニングする側も負けていません。スマホが全面普及する前の大学入試では、高校の先生たちが試験会場付近にあるホテルの屋上に無線アンテナを設置し、試験中の教え子たちとデータをやりとりするという手の込みよう。ちょっとした「ミッション・インポッシブル」状態です。
また、これはカンニングとは言い切れませんが、ヤスコも日本の学校での珍事件をウワサで聞いたことがあります。先生が「辞書でも何でも持ち込み可」と言った試験で、とある学生が持ち込んだのは――なんとドイツ人! 学生は何もせず、そのドイツ人に試験問題を解いてもらったとか。これは一休さんもビックリの頓智としか言いようがありません。
何度も言いますが、、平等な条件を前提とした試験において、不正行為はNGです。ただ、いったんそれを脇において考えたとき、巧妙なカンニングとは「ターゲットのシステムを熟知して」「その弱点を見極め」「今持つリソースを最大限に活用して」挑む行為。まさにビジネスそのものだなと思ったりするわけです。その能力をよい方向に活かせば、その人はとても優秀な人材だったりして。
だから通常の試験ではなく、いっそのこと「カンニングオリンピック」などの国際競技にして、互いの能力を競ってみてはいかがでしょう。もしくはそれを入試項目のひとつにしちゃうとか? あ、でもカンニング高校やカンニング大学に入れても、履歴書に書くのはちょっと嫌ですね(笑) みなさん、試験勉強は日々コツコツ行いましょう!
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