SDGsや目的意識も育む、
全国初「ユニクロ制服」が問う学生服のこれから
みなさん、こんにちは! 最近、娘のオシャレ相談にも乗っているヤスコです。
4月といえば、新しい制服を着た子どもたちの姿を見かけることも多いですよね。
先月9日の東京新聞では、さいたま市立大宮北高校が、全国で初めてユニクロの既製服を制服に採用したことで話題になりました。きっかけは、スカート登校を苦痛に感じた女子生徒からパンツ(ズボン)を履きたいとの要望が上がったこと。NHK首都圏ナビのWebリポートによると、女子用スラックスの制作を数社に見積ったところ、どこも1万円を超えていたとか。
毎日履くスラックスで1万円――、なかなかの高額ですよね。私立だとセットで10万円以上することもありますからね。
なぜ学校の制服はそんなに高いのか?
それには学生服ならではの、事情があるようです。
まずは、3年間着続けることへの耐久性。
学生服の大手4大メーカーの1社である老舗「カンコー」のサイトにも、さまざまな工夫が載っていました。ブレザーでも挙手がしやすいように、ストレッチ素材の採用、背中の圧力の軽減、運動部の子も毎日着られるように、消臭・防臭、吸汗速乾機能などなど。
このあたりは、何着も着回しをする社会人のスーツやオシャレ着と違うところ。
ただ、動く動かないや、きれいに着られるかどうかは個人差があるため、そこまでの耐久性が必要ない子もいることは確かです。
また、制服は学校ごとにオーダーメイドなことが多いので、小ロットでの生産はどうしても単価が高くなりがちです。このあたりは独自性とのジレンマと言えるでしょう。
では、大宮北高校の場合は、何を重視したのか?
前出の首都圏ナビによると、同校が目指した制服のコンセプトは、「生徒も考える、安価でシンプル、スマートで機能的」だったそう。生徒の考える機能性やデザインを考慮した上で、このコンセプトを叶えることができたのが、ユニクロの製品だったとか。
ジャケットとパンツ、シャツなどの基本的セットを1万5千円以内でそろえることができる上に、種類も豊富で、近所の店舗やネットで手軽に購入できる点も採用の理由だったようです。
生徒からの実際の評価は、どうなのでしょう?
高校受験ナビの掲示板を見ると、在校生や新入生からは「女子高生っぽい」「かわいい」という理由で、どうやら前デザインのボックスプリーツスカートも人気なようです。一方新しい制服は、プリーツなしの手入れがしやすい製品。このあたりも生徒個人の好みがわかれるところですね。
これはヤスコ個人の感想ですが、ユニクロの製品ってスタンダードなデザインのものは、軽くて丈夫、身体にもフィットしてとても優秀なんですよ。古着屋さんで試着して「このデニムジャケットいい! お高いブランドかしら?」とタグを見ると、ユニクロだったりします。
経営方針としても、ユニクロは(規模の割には)品物のバリエーションを極端に絞り、大量生産する「少品種大量ロット型」という形式をとっています。そのおかげで、1着あたりの製造コストを大幅に下げ、高品質な製品が低価格で提供できるというわけですね。
ただ高品質で安ければよいというわけではなく、その裏には海外で安い賃金で雇われている労働者問題が隠れていることもあります。今後は、ユニクロに限らず、安価な服飾メーカーの既製品を採用する学校も出てくるでしょう。制服選びのプロセスに関してSDGsの観点から生徒と一緒に考えていくのも、貴重な教育の機会になるのかもしれません。
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