「ウチの子が少しでも勉強してくれたら……」
「せめて学校の授業についていけるようにしてあげたい」
親としてそんな願いはあるけど、実際問題、直接サポートできることって多くなかったりしますよね。ムリヤリ机に向かわせてもヤル気が出ないでしょうし、中学生の単元ともなると親では教えられないことも増えてきます。頭にいい食材を食卓に出す……のもよいのですが、なんだかちょっと遠回り。
うーん、もどかしい。もう少し即効性のある手助けはできないものか??
そんなとき試してみてほしいのが、「トイレ学習」です。
方法はいたって簡単、トイレの壁にポスターを貼るだけ!
貼る内容は、漢字でも九九でも世界地図でも地層の断面図でも、お子さんがつまずいていそうだなと感じるテーマなら何でもOKです。理由はあとからお話しますが、このとき「貼ったから見なさいね」などお子さんへの強制は一切しなくてOK。ただ勝手に貼るだけで効果は期待できるのです。
「あ、見たことがある!」が増える
実は、トイレという空間には学習に必要な要素がそろっていて、
- 一日に何度も入る(習慣化・反復学習)
- 一人で手ぶらで入る(誘惑がない)
- 目や頭はヒマである(壁にあるものをつい見てしまう)
と、短時間で集中できるというメリットがあります。これを活かさない手はありません。
たとえば幼稚園児に漢字のポスターを見せた場合、その漢字をすぐに覚えることはなくても絵本などで「あ、この文字見たことがある!」とうれしくなって、学習意欲が上がったとか。
小さなお子さんだけでなく勉強の苦手なお子さんにとっては、まずは「覚える」ことよりも「見慣れる」ことのほうが大切なのです。面積の出し方なども、よくある図式を見慣れることで教科書を見たときのアウェイ感が減り、抵抗の低い「ホーム」へと近づいていきます。
大人でも楽しめるものや自作ポスターも
ただし色々な実践レポートを見ていると、いくつかの注意点があるようです。
たとえば、
- ポスターが風景とならないように、定期的に別の内容に貼り替える
- 勉強という雰囲気を出さない
などです。たしかにトイレに入ってまで勉強……と思うと、うんざりしますよね(笑)なので、「しれっとポスターを貼るけど、子どもとの会話には一切出さない」という人もいます。そのほうがお子さんも勉強をしているという気構えがなくポスターを見られるようです。
無意識のうちに勉強に誘導するという、ささやかなサブリミナル戦略。これは取り入れたいです。
ちなみに昨今は博物館ブームということもあり、楽しくてためになるポスターが数多く出ています。宇宙の太陽系をまとめたポスターなどはインテリアにも◎。
またトイレの応用編としてお風呂の防水ポスターなども売られているのですが、中には「中1理科 14枚一式セット」など、単元ごとのポイントがまとめられたものも。化石と地層が年代ごとにわかるシートもあり、大人が見ても楽しめそうです。
つまずく子が多い「分数」を円の分割で示したイメージ図などは、本当に役立ちそう!絵の得意な人は、お子さんのためにかわいくて楽しいポスターを作ってもいいかもしれませんね。ぜひご家庭でも楽しみながら試してみてください。
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