第25回 10年後の人気職業は「ロボット・アドバイザー」や「輸送のアイデアマン」!? 人工知能・AIがもたらす仕事革命
♪オール ユー ニード イ~ズ ラブ!
オール ユー ニード イ~ズ ラブ!
おっと、突然失礼しました。ついビートルズの名曲を口ずさんでしまったヤスコです。
今やアイといえば、「愛」より「AI(エーアイ)」が注目される時代。みなさんご存知、人工知能のことですね。
AIの進化はとどまることを知りません。「韓国の軍隊が、北朝鮮のデータを入力した『AI参謀』の開発をはじめた」とか、「オリンパスが、医療のAI診断技術や手術ロボットの開発を進めている」など、国や企業が競って研究を進めています。
また、すでにわたしたちの暮らしで実現しているものもありますよね。自動車では、高速道路などでアクセルやブレーキを自動制御してくれるようになりました(まぁ、新型のものに限りますが)。スマートフォンでは、「OK,Google」と声をかけるだけで音楽や電話がかけられたり、天気を教えてくれるようになったり――。あっ、ヒト型ロボットのペッパー君も店頭や役所の案内人としてガンバっています。この間、電気屋さんでお話ししたけど、何回同じことを聞いても怒らないし、とっても親切でしたよ(笑)
人工知能=AIは、もはや庶民にとっても「秘書」や「パートナー」のような存在になりつつあります。
この早さで進むと、「近い将来、ほとんど仕事がコンピューターに奪われてしまうのでは!?」なんて、失業問題を危惧する人がいるのも事実。ウチの子たちが大人になるころには、職業はどう変わっているのでしょう?
■10年後の新職種「ロボット・アドバイザー」「輸送アナリスト」
金沢工業大学虎ノ門大学院 MBAディレクター・教授の三谷宏治さんは、10年後に消滅する職種として、「経理や会計のように、ルールがはっきりしている仕事」だと述べています。(10月5日付「プレジデントオンライン」)
コンピューターVSプロ棋士の将棋対決で、コンピューターが勝った例をあげて、「どんなに複雑なルールでも、それが明確ならコンピューターは学習して人間を超える」と分析します。確かにコンビニなどのマニュアル化された仕事は、機械でもこなせそうですよね。一部では、「過去の判例が重要視される弁護士も、一部はAIが務められるのでは」という意見もあることですし。
では、逆に「新しく生まれる職業」とは、どんなものでしょう?
テクノロジーの最先端を教えてくれる雑誌『WIRED』のサイトでは、2015年に興味深い記事がありました(文:DANIELA MANGINI 翻訳:TAKESHI OTOSHI)。今後需要が高まる職業として、「ロボット・アドバイザー」「輸送アナリスト」などがあるそうです。何それ――? ちょっと抽象的な内容だったのですが、ヤスコが読んでみて理解したことをお伝えしますね。
「ロボット・アドバイザー」とは、家庭などにおけるロボットの導入方法や使い方について、個別にアドバイスができる人。今、近い職業で言うと、家電コンシェルジュやフィナンシャルプランナーに近いかもしれませんね。
例えば、お年寄りや障がいを持った人の介護に、ロボットを取り入れるケースは増えていくと思われます。そんなとき、生活スタイルや障がいにあったロボットを一緒に選んでくれるプロがいると心強いですよね。「ぬくもり」のない機械に介護される(または介護させる)ことについて、戸惑う家族も多いと思います。メンタル面のケアができるのは、やはり人間だからこそですよね。そのうち、専門学校などには「ロボット・アドバイザー養成コース」なども新設されたりして!?
「輸送アナリスト」は、車の自動運転やドローンによる空中配達が主流となったときに活躍する職業のようです。不測の事態に対応してきた「人間の運転手」が減ることで、それに一括して対応できる人が必要になってきます。流通の効率化に注目が集まる今後は、「サービスの向上」についても新しいアイデアを出せる人材がひっぱりだこになるでしょう。どんなにテクノロジーが発展しても、「ひらめき」はやっぱり人間の領域なんですよね。
■営業マンやスポーツ選手は不滅!? 価値の高まる既存の職種たち
実はヤスコの夫は、元・広告営業マン。全国的なメーカーなどから億単位の仕事をとってきたり、転職後もチェーンの店舗開発などに関わってきました。いわゆる「ヤリ手」だったんですね。
で、その夫が声を大にして主張するのは、「世の中どんなに機械化しても、営業マンだけは永久に不滅」ということでした。どんなシステムでも、最終的に「責任」をとるのは人間。当然「決裁者」も人間である。そして、人間のココロを動かすのは、人間しかいない。営業マンは、そのココロを動かすため職業なのだ――。
なるほど! 確かに!! ヤスコ、夫に惚れ直してしまいました(笑)
思えば、スポーツ選手や歌手などにも同じことが言えるかも。ウサイン・ボルト選手が100mを9秒台で走って賞賛されるのは、人間だから。その身体の才能と、努力がわたしたちの胸を打つんです。歌だって、歌い手の喜怒哀楽がにじみ出るからこその味わいがあります。
「ロボットオリンピック」「AIシンガーソングライター」が主流となる未来があれば、生身のプロは希少価値として、いっそう持てはやされるかもしれませんね。
今月のニュースは、選挙の報道がトップを占めています。政治家のみなさんは、どちらの職業になるのでしょうか。「AIでいいや」と淘汰されるのか、「やはり人間でなくては」と見直されるのか――?
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