やすこのコラム」カテゴリーアーカイブ

【第12回】新学期、オトナの本棚に「あえて」置きたい一冊

yasuko_top

第12回 新学期、オトナの本棚に「あえて」置きたい一冊

突然ですが、みなさんは子どものころ「親の本棚」ってすごく気になりませんでしたか?

ヤスコは中学生になると、親がいないときを見計らってリビングの本棚をこっそり漁っていました。衝撃を受けたのは、『課長 島耕作』でおなじみ、弘兼憲史先生が作画したマンガ『人間交差点』。任侠&夜の世界のストーリーが中心で、十代前半の女子にはかなり“オトナ”な内容でした(笑) 他にも、『漢方で〇〇が治る!』とか『〇〇氏おすすめのハードボイルド映画』など、読むことはありませんでしたが背表紙だけは記憶にあります。子どもって見ていないようで、結構見ているんですよね、きっと。

だから親になった今、子どもの目にふれる可能性のある本棚には気を配りたいと思っています。今日はそんなスペースに「あえて」置きたい本の話です。

■月ごとに、いじめへ対処法を教えてくれる本

今年の1月、小学館から『いじめから脱出しよう!』という本が発売されました。この本のすごいところは、新学期の4月から始まり、月ごとに「いじめ」から逃れる対処法を教えてくれる点です。

朝日新聞が運営する「withnews」(3月31日記事)によると、著者の玉聞伸啓(たまきのぶひろ)さんは市の職員をするかたわら、インターネットでいじめの相談を受けているそうです。これまでにいじめに悩む人や家族ら60万以上が訪問。ご自身も、小学生時代には「いじめる側」、中学生時代は「いじめられる側」、両方を経験されています。

書籍の紹介文には、こう書いてあります。
――いじめには「よくある型」があります。学校生活の4月から3月までの、同じクラスで過ごす1年間、人間関係が変化していくとともに、その「いじめの型」がさまざまな形で現れてきます。(小学館ホームページより)

確かに、クラス替えや進学したばかりの4月は、クラスメイトと新たな関係を作り上げる時期ですし、2学期、3学期と進むにつれて、仲のいいグループも固定化されてきますよね。

だから、4月はいじめる・いじめられる関係性や、気まずい相手との仲をリセットできる好機なのです。この時期に嫌がらせの手紙をもらったり、「あれ、もしかして?」不安が芽生えたときの対処法として、玉聞さんは次のようなアドバイスをしています、あまり気にせず周囲の友だちと「もっと」仲良くしたり、友だちがいない場合でも「誰でもいい」「天気の話でもいいから」近くにいる子とたくさん会話をすること。いじめっ子はそれを見ると、「アイツには仲のいい友だち(味方)がいる」と勘違いして手が出しづらくなるそうです。

■子どもはなかなか言い出せないから…

「今日から実践できる」「すぐに使える」サバイバル術がつまったハンドブック。なぜそれをあえて親の本棚に置いておくのかというと、子どもが人知れず悩んでいるとき、本の存在を思い出して読んでほしいからです。本当は親が気づいてあげたいし、娘や息子からも相談してほしいけど、子どもが親に助けを求めるのって「最後の手段」のような気がするんですよね。切ないですけど。

そもそも、自分が「いじめられている」と認めるのは、かなり辛いことです。だから、子どもの目につくように本棚に待機させておく。まだ私(親)には相談できなくても、こっそり取り出して開いてほしい。間接的ではあるけど、ヤスコが子どもたちにつくってあげられる逃げ道の一つです。

もしくは、「もしものときのお守りに」と本人に直接渡してあげてもいいかもしれませんね。その場合は、新学年の始まる4月が一番自然なように思います。「ウチの子に限って」ではなく、ニュートラルな視点で考えてあげたいものです。

本当は、いじめ自体がなくなるのが一番いいんですけどね!

=================
【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?
【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)
【第10回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(後編)
【第11回】春のお出かけで、子どもの「教科書アレルギー」を撃退!?
【第12回】新学期、オトナの本棚に「あえて」置きたい一冊
=================

【第11回】春のお出かけで、子どもの「教科書アレルギー」を撃退!?

yasuko_top

第11回 春のお出かけで、子どもの「教科書アレルギー」を撃退!?

もうすっかり桜の季節ですね。
新学年になると、どっさり受け取る教科書の山――。皆さんは子どものころ、どんな想いで受け取られたでしょうか? ヤスコには、勉強ができる子とできない子の気持ち、両方わかりますよ。なぜなら、中学までは学年トップの優等生、高校では学年ワースト3というプロ級の(!?)落ちこぼれだったからです。

勉強が「できる子」と「苦手な子」の気持ちは、まさに180度違います。優等生時代に教科書が支給されたときは、「うれしい!」とその日のうちに1冊すべて読了していましたが、おバカ女子高生時代になると「開くのもウザい、マジで捨てたい……」という気持ちしかありませんでした(笑) まさに教科書アレルギーです。

でも、今になって思うんです。教科書の中に、「これ、知ってる!」と親しみを感じるものが点在していれば、もうちょっと違ったんじゃないかと。例えば数学なら「この原理は、実は3Dアニメの仕組みに利用されている」など、本人の「ワクワクの窓」とつながっていれば、少なくとも“わかりたいと思う気持ち”だけは持ち続けられたのではないでしょうか?

じゃあ、どうすればよいのでしょう? 教科書を身近なものに感じてもらう仕掛け、ちょっと考えてみましたよ。これはある意味、親だからこそ渡してあげられる子どもたちへのギフトかもしません。

■教科書の単元にピッタリな“お出かけスポット”へGO

ヤスコが提案したいのは、「教科書の単元にピッタリの“お出かけスポット”に行ってみる」ということです。次の学年の教科書をリサーチして、授業に関連する博物館やスポットに子どもと出かけてみてはいかがでしょうか? 春のレジャーも兼ねられますよ。

例えば、小5で「電流」を習うなら、電気を自分で作る体験コーナーやサイエンスショーもある「東芝未来科学館」(神奈川県川崎市)が面白そうです。ショッピングモール「ラゾーナ川崎」に併設されているので、家族の用事も済ませられて一石二鳥! 
中学生にも向いていそうなのが、お台場にある「RiSuPia(リスーピア)」。なんと遊びながらにして「理数の原理・法則」がわかるという夢のような科学館だとか。素数以外の数字を打ち返していくという対戦型の「素数ホッケー」なんて、ヤスコもやってみたい! しかもパナソニックセンター東京の中にあるので、最新の家電やカメラなどの体験もできます。

科学館には、身体をつかう体感型のものが多いので、「勉強」への抵抗がなく入っていけそうですね。

■国語なら「キャラ立ち文豪」を発掘!

また国語なら、作家のキャラクターが感じられる資料館など実際に訪れてみるのもおススメです。くだけて言えば「キャラ立ちしている芸人」を探す感覚ですかね。

例えば、学校図書という出版社の教科書(中1)には、森鴎外の『木精(こだま)』という短編小説が出てきます。これは、フランツという少年が成長してしまったことで、幼いころは聞こえていた木精(こだま)が聞こえなくなってしまう……という、ちょっと寂しいお話。ジブリの名作『魔女の宅急便』で、相棒の猫・ジジの言葉がわからなくなってしまった魔女見習い少女・キキのように、オトナになることのほろ苦さを描いた作品なんですね。

そんな作品を生み出した森鴎外の記念館も、東京都の文京区に。鴎外の文体からは「お堅い人」のイメージがありますが、館蔵品をのぞいてみると……。鴎外さんがお皿に描いたフクロウの絵がけっこうかわいい! 表参道のカフェに置いてあってもおかしくないレベル。イラストのセンスもあったんですね。なのに、自分が亡くなったときにはデスマスクもつくっていたりして、意外性の連続。鴎外さんって、意外とキャラが濃かったのかもしれません。

これはなかなか楽しい作業ですな。現在、何か趣味がほしいという方は、いっそのこと子どもたちの教科書をネタにして、一緒に学びなおすのもアリですよ。教科書ってまさに「世の中のモト」なので、雑談のネタにも使えます。初対面の方やお得意先との会話で場もほぐれますし、「オトナとしての品格」もアップするかも!

次の学年で使う教科書の単元は、インターネットでも調べられます。とは言え、忙しい毎日の中で教科書をひとつひとつ調べるのは大変ですよね。そんなときは――、はい! 我が家の家庭教師Sくんの出番です。Sくんならきっと、何かいいヒントをくれるはず。実は最近彼女ができたみたいで、近場のお出かけスポットを片っぱしから散策しているみたいなんですよ。はぁ~、若者にも春が来た……かぁ。
=================
【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?
【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)
【第10回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(後編)
【第11回】春のお出かけで、子どもの「教科書アレルギー」を撃退!?
=================

【第10回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(後編)

yasuko_top

第10回 学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(後編)

みなさん、こんにちは!
今回は記念すべき10回目のコラム。せっかくなので「10」にちなんだ四字熟語を調べてみたら、驚くほどたくさんあるんですね! 中でも、「十全十美(じゅうぜんじゅうび)」という言葉は、「不十分な部分がなく、完全である」という意味だそうで、つい叶姉妹のような美のサイボーグを思い浮かべてしまいました。「十全十美!」なんて叫びながら、特注のジムでトレーニングしていたりして……。

四字熟語で妄想しちゃうなんて、やっぱり春が近づいているせい? みなさんはいかがお過ごしですか?

さて、気を取り直して――

先月に公開された「学習指導要綱改定案」のお話、後編です。おさらいをすると、東京オリンピック開催の2020年を皮切りにアップデートされる学校の教育方針のことでしたね。2月15日付の新聞には、小中学校ともに教科ごとの変更点が具体的に示されています。「でも細かい変更点なんて、実際に変わったときに見ればいいでしょ?」と思うかもしれませんが、それはもったいない!

実はコレ、「自分の子ども時代」と比べてみるだけでも結構面白いんですよ。だって……

■「聖徳太子」が日本史の舞台から消え去る!

なんてことが書かれているんですから。「お札に描かれる人」の常連でもあり、日本初の法律をつくったとされる歴史的スーパースターが教科書からいなくなるなんて!? いったい何があったのでしょう。まさか1400年の時を経て、不祥事発覚とか??

いえいえ、もちろん違います。

正確には、教科書から「聖徳太子」という呼び名がなくなる、ということです。説明によると、彼の本名は「厩戸王(うまやどのおう)」で、聖徳太子という称号は亡くなってから付けられたのだそう。ただし、今までの伝記やマンガなど、子どもたちがふれる書籍には古い呼び名が残っているので、しばらくは混乱を避けるために教科書では「厩戸王(聖徳太子)」または「聖徳太子(厩戸王)」と表記されるとか。

すぐに消えてしまうわけではないのですね。

でも、近い将来、複数の人から話しかけられたときに「聖徳太子じゃあるまいし!」というツッコミは通じなくなるかもしれないですね。「うまやどのおうじじゃあるまいし……」って、なんだか語呂が悪くて間違いなく噛みますね(笑)

同じ社会のカテゴリでは、「鎖国」という言葉もなくなります。江戸時代に外国との貿易や交通を絶っていたという意味で使われる「鎖国」ですが、同じ時代、長崎ではオランダや中国との交易がありました。また、松前(北海道)や薩摩(鹿児島)でも貿易が行われていたので、完全に閉ざしていたわけではなかったんですね。ゆえに「鎖国」ではない、という判断となりました。今風に言えば「グレーゾーン鎖国」「ゆる鎖国」という感じでしょうか。

領土問題や戦争の責任問題もそうですが、歴史の認識は、教科書を使う世代によって刻々と変わっていくのだなぁと感じずにはいられませんでした。「今、あの話って学校でどう教わっているの?」と子どもに聞いてみるのもたまには必要かもしれませんね。

■家庭科は「出汁」をフィーチャー、理科では「災害対策」も追加

ふと、家庭科の欄を見ると、小中学校ともに「(和食の基本としての)出汁を教える」との記載が。なぜわざわざ特記してあるのだろうーーと思ったら、そう! 2013年の12月、日本人の伝統的な食文化として「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されていましたね。

ユネスコ登録を知らせる農林水産省のホームページを引用すると <一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。>とのこと。

最近では食生活も便利になり、自分で出汁をとる家庭が減っています。これを機に、和食の文化を再び定着させたいということなんでしょうね。ヤスコも賛成! ぜひ丁寧に授業をしてほしいものです。もちろん家でも楽しく復習して、ついでにパパにも教えてあげてほしいぐらいです。(私が教えるとケンカが勃発しかねませんが、娘が教えるなら絶対おとなしく従うはず!)

理科では、小中学校ともに自然災害の基礎を充実させています。小4では、雨水が低い場所に流れることに関連させて自然災害にふれたり、中1では津波発生の仕組み、身近な地形や地層など。どれもいざというときに身を守ってくれる大切な知識ですね。

このほかも、中学の美術では知的財産権や肖像権、国語では電子メールについても扱っていて、「えー、やっぱりイマはこんなことも習うのね」ということばかり。ジェネレーションギャップという点でも面白いので、是非2月15日付の新聞をチェックしてみてください。新聞を取っていないお宅でも、図書館なら無料でバックナンバーが見られますよ!
=================
【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?
【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)
【第10回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(後編)
=================

【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)

yasuko_top

第9回 学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)

みなさん、こんにちは!
寒い日は、首にタオルを巻いて寝ている完全武装派のヤスコです。

2月15日の朝のこと。ポストから新聞をとってきて、つい「おお!」と叫んでしまいました。

ついに公表されたんですね、今後の学校指導のベースとなる「学習指導要綱改定案」の詳細が。かなり具体的な内容が3面にわたってドドーンと紹介されていましたよ。ふむふむ……思わずパジャマ姿のまま、家にも入らず読み込んでしまいました。(へっくしょい!)

で、ヤスコの率直な感想としては――、

「こりゃ先生は大変だ」という同情に似た気持ちと、「学習内容がより“今っぽく”アップデートされていて面白い」というワクワク感がごちゃ混ぜになりました。いずれにしても、子どもたちのこれからを考える上で、知っておきたいことばかりです。

見逃した!という方のために、トピックスをお伝えしますね。

■授業時間が足りない! 先生たち「苦悩のやりくり」

小学校英語が正式な教科になるということは、前にもお話ししましたね(過去記事はこちら)。そのため、小3~小6の授業が年に35コマ増えることになりました。週に換算すると1コマ増。

えーっと、ちょっと待って。じゃあ、増えた分の授業はいつ行うのかしら。休み時間を削る? それとも休日出勤……いや、休日通学??

そうなんです。まさに今、「時間の捻出問題」が現場の先生たちを苦しめているんだとか。だって、指導要綱改訂前の今でさえ、授業スケジュールはすでにパンク寸前なんですから。

愛媛新聞には、こんな事例が紹介されていました。岐阜県大垣市小野小学校では、先生は朝7時半に出勤し、生徒は8時には教室入り。そして8時15分からは、15分間のプチ授業を行っているそうです。ちなみに取材当日の内容は、ピザづくりを話題にした英会話のワーク。「15分授業を週3回やれば、1コマ分に換算できる」という苦肉の策ですが、「反復することで定着する英語には向いている」という肯定的な意見も。なんとか前向きに考えて、やりくりするしかないのが現状のようです。

■すでにみなさんの学校でも行われているかも……

このような「短時間学習」は、すでに75%もの小学校が実施しているということなので、皆さんもご存知かもしれませんね。運動会や修学旅行などの行事に使う時間を確保するために、夏休みの短縮や土曜授業を決行した学校も多いとか……。

もし、ヤスコが先生なら「これ以上どうすりゃいいんだ~!」と雄叫びを上げたくなりますが、全国の学校のボスである文部科学省ときたら「それは現場で工夫してください」と丸投げ状態なんだそう。省内では、「英語が増えた分、何かの授業を減らせばいいのでは」という折衷案も出たとのことですが、「ゆとり教育のようになって、学力が低下したらどうするんだ!」という不安の声にかき消されたとのことでした。ふうっ……。いつの世も、しわ寄せがくるのはやはり現場なのですね(泣)

まだ救いなのは、この「学習指導要綱改定案」がまだ決定ではないということ。先生たちが頭を抱えずにすむような緩和策が盛り込まれることを祈っています。

先生の健康は、学校の健康! 学校の健康は、子どもたちの健康!

なーんてことわざはありませんが、ヤスコ個人としては「100%を目指して誰かが破たんする」よりも、「85%ぐらいでみんなが笑顔」のほうが良いかなぁと思うんですよ。あ、そうそう、もちろん「親の健康は、我が子の健康」! 保護者のわたしたちも、がんばりすぎには気を付けなくては(笑)

まぁ懸念点もありますが、一方で面白いこともあります。各教科のアップデートっぷりは、今の時代を反映していて、小・中学校共に非常に興味深いラインナップです。例えば「国語で電子メールの授業」や「家庭科では出汁にクローズアップ」、他には――

おっと、その話はまた次回の後編で。どうぞお楽しみにー♪
=================
【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?
【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)
=================

【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?

yasuko_top

第8回 みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?

みなさん、こんにちは!
今や「トランプ」と聞くと、カードゲームではなく、金髪の暴れん坊オジサンが目に浮かんでしまう、ヤスコです。

言わずと知れた、アメリカ大統領のことですね。世界中で反発のデモが起こったりして、大きな騒動を招いています。選挙中から相当な話題だったので、ヤスコはてっきり「アメリカ国民のほとんどが、投票に参加したのね」と思い込んでいたんですよ。ところが実際の投票率ときたら、6割にも満たない想定だそうで……。「投票になんか行かなくても、当然対立候補のヒラリーさんが当選するだろう」と踏んでいた人たちは、今ごろ後悔しているかもしれませんね。

でも考えてみれば、明日は我が身。アメリカだけの話ではありません。子どもの未来のためにも、選挙で意思表示をしておくのは大事! ということで、今回は神奈川県で見つけた面白い取り組みの紹介です。

■児童が頭を悩ませた「おいしい候補者」たち

神奈川県内の複数の小学校では、昨年末から今年1月にかけて、「給食のメニューを選挙で決める」という授業が行われました。各区の選挙管理委員会と明るい選挙推進協議会が主催となり、子どもたちに、選挙の仕組みについて体験を通じて理解してもらう目的で企画されたものです。

給食といえば、きっと子どもたちにとって一番の関心ごとですよね。具体的には、ある3つのメニューから児童たちが食べたいものを選んで投票、「当選」したメニューが実際に給食として提供されるそう。そして、おいしそうな「候補者」たちは、子どもたちの頭を悩ませるわけで――。

例えば、こんな顔ぶれ。
・サンマーメン、ミックスフライ、ハンバーグ(横浜市立森東小学校)
・キムチとたくあんを混ぜたキムタクごはん、ホイコーロー丼、ビビンパ(川崎市立上丸子小学校) 

サンマーメンが登場するあたりが、さすが発祥の地・横浜といったところ。キムタクごはんは通好みですね。現代っ子が持つ「食のストライクゾーン」の広さを感じます。

立候補者のチャーミングさに反して、実は選挙の流れはかなり本格的。投票箱や名前を書く記載台、票を数える計数機は実際の選挙で使用するものを導入しています。さらに、事前に教室などに貼られた「選挙公報」をもとに、候補者(食べ物の代理として、人間)がちゃんと演説を行ったんですって。

みなさんご存知の通り、実際の投票は短時間で簡単。結構あっけないものです。あの「簡単さ」を子どもたちが体感してくれたら、将来の投票率も上がるかもしれませんね。

■応援演説で、考える基礎体力が培われる

さて、ヤスコが特に感心したのは、「演説を子ども自身が行った」という学校です。自分が推薦するメニュー(おそらくホイコーロー)について、「ピーマン嫌いでも食べられる味付けです」など良さをアピールしたといいます。なんだか微笑ましい主張ではありますが、これってスゴイことですよ。だって漠然と「おいしそうだから」では「有権者」は動きません。食べたいメニューの魅力を論理的に考え、相手に響くように話すわけですから。

このような「考える力」や「コミュニケーションスキル」は、新しい物事を発見する力や人間関係にもつながるため、子どものうちから鍛えておくのに越したことはないはず。しかも、今回のように「楽しく」「勉強とは感じない」体験の中で培われればモアベターですよね。給食選挙は頻繁に行われるものではありませんが、何らかのキッカケになってくれるような気がします。

あ! でも「子どもの関心ごと」×「論理的説得」という組み合わせなら、外食先のセレクトやおやつ、さらにはレジャーの目的地でも実行可能かもしれませんね。兄弟(姉妹)対決や、たまには夫婦対決で子どもたちにジャッジしてもらったりして。ヤスコは今、静岡県の浜松に出かけて、高級ウナギをお腹いっぱい食べたいです。「財源はどうするのか」というご質問には……お答えしかねます(笑)
=================
【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?
=================

【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋

yasuko_top

第7回 冬から増える「進路の悩み」への処方箋

まだまだ寒い日が続きますね。みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
冬はもっぱらインドア派のヤスコママです。

今回のテーマは、青春の悩み「進路」。
コタツの中で、アンジェラ・アキの名曲『手紙 ~ 拝啓 十五の君へ』を聴きながら、ニュースを読んでいたらこんな記事を見つけました。『中2になって増えるのは 進路の悩みが最多』(2017年1月11日「教育新聞」)。特に、3年への進級を目前とした冬ごろから増えるようです。高校受験といえば、子どもたちにとって最初となる人生の選択。あれこれ悩むのも当然ですよね。みなさんは、いかがだったでしょうか?

ヤスコの高校受験は――、恥ずかしながらマンガに影響されました。親御さん世代ならハマった方も多いはず、1980年代に爆発的な人気を誇った『タッチ』です。高校野球を舞台にした青春&恋愛ストーリーなのですが、それを見てどういうわけか「わたしは高校でブラスバンド部に入って、甲子園で野球部を応援する!」と決め込んじゃったんですね。結局、受験は成功したものの、運命のいたずらで入学したのは野球「弱小」校。ブラスバンド部で演奏に身を捧げつつも、「ユニフォーム姿の素敵な彼」とは一切縁のない高校3年間でした。その反動で文化部のメガネ男子に恋……。それもまた懐かしい思い出です。

まぁ、これはレアケースかもしれませんが、多くのお子さんにとって進路選択は「自分の好きなこと」「将来の職業」を考えるキッカケになるはずです。中には、「進学」と「就職」を天秤にかけて悩むご家庭もあるでしょう。でも、思春期まっただ中のお子さんとしては、本心をなかなか親に打ち明けづらかったりして……。(実はウチの息子もそんなオーラを漂わせているんですよ。親の勘ですが)

■ネットで簡単、中学生向けの適職診断

そんなとき、昔と違って便利だなぁと思うのが、インターネットの存在です。今って、ネットの検索窓に「中学 進路 診断」などと入力するだけで、中学生向けの適職診断が多数ヒットするんですね。ほとんどが無料です。設問は、性格や潜在能力、やる気や生きがいの分野などにわけて各20~30問ほど。診断結果には、向いていると思われる職業リスト、具体的な仕事内容ややりがい、その職業に就くために必要な道のりなどが、とてもわかりやすく示してあります。

設問数のボリュームや解説文章の難易度は、サイトによって違います。いくつかのぞいてみた中で、お子さんに合った診断をすすめてあげると、取りかかりやすいかもしれません。

■身近な「お兄さん」「お姉さん」を活用しよう

とはいえ、ヤスコは心配です。反抗期の我が子が、親がすすめる診断なんて素直にやってくれるのだろうか??ってね。家庭によって事情は異なるでしょうが、ウチは危険かも(笑) むしろ「オトナの口車には乗らないぜ」と、あまのじゃくが発動する可能性も大いにあり得ます。

もし年の離れたお兄ちゃんやお姉ちゃんがいれば、それとなくすすめてもらえるように頼めるのですが……。

考えた結果、ウチに来てくれている家庭教師のSくんにこっそりお願いしちゃいました! 彼なら面白いゲームを紹介する感覚で、息子にすすめてくれるはず。そして、息子から結果を聞きだして、おすすめの高校情報まで教えてもらえたら、まさに一石二鳥。母は口を出すのを我慢して、影からこっそり見守ることにいたしました。頼んだよ、Sくん!

=================
【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
=================

【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?

yasuko_top

第6回 一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?

みなさん、こんにちは! ヤスコママです。
2017年も、お子さんの勉強に役立ちそうな情報をバンバンお届けしていきますよ。どうぞよろしくお願いいたします。

さて新年一発目のコラムは、今年こそは「勉強しなさい!」と怒らずにすみそうな、子ども向けの「手帳」活用術のご紹介です。なんとスケジュール欄に書くだけで、勉強嫌いだった子が自発的に勉強に取り組むようになるという夢のようなお話らしいのだけど――、え!? 本当に本当なの??

■タスクを書いて消すだけでモチベーションがUP

ヤスコが知ったのはつい最近なのですが、実は数年前から「子ども手帳」という概念がジワジワ流行っているようです。と言ってもこれは商品名ではなく、市販のスケジュール帳やノートを小中学生の生活に合わせて使うという「やり方」を指すのだとか。

方法はいたって簡単。

使う手帳は、キャラクターもの、女の子が好きそうなキラキラのデコレーション、100円ショップのスケジュール帳など何でもOKです。子どもが気に入った手帳に「その日やるべきこと」を自分で書かせ、完了したらマーカーなどで消していく。ただそれだけのことで、子どもが自ら考えて行動するようになり、勉強にも意識を向けてくれるようになるんですって。
(ちなみに「手帳は子どもに選ばせる」というのがミソで、親が一方的に与えた手帳だと「押しつけられた感」が強くなり逆効果なのだとか:汗)

■手帳が「勉強嫌い」に効く理由とは?

それにしても、なぜ子どもは手帳によって勉強に向かうようになるのでしょうか。それは、本人にとって手に負えないものとして感じられた「勉強」が、単に「やるべきこと」や「作業」として見えるようになり、取り掛かるまでのハードルが下がるからだそうです。

確かに、その日のタスクをメモ書きで箇条書きにしておくことなどは、大人でも実行していますよね。ヤスコも在宅ワークが多いので、ネットサーフィンや各種誘惑に脱線しないために「お守り」として使っています。もしかしたら、子どもたちも同じなのかもしれませんね。

■活用すれば、大好きな「部活」や「遊び」もさらに充実!?

『勉強しない子には「1冊の手帳」を与えよう!』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/石田勝紀 著)という本で、実際の活用例を見てみました。1日ごとに、「プリント」「宿題」「漢字ドリル」というタスクが子どもの字で書かれており、そのほとんどが赤いマーカーで消されています。これは達成感ありますよ! きっとお子さんにとっても相当な自信につながるはずです。

さらに、この本ではポイント制で進めることを推奨しています。タスクを1つ消したら1ポイント。ポイントに応じて何らかの「ごほうび」をあげてもいいですね。成果に関わらず「とにかくやった」という過程を評価することになるので、着実な自信につながるわけです。

ヤスコは今まで、「アルバイトを始める年代ならまだしも、小中学生に手帳なんて必要ないのでは」と思っていました。でも思えば彼らだって、運動会や部活、中間期末テストなどグラデーション豊かな生活を送っているのですもんね。手帳をつけることで、子どもにとってのお楽しみ行事(レジャーや誕生会、漫画の発売日?)を満喫するために、前もって「やるべきことを終える」という感覚も芽生えるかも。ちょっとおませなウチの娘は「バレンタインデー前日は『チョコ制作』のタスクがあるから、『宿題』はそれまでに終わらせて……」なんて、女子力全開な予定を組みそうですが(笑) 

こんなこと言っていると、大人もうかうかしていられないですね。一年のスタートに家族で手帳術、見直してみてもいいかも!

=================
【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?

=================

【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)

yasuko_top

第5回 東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)

みなさんこんにちは! ヤスコママです。
今日は前回からのテーマ「子どもたちの文章読解力が落ちている!」の解決編です。そもそもテストなどで「ちゃんと問題を読みなさい」と言われても、どう読んだらいいのか…
それ自体がわからない子たちが増えているんですよね。(前回の記事はこちら

そこで、読解力をアップさせるために「家にあるもので」「タダで」「楽しみながら」できる方法を紹介しちゃいます。ちなみに、オトナであるヤスコも今ハマっています!

■アニメやお菓子のニュースで楽しむ「音読」!

きっかけは、長野県にある「信濃毎日新聞松本専売所」のWebサイト。

「新聞の音読で子どもの『脳力』を伸ばす」というコーナーによると、人間の脳は「音読」をすることでフル回転し、特に記憶や学習、感情をコントロールする「前頭前野」という部分が鍛えられているそうです。(ちなみにテレビやゲームのときは、前頭前野は働かないとのこと)。

視覚から文字を取り入れ、声に出してアウトプットし、さらに耳から音として入ってくる。それが一度に行われるのがいいみたいですね。

――と、ここまではよく聞く話。でも正直「教科書の音読はツマラナイ」という子もいるのではないでしょうか。

だからヤスコは考えました。
子どもの好きなジャンルのニュースを音読させてみよう!と。

アニメやゲーム、お菓子、野球やサッカーなど、日々発信されるニュースには子どもが大好きな話も多いんですよね。ネットの記事でもいいから、我が子が飛びつきそうなネタを印刷して、声に出して読ませる。自分が興味のある話なら理解しようとしますし、友だちから一歩リードできるという優越感もありそうです(笑)

例えば、「毎日新聞」のwebサイトにある『毎日小学生新聞』には、子ども用の記事がふりがな付きで掲載されています。「自分に似合う洋服の組み合わせ」や「日本ハムファイターズの優勝パレード」の話、どれも1記事が数十秒~2、3分で読める物ばかりです。『15歳のニュース』ではもう少し高度な話題も。
また、NHKが運営している「NEWS WEB EASY」は、小中学生や日本在住の外国人に向けて作られているので、話題性に富み、文章もかなり読みやすいものになっています。

ウチの息子には、ポケモンGOがらみの記事を読んでもらおうかしら?? ヤスコはゲームに疎いので、ニュースの内容に質問などをしたら息子もノってくれるかも。

■「会話の引き出しUP」や「ボキャ貧解消」でオトナにも効果

実は、ヤスコも一足先にチャレンジしてみました。これが結構面白いんです。

ヤスコはお酒が好きなので、「ビール税一本化」の記事を音読してみましたが、ただ目で追うのと理解力がまるで違いました。黙読ではスルーしてしまう数字や因果関係も、音読ではしっかり頭に残るんです。おそらく「自分でも理解していない内容をしゃべるのはキモチワルイ」という感覚が、内容を頭で整理させるのでしょうね。

感情をこめて読み上げると、この傾向がより顕著になります。

例えば、野球のことならスポーツニュース風に、おしゃれのことならオシャレタレント風に……というのもありかも。ヤスコはまだ恥ずかしいので、新聞一面のコラムを「プロフェッショナル仕事の流儀」でナレーションをやっていた貫地谷しほりちゃん風に読んでいます。これがまた気分が出るんです(笑)

2、3日続けただけで、会話の引き出しやボキャブラリーも少しUPしたような気がするからビックリしちゃいました。

損はないので、試してみる価値あり! 「やってみたよ」という方の報告もぜひお待ちしていまーす。

=================
【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)

=================

【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?

yasuko_top

第4回 東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?

■コンピューターが東大の入試問題にチャレンジ

こんにちは! ヤスコママです。

いよいよ年末。これから受験勉強の追い込みという子も多いと思いますが、実は、人間だけじゃなく“ロボット”も受験にチャレンジしていたことをご存知でしたか?

彼の名は、通称「東ロボくん」。国立情報学研究所という研究機関が中心となって、東京大学合格を目標に開発が進められていた人工知能(AI)のことです。「『ロボットは東大に入れるか』プロジェクト」として2011年からスタートし、2013年度から毎年、大学入試センター試験や模試に挑戦していました。

問題文はスタッフがコンピューターにデータとして入力して認識させるという方法をとっていましたが、今年からは、東ロボくんが出した答えを実際の解答用紙に書いてくれる「東ロボ手くん」という代筆専用ロボットも加わり、より人間らしく愛着がもてる姿になっていました。きっとコンピューターなら無敵のはず。フレ―、フレー、東ロボくん!

ところが先月、悲しいニュースが報じられたんです……。

東ロボくんの成績が伸び悩んでいるため、東大合格への挑戦は今年で終了とのこと(11月14日「日本経済新聞」web版)。別の分野に「進路変更」を考えているそうです。

え、いったい何があったの??

■読解力では人間が上……のはずが?!

東ロボくんはコンピューターなので、「暗記や計算」などの理系分野は得意でも、実は「話の流れやニュアンス」を理解しなければならない国語や英語は苦手でした。「ロボットは、読解力では人間にかなわない」ということなんですね。

しかし、同所の教授である新井紀子さんによれば、今の中高生の読解力も、東ロボくんを笑えないくらいに危機的な状況にあるかもしれないとのこと。

例えば、次は東ロボくんが「ロボットであるがゆえ」に正解できなかった問題(※)です。(   )に入る言葉が何か、みなさんはわかりますか? まぁカンタンなので、とりあえずやってみてくださいね。

「仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている」
この文から、次の空欄にあてはまるものを選びましょう。

「オセアニアに広がっているのは(    )である」

①ヒンドゥー教 ②キリスト教 ③イスラム教 ④仏教

正解は「②キリスト教」。文章をきちんと読めさえすれば、知識がなくても解ける問題なのですが、国立情報学研究所の調査によると、中学生のうち4割、高校生でも3割近くの生徒が間違えたという結果が出ています。

う~ん、ヤスコは心配です。

読解力はすべての勉強の基本ですが、それだけではありません。大げさかもしれませんが、将来の仕事や、保険や家などの契約などにも影響してくると思うんです。ブラック企業に入らない、詐欺にダマされない、根も葉もないネットの情報に振り回されないなど、「読解力」は子ども自身を守る防具にもなってくれるはずですから。

じゃあ、どうやって読解力を伸ばしてあげたらいいのかしら? ウチの息子みたいな本嫌いな子に、読書を強制してもなかなかムズカシイでしょうし。

……と思っていたのですが、実は最近試してみようかなとワクワクしている方法があるんです。「家庭にあるもので」「タダで」「カンタン楽しく」できそうなこと。詳しくは、また次回にお話ししたいと思いまーす。ではでは!

※出典 東京書籍(株) 中学校社会教科書「新しい社会 地理」

=================
【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?

=================

【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(続編)

yasuko_top

第3回 オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(続編)

みなさんこんにちは! ヤスコママです。

今日は前回の続きです。東京オリンピック開催の2020年以降、小・中・高校の授業が変わるかもしれないというお話でしたね(忘れちゃった!という方はこちらをCHECK!)。

では早速、「具体的にどう変わるの?」というポイントをそれぞれ見ていきましょう!あなたのお子さんが当てはまるのは、どこですか??

■小学生=英語がスタートする学年が前倒しに!(2020年度以降 改訂予定)

いろいろありますが、一番大きく変化するのは「英語」です。
今までも「必修科目」として英語を習ってきた5、6年生ですが、2020年度以降はそれが国語や社会と同じ「正式教科」として格上げされるようです。

実は、これは大きな意味をもちます。なぜならば、格上げによって他の教科のようにきちんとした教科書ができ、テストが設けられ、通知表に数字として成績がつくようになるからです(キャー)。さらに、中学受験をする場合は、英語の教科がまた1つ増えるということにも!(ギャー!!)

で、今までの5、6年生が受けてきた「必修」としての英語は3年生からスタート。前回のコラムでもお話した「グローバルな人材を育てる」というのが教育の急務になっているのですね。先生方も大変だとは思いますが、子どもたちが興味を持てる「楽しい授業」を期待していますよ!

■中学生=部活動のあり方が見直されるかも!?(2021年度以降 改訂予定)

中学生は、今のところ小学生ほどの大きな変化はありません。
ただし、今年8月1日に公表された国の資料を読むと、「部活動のあり方を見直そう」という動きがあるようです。

少子化により、部活動に必要な生徒数の維持が難しい学校が増えるなど、状況が変わってきているのですね。また、顧問の先生の負担軽減も目標に入っているとか。単に「強ければいい」「入賞すればいい」ではなくて、きちんと休養も取りながら、助け合う力や問題解決力などの人間性も育んでいこうという方向になっていくのかもしれません。

■高校生=“18歳から選挙権”を受けた必修科目「公共」が誕生!(2022年度以降 改訂予定)

選挙権の年齢が「18歳以上」に引き下げられたことに対応できるよう、「公共(※)」という必修科目が新設されるそうです。まぁ確かに何の知識もなく、「イケメンだから」とか「テレビに出てるから」なんていう理由で、選挙で投票するのでは怖すぎますもんねぇ。

他にも、国語の教科が新たに組み替えられたり、世界史と日本史が合体して俯瞰的に理解するための科目「歴史総合」ができたり――。ヤスコの勝手な印象ですが、学習の目的意識が明確になった科目構成は、どことなく大学のカリキュラムを連想させますね。

* * * 

ふう~っ。駆け足でちょっとムズカシイ話が続きましたが、みなさん大丈夫ですか?? とっても大事な話だけど、ヤスコは……ちょっと頭がクラクラ(笑)

次回はちょっと面白そうなネタでも仕入れて、みなさんと楽しみたいと思いまーす。
ではでは、ごきげんよう!

=================
【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(続編)

=================