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【第32回】「なんでウチの子、こんなこともできないの!?」と思ったときに、知っておきたいこと

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【第32回】「なんでウチの子、こんなこともできないの!?」と思ったときに、知っておきたいこと

みなさん、こんにちは。ヤスコです。
今年の冬は、驚くほどの寒さ。でも気が付けば、道ばたの梅の木が、ふっくらとつぼみを膨らませていて――。もうすぐ春ですね。

ウチの子も、あの草木のように少しずつ成長しているのでしょうか。
今日は、お子さんの「不得意なこと」についてのお話しです。

■集中できない、忘れ物が多い、簡単な計算でつまづく原因は?

このコラムを読んでくださっている親御さんの中には、授業参観や家庭でお子さんを見ていて「なんでウチの子だけ、こんなに簡単なことができないのかしら」と悩まれている方もいらっしゃると思います。

たとえば、
・授業中や宿題の最中、イスにじっと座っていられない
・整理整頓が苦手で忘れ物が多い
・順番を待てない
・知的発達に遅れはないのに、簡単な計算問題でつまづく
・日常会話の意図が理解できない
など。

子どもの努力が足りない? わたしの教育がまちがっている?
いえ、どちらでもありません。
発達障害」といって、生まれつき脳の一部の機能に障害があるケースがあります。
これは心の病や病気とは違い、身体の「特性」です。
障害というと能力が劣っているように感じてしまいますが、決してそうではありません。あくまで特徴なので、活かし方さえ知れば、そこは「長所」や「魅力」に変身するのです。

では、主な発達障害のタイプについて、1つずつ見ていきましょう。

■歴史上の偉人にも多い「注意欠如・多動性障害(ADHD)」

細かい症状はたくさんありますが、大きく分類すると
●「多動」
じっとしていられない・周囲の状況を気にせずしゃべりすぎる・感情の起伏が激しい
●「不注意」
忘れ物やうっかりミスが多い・集中できず気が散りやすい・ボーっとして話しかけても聞いていないように見える
に分けられます。

一般的に、多動性は成長と共に軽くなる場合が多いそうですが、不注意は成人しても続くことがあるそうです。小学生には3~7%存在し、男子は女子より数倍多いとか。男子は成長するごとに症状が減りますが、女子の症状は年齢を重ねても変わらないという報告もあるそうです。

【長所になりうる点】
見方を変えれば、多動は「エネルギッシュで活動的」、飽きっぽいことは「新しいものを見つける才能がある」とも言えるでしょう。
ADHDの人は、頭の中に「フェラーリ」や「レーシングカー」を積んでいると例えられることがあります。一般の車(人)に比べてハンドルやブレーキが利きづらく細かい制御が苦手ですが、かわりに超高性能のエンジンを持っているので、走りやすいコースに出られれば、猪突猛進に突き進むことができるそうです。

偉人の中では、エジソンや坂本龍馬もADHDだったのではないかと言われています。

■好きな分野で才能が開花する「自閉症スペクトラム障害」

知的障害を伴わない程度の自閉症やアスペルガー症候群などが、ここに含まれます。

自閉症の場合は、
・他人と目線を合わせることができない
・周りに関心がないように見える(一方的に自分の話したいことだけ話す)
・相手の気持ちがわからない
と、対人関係に苦手意識を持つ場合や
・毎日決まった行動をとることに固執する
などがあげられます。

アスペルガー症候群の人も、以下のようにコミュニケーションが苦手です。
・言われたことをそのままの意味で受け取ってしまう。(「お風呂を見ておいて」と頼んだら、お湯があふれても止めずに見ているだけ、など)
視線や表情などから意味を読み取るのが苦手
・遠回しな表現ができないので、人を傷つけるような発言をしてしまう
・急な予定変更に対応できない

自閉症スペクトラム障害の人は、近年では約100人に1~2人いるとか。男性は女性の数倍多く、一家族に複数存在することもあるそうです。

【長所になりうる点】
基本的にマジメで、「自分が興味を持ったこと」に対しては類まれなる集中力を発揮します。一人で行動することも苦にならないので、「その道の専門家」になる人も多いそうです。

■目に見えないがんばり屋さん「学習障害(LD)」

知的な発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど、ある特定のことだけが特別に困難な状態を指します。

・文章を読んでいると、どこを読んでいるのかわからなくなる
・黒板やプリントの字が書き写せない、時間がかかる
・計算の繰り上げ、繰り下げができない
など。たとえば、「見た文字を発音するのが苦手」というケースなどは、脳の情報伝達機能がうまく繋がっていないことなどが考えられます。

小学校2~4年生ごろに成績が伸び悩んで、学習障害であることが発覚することも多いそうです。確かにこれでは、勉強に自信もなくしてしまいますね。学習障害の人は、全体の2~10%と予測されていて、読みの困難については、男性が女性より数倍多いとの報告があるそうです。

【長所になりうる点】
学習障害の子は、人知れず、日々苦手なことにチャレンジしている「がんばり屋さん」です。苦手な作業は、大人の手助けでラクになる場合もあります。文章を読むのが難しいときは、大きくコピーした教科書を指でなぞりながら読んだり、きれいに書くのが難しいときはマス目入りのノートに変えたり、計算問題をイラストにして理解してみたりーー。工夫次第で再び「学ぶことの楽しさ」が蘇ってくるかもしれません。

■身近な機関でも相談できる

もしかしてウチの子も……と思ったときは、地域に相談できる機関はたくさんあります。生活の中で改善できる点や治療のヒントももらえるはず。保健所や市町村の保健センター、発達障害者支援センターなどがあります。もちろん学校の先生やお子さんが関わっている教育機関でもかまいません。

本もたくさん出ています。たとえば、『15歳までに始めたい! 発達障害の子のライフスキル・トレーニング』(講談社/梅永雄二 監修)などには、保護者や周りの大人がサポートしやすい義務教育が終わるまでに、身につけたい生活スキルなどが盛りこまれています。

お子さんの「できない」や「苦手」なことに、可能性の芽が隠れているかもしれません。大きく育って花が開きますように!

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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
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【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
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【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
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【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)
【第10回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(後編)
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【第17回】ウチの子が学校に行きたがらない――もしものために知っておきたい不登校児のための新法律
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【第26回】実は奥深い「学校給食」のセカイ(1)
【第27回】実は奥深い「学校給食」のセカイ(2)
【第28回】あのサンタクロースを「経費」や「歴史」の面から考えると? 身近なところに落ちている勉強の楽しさ
【第29回】学校のトイレ洋化は「お尻ひんやり問題」をどう考えるのか?
【第30回】受験の追い込みシーズン! 突然の体調不良を避けるために、とっておきたい食事メニューとは?
【第31回】「ちゃらい」や「無茶振り」も日本語認定! 新・広辞苑に追加された単語、あなたはいくつわかる?
【第32回】「なんでウチの子、こんなこともできないの!?」と思ったときに、知っておきたいこと
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【第31回】「ちゃらい」や「無茶振り」も日本語認定! 新・広辞苑に追加された単語、あなたはいくつわかる?

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【第31回】「ちゃらい」や「無茶振り」も日本語認定! 新・広辞苑に追加された単語、あなたはいくつわかる?

こんにちは! 突然ですが、次にご紹介するのは、ある中学生の女子の発言。読んでみてあなたはどんな印象を抱くでしょうか?

「ねぇママ聞いて~、今日は新しい家庭教師の先生来るっていうから、勝負服がっつり決めてみたの。でも先生が何だかちゃらくていらっとしてたら、実は超いい人で、無茶振りな質問にもすぐに答えてくれるんだ。まじリスペクトしちゃう~」

良く言えばイマドキですが、ひょっとすると「もっときちんとした日本語を使いなさい!」と叱りたくなるかもしれませんね。

でも、実は……セリフ中の緑色の単語はすべて、今月10年ぶりに改定版発売となった『広辞苑(第7版)』に新しく収録された言葉なんです。広辞苑とは、みなさんご存じの通り、50年以上の歴史をもつ「国語辞典」であり「百科事典」。だから、ここに採用されるということは「正式に日本語認定された言葉」も同然と言えるでしょう。

確かに「言葉は生もの」。時代の移ろいとともに変わっていくものなんですよね。どんなに伝統を重んじる人だって、平安時代と同じしゃべり方をする人はいないじゃろう? マロはしゃべらないでおじゃるよ。(あ、さすがに無理がありますね)

ごほんっ、では気を取り直して――、
ほかにはどんな言葉が新しく採用されたのでしょうか?

オリコンニュース(2017年10月24日)に掲載された新語の一部をのぞいてみると、まずは「安全神話」「ブラック企業」「名ばかり」「ブロガー」「メアド」「ビットコイン」「自撮り」「オスプレイ」など、ここ10年以内にあった災害や原発事故、急激なIT分野の発達や雇用問題など、世相を反映した言葉が目立ちます。

「え、こんなのも?」という変化球としては、「ハニートラップ」「卒乳」「加齢臭」。また、意外に遅かった採用に「今さら?」と驚いたのは「クールビズ」です。もしかしてうっかり入れ忘れたのかい、困るねオイオイ……と出版社にツッコミを入れていたところ(いわゆる「上から目線」というやつですね。これも今回の新語です)、案の定、まったくの見当違い!

岩波書店辞書編集部の平木靖成さんは、インタビュー記事でこう語っています。

「クールビズという言葉は、05年頃に環境省などが公募して生まれた。経験上、お役所が提唱した言葉はあまり定着しない傾向にあるため、第6版にはあえて掲載しなかった。しかし、11年の東日本大震災を機に認知度が大きく広がった。節電対策の影響で『当社はクールビズだから、夏場はノーネクタイです』などと当たり前に言われるようになり、日本語として定着したと判断した」(2017年11月16日「ITmediaビジネスオンライン」より引用)

広辞苑採用の大きな基準は、「日本語として定着したかどうか」。すべての言葉は、長い目で熟考を重ねて取捨選択されているのですね。まっこと恐れ入りました。

変化していく日本語の世界、奥深いですね。最後に今回の新語の中で、ちょっとマニアックな単語をご紹介しておきますね。あなたはいくつわかりますか?

「庭前の柏樹子」
「四つの口」
「八角墳」
「ベッケンバウアー」

ちなみに、最後は人名。スポーツ好きのお子さんなら知っているかもしれませんよ。あえて意味は書きませんので、みなさん広辞苑や辞書で調べてみてくださいね~!

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【第30回】受験の追い込みシーズン! 突然の体調不良を避けるために、とっておきたい食事メニューとは?

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第30回 受験の追い込みシーズン! 突然の体調不良を避けるために、とっておきたい食事メニューとは?

■「受験本番中に一番心配だったこと」の第1位は「急な下痢」

みなさん、明けましておめでとうございます! ヤスコです。
2018年も、お子さんの成績アップに役立つ情報をバンバンお届けしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしますね。

さて、1月といえば受験の追い込みシーズン
真っ盛り。プレッシャーや寒さも手伝って、お子さんの体調が気になるところですよね。「まだ受験じゃないよ」というお子さんも、この冬に大切な試合や面接を控えている場合は、同様に大切な時期ではないでしょうか。

洗剤や歯磨き粉でお馴染み「ライオン」の調査によると、学生が「受験本番中に一番心配だったこと」の第1位が「急な下痢」(35.6%)
だったそうです(2010年)。予防策としては、数日前からは刺激物を控える、ノンシュガーの甘味料を摂りすぎない、水なしで飲める下痢止め薬を持って行くなどが考えられます。しかし、体調不良は下痢だけではありません。この時期はカゼやインフルエンザも大きな脅威
。うがい手洗い、マスク着用などの基本以外に、毎日の生活で簡単にできる予防法はないのでしょうか?

体内に50億個もある「NK細胞」がお子さんを守ってくれる

実は、カゼやインフルエンザに負けない身体をキープするには、「ストレスをためない」ことが、大きな効果をもたらすそうです。というのも、身体の中には「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」といって、がん細胞や体内に侵入するウイルスなど、身体に悪影響を与えるウイルスを退治してくれる細胞
があるんですね。
私たちの体には、このNK細胞が50億個もあるそうで、いわば「凄腕のボディーガード」を50億人体内で雇っている状態とも考えられます。おおスゴイ!
ただこのボディーガードは、ストレスにはからっきし弱いのだとか。悲しみや苛立ちなどマイナスの情報を受け取ると、働きも鈍くなって免疫力も大幅にダウンしてしまうらしいのです。だからストレスのかかっている受験生は、カゼにもかかりやすいんですね。

■ストレス軽減には、キムチ鍋に納豆ご飯、ヨーグルトが◎

なるほど、ストレスをなくせばよいのは理解できました。ヤスコも息子のストレスを軽くしてあげたいけど……現実には息子の顔を見れば「勉強しなさい!」って、つい小言がこぼれてしまって……逆効果になりそう(泣)
そんなとき食品メーカー「味の素」のホームページで見つけたんです。ストレスを緩和するには「カルシウム」と「マグネシウム」
が有効だと。神経の興奮を沈めて、精神を安定させてくれるそうで、具体的には豆腐、おから、ごま、小松菜、小魚、あさり
など。さらに、管理栄養士・永吉峰子さんのブログ記事には、おすすめの食事メニューとして、「キムチ鍋」(水に溶けだした栄養分も摂取できる)、「納豆発芽玄米ごはん」(納豆には、ストレスがある時に摂りたい栄養素が豊富)、「ヨーグルト」(納豆と同じで、しかも手軽に食べられる)
などが挙げられていました。
面と向かっては素直になれないとき(苦笑)でも、これならダイレクトに我が子を応援できますね。受験以外にも、部活で大事な試合やコンクールを控えているお子さんなどにも効きそうです。
さーて、今日は何を作ろうかしら? まずはスーパーのチラシの特売をチェック、チェック!

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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
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【第29回】学校のトイレ洋式化は「お尻ひんやり問題」をどう考えるのか?

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第29回 学校のトイレ洋式化は「お尻ひんやり問題」をどう考えるのか?

うう~、今年の冬は寒いですね! 使い捨てカイロを体中に貼りまくって「燃えるオンナ」と化しているヤスコです。

今日は学校のトイレの話。

みなさんが通っていた学校のトイレ、どんな思い出があるでしょうか? 20、30年前のイメージを思い起こすと……、湿ったコンクリートタイルの床や和式のトイレ、それに「トイレの花子さん」などの怪談や七不思議も流行しました。いずれにしても、あまり長居したいと思えるような場所ではなかったんですね。

で、現在はどうなっているかというと……

実はあまり変わっていないそうなんです。たとえば「学校トイレの洋式化を推進する議員ネットワーク」の調査によると、都道府県立高校のトイレの洋式化は全国で35.8%しか進んでいないそう(11月20日発表)。そもそも公立の学校は、生徒が増えた1960~70年代に建てられたものが多く、今でもトイレはその当時のままだとか。

「汚い」「くさい」「暗い」「怖い」「壊れている」の不名誉な5Kで、トイレを我慢してしまう生徒も少なくないそうです。あらあら、膀胱炎や便秘にならなきゃいいのだけど。

そんなわけで、洋式化が待ち望まれているわけですが、「小中高校がすべて洋式になってしまって本当によいのかしら?」と危惧があるのも確か。

理由は3つ。1つ目は「子どもの身体能力への影響」です。
近年、両足を地面につけてしゃがめない子たちが増えています。下半身の硬さが影響しているそうですが、和式トイレは下半身を鍛える訓練にもなっているのかもしれないんですよ。

2つ目は、衛生上の問題。一見清潔そうな洋式トイレですが、つるんとした単純構造の和式とちがって、洋式は便座やカバーなどいくつかの部品から成り立っています。特に掃除をしなければならないのは、「便座のウラ」などの隠れた部分。ここは放っておくと、バイ菌や匂いの温床になってしまう。でも小学生の男の子が丁寧に掃除するかなぁと思うと、だいぶ怪しい……(笑)

そして最後は、冬ならではの……「お尻ひんやり問題」。みなさんにも経験があると思いますが、寒い日にプラスチックの便座に腰を下ろすと、お尻がギャッ!て飛びあがるほど冷たいんですよね。「便座温め機能」なんかもあるけど、これを全校に取り入れたら莫大な支出となります。この「真冬の恐怖」を関係各所の皆々様は、計算に入れているのでしょうか。ぜひ入れてください。お尻が泣きます。

豊臣秀吉は、織田信長の草履を懐で温めて、主人の信頼を勝ち取り出世したと言われています。これからは学園ドラマで、「便座に座って温めておきました」という子分役が登場したりして(笑) たかがトイレ、されどトイレ。今後の動向から目が離せません。

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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
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【第28回】あのサンタクロースを「経費」や「歴史」の面から考えると? 身近なところに落ちている勉強の楽しさ

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第28回 あのサンタクロースを「経費」や「歴史」の面から考えると? 身近なところに落ちている勉強の楽しさ

■地球上の子ども全員にプレゼントを配ったら、いくらかかる?

はぁ~、早いものでもう師走ですね。
クリスマスやらお年玉で浮かれ気味の子どもに反比例して、家計を切り盛りするヤスコはため息ばかりです。忘年会に帰省、そして新年会など、まるで羽が生えたように財布からお金が出ていくのですから(笑)

きっとこの時期は、サンタクロースさんの家計も大変でしょう。世界中の子どもにプレゼントを配るんですもの。はい、ここで問題です。サンタのおじさんが、全世界の子どもにプレゼントを配るとすると、いったいいくら必要でしょうか?

国連の推計によると、2010年の15歳未満の子供の数は約18億4200万人。仮に1人に500円のささやかなプレゼントを配ったとしても、なんと合計9210億円。あと少しで日本の国家予算です。いったいサンタさんったら、普段どんな仕事で稼いでいるのかしら。

普段はファンタジーの世界にいるサンタクロースも、社会の事象と結び付けて考えてみるとちょっと面白いですよね。勉強の醍醐味って、こうやって遊べるところにもあるんじゃないでしょうか。

■「日本風の味付け」でデビューした明治時代のサンタさん

ほかにも、「歴史」と「サンタクロース」を繋げても発見があります。

日本の物語に初めてサンタクロースが出てくるのは、明治33年。子ども向け教材の挿絵だったそうです。ヤスコも実際に絵を見てみました。しかしーー

そのモノクロの老人は、やせ型で厳しい顔つき。赤い帽子もかぶっておらず、連れているのも角の立派なトナカイ……ではなく、小さなロバ。当然そりなども引いておらず、老人の手には杖が握られています。って歩いて来たんかい!?

残念すぎるサンタさんですが、これには理由があります。

明治時代は、まだ鎖国を解いて時代が浅く、日本は欧米諸国に追いつきたくて仕方がなかった時期なんですよね。教育にも外国文化を取り入れたかったけど、国民に受け入れられるには、ある程度「日本風の味付け」が求められる。だから、おじいさんの名前も「北國の老爺(ほくこくのおやぢ) 三太九郎(さんたくろう)」。また当時、国内にはトナカイはおらず、農家さんは荷物をロバに乗せて運んでいました。ストーリー自体も、「少年が助けたおじいさんが、クリスマスイブに贈り物をもってやってくる」という、まさに『鶴の恩返し』や『かさこ地蔵』の系譜を受け継いでいたのです。

たった1枚の挿絵からも、見方次第でたくさんの発見があります。

来年はこんなところからも、みなさんのご家庭のお子さんが勉強に興味を持ってくれるといいなぁ。みなさんも「こんな話が聞きたい」というのがあれば、マスター本部にでもかまいませんので、どんどん教えてくださいね!

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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
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【第18回】夏休みの「宿題代行サービス」について考えてみる
【第19回】受験生応援!「集中力」が発揮できる室温って、いったい何度?
【第20回】夏休みの時間の使い方……ウチの子は「ブラック部活」に通ってるの!?
【第21回】オトナもハマる! 無料で遊べるプログラミング教材が面白い
【第22回】「昼寝クラブ」に「みんいく」!? 気持ちよく眠るだけの成績アップ法
【第23回】小学校 「卒服」のオシャレ高額化と「キャラ弁」規制を考えてみる
【第24回】次の選挙で、これからの教育費が決まる!? 各党で違う「お財布のありか」に注目【NEW!】
【第25回】10年後の人気職業は「ロボット・アドバイザー」や「輸送のアイデアマン」!? 人工知能・AIがもたらす仕事革命
【第26回】実は奥深い「学校給食」のセカイ(1)
【第27回】実は奥深い「学校給食」のセカイ(2)
【第28回】あのサンタクロースを「経費」や「歴史」の面から考えると? 身近なところに落ちている勉強の楽しさ
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【第27回】実は奥深い「学校給食」のセカイ(2)

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第27回 実は奥深い「学校給食」のセカイ(2)

みなさん、こんにちは! ヤスコです。
今日はオトナも唸らせてしまうような、ユニークな学校給食のお話。

異物の混入などがあるとすぐニュースになってしまう給食ですが、実際は「食育」の視点からがんばっている学校も多いんですよね。さて、どんな取り組みが飛び出すことでしょう。

■童話に出てくる「幻の味」を再現!?

まず筆頭に挙がるのは、童話などに登場する「空想の料理」を再現した杉並区立久我山小学校でしょう。月に1回、メニューを図書館とのコラボレーションにしているそうなんです。

絵本のロングセラー『ぐりとぐら』に登場する「巨大なホットケーキ」をはじめ、ある月は『ムーミン谷の冬』に出てくる「サーモンのシチュー」。ある月は、主人公が冗談で書いた日記が現実になってしまう童話『はれときどきぶた』に登場する「鉛筆の天ぷら」

「鉛筆の天ぷら」は、サツマイモを鉛筆のベースに見たてて細長く切り、先をとがらせて調理したそうです。持ち手の部分には青のりを衣にまぶすことで、ちゃんと持ち手の緑を表現。手が込んでいます。子どもたちは毎回歓声をあげながら料理を食べ、食後は図書館になだれ込むそうです。そこには……そう、題材となった本が置いてあるというワケ。今風に言う「元ネタ」ですね。

裏には、子どもたちの「活字離れ」に歯止めをかけようとする司書さんの「食をきっかけに本に興味をもってほしい」という願いも込められています。一緒にこの取り組みを進める栄養士さんは、「1食分の栄養バランスを整えるのに苦労した」とか。「新しいこと」を始めるのがなかなか困難な公務員さんの世界なのに、ここまでの取り組みを実現されたんだから本当にスゴイ! 熱意と決意の強さに、ヤスコは痺れました!

■ズワイガニが1人1匹提供される豪華給食

また、冬の味覚といえばカニ。兵庫県豊岡市の小学校では今月、「セコガニ」などと呼ばれるメスのズワイガニが、給食で1人につき1匹(!)振る舞われたそうです。小ぶりのものだそうですが、何と贅沢なことでしょう。

ほかにも、岩手県の「前沢牛ステーキ給食」や、北海道の「イクラ丼給食」、三重県の「伊勢エビ給食」(こちらも1人1匹)など、まるでご当地グルメの祭典のような顔ぶれ。

地産地消や地元産業活性化のために、子どもたちにも「地域の産品」に興味をもってもらおうという試みなんですね。昨年ごろからは、シカやイノシシなどのジビエメニューも増えて、ますます給食がバラエティ豊かになってきました。

そう考えると、国内はもとより海外の給食も気になってきますねぇ。
インドの給食は、やっぱり毎日カレーなのかしら?
そもそも給食というシステムは、世界中の学校で採用されているものなの?
なーんて、調べてみたら面白そうです。

だいぶ気が早いけど、来年の自由研究のテーマにしてもいいかもしれませんね!

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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?
【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)
【第10回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(後編)
【第11回】春のお出かけで、子どもの「教科書アレルギー」を撃退!?
【第12回】新学期、オトナの本棚に「あえて」置きたい一冊
【第13回】小6の男子が考えた「分数ものさし」で、苦手な分数を一発攻略!
【第14回】ついうっかり勉強しちゃう!? ゲーム感覚で遊べる「学習アプリ」(前編)
【第15回】ついうっかり勉強しちゃう!? ゲーム感覚で遊べる「学習アプリ」(後編)
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【第26回】実は奥深い「学校給食」のセカイ(1)
【第27回】実は奥深い「学校給食」のセカイ(2)
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【第26回】実は奥深い「学校給食」のセカイ(1)

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第26回 実は奥深い「学校給食」のセカイ(1)

小学校時代のお昼どき、お腹がグーッと鳴ったら――。楽しみなのは、そう! トレーの上に並んだ「あげぱん」に「カレー」に「フルーツポンチ」などの給食ですよね。

その日の献立でクラスが一喜一憂するぐらいのビッグイベント、給食。

しかし最近、神奈川県のある中学校では、それが「マズすぎて学校問題にまで発展した」という衝撃のニュースがありました。小中学校で給食が残される量は、全国平均で7%程度らしいのですが、県内の2つの町立中学校では平均26%とかなり多め。子どもが大好きなはずの「照り焼きハンバーグ」が出たときは、55%も残されてしまったそうです。(週刊文春10/5号) さらに、髪の毛や虫、プラスチックなどの混入も頻繁にあったとか。

これは地球の子どもの活力を低下させ、乗っ取ろうとする宇宙人の陰謀でしょうか。いやいや、違います。こうなった原因を考えてみると、現代の給食事情が浮かび上がってくるのです。

■給食を導入したい中学校の救世主? 初期費用が安い「デリバリー方式」

そもそも学校給食の「はじまり」は、明治22年。山形県で僧侶たちがつくった私立小学校で、貧困児童に無料で食事が提供されたことだと言われています。当時は、「その場でつくってその場で提供」が基本だったかもしれませんが、現代は学校の運営コストなどの事情により、方法が多様化しています。

一つ目が、自分の学校内の調理室でつくる「自校方式」。二つ目は、複数の学校が共同でひとつの調理場を持ち、そこから各校に食事が届けられる「センター方式」。そして、最近増えてきたのが、委託された民間会社からお弁当が届く「デリバリー方式」です。

「デリバリー方式」は、「調理場を作らないので初期投資が少なくてすむ」「導入が簡単」などのメリットがあるんですね。これから給食導入を検討している中学校にとっては、魅力的です。(朝日新聞が、全国主要74市区に中学校給食の導入率を尋ねたところ、50%未満が5市もあったとか)。学校にも予算がありますので、その中でやりくりするとしたら充分に考えられる選択肢です。

しかし、「デリバリー方式」にもデメリットがあります。実は、先ほど問題になった神奈川県の給食は、この方式。町から20kmも離れた工場でつくられたお弁当は、食中毒などを避けるために20度以下に冷やして運ばれてくるそうです。冷たいカレーはおいしくありませんよね。さらに油も固まってしまいます。異物の混入は人為的な原因もあるかもしれませんが、味に関してはこのような背景が深く関わっています。また、個別のアレルギー対応も難しいようです。

■スマホで予約&コンビニ決済の「IT給食予約システム」

そんな中、東京都八王子市の公立中学では、「弁当併用デリバリーランチ方式」を採用しています。デリバリー方式の給食を食べるか、家からお弁当を持ってくるかを、日単位で選べるんですね。予約はパソコンやスマホでピピッと簡単。ID登録後、管理画面上に公開されている献立や食材を見て、決められるんです。支払いもクレジットカードやコンビニ決済がOK。ああ、なんて現代的なんざましょ。便利なシステムです。

成長期の子供の身体をつくる、大切な昼食。
「校区を超えて中学を選びたい」「中学受験をしたい」など、学校選びのときは「給食」も選考ポイントのひとつに加えてもいいかもしれませんね。

次回は打って変わって、ユニークな学校給食をご紹介したいと思います! お楽しみに。

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【第25回】10年後の人気職業は「ロボット・アドバイザー」や「輸送のアイデアマン」!? 人工知能・AIがもたらす仕事革命

第25回 10年後の人気職業は「ロボット・アドバイザー」や「輸送のアイデアマン」!? 人工知能・AIがもたらす仕事革命

♪オール ユー ニード イ~ズ ラブ!
オール ユー ニード イ~ズ ラブ!

おっと、突然失礼しました。ついビートルズの名曲を口ずさんでしまったヤスコです。
今やアイといえば、「愛」より「AI(エーアイ)」が注目される時代。みなさんご存知、人工知能のことですね。

AIの進化はとどまることを知りません。「韓国の軍隊が、北朝鮮のデータを入力した『AI参謀』の開発をはじめた」とか、「オリンパスが、医療のAI診断技術や手術ロボットの開発を進めている」など、国や企業が競って研究を進めています。

また、すでにわたしたちの暮らしで実現しているものもありますよね。自動車では、高速道路などでアクセルやブレーキを自動制御してくれるようになりました(まぁ、新型のものに限りますが)。スマートフォンでは、「OK,Google」と声をかけるだけで音楽や電話がかけられたり、天気を教えてくれるようになったり――。あっ、ヒト型ロボットのペッパー君も店頭や役所の案内人としてガンバっています。この間、電気屋さんでお話ししたけど、何回同じことを聞いても怒らないし、とっても親切でしたよ(笑)

人工知能=AIは、もはや庶民にとっても「秘書」や「パートナー」のような存在になりつつあります。

この早さで進むと、「近い将来、ほとんど仕事がコンピューターに奪われてしまうのでは!?」なんて、失業問題を危惧する人がいるのも事実。ウチの子たちが大人になるころには、職業はどう変わっているのでしょう?

■10年後の新職種「ロボット・アドバイザー」「輸送アナリスト」

金沢工業大学虎ノ門大学院 MBAディレクター・教授の三谷宏治さんは、10年後に消滅する職種として、「経理や会計のように、ルールがはっきりしている仕事」だと述べています。(10月5日付「プレジデントオンライン」)

コンピューターVSプロ棋士の将棋対決で、コンピューターが勝った例をあげて、「どんなに複雑なルールでも、それが明確ならコンピューターは学習して人間を超える」と分析します。確かにコンビニなどのマニュアル化された仕事は、機械でもこなせそうですよね。一部では、「過去の判例が重要視される弁護士も、一部はAIが務められるのでは」という意見もあることですし。

では、逆に「新しく生まれる職業」とは、どんなものでしょう?

テクノロジーの最先端を教えてくれる雑誌『WIRED』のサイトでは、2015年に興味深い記事がありました(文:DANIELA MANGINI 翻訳:TAKESHI OTOSHI)。今後需要が高まる職業として、「ロボット・アドバイザー」「輸送アナリスト」などがあるそうです。何それ――? ちょっと抽象的な内容だったのですが、ヤスコが読んでみて理解したことをお伝えしますね。

「ロボット・アドバイザー」とは、家庭などにおけるロボットの導入方法や使い方について、個別にアドバイスができる人。今、近い職業で言うと、家電コンシェルジュやフィナンシャルプランナーに近いかもしれませんね。

例えば、お年寄りや障がいを持った人の介護に、ロボットを取り入れるケースは増えていくと思われます。そんなとき、生活スタイルや障がいにあったロボットを一緒に選んでくれるプロがいると心強いですよね。「ぬくもり」のない機械に介護される(または介護させる)ことについて、戸惑う家族も多いと思います。メンタル面のケアができるのは、やはり人間だからこそですよね。そのうち、専門学校などには「ロボット・アドバイザー養成コース」なども新設されたりして!?

「輸送アナリスト」は、車の自動運転やドローンによる空中配達が主流となったときに活躍する職業のようです。不測の事態に対応してきた「人間の運転手」が減ることで、それに一括して対応できる人が必要になってきます。流通の効率化に注目が集まる今後は、「サービスの向上」についても新しいアイデアを出せる人材がひっぱりだこになるでしょう。どんなにテクノロジーが発展しても、「ひらめき」はやっぱり人間の領域なんですよね。

■営業マンやスポーツ選手は不滅!? 価値の高まる既存の職種たち

実はヤスコの夫は、元・広告営業マン。全国的なメーカーなどから億単位の仕事をとってきたり、転職後もチェーンの店舗開発などに関わってきました。いわゆる「ヤリ手」だったんですね。

で、その夫が声を大にして主張するのは、「世の中どんなに機械化しても、営業マンだけは永久に不滅」ということでした。どんなシステムでも、最終的に「責任」をとるのは人間。当然「決裁者」も人間である。そして、人間のココロを動かすのは、人間しかいない。営業マンは、そのココロを動かすため職業なのだ――。

なるほど! 確かに!! ヤスコ、夫に惚れ直してしまいました(笑)

思えば、スポーツ選手や歌手などにも同じことが言えるかも。ウサイン・ボルト選手が100mを9秒台で走って賞賛されるのは、人間だから。その身体の才能と、努力がわたしたちの胸を打つんです。歌だって、歌い手の喜怒哀楽がにじみ出るからこその味わいがあります。

「ロボットオリンピック」「AIシンガーソングライター」が主流となる未来があれば、生身のプロは希少価値として、いっそう持てはやされるかもしれませんね。

今月のニュースは、選挙の報道がトップを占めています。政治家のみなさんは、どちらの職業になるのでしょうか。「AIでいいや」と淘汰されるのか、「やはり人間でなくては」と見直されるのか――?

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【第24回】次の選挙で、これからの教育費が決まる!? 各党で違う「お財布のありか」に注目

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第24回 次の選挙で、これからの教育費が決まる!? 各党で違う「お財布のありか」に注目

みなさん、こんにちは! 秋の夜長は、テレビを肴に熱燗が止まらないヤスコです。

そういえば、ついに始まりましたね。衆議院選挙。
「解散!」「バンザーイ!」という謎のコール&レスポンスには、どんな意味があるのだろう……という素朴な疑問はさておき(笑) あの瞬間から、わたしたちの国の未来を左右する大切な「選択の時間」が事実上はじまったわけです。

今回の選挙では、「教育の無償化」も争点になっているようですね。これについては、複数の党がアピールしていますが、実は、無償化に必要なお金をどう捻出するか=「お財布のありか」が各党で大きく違うようです。その方法によっては、わたしたちや子どもたちに直接降りかかってくるモノもあるんですって。

え、それってどういうこと??

■「議員の使うお金を減らす」か「国民にプラスで払わせる」か?

例えばNHKのニュースによると、大阪府知事・松井一郎さんが率いる「日本維新の会」では、「国会議員の数や報酬を3割カットする」という方針。そこで浮いたお金で、幼児教育や高校、大学などの授業料の無償化を実現させるそうです。うんうん、国会中継を見ていると、お昼寝している議員さんもたくさんいらっしゃるし、これは名案ですねぇ。

一方、小泉進次郎さんらを中心とした「自民党」のグループでは、社会保険料を0.1~0.5%増やして「こども保険」をつくるという方式。要するに、国民が負担するんですね。で、集まったお金を、今の児童手当に年額5000円~2万5000円を上乗せして、幼稚園や保育園にかかる費用の実質無償化を公言していたこともありました。(2017年5月1日「東洋経済オンライン」)。あー、これだけでは高校や大学は無料にならないんですね。

また、「教育国債」の発行も話題になりましたね。カンタンに言うと、「教育のみに使える国の借金」によって一時的に財源を確保し、「お金の返済は次世代に先送りする」という寸法。これは、大学の奨学金制度と同じで、結局は「子どもたちが将来自分で支払う」というツケを背負わせてしまうことになるんです。

「タダほど怖いものはナシ」とは、まさにこのこと。
「教育費を無料にする」という施策自体はとても素晴らしいですが、その実現方法をきちんと知った上で「YES」or「NO」を判断したいですね。

「次世代へ先送り」は、若年層より高齢の方にとても支持される突破口。そして、国会を牛耳っているのも、今の投票率が高いのも、ほとんどがお年を召した方々です。この状況が意味すること……わかりますよね?放っておくと「仕事や育児で忙しい現役世代」や「未来を生きる子どもたち」の意見は反映されないのです。

う~ん、ヤスコはガマンなりませんね。平和で安心できる生活を子どもたちに与えてあげるために、できることはやっておきたいなぁ――ということで、今回も投票に行きますよ!

それに、自分で投票すると、「選挙速報」で得票率をチェックするのがとっても楽しくなります。競馬感覚……というと叱られそうですが(苦笑)、「選挙は祭り」。せっかくなら楽しみながら、未来のことを考えてみませんか?

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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
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【第23回】小学校 「卒服」のオシャレ高額化と「キャラ弁」規制を考えてみる

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第23回 小学校 「卒服」のオシャレ高額化と「キャラ弁」規制を考えてみる

「あ~、どうしてこんなにお金がかかるの!?」と、頭を抱えながら家計簿をつける秋の夜更け……。そんなとき、いつも頭をよぎるのは「このお財布状況で、子どもにどこまでお金をかけてあげられるか?」ということ。

愛情とお金は比例しないとは知りつつも、息子や娘が「これがほしい」「あそこに行きたい」と願えば、できれば叶えてあげたいと思ってしまう……。

そんなジレンマは、きっと多くの方が抱えている「子育てあるある」ですよね。
みなさん、こんにちは。実はわたくし……ヤスコも悩める親の一人であります。

今日はみなさんと一緒に考えてみたい、「子どもにかけるお金と時間」そして「さまざまな家庭事情を配慮した自粛と規制」のお話です。

■映画『ちはやふる』がきっかけで、小学生の卒業式に変化

2017年も後半戦にさしかかってきましたが、学校生活のフィナーレでもある「卒業式」において、今ちょっとした話題となっているのが「卒業生の服装」の高額化です。

主な現場は小学校。卒業式に子どもが着ていくものの定番といえば、ブレザーやワンピースでしたが、ここ数年、小学校の卒業式では「はかま」で身を飾る女の子が増えているそうなのです。1970~80年代は、アニメ『はいからさんが通る』の主人公の服装として人気を得ていたはかま。時を経た今は、協議カルタを題材とした『ちはやふる』という漫画や映画で、再び火がつきだしたみたいなんですね。

華やかな花柄のきものに、装飾のあしらわれたはかま。ばっちりキメた髪型にかっこいいブーツ。大学生も顔負けの気合いの入れっぷり。それもそのはず、最近のローティーン向けファッション誌『ニコラ』では、卒業式に着る服を「卒服」と称して「大人っぽ卒服大作戦♡カタログ」(2016年2月号)などの付録をつけるなど、女の子のオシャレ欲をぐいぐいあおっているのですから。

卒業式では、きれいに変身した「小6先輩」のはかまを見て、在校生である「小5後輩」も「来年はわたしも…」と憧れを抱くそうなんです。

■「はかま」による衣装高額化に市長が「待った!」

まぁしかし、子ども用とはいえ、はかまは決してお安くないんですよね(汗)

購入費用が数千円ですむブレザーやワンピースなどと比べて、袴はレンタル代だけでも1万円台後半から3万円代。そして、着付けやへアセット、草履・ブーツなどの小道具まで含めると、あっという間にその2倍。さらには、「せっかく和装したのだから」とスタジオ撮影まで含めると、10万円代にまで膨れ上がることもあるようです。

公立の学校では、さまざまな経済状況の家庭が子どもを通わせています。当然、「子どもが望んでも着せてあげられない家庭」というのも出てくるわけです。

今月9月14日、愛知県名古屋市の河村市長は、市議会本会議にて「小学校の卒業式におけるはかまの着用」について、保護者へのアンケート実施を考えていることを発表しました(9/15東海テレビ)。結果によっては、規制も検討するとのこと。これは名古屋市に限らず、自治体によっては自粛を求めているところもあるそうです。

あなたはどう思いますか?

■キャラ弁規制と似ている??

「そんな~、なんにでも“自粛”や“規制”を入れたら自由がなくなってしまうのでは?」という意見も当然あると思いますが、
「気持ちはわかる!」と断言したのは、ヤスコの元上司・Kさん(50代女性)です。

Kさんが例に挙げたのは、アニメのキャラクターなどを模してつくるお弁当「キャラ弁」を自粛した幼稚園の話。「自粛した幼稚園に賛同するお母さんが多くて、入園希望者が殺到したんだってー。だって忙しくて、お弁当を作るだけでも必死なのに、子どもが“キャラ弁じゃない”ということでいじめられたり、よその子と比べて悲しい思いをすると思うと耐えられないよね」と話していました。

確かに、「キャラ弁」の子が身の回りに誰もいなければ、子どもたちも「普通のお弁当」を卑下することなく食事ができそうものね。

Kさんは編集者をしていましたが、当時は共働きの子育て。長男の世話のために仕事を持ち帰り、子どもの眠るゆりかごを足で揺らしながら原稿を書いていたそう。「いくら我が子を大事にしていても、お金や時間をかけられない家もある」。そういう事情に、想いを巡らせることも必要かもしれませんよね。

うーん、ではどうすればいいんでしょうねぇ。例えば、遠足のおやつみたいに、「卒業式に着てくる服は〇〇円まで」と、上限の金額を設定するのはどうでしょうか?

プチプラ服やリサイクル服、知り合いに借りたりお下がりをもらったりして、工夫するのも楽しいかもしれませんね。「自粛」と聞くと、きゅうくつなイメージを持たれるかもしれませんが、「みんなが笑顔になれる自粛」という道を探していきたいものです。

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【第15回】ついうっかり勉強しちゃう!? ゲーム感覚で遊べる「学習アプリ」(後編)
【第16回】禁断の「あの言葉」で、子どもを夢中にさせる漢字ドリルとは?
【第17回】ウチの子が学校に行きたがらない――もしものために知っておきたい不登校児のための新法律
【第18回】夏休みの「宿題代行サービス」について考えてみる
【第19回】受験生応援!「集中力」が発揮できる室温って、いったい何度?
【第20回】夏休みの時間の使い方……ウチの子は「ブラック部活」に通ってるの!?
【第21回】オトナもハマる! 無料で遊べるプログラミング教材が面白い
【第22回】「昼寝クラブ」に「みんいく」!? 気持ちよく眠るだけの成績アップ法
【第23回】小学校 「卒服」のオシャレ高額化と「キャラ弁」規制を考えてみる
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