学習障害(LD・SLD)の診断テスト|症状別チェックリストをご紹介

公開日:2024年6月6日

学習障害の症状には、「読字障害」「書字障害」「算数障害」の3種類があります。
それぞれの症状別にチェックリストをご紹介していますので、参考にしてみて下さい。お子さんに学習障害の疑いがある場合、なるべく早い時期に特性を見極め、適切な支援方法を見出しましょう。

学習障害(LD・SLD)とは?

学習障害の定義と特徴

学習障害とは、特定の学習分野において困難を感じる発達障害の一つです。「落ち着きがない」「集団行動が苦手」といった特徴は、別の発達障害に関連するものであり、学習障害には該当しません。

学習障害の具体的な症状には、「読字障害」「書字障害」「算数障害」の3種類があり、以下のような特徴があります。

読字障害文章の読解が極端に困難
書字障害文字の書き取りや作文が極端に苦手
算数障害計算などの数学的能力に極端な問題がある

学習障害の特徴は、記憶力や理解力に問題がないため、気づかれにくいことです。そのため、適切な支援が遅れることがあります。

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学習障害と知的障害の違い

学習障害と知的障害の最も大きな違いはIQ(知能指数)にあります。
知的障害のある人のIQは一般的に70以下とされていますが、学習障害のある人のIQは85から115の間に収まることが多いです。
つまり、IQやコミュニケーション能力に問題はないものの、特定の分野において困難を感じるのが学習障害です。

学習障害の疑いがあるお子さんには、苦手な分野を正確に見極め、適切な対応を行うことが非常に重要です。苦手分野に対して適切な学習方法が見つかれば、高校や大学への進学も十分に可能です。
なるべく早い時期にお子さんの特性を理解し、適切な支援方法を見出しましょう。

学習障害の診断テスト

診断の流れ

学習障害は、主に小学校に入学してから学校教育が始まる時期に診断されることが多いです。
しかし、中には小学校入学前から言語の遅れや読み書きの困難さなどの兆候が見られ、病院で診断を受けて学習障害が発覚するケースもあります。

診断の流れは医療機関によって異なりますが、一般的には医師による問診が行われ、現在の症状や困りごと、幼少期からの生育・養育歴などが調べられます。
さらに、脳波検査や頭部のCT、MRIなどを用いて、脳の器質的な異常がないかを確認します。
その後、知能検査や認知能力検査などの心理検査が実施されます。

代表的な診断テストとしては、知能検査の「WISC」があります。「WISC」では、お子さんのIQ水準を測定し、言葉の理解や考える力などをチェックします。

WISCについて

WISC検査とは、「言語理解」「知覚推理」「処理速度」「ワーキングメモリー」の4つの指標とIQ(知能指数)を数値化する診断テストです。
お子さんの「得意なこと」と「苦手なこと」が数値化され、どういった学習障害があるか判断する一つの基準になります。

WISC検査は、教育支援センターや児童相談所、学校などの公的機関、医療機関、民間のカウンセリングルームなどで受けられますが、必ず実施しているとは限りません。各都道府県に設置されている「発達障害者支援センター」に問い合わせると実施可能な機関を知ることができます。
WISC検査は、約2,000〜4,000円程度の費用がかかり、約2時間ほどかかる検査になります。また、予約が混み合っていることも多く、検討している場合は早めに問い合わせた方が良いでしょう。

学習障害・症状別チェックリスト

医療機関での診断を受ける前に、チェックリストを使ってある程度の症状を把握することができます。
ただし、このチェックリストはあくまで参考であり、学習障害の確定診断にはなりませんのでご注意ください。

書字障害のチェックリスト

漢字を書くときに、鏡文字になってしまうことがある。
簡単な漢字を何度も間違えて書いてしまう(例:「木」を「本」と書く、余計な線や点を加えてしまう、等)
文字の大きさを統一できず、ノートに書く際に、線やマス目から大きくはみ出てしまう
年齢に見合った漢字や文章を書くことができず、字が汚いと言われることがある
会話は問題ないが、文章に書き出そうとすると句読点や助詞を正しく使えず、読みづらい文章になってしまう
ひらがなの「ね」「わ」「れ」「め」「ぬ」や、カタカナの「ツ」「シ」「ソ」「リ」などの区別がつきにくく、書き分けが苦手
文字を書く際に、文字が斜めになったり傾いたりすることがある
簡単な単語や文を書くだけでも疲れてしまい、集中力が続かない
文章を書く際に、構成や段落分けが苦手である
漢字練習や英単語練習などを極端に嫌がってしまう

読字障害のチェックリスト

文章を読んで、1回で話の内容を理解することが難しい
文章をスムーズに読むことが苦手
文章を読む際に、読み間違いをよくしてしまう
音読の宿題を極端に嫌がる
ひらがなやカタカナを読めるようになるのにとても苦労した
英語のリスニングテストは得意だが、長文読解は極端に苦手
説明書を読むのが苦手、理解できない
読書が苦手で、漫画を読むときも絵で内容を理解しようとする
ゲームをする際に、キャラクターの会話や指示を読み飛ばしてしまい、クリアできないことがある
本を最後まで読み切ることができない

算数障害

どちらの数が大きいか・小さいかをよく間違える
暗算が苦手で1桁の計算でも手や指を使って計算してしまう
「五万六百」といった言葉を正しい数字に置き換えられない(例:50600を5600と書いてしまう)
九九を覚えるのにかなり苦労した
学年相応の量の比較や単位を理解しづらい(例:「1ℓ」を「1000ml」と置き換えられない)
時計の読み方を覚えるのにかなり苦労した
作図が苦手で、二等辺三角形や平行四辺形などをうまくかけない
分数や小数の概念がわからず、苦手意識が極端に強い
計算ドリルが嫌いで、算数の宿題を極端に嫌がる
算数に自信が無く「どうせやってもできない」と思い込んでいる

まとめ

今回は、学習障害の診断の流れと、症状別のチェックリストをご紹介しました。
学習障害にはさまざまな症状がありますが、お子さんが苦手とする分野を正確に把握することで、多くの場合改善することができます。今回のコラムがお子さんの学習支援のヒントになれば幸いです。

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