【高校生向け】ADHDの診断方法とは?

公開日:2024年8月1日

このコラムでは、ADHDの疑いがある高校生や、その保護者に向けてADHDの診断方法をご紹介します。また、高校生のADHDが生活や進路などに与える影響についても詳しく解説します。高校生のADHDについて不安や悩みのある方は、ぜひご一読ください。

高校生のADHDについて

高校生にとって、ADHDは学業や社会生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
小中学生の頃に比べて、責任や自立が求められる高校生活では、ADHDの症状がより顕著に現れることが多いです。

高校生のADHD|症状と特徴

高校生になると、ADHDの症状はより顕著になり、学業や人間関係に多大な影響を与えることがあります。注意欠如、多動性、衝動性の三つの主要な症状は、日常生活の様々な場面で現れ、高校生ならではの特有の課題を引き起こします。それぞれの症状がどのように現れるのか、具体的に見ていきましょう。

注意欠如

高校生のADHDでは、注意欠如の症状が日常生活や学業に大きな影響を及ぼします。
例えば、授業中に集中力が続かず、黒板の内容や教師の話を見逃すことが多いです。また、宿題や課題の提出期限を忘れたり、必要な学習道具を持ってくるのを忘れることが頻繁にあります。このため、成績が低下しがちで、自己評価も低くなることが多いです。

多動性

多動性の症状は、小中学生に比べると身体的な動きの多さは減少することが一般的ですが、高校生でも内面的な多動性(心が落ち着かない、考えが飛びやすい)や、不必要に動き回るそわそわするなどの行動が見られることがあります。これらが原因となり、授業中に集中できず、周囲に迷惑をかけることもあります。

衝動性

衝動性の症状としては、思ったことをすぐに口に出してしまう計画性のない行動を取ってしまうなどが挙げられます。
例えば、友人との会話中に不適切な発言をしてしまったり、試験中に焦って誤答を繰り返すことがあります。このような行動は人間関係に影響を及ぼし、トラブルの原因になることが多いです。

高校生活におけるADHDの影響

ADHDの症状は、高校生活の様々な場面で影響を及ぼします。特に人間関係、学習面、就職面においては、ADHDの特性が大きなハードルとなることがあります。
以下に、それぞれの影響について詳しく説明します。

人間関係での影響

ADHDの高校生は、注意力の欠如や衝動的な行動が原因で友人関係に問題を抱えることが多いです。

高校生になると、周囲の生徒が大人びた行動や成熟したコミュニケーションを取るようになるため、ADHDの症状が一層目立ちやすくなります。例えば、会話中に相手の話を聞き逃したり、相手の感情を考慮せずに発言してしまうことがあるため、誤解や衝突が生じやすくなります。
結果として、孤立感自己評価の低下を引き起こすこともあります。これらの問題は、ADHDの高校生にとって大きなストレスとなり、社会的なスキルの発達にも影響を及ぼす可能性があります。

学習面での影響

学業においては、授業中の集中力の維持や宿題の管理が困難であるため、成績の低下が目立つことがあります。
高校生になると、学習内容の難易度が上がり、自己管理や計画性が一層重要になるため、ADHDの症状がより問題を引き起こすことが多いです。例えば、試験前の準備が十分にできないことや、試験中に注意散漫になりやすいことから、試験結果にも影響が出ることが多く、これらにより、学業に対する意欲が低下することも少なくありません。
ADHDの高校生にとって、学業のプレッシャーと自己管理の難しさが大きなストレスとなることがあります。

就職面での影響

高校生は進路選択や就職活動に取り組む時期ですが、ADHDの影響で計画的に行動することが難しく、自己PR面接での対応がうまくいかないことがあります。
また、企業の求める時間管理や自己管理のスキルが不足していると感じることが多いため、就職活動に対する不安が増大します。
さらに、仕事を始めてからも、ADHDの症状が原因で業務を適切に行えず、苦労することが少なくありません。例えば、職場で不注意によるミスを繰り返し、評価が低くなったり、ストレスが増大したりすることがあります。
適切なサポートや環境調整がない場合、仕事を続けるのが難しくなることもあります。

診断の重要性とメリット

ADHDの疑いがある高校生にとって、専門的な診断を受けることは非常に重要です。
早期に診断を受けることで、適切なサポートや治療を受けることができ、学校生活や将来のキャリアにおいてポジティブな影響を与えます。
以下に、診断の重要性とそのメリットについて説明します。

自分の特性が理解できる

ADHDの診断を受けることで、自分の特性や困難を正しく理解することができます。
これにより、自己管理の方法や効果的な学習法を見つけることができ、学業成績の向上や人間関係の改善にも役立ちます。
また、学校や家庭でのサポート体制を整えることができるため、ストレスや不安を軽減し、より充実した高校生活を送ることが可能となります。

周囲からのサポートが受けやすくなる

ADHDの診断を受けることで、特別支援教育やカウンセリング、医療的な治療などの専門的なサポートを受けることができるようになります。
これにより、ADHDの症状をコントロールしやすくなり、自信を持って日常生活や将来のキャリアに取り組むことができます。
早期の診断と適切なサポートは、高校生が自分らしく生きるための重要なステップです。
ADHDを持つ高校生が自分の特性を理解し、適切な支援を受けることで、より良い未来を築くことができるでしょう。

ADHDの診断方法とは?

ADHDの診断は、正確な評価と適切な治療を受けるために重要なステップとなります。
診断方法は多岐にわたり、医療機関での診療から専門家への相談、標準化されたテストの実施、セルフチェックリストの活用まで様々です。以下に、それぞれの診断方法について説明します。

1. 病院での診療

ADHDの診断は、まず病院での診療から始まります。精神科医小児科医が、患者の行動や症状についての詳細な問診を行い、家族や学校からの情報を集めます。
問診では、注意力、多動性、衝動性の程度や、それが日常生活にどのように影響しているかを詳しく聞き取ります。また、過去の医療記録や学業成績も診断の参考にされます。

2. 専門家への相談

ADHDの診断には、臨床心理士精神保健福祉士などの専門家への相談も有効です。
これらの専門家は、心理テストや行動観察を通じて、ADHDの可能性を評価し、カウンセリングを通じて、患者自身やその家族の理解を深め、適切な対応策や治療法を提案します。
また、学校での観察結果や教師のフィードバックも重要な情報源となります。

3. WAIS-IV・WISC-IVを受ける

ADHDの診断には、標準化された知能検査であるWAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)やWISC-IV(ウェクスラー児童知能検査)を受けることもあります。
これらの検査は、注意力や作業記憶、処理速度などの認知機能を評価し、ADHDの特性を客観的に測定します。
検査結果は、医師や心理士が診断を下す際の重要な参考資料となります。

4. セルフチェックリストの活用

セルフチェックリストは、自分自身や家族がADHDの症状を自己評価するためのツールです。インターネット上で提供されているものや、医療機関で配布されているものがあります。
チェックリストには、注意欠如、多動性、衝動性に関する質問が含まれており、これに答えることでADHDの可能性を自己評価できます。ただし、セルフチェックリストはあくまで自己診断の一助であり、最終的な診断は専門家による評価が必要です。

まとめ

ADHDの診断は、医療機関での診療、専門家への相談、標準化されたテストの実施、セルフチェックリストの活用など、多様な方法があります。早期に正確な診断を受けることで、適切な治療やサポートを受けることができ、ADHDを持つ高校生がより良い生活を送るための大きな助けとなります。診断を受けることにより、自分の特性を理解し、効果的な対応策を講じることで、自信を持って日常生活や学業に取り組むことができるようになるでしょう。

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