ASD(自閉スペクトラム症)の兆候はいつ分かる?|チェックリスト付き
公開日:2024年9月2日
「ASD(自閉スペクトラム症)の兆候が現れるのはいつなのか?」と心配されている保護者の方は多いです。このコラムでは、自閉症の見極め方や簡易チェックリスト、特徴や原因などについても詳しく解説します。自閉症の対策は、早期発見が鍵になります。
ASD(自閉スペクトラム症)の特徴・発現時期・原因
自閉スペクトラム症(ASD)は、多くの親にとって不安を抱かせる発達障害の一つです。
ここでは、ASDの特徴や兆候が見られる時期、そしてその原因について詳しく解説していきます。親として早期に気づき、適切な対応をするための参考になれば幸いです。
ASD(自閉スペクトラム症)の特徴
ASD(自閉スペクトラム症)は、コミュニケーションや社会的なやり取りに関する困難さ、特定の興味や行動のパターンの繰り返しなどを特徴とする発達障害です。
具体的には、他者とのアイコンタクトが少ない、名前を呼ばれても反応しない、言葉の発達が遅れるなどの症状が見られることがあります。また、特定の物やルールに強いこだわりを持ち、変化に対する不安が強いことも多いです。
生後何か月から兆候が見られるのか?
ASDの兆候は、一般的には生後6ヶ月から12ヶ月の間に見られることが多いです。
例えば、生後6ヶ月を過ぎても笑顔を見せなかったり、アイコンタクトを避ける傾向があったりする場合、ASDの初期兆候と考えられます。
また、1歳を過ぎても言葉を発しない、あるいは一度習得した言葉を使わなくなるなどのサインも見逃してはいけません。
ASD(自閉スペクトラム症)になる原因
ASDの原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因や環境的要因が関与していると考えられています。
特定の遺伝子の変異がASDに関連していることが示唆されていますが、必ずしも遺伝的要因だけで発症するわけではなく、胎児期の脳の発達や環境要因も影響を及ぼすとされています。研究が進む中で、ASDの原因についてはまだ多くのことが明らかにされており、理解が深まっています。
自閉症の兆候を見極める方法
ASD(自閉スペクトラム症)の兆候を早期に見極めることは、子どもの適切な支援と成長を促すために重要です。以下のポイントを参考に、細かな兆候を見逃さないようにしましょう。
1. 言葉の発達の遅れに注目する
言葉の発達の遅れは、ASDの初期兆候の一つです。
通常、1歳半から2歳ごろに単語を話し始めるのが一般的ですが、ASDの子どもはこの時期に言葉が出ない、あるいは言葉を繰り返すだけなどの異常が見られることがあります。
また、一度習得した言葉を使わなくなる場合もあります。
親は子どもの言葉の発達を日々観察し、気になる点があれば専門家に相談することが大切です。
2. 社会的対話やコミュニケーション能力に異常があるかを見る
ASDの子どもは、他者との社会的なやり取りが苦手です。
例えば、アイコンタクトを避ける、他の子どもと遊ぶことを好まない、親の指差しに反応しないといった行動が見られます。また、会話のキャッチボールが難しい、共感や感情の表現が乏しいなどもASDの兆候として考えられます。
3. 繰り返し行動やこだわりがあるかを確認する
ASDの子どもは、特定の行動を繰り返したり、強いこだわりを持つことが多いです。
例えば、玩具を特定の順序で並べる、同じ動作や言葉を何度も繰り返す(オウム返し)といった行動が挙げられます。
また、日常生活のルーティンに強い執着を示し、そのルーティンが崩れると大きな不安を感じることも特徴です。
4. 感覚過敏や感覚遮断の兆候に注意する
感覚過敏や感覚遮断もASDの特徴の一つです。
感覚過敏の子どもは、音や光、触感などに対して過剰に反応し、騒音を嫌がる、特定の食べ物の食感を嫌うといった行動が見られます。
一方で、感覚遮断の兆候としては、痛みや寒さに鈍感であったり、自分の世界に閉じこもるような行動が挙げられます。
5. 他の発達障害との類似点や違いを理解する
ASDは他の発達障害(ADHD、LDなど)と類似する症状を持つことがありますが、特徴的な違いもあります。
ASDは特に社会的なやり取りやコミュニケーションにおいて顕著な障害が見られるのが特徴です。他の発達障害との違いを理解することで、正確な判断が可能となり、適切な支援を受ける手助けとなります。
医療専門家と相談しながら、子どもの状況を総合的に評価していくことが重要です。
ASD(自閉スペクトラム症)の兆候チェックリスト
ASD(自閉スペクトラム症)の兆候は、子どもの成長過程で少しずつ現れることがあります。以下に、各年齢ごとの具体的な兆候を挙げます。
ただし、これらのチェックリストの内容は、ASD(自閉スペクトラム症)の一般的な兆候や特徴に基づいていますが、全ての子どもに当てはまるわけではありません。また、これらの兆候が見られた場合でも、必ずしもASDであるとは限りません。
チェックリストはあくまで参考として使用し、もし複数の兆候が見られる場合や発達に不安を感じる場合には、専門の医療機関や発達支援センターに相談することをおすすめします。
0~1才
この時期は、主に感覚や初期のコミュニケーションスキルの発達を観察することが重要です。
✓ | 笑顔が少ない:他者の顔を見て笑うことが少ない、または全くない。 |
✓ | アイコンタクトを避ける:親や家族と目を合わせることがほとんどない。 |
✓ | 音に対する反応が鈍い:大きな音がしても驚かない、名前を呼ばれても振り向かない。 |
✓ | 抱っこされるのを嫌がる:親に抱かれても安定しない、泣き続けることがある。 |
✓ | 視覚的な刺激に対する興味が薄い:動く物やカラフルなおもちゃに興味を示さない。 |
✓ | 特定の物を凝視する:手や物の一部を長時間凝視することがある。 |
✓ | 手足の動きが少ない:手を振ったり、物をつかむ動作が少ない。 |
✓ | 音声や言葉を発しない:喃語(バブバブなどの音声)や言葉の兆候が見られない。 |
1~2才
この時期は、言葉や社会的なやり取りの発達をチェックするのが重要です。
✓ | 単語を話さない:1歳半を過ぎても「ママ」や「パパ」といった単語が出ない。 |
✓ | 他者の指差しに反応しない:親が指差した方向を見ない、興味を示さない。 |
✓ | ジェスチャーを使わない:バイバイや手を振るといった基本的なジェスチャーをしない。 |
✓ | 共同注意が難しい:親と一緒に本やおもちゃを見て楽しむことができない。 |
✓ | 一度習得した言葉を使わなくなる:一度覚えた単語やフレーズを突然使わなくなる。 |
✓ | 特定の物や音を避ける:掃除機の音や特定の玩具に対して強い不快感を示す。 |
✓ | 特定の動作を繰り返す:同じ動きを何度も繰り返す(例:手を振る、回る)。 |
✓ | 感情表現が乏しい:喜怒哀楽がはっきりと表れず、感情を見せることが少ない。 |
2~3才
この年齢では、言葉の発達や社会的な相互作用がさらに明確になります。
✓ | 2語文を話さない:「ママ、行く」などの2語文を作れない。 |
✓ | 名前を呼ばれても反応がない:親や教師が呼びかけても無視することが多い。 |
✓ | 他の子どもと遊ぼうとしない:グループでの遊びに参加せず、一人で遊ぶことが多い。 |
✓ | 変化に対する強い抵抗:日常のルーティンが変わると極端に嫌がる。 |
✓ | 絵本やテレビを一緒に見たがらない:他者と一緒に物語を楽しむことが難しい。 |
✓ | 同じ言葉やフレーズを繰り返す:会話の中で同じ言葉を何度も繰り返す。 |
✓ | 特定の感覚に敏感:衣服のタグや特定の食感に過剰に反応する。 |
✓ | 想像遊びが苦手:人形遊びやごっこ遊びを理解しない、または興味を示さない。 |
3~4才
この時期には、社会的なスキルや遊びの発展が重要です。
✓ | 他者との会話ができない:簡単な会話のキャッチボールができない。 |
✓ | 友達に興味を示さない:他の子どもと遊ぼうとせず、一人で遊ぶことを好む。 |
✓ | ルールのある遊びが理解できない:簡単なゲームや遊びのルールを理解しようとしない。 |
✓ | 自己中心的な行動が多い:他者の気持ちや考えを考慮せず、自分のやり方に固執する。 |
✓ | 感情を表現しない:嬉しい、悲しいといった感情表現が少なく、表情が乏しい。 |
✓ | 過去の出来事を話さない:自分の経験や過去の出来事について話すことがない。 |
✓ | 異常なまでのこだわりがある:特定の服を毎日着たがる、同じ食べ物しか食べないなど。 |
✓ | 空想や創造力が乏しい:自由遊びや創造的な活動に興味を示さない。 |
早期発見の重要性
自閉スペクトラム症(ASD)の早期発見は、子どもの将来に大きな影響を与えることができます。ここでは、早期発見の重要性について詳しく解説します。
自閉症の早期発見が子どもの将来に与える影響や効果
ASDの早期発見と介入は、子どもの社会的スキルやコミュニケーション能力の向上に大きく寄与します。
早い段階で適切な支援を受けることで、子どもは自分の特性に合った学習方法や環境を整えることができ、学校生活や将来的な社会参加においてもポジティブな影響を受けやすくなります。
早期の介入は、子どもの発達を促進し、長期的に見て独立した生活を送るための基盤を築く助けとなります。
早期発見のための親の意識と行動
ASDの早期発見には、親の意識と行動が欠かせません。
日常生活の中で、子どもの行動や発達の様子を注意深く観察し、何か気になる点があればすぐに専門家に相談する姿勢が大切です。
特に、言葉の発達や社会的なやり取りに関する異常を感じた場合には、早めに医療機関や発達支援センターでの評価を受けることが重要です。また、親自身がASDについて学び、理解を深めることで、より適切な対応が可能になります。
定期的なチェックの重要性
ASDの兆候は、成長とともに現れることが多いため、定期的なチェックが必要です。
成長の節目ごとに、子どもの発達状況を評価することで、ASDの早期発見と介入のタイミングを逃さないようにできます。
定期的な健康診断や発達検査の際に、医師に子どもの様子を相談することも有効です。継続的にチェックを行うことで、子どもの特性をより深く理解し、適切な支援を提供することができます。
まとめ
ASD(自閉スペクトラム症)の早期発見は、子どもの将来に大きな影響を与える重要なステップです。
日常の中で子どもの発達を注意深く見守り、気になる兆候があれば早めに専門家に相談する姿勢が大切で、定期的なチェックを通じて、子どもの特性を理解し、適切な支援を提供することが、子どもの健やかな成長と自立した未来をサポートする鍵となります。
親の意識と行動が、子どもの未来を明るく照らす力となるのです。
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