算数障害の子どもの特徴とサポート方法を解説【簡易チェックリスト付き】

公開日:2025年3月13日

このコラムでは、算数障害の特性を持つ子どもの特徴やサポート方法についてわかりやすく解説します。さらに、算数障害の傾向が強いかどうかを判別できるチェックリストやよくある困りごともご紹介します。

お子さんの算数に関するお悩みがある方は、ぜひご一読ください。

算数障害とは何か?

算数が苦手なお子さんは珍しくありませんが、算数の理解に大きな困難を抱える場合、それは「算数障害(ディスカリキュリア)」という学習障害かもしれません。
まず始めに、算数障害の特徴や概要についてわかりやすく解説します。

1. 「算数障害」の定義

算数障害(ディスカリキュリア)は、主に数の概念や計算能力に困難を感じる学習障害の一種です。
一般的には、知的発達には問題がないにもかかわらず、特定の算数スキルに著しい遅れや苦手意識が生じることが特徴です。具体的には、以下のような課題がみられることがあります。

・数字を順番通りに並べられない
・足し算や引き算の手順を理解できない
・時間やお金の計算ができない
・図形や空間の概念を把握しにくい

これらの困難は日常生活にも影響を及ぼすことがあり、周囲の理解とサポートが重要です。

2. 算数障害と併発しやすい発達障害とは?

算数障害を抱える子どもは、他の発達障害を併発している場合も少なくありません。代表的な例をいくつか挙げてみます。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

集中力の欠如や注意の持続が難しいため、算数の手順や計算過程を飛ばしてしまうことがあります。

学習障害(LD)

算数障害は学習障害の一つとされており、他にも読む・書く能力に困難を抱えるケースが多いです。

読字障害(ディスレクシア)

文字を正確に読んだり理解することが難しい特性です。算数の文章題を解く際に困難を感じやすいです。

書字障害(ディスグラフィア)

文字を書くことや、文字を正確に記述することが難しい特性です。数字の桁の多い筆算や、図形の作図などに困難を感じやすいです。

自閉スペクトラム症(ASD)

数やパターンへの興味が強い一方で、抽象的な概念や複雑な手順に困難を感じることがあります。

3. 算数障害の人口比率

算数障害は子どもの約3〜6%が該当するとされています。
ただし、保護者や教師が「単なる苦手意識」として捉えるケースが多いため、算数障害は他の学習障害に比べて気づかれにくい傾向があります。

発達障害についてもっと知りたい方はこちら
「発達障害の小学生|その特徴や症状の理解、支援方法や接し方を解説」

算数障害の簡易チェックリスト

ここでは、お子さんが算数障害かどうかを見極めるためのチェックリストを紹介します。各項目に詳しい解説を添えましたので、具体的な困難の特徴や背景を理解しやすくなっています。
ただし、チェックリストの結果だけで診断を下すことはできません。
このリストをきっかけに、お子さんの特性を深く理解し、適切な支援方法を検討してみてください。複数該当する場合は、専門家への相談を検討しましょう。

1. 時計を読むことが苦手

算数障害のある子どもは、時計の針を読み取るのが難しく、時間を正確に理解するのに苦労します。
これは、短針と長針の関係性や、12分割された時間の概念を把握する力に困難があるためです。例えば「3時15分」を「3時5分」と読み違えることや、「25分後」などの時間の経過を計算するのが苦手な場合があります。

2. 暗算ができず、指を使って計算してしまう

算数障害のある子どもは、足し算や引き算を暗算する際に、頭の中で計算を処理できず、指を使ったり紙に書き出さないと答えを出せないケースが見られます。
暗算には数の概念や記憶力、計算能力が必要ですが、それらの基礎が不十分だと暗算が極端に難しくなります。また、計算の途中で何をしているかを忘れてしまい、同じ問題を何度もやり直すこともあります。

3. 九九が苦手

算数障害のある子どもは、九九の暗記が苦手で、学年が進んでもスムーズに唱えられない場合があります。
この背景には、数のパターンを認識する力や繰り返し記憶する力の不足が関係しています。また、「6×7」などのかけ算の問題を見た際に、意味を理解するのに時間がかかり、「かけ算のルール」をその都度思い出す必要があることもよくあります。

4. 簡単な計算でケアレスミスをよくしてしまう

算数障害のある子どもは、繰り返し練習した問題でも、数字の書き間違い計算ミスが頻繁に起こります。このようなミスは集中力の欠如だけではなく、数の処理過程における混乱が原因の場合もあります。
たとえば「5 + 2=6」といった明らかな間違いをしたり、計算途中で正しい答えを見失うことがあります。
特に時間に追われたテストなどでは、ミスの頻度がさらに増加する傾向があります。

5. 繰り下がりや繰り上がりの計算が苦手

算数障害のある子どもは、「13-7」のような繰り下がりを含む引き算や、「15+9」のような繰り上がりを必要とする足し算でつまずくことが多いです。
これには、計算手順を頭の中で処理するスキルや、桁の概念を把握する力が関係しています。繰り下がりや繰り上がりを理解するには、数直線上の移動のような抽象的な思考が求められるため、それをイメージすること自体が難しい子どももいます。

6. 分数や小数の概念が理解できない

算数障害のある子どもは、分数や小数の「意味」がわからず、非常に苦労します。
例えば、「1/2と1/3のどちらが大きいか」という問題が理解できない、あるいは「0.5」と「1/2」が同じだと認識できない、といったケースがあります。
分数や小数は抽象的な概念を扱うため、数そのものの捉え方が不安定な場合、理解が遅れがちです。

7. グラフや図形から数字を読み取れない

算数障害のある子どもは、棒グラフや折れ線グラフなどを見ても、どこに注目すればよいかわからず、情報を読み取るのが苦手です。また、図形に関する問題では、面積や角度などの数値を計算する過程を理解するのに苦労します。
これは、空間認識能力が不足していることが理由に挙げられます。例えば、「このグラフでは何を表しているの?」と尋ねても、意味をつかむのが難しいと感じる子どももいます。

算数障害の子どもによくある困りごと

算数障害を抱える子どもたちは、学習面だけでなく日常生活にもさまざまな困難を抱えることがあります。
ここでは、よくある困りごとについて具体例を挙げながら、どのような背景があるのかを詳しく解説します。

1. 算数や理科の授業が苦痛

算数障害の子どもが、算数や理科の授業が苦痛に感じられる理由として、まず授業で扱う計算数字の意味が理解しにくいことが挙げられます。
特に算数は数字そのものを扱う科目であるため、基礎的な概念がつかめていない場合、授業内容がほとんど頭に入らず、ただの「苦しい時間」となりやすいのです。
また、理科では単位の換算やグラフの読み取り、計算を含む実験結果の分析など、算数の能力が必要な場面が多いため、算数障害を抱える子どもにとって大きなハードルとなります。

2. 算数のテストが制限時間内に終わらない

算数のテストでは制限時間内に問題を解くことが求められますが、算数障害を抱える子どもにとって、これが非常に大きなプレッシャーとなることがあります。
例えば、計算スピードが遅い場合、他の子どもたちが次々と問題を解いている間に、まだ最初の数問に取り組んでいることが珍しくありません。問題文を読んだときに、どうやって解けばよいのか手順がすぐに思い浮かばず、時間をかけて考え込んでしまうことも多いです。
また、焦りから簡単な計算ミスが増え、さらに時間を消費してしまうという悪循環も起こりやすいです。
この結果、問題が最後まで終わらないことが続くと、本人にとって「テスト」という場面そのものが大きなストレスとなり、自信を失う原因になり得ます。

3. 時計が読めず、集合時間や門限を守れない

算数障害を抱える子どもにとって、時計の針を読んで正しい時間を理解するのは難しいことが多いです。このため、集合時間門限を守ることができず、周囲から注意を受ける場面が増えることがあります。
例えば、短針と長針の違いが理解できない、時計の目盛りを数えて確認しても時間の意味がつかめないといった状況が挙げられます。
さらに、ADHDを併発している場合は、時間そのものに対する意識や感覚が薄いため、時間通りに行動するのがより困難になることがあります。このような状況では、「時間を守れない子」と周囲から誤解されることも多く、本人の自己肯定感に悪影響が出ることもあります。

4. 算数の宿題に取り掛かるまで時間がかかる

算数の宿題に対して強い苦手意識を持つ子どもは、宿題に取り掛かるまでに非常に長い時間がかかることがあります。これは、「どうせできない…」という無力感や、「また間違えて怒られるのではないか…」という不安感が影響していることが多いです。

特に算数障害を抱える子どもは、何度頑張っても答えが出せなかったり、間違いを繰り返した経験から、算数に対してネガティブな感情を抱きやすい傾向があります。その結果、宿題が目の前にあるだけでやる気を失い、他のことに気を取られたり、わざと後回しにしてしまうことがあります。

5. 分量を計る作業が苦手

算数障害を持つ子どもは、日常生活の中でも分量を計るような場面に苦手意識を感じることが多いです。
例えば、料理で調味料を「小さじ1杯」などと指示されても、それを正しく計れない、もしくは分量の感覚がつかめないために多すぎたり少なすぎたりすることがあります。
また、工作の場面では、定規で長さを測る作業や材料を均等に分けるといった基本的な手順が難しく感じられることがあります。
このような困難は、数字への苦手意識と、空間的な認識の難しさが重なっている場合が多いです。

算数障害の子どもへの効果的なサポート方法

算数障害を抱える子どもには、それぞれの特性に合わせた支援が必要です。子どもが自信を失わないよう、親や教師が根気強く向き合うことが重要です。
ここでは、具体的で効果的なサポート方法を解説します。

1. まずは数字の概念から教える

算数障害の子どもは、算数で使う言葉の概念が曖昧なことが多いため、その言葉や数字が何を意味するのか、具体的な事例を使って教えることが効果的です。
例えば、「午前は朝」「1時間は60分」「2分の1は半分」など、日常生活で使われる言葉や数字を噛み砕いて説明すると理解しやすくなります。その際に、具体物や絵、写真などを使い、目で見て触れられる形で教えると効果的です。
また、子どもが日常で接するお金やおもちゃなどを教材にすると、よりわかりやすく感じるでしょう。

2. 子どもの好きなものに例えて教える

算数への苦手意識を減らすため、子どもが興味を持っているものを利用して算数の概念を教える方法も効果的です。
例えば、ゲームが好きな子どもであれば、ゲームの中で使われるアイテムや武器の数を数える練習を取り入れたり、キャラクターの体力ポイントやスコアの変化を算数の教材として活用することができます。
また、好きな食べ物やおもちゃを例にして「リンゴが2個あって1個食べたら何個残る?」といった形で、楽しく学べる環境を作るのも良いでしょう。子どもの興味のあるものと算数を組み合わせることで、算数に対するポジティブな感情を引き出すことができるでしょう。

3. 学校の授業の予習を行う

算数障害の子どもは、授業中にいきなり新しい概念を学ぶと理解が追いつかないことがあります。そこで、学校で学ぶ内容を事前に予習することで、授業中の不安感を軽減させることができます。
家庭であらかじめ授業内容を簡単に予習し、基本的な計算方法や用語を子どもと一緒に確認しておくと、授業がスムーズに感じられるようになります。また、予習の際には無理に詰め込まず、少しずつ進めることを心がけましょう。

4. 褒めて自信をつける

算数障害を抱える子どもにとって、成功体験を積み重ねることがとても重要です。小さな進歩でも褒めることで、自己肯定感を育て、「自分にもできる」という自信につながります。
例えば、「正解できたね!」「昨日より速く計算できたね!」といった具体的な言葉で褒めると効果的です。
失敗に目を向けるのではなく、少しでもできた部分を強調するようにしましょう。自信がつけば、苦手意識が和らぎ、次のステップにも前向きに取り組めるようになります。

5. 根気強く教える

算数障害の子どもは、学んだことをすぐに忘れてしまうことがありますが、それを繰り返し教えることが大切です。
どんなに時間がかかっても、「この前教えたのに!」と怒らないことが重要です。このように怒られると子どもはさらに萎縮し、算数に対する苦手意識が深まってしまいます。できるだけ楽しく学べる環境を整え、根気強く接しましょう。
もし家庭でのサポートが難しい場合は、家庭教師特別支援教育の専門家に頼ることも一つの方法です。第三者の力を借りることで、子どもが楽しく学ぶことができるようになるでしょう。

まとめ

算数障害を抱える子どもたちが自信を持って成長していくためには、特性を理解し、一人ひとりに合ったサポートを行うことが大切です。
数字や計算が苦手でも、適切なアプローチやポジティブな経験を通じて、子どもは少しずつ前進できます。保護者や教師が根気強く支えつつ、必要に応じて専門家の助けを借りることで、子どもの可能性を引き出すことができます。

家庭教師のマスターでは、算数障害を持つお子さんの学習サポートを行っています。ご興味のある方は気軽にお問合せください。

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