小学生が癇癪を起こす理由と解決策|親ができる対処法についてもご紹介

公開日:2025年4月9日

このコラムでは、小学生に多い癇癪の症状や特徴、親の対応方法について詳しく解説します。さらに、癇癪と発達障害との関係、小学生の癇癪を防ぐ方法、保護者が癇癪を起こした時の適切な対処法や避けるべき対応、癇癪について相談できる機関についても詳しくご紹介します。

目次

小学生の癇癪(かんしゃく)について

子どもが突然怒り出したり、大声を出して暴れたりする姿を目にすると、親として戸惑いを感じることがあるかもしれません。
特に小学生の時期は、自我が発達し感情のコントロールが難しい場面が増えるため、癇癪を起こすことも珍しくありません。
先ずは、小学生の癇癪の原因や具体的な症状について解説します。

1. 癇癪とは?

癇癪(かんしゃく)とは、子どもが感情を爆発させるように怒りや不満を表現することを指します。具体的には、大声で泣き叫んだり、物を投げたり、床に転がって手足をばたつかせるなどの行動が挙げられます。
小学生の癇癪は、幼児期のものと比べて原因がより複雑です。幼児の場合、言葉で気持ちをうまく伝えられないことが主な要因ですが、小学生になると「思い通りにならない」「納得できない」「不安やストレスが強い」など、より高度な感情が関係しています。
また、友人関係や学校でのプレッシャーなど、社会的な要因が影響を与えることもあります。

2. 癇癪の具体例

小学生が癇癪を起こす場面には、さまざまなケースがあります。
具体的な例を挙げると以下のようなものがあります。

  • 宿題や勉強が思うように進まず、怒って文房具を投げる
  • 友達との遊びで思い通りにいかず、泣きながら大声で叫ぶ、怒鳴る
  • 欲しいものを買ってもらえず、地面に座り込んで動かなくなる、泣き叫ぶ
  • ゲームの時間を制限されたことに納得できず、親に向かって怒鳴る
  • 兄弟姉妹と喧嘩をして、自分の意見が通らず激しく泣く

これらの行動の背景には、子どもの「感情のコントロールが未熟であること」「納得できる説明が得られないこと」「強いこだわりや不安があること」などが影響しています。

3. 癇癪はいつまで続く?

小学生の癇癪は、一般的に成長とともに減少していきます。特に、高学年になるにつれて、言語能力や論理的思考が発達することで、自分の気持ちを言葉で表現できるようになり、衝動的な行動を自制できるようになります。
ただし、個人差が大きく、環境や性格によっては小学校高学年以降になっても癇癪を起こしやすい子もいます。この様な場合、以下のような要因が影響することが考えられます。

  • ストレスの多い環境(家庭や学校でのプレッシャーが大きい)
  • 感情表現の方法が身についていない
  • 自己主張が強く、納得しないと気が済まない性格(わがまま)
  • こだわりが強く、変化に対応するのが苦手

この様な場合でも、適切なサポートを受けることで、徐々に自分の感情を調整する力を身につけることができます。詳しくは後述しますので、是非ご一読ください。

4. 癇癪と発達障害の関係性

ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などの発達特性を持つ子どもは、一般的な子どもよりも癇癪を起こしやすい傾向があります。ただし、癇癪を起こす子どもがすべて発達障害を持っているわけではありません。

ADHDの場合

ADHDの子どもは、衝動的な行動を取りやすく、感情をコントロールするのが難しいことが特徴です。

  • 思い通りにいかないとすぐに怒る
  • すぐに気持ちを切り替えられず、長時間怒り続ける
  • ルールを守るのが苦手で、注意されると反発する

発達障害についてもっと知りたい方はこちら
「発達障害の小学生|その特徴や症状の理解、支援方法や接し方を解説」

ASDの場合

ASDの子どもは、こだわりが強く、環境の変化や予定の変更に対応しにくいため、ストレスを感じると癇癪を起こしやすいです。

  • 予定通りに物事が進まないとパニックになる
  • 感覚過敏があり、音や光に対して過敏に反応する
  • 相手の気持ちを理解するのが苦手で、思い通りにいかないと怒る

ASD(自閉スペクトラム症)の兆候についてもっと知りたい方はこちら
「ASD(自閉スペクトラム症)の兆候はいつ分かる?|チェックリスト付き」

必ずしも癇癪を起こす子=発達障害ではない

癇癪は、発達障害に関係なく起こることも多いため、一概に全てを発達障害と結びつけることはできません。
ストレスや生活環境、性格などが要因となっている場合も多いため、子どもの特性をしっかりと理解し、適切なサポートをすることが重要です。

5. 小学生の癇癪が「キレやすい大人」に繋がる可能性

小学生の癇癪が必ずしも「キレやすい大人」になるわけではありませんが、幼少期に感情のコントロールを学ばなかった場合、そのリスクは高まります。
特に、怒りの表現を否定され続けた場合「怒れば思い通りになる」と学んだ場合、大人になっても怒りを抑えられず、衝動的にキレやすくなることがあります。
これを防ぐには、幼少期から「怒りを言葉で表現する方法を教えること」「クールダウンの方法を持たせること」「ストレス発散の習慣を作ること」が重要です。

小学生が癇癪を起こす理由

小学生が癇癪を起こす背景には、さまざまな要因があります。
小学生の時期は、成長過程で感情のコントロールを学ぶ途中段階であるため、大人が想像する以上に自分の気持ちをうまく処理できないことが多いです。
ここでは、小学生が癇癪を起こす主な理由について詳しく解説します。

1. 感情のコントロールが苦手

小学生はまだ感情をうまくコントロールする力が発展途上の段階です。
特に、怒りや悲しみ、不安といった強い感情を抱いたとき、それを適切に処理する方法が未熟なので、突然感情が爆発してしまうようなことがあります。
また、子どもの気質や性格によっても違いがあり、もともと感受性の強い子や、衝動的になりやすい子(短気)は、癇癪を起こしやすい傾向があります。

2. 感情の言語化が苦手

小学生の場合、「うまく言葉で表現できない」ことも、癇癪の大きな要因の一つです。
自分の気持ちを整理して、適切な言葉で伝える力は、小学生の間に徐々に上達していきますが、特に低学年の子どもにとっては、「自分が何に対して怒っているのか?」「どうして嫌な気持ちになったのか?」を言葉で上手く説明することは難しいことが多いです。
その結果、「怒る」「泣く」といった行動で、自分の気持ちを周囲の大人に分かってもらおうとします。

3. 周囲に注目して欲しい

子どもは親や先生、友達などの周囲の人からの関心を求めています。特に、普段から「もっと自分を見てほしい」と感じている子どもは、癇癪を起こすことで注目を引こうとすることがあります。
例えば、弟や妹がいて「自分より下の子ばかりかまわれている」と感じた場合、癇癪を起こすことで親の気を引こうとするケースもありますが、この場合、怒るのではなく、普段から子どもとのコミュニケーションの時間を増やすことが大切です。

4. 自分の要求を聞いてもらいたい

「どうしても○○をやりたい」「どうしても○○が欲しい」といった強い要求が通らなかった時、子どもは不満を爆発させて癇癪を起こすことがあります。
特に、親が伝えた理由に納得できなかったり、問答無用で「ダメ」と言われたりすると、感情が抑えられなくなり癇癪につながることがあります。
大人としては、ただ頭ごなしに否定するのではなく、「なぜダメなのか」「別の方法でできるか」といった代替案を示してあげることが大切です。

5. 嫌なことや苦手なことから逃避したい

宿題や習い事、学校の決まりごとなど、子どもが「やりたくない」と思うことに直面した時、癇癪を起こして逃れようとすることがあります。これは、ストレスや不安を感じることから避けようとする防衛本能の一種でもあります。
例えば、「宿題をやりなさい」と言われた時に、突然怒り出して泣き叫ぶ場合、それは「宿題が難しくてやりたくない」「失敗するのが怖い」といった気持ちの表れかもしれません。
この場合、単に「やりなさい」と強制するのではなく、「どうしたらスムーズに取り組めるか」を一緒に考えることが重要です。

小学生の癇癪を防ぐ方法

小学生の癇癪は、成長の過程で自然に減少していくものですが、適切な対応をすることで予防し、感情のコントロールを学ばせることができます。
ここでは、具体的な予防策について解説します。

1. 次に何をするかあらかじめ伝える

子どもは、急な変化に戸惑いや不安を感じることが多く、思い通りにいかないと癇癪を起こすことがあります。そのため、次に何をするのかを事前に伝えておくことで、気持ちの準備ができ、スムーズに行動しやすくなります。
例えば、「あと5分でお片付けをするよ」「宿題が終わったら公園に行こうね」など、前もって次の予定を知らせることで、子どもは安心しやすくなります。

2. 感情のコントロール方法を教える

子どもの癇癪を防ぐには、怒りや不安を感じた時に「どう対処すればよいのか」を具体的に教えることが大切です。例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 深呼吸をする(ゆっくり息を吸って吐くことで気持ちを落ち着ける)
  • 外を眺める(気分転換をしてリラックスする)
  • お気に入りのぬいぐるみやクッションを抱く(安心感を得る)
  • 水を飲む(気持ちを切り替えるきっかけになる)

これらの方法を普段から練習し、癇癪を起こす前の段階で意識させることが重要です。

3. 感情の言語化の方法を教える

自分の気持ちを言葉で表現できるようになると、怒りを爆発させる代わりに「どうして嫌なのか」「何に困っているのか」を言葉で伝えられるようになります。そのため、子どもが感情を言語化できるようにサポートすることが大切です。
例えば、「今、どんな気持ち?」「何が嫌だった?」と質問して、少しずつ言葉で表現する練習をするのが効果的です。「○○だから怒っているんだね」「○○だったから悔しかったんだね」と大人が代弁してあげるのも、子どもにとっては言葉を学ぶ良い機会になります。

4. ストレスとの向き合い方を教える

小学校に通い出すと、学校の出来事や友人関係などでストレスを感じることも増えてきます。
ストレスが溜まりすぎると、些細な出来事がきっかけで爆発してしまい、癇癪につながることもあります。そのため、ストレスを解消する方法を教えることが大切です。
例えば、

  • 好きなことをする時間を作る(絵を描く、音楽を聴く、本を読むなど)
  • 体を動かす(外で遊ぶ、軽い運動をする)
  • 安心できる場所を持つ(自分の部屋やお気に入りの場所でリラックスする)

など、ストレスを感じた時に「何をすれば気持ちが楽になるのか」を子ども自身が知っておくことが大切です。

5. どんな場面で癇癪を起こしやすいのかを理解させる

子ども自身が「どんな時に癇癪を起こしやすいのか」を知ることで、感情をコントロールしやすくなります。
例えば、「宿題が思うように進まない時にイライラする」「ゲームを途中でやめさせられるのが嫌」など、イライラする時のパターンを理解させることで、事前に対策を取ることができます。
また、親も子どもの癇癪が起こる時のパターンを把握しておき、癇癪が起こりそうな状況を避けたり、予防策を考えたりすることもできます。

小学生が癇癪を起こした時の適切な対処法

小学生が癇癪を起こした時、親や周囲の大人がどのように対応するかによって、その後の子どもの感情のコントロール能力にも影響を与えます。例えば、焦って叱ったり無理に抑え込んだりすると、かえって逆効果になることもあります。
ここでは、小学生が癇癪を起こした時の親がすべき適切な対処法について解説します。

1. 癇癪を起こしている理由を理解する

まず大切なのは、子どもが「なぜ癇癪を起こしているのか?」を理解することです。
表面的には「怒っている」「泣いている」だけに見えていても、その背景には「思い通りにならない」「不安を感じている」「ストレスがたまっている」などの様々な理由が隠れています。
例えば、「宿題をやりたくない」と言っている場合でも、実は「難しくてできる自信がない」という不安が原因かもしれません。
表面的な行動だけを見て「わがまま」「甘え」と決めつけるのではなく、何が根本的な原因なのかを考えることが大切です。

2. 子どもの気持ちを代弁する

言葉で気持ちを上手く表現できない子どもにとって、自分の感情を理解してもらえることは安心につながります。
そこで、大人が子どもの気持ちを代弁してあげると、気持ちを落ち着かせるきっかけを作ることができます。
例えば、

「○○が嫌だったんだね」
「○○がやりたかったのに、できなくて悔しかったんだね」
「うまくいかなくてイライラしたんだよね」

のように、大人が適切な言葉で代弁してあげると、子どもは「自分の気持ちを分かってもらえた」と感じ、次第に落ち着いていきます。特に、感情の言語化が苦手な子には効果的です。

3. 気持ちを切り替える方法をあらかじめ決めておく

癇癪を起こした時に気持ちを切り替えやすくするためには、事前に「落ち着くための方法」を決めておくと良いでしょう。
子どもと一緒に「どうしたら落ち着くか」を話し合っておき、いくつかの方法を決めておくことで、実際に癇癪が起こった時にもスムーズに対応できます。
具体的な方法としては、以下のようなものがあります。

  • 水を飲む(気分をリフレッシュさせる)
  • 1人になれる場所に移動する(冷静になれる空間を確保する)
  • 深呼吸をする(気持ちを落ち着かせる)
  • お気に入りのアイテムを触る(安心できるものを持つことで落ち着く)
  • 静かな音楽を聴く(リラックス効果がある)

このように、事前に対策を決めておくことで、癇癪を起こしそうになった時に、子ども自身が自分で対処することができるようになります。

4. 周囲への安全を確保する

癇癪の程度によっては、子どもが物を投げて壊したり、大きな声を出して暴れたりすることもあります。その際、周囲にいる人が危険な目に遭わないように、安全を確保することが大切です。

  • 投げそうなものを事前に遠ざける
  • 周りの子どもを遠ざける
  • 物理的に危険な場所(階段や道路など)から離す

特に、公共の場では、周囲の人への影響も考えながら、できるだけ落ち着ける場所に移動するなどの対応をとるとよいでしょう。

5. 落ち着くまで側で待つ

子どもが癇癪を起こしている時に、無理に「泣き止みなさい」「怒るのをやめなさい」と言っても、かえってエスカレートすることがあります。
感情が爆発している時には、論理的な話が通じにくいため、まずは子どもが落ち着くのを待つことが大切です。
落ち着くまでの間は子どもの近くにいて、「安心していいよ」という雰囲気を作ってあげることが重要です。

小学生が癇癪を起こした時にやってはいけないNG行動

子どもが癇癪を起こした時は、親も感情的になりやすく、つい勢いで対応してしまうこともあります。しかし、間違った対応をすると、癇癪を悪化させたり、逆に感情を抑え込みすぎるようになったりすることもあります。
ここでは、小学生が癇癪を起こした時に避けるべきNG行動について解説します。

1. 感情的に叱る

子どもが癇癪を起こした時に、親も感情的になってしまい、「いい加減にしなさい!」「なんでそんなにわがままなの!」と強く叱るのは逆効果です。
感情的に叱られると、子どもは「癇癪を起こすことは悪いことなんだ」と分かるとは思いますが、「どうすれば癇癪を起こさずにすむのか?」という解決策を学ぶことができません。
その結果、癇癪を抑える方法が分からないまま、また同じことを繰り返したり、親から怒鳴られることで不安や恐怖が強まり、癇癪が悪化することもあります。
感情的に叱るのではなく、冷静に対応し、落ち着いた時に「どうすれば次からうまく気持ちを伝えられるか」を一緒に考えることが大切です。

2. 癇癪を起こした理由に理解を示さない

「そんなことで怒るのはおかしい」「これ位のことで何をそんなに泣いてるの?」といった言葉で、子どもの気持ちを否定してしまうと、子どもは「自分の気持ちを分かってもらえない」と感じ、より強く癇癪を起こすことがあります。
子どもの癇癪には必ず理由があります。大人にとっては些細なことでも、子どもにとっては大きな問題だったり、納得できない出来事だったりします。そのため、まずは子どもの気持ちに寄り添い、共感することが大切です。
ただし、気持ちや理由に共感するからといって、必ずしも子どもの要求をすべて受け入れる必要はありません。「気持ちは分かるけど、こうした方がいいよね」といった形で、適切な対応を教えていくことが重要です。

3. 癇癪を起こしたことに対して罰を与える

「癇癪を起こしたからゲーム禁止」「スマホを取り上げる」といった罰を与えることも、根本的な解決にはなりません。
確かに、一時的に子どもが「怒られるのは嫌だ」と思い、癇癪を我慢することはあるかもしれませんが、それは「癇癪を抑える方法」ではなく、「怒られるのが怖いから我慢する」という対応を学ぶだけになってしまいます。
また、罰を与えることで、「自分の気持ちを表現すると、何かを奪われる」という考えが身につき、感情を適切に表現できなくなるリスクもあり、結果的に、怒りや不満が溜まり、別の場面で爆発する可能性があります。

癇癪を起こした時には罰を与えるのではなく、「どうすれば癇癪を起こさずに気持ちを伝えられるか」を一緒に考えることが大切です。
例えば、「次は癇癪を起こさずに、『どうしたらいいか教えて』って言ってみようね」と具体的な代替行動を教えていくことで、子どもは少しずつ感情のコントロール方法を学んでいきます。

癇癪が落ち着いた後に保護者が取るべき行動

小学生が癇癪を起こした後、そのままにしてしまうと、子ども自身が「どうして自分は癇癪を起こしたのか」「どうすれば次は落ち着いて対処できるのか」を学ぶ機会を逃してしまいます。
つまり、癇癪が落ち着いた後の対応が、子どもの感情コントロールの成長に大きく影響します。
ここでは、保護者が取るべき適切な行動について解説します。

1. 落ちついたことを褒める

子どもが癇癪を起こしても、その後自分で気持ちを落ち着かせることができたら、それをしっかり褒めることが大切です。
「落ち着くことができたね!」「自分で気持ちを整えられたのはすごいね!」と伝えることで、子どもは「落ち着くこと=良いこと」を学びます。
また、「自分で落ち着くことができる」という成功体験を積み重ねることで、次に感情が高ぶった時でも「前も自分で落ち着けたから、今回もきっと大丈夫!」と思えるようになります。

2. なぜ癇癪を起こしたのかを確認する

癇癪が落ち着いた後に、「どうして怒っちゃったのかな?」と優しく問いかけることで、子ども自身が落ち着いて自分の感情を振り返るきっかけを作れます。
子どもが自分の気持ちを言葉にすることが難しい場合は、大人が選択肢を提示すると話しやすくなります。例えば、

「〇〇が思い通りにならなくて怒ったのかな?」
「嫌な気持ちをうまく伝えられなかったのかな?」

と、子どもが答えやすい形でいくつか質問してみるとよいでしょう。
このプロセスを繰り返すことで、子どもは「自分の気持ちを言葉で伝える」ことを学び、徐々に癇癪の頻度を減らしていくことができます。

3. 癇癪を起こした理由に共感する

子どもが話してくれた理由に対して、「そっか、〇〇が嫌だったんだね」「うまくできなくて悔しかったんだね」と共感を示すことで、子どもは「自分の気持ちを分かってもらえた」と感じます。
ここで重要なのは、「共感すること」と「子どもの行動をすべて肯定すること」は別だということです。例えば、「おもちゃを取られて嫌だった」という気持ちには共感しても、「だから叩いていい」という行動は肯定しないということを伝える必要があります。
共感した後に、「そういう時はどうすればよかったかな?」と話をつなげることで、感情をコントロールする方法を一緒に考えていくことができます。

4. 癇癪を起こさない為にどうすれば良かったかを話す

感情が落ち着いた後に、「次はどうすれば癇癪を起こさずに気持ちを伝えられるか」を親子で一緒に考えることも大切です。
「次からは、こう言えばいいんじゃないかな?」「困った時は、大きく深呼吸してから話してみようよ」と、具体的な対策方法を教えてあげると、子どもも実践しやすくなります。

例えば、

「次は、怒ってしまう前に『ちょっと待って!』って言ってみようか」
「言葉で伝えられない時は、紙に書いてみるのもいいかもね」
「イライラした時は、お気に入りのぬいぐるみをぎゅっとするのもいいね」

などの、具体的で実践しやすいことが有効です。
子ども自身が「次はこうすればいいんだ」と前向きに考えられるように導いてあげると、癇癪を減らすきっかけになります。

小学生の癇癪について相談できる機関

子どもの癇癪について悩んだ時、家庭だけで抱え込まずに専門の機関に相談することで、適切なアドバイスや支援を受けることができます。
ここでは、癇癪について相談できる主な機関について紹介します。

1. 学校

まず相談しやすいのが、学校の担任の先生スクールカウンセラーです。
学校生活の中で癇癪を起こしやすい場合、教師と連携をとることで適切な対応を考えることができます。また、学校によっては特別支援教育コーディネーターがいることもあり、発達や行動面でのサポートについて相談できる場合もあります。

相談できる内容

  • 学校での癇癪の様子や頻度
  • 友人関係や学習面の影響
  • 教師との連携方法
  • 特別支援の必要性の有無 等。

2. 保健センター

市区町村の保健センターでは、保健師心理士が子どもの発達や行動についての相談を受け付けています。
特に、成長や発達の遅れ、癇癪の頻度が気になる場合は、一度相談してみると良いでしょう。

相談できる内容

  • 子どもの発達に関する悩み
  • 癇癪の原因と対策
  • 必要に応じた専門機関の紹介
  • 育児ストレスの相談

3. 子育て支援センター

各自治体にある子育て支援センターは、育児に関する悩みを気軽に相談できる場所です。
癇癪について相談すると、専門のスタッフが対応してくれたり、他の保護者と情報交換ができたりするため、孤立せずに対処法を考えることができます。

相談できる内容

  • 日常的な癇癪の対応方法
  • 他の親との情報共有
  • 親自身のストレス軽減方法
  • 地域の支援サービスの紹介

4. 発達障害支援センター

癇癪が激しい場合や、発達障害の可能性が気になる場合は、発達障害支援センターに相談するのも一つの方法です。
ここでは、専門の心理士や支援員が発達の特性を考慮したアドバイスをしてくれます。

相談できる内容

  • ADHDやASDなどの特性に関する相談
  • 行動のコントロール方法
  • 療育や特別支援の必要性
  • 専門医や支援機関の紹介

5. 児童福祉課

市区町村の役所にある児童福祉課では、子どもの発達や家庭環境についての相談を受け付けています。特に、家庭での対応が難しい場合や、専門的な支援が必要な場合に役立ちます。

相談できる内容

  • 家庭での対応が難しい場合の支援
  • 児童相談所や福祉サービスの紹介
  • 経済的な支援が必要な場合の相談
  • 福祉サービスの利用方法

6. 放課後デイサービスなどの民間サービス

癇癪が強く、日常生活に支障が出る場合は、放課後等デイサービスなどの民間支援機関を利用することも考えられます。これらのサービスでは、専門の支援員が子どもの特性に合わせた対応をしてくれます。

相談できる内容

  • 癇癪の頻度が高い子どもへのサポート
  • 集団生活の適応訓練
  • 行動のコントロールを学ぶ療育
  • 保護者向けのカウンセリング

まとめ

小学生の癇癪は成長の一環ですが、感情のコントロールを学ぶ機会として捉えることが大切です。癇癪を防ぐには、気持ちの伝え方やストレス対処法を教え、落ち着いた後に振り返る時間を持つことが効果的です。
また、感情的に叱るのではなく、共感しながら適切な対応を心がけることで、子どもは少しずつ自分の感情を調整できるようになります。困った時は、学校や専門機関にも相談し、無理なくサポートを続けていきましょう。

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この記事は、家庭教師のマスターを運営している株式会社マスターシップスの「家庭教師のマスター教務部」が企画・執筆・監修した記事です。家庭教師のマスター教務部は、教育関連で10年以上の業務経験を持つスタッフで編成されています。
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