高校受験はいつから間に合う?|始める時期と準備について

公開日:2024年3月19日

保護者の方や生徒さんから「高校受験はいつから始めれば間に合うの?」と質問されることがよくあります。本コラムでは、受験の準備を始める時期の目安や具体的な対策についてわかりやすく解説していきます。高校受験は早めの準備が合格への近道です!受験当日までのスケジュールや学習方法、志望校選びに関するポイントもご紹介します。

受験勉強はいつから始める?

内申書(調査書)の対策はいつから始める?

高校受験では、学力検査(当日の入試テスト)の対策と同時に、内申書の対策も重要です。高校の合否を決める判断は、入試当日のテストの点数と内申書の評価点(内申点)の合計点によって決まります。
内申点が、どの学年から加味されるかは、実は地域によって異なります。中学1年生から加味される地域もあれば、中学3年生の成績だけを加味する地域もあり、また、中学3年生の成績を2倍計算する地域もあります。つまり、地域によっては中学1年生から高校受験が始まっていると言っても過言ではありません。

内申点は、主に通知表の成績を基に点数が付けられますが、その通知表の成績は主に定期テストの点数によって評価されます。
つまり、定期テストの成績は受験の合否を決める下地になるので、中学1年生から良い点数を取れるように頑張る必要があります。中学2〜3年生になって「いざ、受験勉強を始めるぞ!」となっても、自身の内申点によって受験できる高校が限られてしまう、ということがありますので、注意が必要です。

内申点ついてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「内申点の上げ方を徹底解説!|志望校合格に向けた勝利への方程式」

一例として、関東7都道府県と関西6府県の内申点計算方法をご紹介します。

関東1都6県の内申点計算方法
[東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県]

関西2府4県の内申点計算方法
[大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県]

受験方法は推薦入試?一般入試?

高校受験をする際、「推薦入試」と「一般入試」どちらで受験するのか?によっても、受験勉強を始める時期はやや異なります。推薦入試の場合、一般的には1月上旬〜2月上旬にかけて実施されます。
一方で一般入試の場合、私立高校は1月下旬〜2月下旬公立高校は2月中旬〜3月中旬に実施されます。つまり、推薦入試の時期は約1ヶ月程度早くなりますので、その分受験勉強に取りかかる時期も前倒しになります。


学力検査(入試テスト)の対策はいつから始める?

学力検査のテスト範囲は、中学1年生から3年生までの全てから出題されます。定期テストのように限られた範囲ではないので、膨大な量になります。教科書だけでも5教科3年分で15冊分です。ページ数で言うと合計で約3,000ページになります。
この膨大な量をまとめるとなると、1〜2ヶ月では到底間に合いません。できれば、中学2年生の冬休みあたり(受験日から逆算して1年前くらい)から受験勉強を開始することが理想的です。
お子さんの学力や過去の成績にもよりますが、12ヶ月あれば1ヶ月あたり250ページですので、1日あたり8ページ程度(1科目あたり1〜2ページ程度)の学習量になります。
受験勉強は終わったところの復習が中心となるので、これくらいのペースであれば、今習っているところと並行しても無理なく受験勉強を進めることができるでしょう。
また、部活動が忙しかったりで、なかなか時間が取れないお子さんの場合、部活が終わる夏休みから本格的に受験勉強を始めることがあります。この場合は、普段の定期テストでしっかり内容を理解しておくことが大切です。これまで習ったところをある程度まで理解できていれば、夏休み以降からでも間に合います。ただし、一からやり直すというよりは、自身の苦手な科目や分野を中心にポイントを押さえた復習方法を考えておく必要があります。

家庭教師や塾はいつから始める?

独学で高校受験に取り組むことも可能ですが、やはり塾や家庭教師の力を借りながら受験勉強を進めることをお勧めします。
中学生のお子さんは、受験を経験したことがない子がほとんどなので、いつまでにどれくらい進んでいれば大丈夫なのか?といったペース配分が分からないことが多いです。入試テストの範囲は膨大なので、しっかり計画を立てて進める必要があり、その点では外部からのサポートが必要となります。
また、苦手な科目や弱点となる分野が多いお子さんや、終わった所の内容に戻って勉強し直す必要があるお子さんの場合は家庭教師がお勧めです。

上記の通り、受験勉強は半年〜1年をかけて行う長期の作業になります。並行して、内申対策として中3の勉強もしっかりやらなくてはいけません。効率の良いペース配分や時間配分をすることは、想像以上に難しいことです。塾や家庭教師を始める時期は早ければ早いほど有利ですが、遅くとも中3の夏までには始めた方が効果的でしょう。

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【高校受験コース】について

過去問はいつから始める?

過去問を始める時期は、志望校がある程度絞られてからで良いでしょう。すなわち、中学3年生の夏休み以降になります。
過去問は一度解いてしまうと答えを覚えてしまうので、何度も解くことはできません。また、過去問自体も過去5〜10年分ほどしかないので、意外とすぐに終わってしまいます。
あまりにも早い時期に解いても、まだ習っていない問題があったりするので中途半端になりがちです。かといって、あまりにも直前過ぎると、もし点数が取れなかった場合に自信を無くしてしまう危険もあります。ですから、点数が悪かったとしてもまだやり直しがきく時期、つまり中3の10月〜12月あたりに始めると良いでしょう。一度に全てをやり切るのではなく、受験1ヶ月前にやる分として、直近2〜3年分を残しておくと良いでしょう。

模擬試験はいつから受け始める?

模擬試験については、中学1年生から受けても問題ありません。自分の位置を客観的に知ることができるので、早い段階で受けることでモチベーションアップにつながることがあります。ただ、中学1〜2年生では年1〜2回で十分かと思います。
本格的に模擬試験を受け始める時期は、中学3年生の最初からが良いです。
中学3年生になると、年5〜10回程度は受けても良いでしょう。
一度に複数の模試を受けるよりも、1〜2ヶ月に1回程度のペースで年内まで続けると効果的です。
学校以外の場所で時間制限のあるテストを受けることは、入試本番で緊張しないための良い経験となります。また、同じ模試を複数回受けることで、自分の順位の変化や志望校の合格可能性の推移を把握できます。模擬試験はあくまでも「入試のシミュレーション」なので、失敗しても構いません。模試の結果から「受験勉強の課題」や「自身の弱点」を洗い出すことができるので、なるべく早い段階から活用した方が効果的です。

受験の準備は早いに越したことはない!

本格的な受験勉強に入るのは中学2年生の冬休みからで良いですが、準備は早ければ早いに越したことはありません。
ある意味、中学1年生から準備を始めることが理想的です。どの科目も分野につながりがあり、一度つまずいてしまうとその後に習う単元に必ず影響してしまいます。
また、過去につまずいた単元は、定期テストが終わっているからといって放置しておけません。なぜなら、結局は入試テストで出題される可能性があるからです。
であれば、先々の受験を見据えて、今習っているところを確実に理解しておくことが一番の近道です。いざ受験期間に入ったとしても、復習の負担は大きく減り、更なる実力アップに時間を割けます。

また、内申点のことを考えても同じことが言えます。
一度付いてしまった通知表の成績は、後になってからではどうすることもできません。中学1年生から定期テストにしっかり取り組み、できる限り良い点数をとり続けていくことが、受験する際には大きな財産となっているはずです。

「中3になってから頑張ればいいや…」「部活を卒業してから勉強しよう…」と先送りにしてしまうと、後々大きなハンデとなって、自分に返ってきてしまいます。
なるべく早い段階から、受験を意識しつつ勉強に取り組むことが、結局は一番の近道なのです。


高校受験に向けた準備と流れ|6つのステップ

次に、高校受験に向けた準備と大まかな流れについて解説します。

STEP 1|基礎学力の確認と補強

まず最初に取りかかる作業としては、「基礎」の定着です。
入試のテストでは、基本的な問題が必ず出題されます。基本問題は、正直なところ配点は少ないですが、同時に正答率も高いことに注意が必要です。
つまり、周りがみんな正解している問題を落とさないようにすることが重要なのです。ケアレスミスを減らし、解答スピードを上げて正確に解答できるように、演習を繰り返す必要があります。
基本問題を確実かつスピーディーに解くことができれば、その分、見直しの時間難しい問題に時間を割くことができます。現実的には、この差が合否を決めると言っても過言ではないくらい重要です。
ですから、まずは「基礎の定着と補強」に焦点を当て、地道に力を蓄えましょう!

STEP 2|入試情報の収集と志望校の選定

中学3年生の夏頃までには、ある程度の入試情報について把握しましょう。具体的には「自分の学区にはどんな高校があるのか?」「住んでいる都道府県の入試選抜の仕組み・日程」「推薦入試や一般入試などの受験方法について」などの情報収集です。自分で調べてみるのも良いですが、学校の先生から説明を受けた方が早いかも知れません。
入試情報がある程度把握できたら、次は志望校の選定に入りましょう。自分の成績と照らし合わせて、合格の可能性が高い高校(滑り止め)から努力目標になる高校(志望校)までをいくつかピックアップすると良いでしょう。自分1人で決めるよりも家族や先生と相談しながら、現実的な志望校を選定することがポイントです。

STEP 3|受験勉強の計画立てと学習方法の確立

いくつかの高校が絞り込まれたら、具体的な受験勉強の計画とスケジュール、学習方法を決めましょう。希望する高校の受験日から逆算して、持続可能で現実的な計画を立てることが大切です。できもしないような無理な計画を立てても、実現できなければ意味がありません。焦らず着実に積み上げていけるよう、スモールステップでの計画と目標を立てましょう。自分1人ではできないようであれば、学校の先生や家庭教師、塾の講師などの専門家と相談しながら計画しても良いでしょう。

また、「どのテキストを使って、どのように勉強を進めていくか?」という具体的な勉強方法を決めておく必要があります。勉強のやり方が決まっていないと、いざ机に向かっても何から初めて良いのか分からなくなります。
自分に合ったテキストややり方を決めて、迷い無く受験勉強に集中できる体制を整えましょう。

STEP 4|各校の出題傾向の把握

中学3年生の秋頃(10月〜12月)には、志望校の出題傾向や対策も視野に入れ始めましょう。
推薦入試の場合は、小論文のテーマや面接での質問事項なども確認しておきましょう。小論文では「時事問題」「世界情勢」など広い分野についてテーマになることが多く、ニュースや新聞から幅広く情報を得たり、親から解説を受けたりすることも一つの方法です。一つひとつのテーマについて深掘りするよりも、体系的な理解やイメージをつかんでおくことがポイントです。
面接での質問事項も幅広く、予想が難しい所もあるのですが、自己ピーアールについては、漠然としたところからでも構わないので、なるべく早い時期から意識しておきましょう。
受験直前に考えた付け焼き刃のような内容では心許ないので、時間をかけてゆっくり考えておくことがポイントです。

一般入試の場合は、過去の問題を確認し、その出題傾向や出題形式(例:読解問題が多い、選択問題が多い、記述形式が多い、問題数が多い、等)などを把握しておきましょう。実際のテスト問題の概要を知ることで、受験対策のヒントとなります。出題傾向に近い問題を選んで解いてみるなど、実戦的な演習を繰り返すことで、解き方のコツや慣れをつかめるはずです。

STEP 5|過去問演習と模擬試験

中学3年生の冬休みあたりからは、過去問の演習を始める時期です。
ただ漠然と解き進めるのではなく、試験本番と同じ制限時間内に解くようにしましょう。
過去問演習のポイントは「リアル感」です。できれば、過去問の問題用紙と解答用紙を拡大コピーし、試験本番に近い状態で解くことをお勧めします。時間もタイマーでセットし、可能であれば、試験時間や休憩時間、科目の順番も実戦と合わせた方が効果的です。本番と同条件で取り組むことで、学力や知識だけではなく、スピードや時間配分も重要であることが実感できます。

また、同様に模擬試験を受けてみることも実戦経験につながります。模擬試験を受けることで「志望校の合格判定」や「分野の弱点」等も把握できますが、「試験慣れ」できることも大きなメリットです。
本番で少しでも緊張しないように、実戦シミュレーションしておくことが、自分の力を最大限発揮するために必要な作業となります。
※ 模擬試験は、弱点把握のためにもっと早い段階から受けることも効果的です。

STEP 6|受験本番に向けた最後の仕上げ

受験本番1ヶ月前には、最後の仕上げに取り組みましょう。
受験直前期では「苦手分野」と「得意分野」をバランス良く勉強し、まんべんなく目を通すことを意識しておきましょう。これまでにやってきたことの復習をメインにし、定着を図ることが大切です。
また、過去問も時間を計って解き、テスト本番を意識した演習もやっておきましょう。最後の1ヶ月で勉強したことは、一番記憶に残っています。入試テストの頻出分野に絞って、基礎の定着を繰り返すことが得点につながりやすくなります。特に暗記の分野においては、ラストスパートとして覚えられるだけ覚えておくこともポイントです。


受験直前(1週間前)の準備

心構えと自信の持ち方

受験直前の1週間前では、まず、これまでにやってきた問題集やテキスト、ノートを見返してみましょう。これまで自分が努力してきた軌跡や実力が付いてきたという実感を感じ、自信を持つことができるでしょう。受験本番までに、自信やモチベーションをできる限り上げていき、本番で実力を出し切れるように心を整えることが重要ポイントです。

最終確認とまとめ

受験前の1週間は新しいことに取り組むより、「これまでにやってきたこと」をもう一度おさらいしましょう。新しい問題集ややったことがない勉強法などに手を出してしまうと、逆に上手くいかず焦ってしまったり、不安になってしまったりします。それよりも、「これまでにやってきたこと」を繰り返し見直し、「解ける問題は確実に解く」という自信を強化する作業に徹しましょう。

受験本番での対策

受験本番では、とにかく自分の力を出し切ることが大切です。どうしても緊張してしまいますが、平常心を保ち問題に集中するよう心掛けましょう。
休み時間はゆっくり休んでも良いですが、次の科目へ切り替えることも大切な作業なので、できれば軽くテキストを見直してみましょう。受験当日に持って行くテキストやノートは、メインで使っていた1〜2冊程度に留めておきましょう。
入試本番では時間配分が重要になるので、まず問題用紙をざっと一読し、問題の量や種類を大まかにつかんだ上で問題に取り組みましょう。

まとめ

高校受験は準備することが多く、その量も膨大です。無理のない計画で受験勉強を進めるには、遅くとも中学2年生から取りかかることがお勧めです。ただ、お子さんの学力や集中力、これまでの成績、志望校などによって異なるので、中学3年生からでも間に合わせることはできます。
中学生にとって最後の大舞台である高校受験は、「悔いなく、精一杯やりきること」が一番大切です。志望校合格に向けて、このコラムがお役に立てれば嬉しく思います。

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この記事は、家庭教師のマスターを運営している株式会社マスターシップスの「家庭教師のマスター教務部」が企画・執筆・監修した記事です。家庭教師のマスター教務部は、教育関連で10年以上の業務経験を持つスタッフで編成されています。
家庭教師のマスターでは、家庭教師・受験・不登校・発達障害・学習方法・学校情報・教育・子育てをテーマに、お役に立ち情報を発信しています。

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