公募推薦ってどんな仕組み?│指定校推薦との違いも解説!
公開日:2024年3月27日
「大学を推薦入試で考えているけど、イマイチ仕組みが分からない…」「公募推薦と指定校推薦って何が違うの?」そんな方は必見です!複雑に見える大学の推薦入試の制度を分かりやすく解説!今回は特に公募推薦に関して徹底解説していきます。
学校推薦型選抜(旧・推薦入試)とは?
公募推薦について理解するためには、まず、学校推薦型選抜(旧・推薦入試)について理解しておく必要があります。総合型選抜や一般選抜との違いも含め解説していきます。
1. 学校推薦型選抜(旧:推薦入試)は2種類
学校推薦型選抜とは、出願に際して、出身高校の学校長の推薦が必要となる選抜方法のことです。
そして、学校推薦型選抜は「公募推薦」と「指定校推薦」の2種類に分かれます。
後ほど詳しく解説しますが、この2つは似ている点もありますが、全く別物ですので混同しないように気をつけましょう。
そして上記「公募推薦」がさらに「公募制一般選抜」と「公募制特別推薦選抜」の2つに分かれているという形です。
推薦入試と他の選抜方法との違いは、「高校からの推薦」を前提としているため、複数の大学を併願受験することができない(専願受験)ことです。また、合格になった際に入学を辞退する、ということもできません。
ですから、推薦入試で受験する場合は、しっかり検討した上で出願することをお勧めします。
学校推薦型選抜についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「学校推薦型入試(旧・推薦入試)とは?他の選抜方法との違いも解説!」
2. 総合型選抜(旧・AO入試)との違い
学校推薦型選抜と総合型選抜の違いは、出身高校からの推薦の有無と、出願時期の違いです。
総合型選抜は、書類審査や面接を通して、志願者本人の能力や大学入学への適正を「総合的に判断」する選抜方法となります。
出身高校からの推薦は不要で、自己推薦という形になります。
また、学校推薦型選抜の出願時期が11月〜12月なのに対して、総合型選抜は9月〜11月あたりがピークとなります。
3. 一般選抜との違い
学校推薦型選抜と一般選抜の違いは、選考の方法にあります。
一般選抜は、共通テストや大学の個別試験などの学力試験をメインに選抜を行います。
一方で、学校推薦型選抜は、高校からの推薦書や評定平均での評価を中心にしつつ、小論文、面接、学力試験など、多角的な評価で選抜を行っていきます。
また、学校推薦型選抜は基本的に高校1年生からの評定平均が出願条件になっているのに対し、一般選抜ではそのような条件がありません。
公募推薦と指定推薦の違い
学校推薦型選抜が「公募推薦」と「指定校推薦」の2種類に分かれることをここまでで説明しました。
次はこの2種類の違いについて解説します。よく混同されてしまう方が多いので、違いをしっかり理解し、自分に合った選抜方式を選んでいきましょう!
1. 出身高校が大学から指定されているか?
まず、「公募推薦」と「指定校推薦」では、出願資格について根本的な違いがあります。
指定校推薦は、大学側が指定している高校の生徒しか出願資格ができないのですが、「公募推薦」は学校長からの推薦さえあれば、全国どの高校の生徒でも出願することができます。
また、「公募推薦」は私立大学だけでなく国公立大学でも実施されているのに対し、「指定校推薦」は私立大学とごく一部の公立大学のみで実施されています。
2. 推薦枠数の違い
次に、「公募推薦」と「指定校推薦」の違いとして挙げられるのは、「推薦枠の数」です。
「指定校推薦」では、大学から各高校へオファーされる人数が限られているため、推薦枠の上限が決まっています。そのため、校内選考で選ばれた人のみが推薦を受けられることになります。
人気の高い大学や学部の場合は、校内選考の倍率も高くなるため、高校からの推薦を得られるかどうかのハードルは高くなります。
対して「公募推薦」は、特に高校ごとの推薦枠の上限が決まっているわけではありません。大学の出願条件さえ満たしていれば、定員などを気にすることなく、受験資格を得ることが出来ます。
そのため、「指定校推薦」では推薦が得られなかったが、「公募推薦」では推薦が貰えた、というケースも有り得ます。
3. 合格率の違い
「指定校推薦」と「公募推薦」では、受験時の合格率が違います。
「指定校推薦」では、あらかじめ校内選考が行われており、大学側が募集している人数しか受験しないため、受験時の合格率はほぼ100%です。
よっぽどのことがなければ、不合格になることはないと言われています。
一方、「公募推薦」に関しては、一般選抜方式と同じように倍率がつくので、不合格になる可能性があります。特に国公立大学や人気の私立大学・学部では、倍率が高くなる傾向にあります。
学校推薦型選抜についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「大学指定校推薦の仕組み|校内選考の基準や対策を解説!」
公募推薦とは?
次は「公募推薦」に関してさらに詳しく解説していきます。
公募選抜は、「公募制一般選抜」と「公募制特別推薦選抜」の2つの種類に分かれます。それぞれについて下記で解説します。
1. 公募制一般選抜とは
公募制一般選抜は、いわゆる「一般推薦」と呼ばれる選抜方法です。
「評定平均などの大学が定める出願条件を満たしていて、高校からの推薦さえ得られれば、誰でも受験することが出来る推薦入試」のことです。
国公立大学でも実施されていることが特徴で、全国から受験生が集まるため倍率が高くなることが多いです。
2. 公募制特別推薦選抜とは
公募制特別推薦選抜は、「特別推薦」「ユニーク推薦」などと呼ばれる選抜方法のことで、スポーツや文化活動での実績、資格取得などが出願条件となっている推薦入試のことです。
評点平均が出願条件に含まれていないことが多いのも特徴です。
出願条件は大学によってまちまちですが、大会やコンテストでの実績、資格や検定であればスコアなどが条件となっていることが多いです。
特に、資格やスコアに関しては、明確に〇〇点以上などと定められていることがほとんどです。
公募制特別推薦選抜を検討する際は、志望校の募集要項をしっかりと確認しておきましょう。
3. 公募推薦の出願資格
「公募推薦」で受験をするのであれば、まずは大学の出願資格をクリアしなければいけません。
出願資格で最も重要なウエイトを占めるのが、「評定平均」となります。「評定平均」とは全科目の評定(5段階)を足して、それを科目数で割った数値のことで、高校1年生から高校3年生の1学期までの全ての成績を対象に計算されます。
大学にもよるのですが、一般的には「評定平均4.0以上」というのが公募推薦の出願条件の目安とされています。
また、最近では英検やTOEFLなどの英語資格試験が出願条件となっている大学も多く、出願条件になっていなくとも英語資格を持っていると有利になると言われています。
推薦入試を検討する際は、英語資格試験の取得にも力を入れると良いでしょう。
4. 公募推薦のスケジュール
まず、毎年6月〜7月頃に各大学から募集要項が正式に発表されます。国公立大学よりも私立大学の方が早い傾向にあります。
8月〜10月にかけて願書が配布され、出願は11月1日以降となっています。
選考が11月に行われて、12月に合格発表という流れが一般的です。
総合型選抜の2次試験が行われている時期にちょうど出願が始まることから、総合型選抜で上手くいかなかった生徒が公募推薦に出願するケースもよくあります。
公募推薦の5つの対策
最後に、公募推薦で大学入学を目指す際、どのような対策をしておけばよいのかを見ていきましょう!
1. 評定平均を上げる対策
前述の通り、公募推薦においては、出願条件に「評定平均〇〇点以上」という条件が含まれていることがほとんどです。一般的には「評定平均4.0以上」というのが公募推薦の基準とされていますが、大学によって異なるので確認が必要です。
また、「全体の平均が4.0以上、かつ数学は4.5以上」のように特定の科目が重視されている場合も多いので確認が必要となります。
高校の評定は「高校1年生〜高校3年生の1学期まで」の全ての成績を対象に計算されるので、高校入学当初から学校の勉強に真摯に取り組むことが大切です。
また、定期テストの結果だけではなく、提出物や出席日数なども評価の対象となりますので、その辺りにも配慮しておきましょう。
いずれにしても、まずは志望大学の出願条件を確認したうえで、その基準を意識しながら学習に取り組むと良いでしょう。
2. 自己推薦書の対策
公募推薦の場合、「自己推薦書」の提出が必要になる場合があります。
自己推薦書とは、自分がどんな人間かを志望大学に伝え、入学に相応しい人物であることをアピールするための書類です。
文字数は約800字〜2000字程度で指定されることが多いです。
また、「自己推薦書」と「自己PR」は違いますので注意しましょう。
「自己PR」は、単に自己紹介を通じて自分の人物像を大学側に知ってもらうことが目的となります。
一方で、「自己推薦書」は、自分を入学させることによって、いかに大学側にメリットがあるか?を大学にアピールすることが目的です。
要するに、うまく自己PRが出来ていたとしても、それが大学にとってメリットが無いと判断されてしまっては高い評価が得られないということになります。
ですので、自己推薦書を作成する際には、まず志望校の校風や理念をしっかりと調べましょう。
その上で、自身の高校生活での経験や性格・特技などを伝え、最終的にはいかに「自分と志望大学との相性が良いか」「志望大学の理念と自分が合っているか」という部分をアピールすることが大切です。
3. 志望理由書の対策
公募推薦では、「志望理由書」の提出が必要になる場合もあります。
志望理由書とは、その名の通り、自分がその大学を志望する理由を書く書類となります。
「自己推薦書」が自分がその大学にふさわしい人物であることをアピールするための書類であるのに対し、「志望理由書」は大学入学への目的が明確であること、またその目的達成のためには志望大学への入学が必要なこと、をアピールするための書類となります。
志望理由書を作成する際は、ありきたりな文章にならないように注意が必要です。オリジナルの内容でないと高い評価を得ることが難しいため、「自身のエピソード」を盛り込みつつ、大学への志望理由を書くと良いでしょう。
また、志望理由の記載だけで終わってしまっては、一方通行のアピールになってしまいます。自分の志望理由がいかに大学のアドミッション・ポリシー(入学者の受け入れ方針)と合致しているかという記載もあると、より良い志望理由書になります。
4. 小論文の対策
公募推薦の2次試験では、「小論文」を実施する場合があります。
小論文は、大学が指定したテーマや課題に沿って、自身の意見や考えを文章にしていくものです。小論文では語彙力や文章構成力など総合的な作文能力が求められます。
基本的な記述方法としては、
- まず最初にテーマに対する自分の主張(賛成か反対か)を述べる。
- その次に、その主張の根拠を論理的・客観的な視点により示していく。
- 最後に結論を述べる。
といった構成となります。
しかし、小論文にはハッキリとした正解が無いため、独学で添削をしながら実力を上げていく、ということは難しいです。また、小論文は総合的な文章力が問われるため、急激に実力を伸ばすことが難しい分野でもあります。
小論文の力を付けるには、とにかく沢山の演習をこなすことが必要になるため、高校の先生に添削してもらう、塾・家庭教師を利用する、などの対策を検討しましょう。
5. 面接の対策
公募推薦の2次試験では、「面接」を実施する場合があります。
面接対策で重要なポイントは主に2つです。
この2つとなります。
- よくある質問の対策をしておくこと。
- 雰囲気に慣れておくこと。
この2つとなります。
1. に関しては、書籍やインターネット等で、質問集などが数多く紹介されているため、それらを活用すると良いでしょう。NG回答も併せて確認しておくと良いです。
2. に関しては、学校の先生など、周りの大人に協力してもらい、繰り返し練習をすることが重要です。
その中で、受け答えの内容(論理的な回答が出来ているか)についても精査していけるとより良いでしょう。
まとめ
今回は、学校推薦型選抜の中でも特に「公募推薦」に関して深掘りして解説していきました。推薦入試は近年選考方法も多様化が進み、いっけん複雑で分かりづらいように見えますが、反面、自分に合った選考方法が見つかりやすいという側面もあります!この記事が少しでも、推薦で大学受験を検討している方のお役に立つことを願っています。
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