高校受験の面接で落ちる人ってどんな人?|失敗例と対策方法について
公開日:2024年4月12日
筆記試験では評価しにくい生徒の「個性」や「人柄」を知るために、面接試験を行う高校が増えています。面接の方法は学校で詳しく教わらない分野なので、不安を覚える方も多いのではないでしょうか?
そこで本コラムでは、高校受験の面接で不合格になる人の特徴と面接を成功させる為の対策についてわかりやすく解説します。
面接で落ちる人の特徴を知り、漠然とした不安を払拭しましょう!
高校受験の面接とは?
近年の高校受験全般において、「生徒の思考力」「判断力」「表現力」を重視する傾向が強くなっています。その上で、筆記試験ではわかりにくい「人間性」や「個性」を評価する手段として、面接試験が導入されています。
推薦入試ではほとんどの高校が面接を実施しますが、昨今では一般入試においても面接試験を導入するケースが増えています。
面接は、大まかに言うと「個人面接」「集団面接」「集団討論」の3つのタイプがあります。まずは、それぞれの概要について解説します。
個人面接
個人面接とは、生徒1名が1〜4名の面接官を前にして対面式で行う面接で、1名あたり10分程度で行われます。一般的には、この個人面接の形式を採用する高校が多いです。
自分1人だけが面接をされる形なので、最も緊張しやすいとも言われています。
集団面接
集団面接とは、3〜5名程度のグループ単位で行われる形式の面接です。
1〜3名の面接官を前に、質問に対して各生徒が順番に答えていく形です。1人あたりの持ち時間はおよそ10分程度になることが多いです。
志望者数の多い高校では、この集団面接を採用することが多いようです。
同時に面接を受ける生徒が複数いるだけで、質問される内容や自分の持ち時間は、個人面接とさほど変わりません。
集団討論(グループディスカッション)
集団討論とは、5〜6名程度のグループに分かれ、与えられたテーマについて30分程度の話し合いを行う形式の面接です。
面接官は1〜3名で、1人の面接官が司会進行役を務め、残りの面接官が生徒の評価をする、といった形式が多いです。
集団討論では、一人ひとりに質問するのではなく、テーマについて議論する様子を通じて評価されます。ですから、個人面接や集団面接とは違ったタイプの面接形式です。集団討論は、推薦入試で実施されるケースが多いです。
高校受験の面接で落ちる人|5つの特徴
面接試験では、様々な角度から総合的に評価がなされます。
一つのことが原因となって試験に落ちてしまう、といったことは考えにくいのですが、小さなマイナス要因が積み重なり、結果として不合格になってしまうことはあります。面接の評価においては、回答の中身が最も重要になるのですが、全体の足を引っ張らないように、マイナス評価になるような言動・行動には注意を払いましょう。
特徴①|身だしなみや服装の乱れ
どのような面接においても言えることですが、やはり第一印象は重要です。
身だしなみや服装の乱れがあると、第一印象で「いい加減な人」「自己管理ができない人」と思われてしまい、面接試験で落ちる要因となります。
質問への回答をする前に、この様な印象を面接官に持たれてしまうことは大きなハンデになります。まずは、見た目を整え清潔感をもって面接に挑みましょう。
身だしなみや服装でのマイナス要因としては、
- 制服のシワや汚れが目立つ
- ネクタイやリボンが曲がっている
- ボタンやホックをとめていない
- スカートやズボンの丈が短すぎる(長すぎる)
- 制服を着崩している
- 靴が汚れている
- 寝癖を整えていない
- 清潔感のない髪型をしている
- 前髪が目にかかりすぎている
- 髪色を変えている、パーマをかけている
- ピアス・マニキュア・化粧をしている
などが考えられます。
世の中にはその場に相応しい服装や身だしなみがあります。つまり、面接試験に相応しい身だしなみや服装というものもあります。
制服を着崩したり、学校で認められていないようなもの(化粧や髪染め 等)は、個性として評価されません。単に「ルールを守れない人」「場の空気が読めていない人」「自己管理ができていない人」といった低評価にしかならないので、注意しましょう。
特徴②|面接の態度が悪い
面接官への態度が悪いと、面接試験で落ちる要因になります。
無礼な態度や失礼な発言は、低評価にしかならないので慎みましょう。
とはいえ、面接を受ける立場なのに、あえて反抗的な態度を取る人も少ないはずです。ほとんどの場合は、無意識的に失礼・無礼になってしまっているケースです。
代表的な例としては、
- 面接官に対して敬語を使わない
- 目上の人に対して「友だち言葉」で話す
- 返事をしない・面接官の目を見て話さない
- 挨拶を全くしない
が挙げられます。
本人的にはきちんと話しているつもりでも、実際できていないのであれば、結果として低評価となります。面接官から「どう見えているか?」が基準となるので、「自分ではそんなつもりはなかった…」「悪気はなかったのに…」といった理由は、面接試験において通用しません。
もちろん、一度や二度言い間違えただけで、直ちに低評価になるようなことはありません。中学生であれば、その程度の失敗をしてしまうことは面接官も分かっています。ただ、面接の最初から最後まで同じような調子であると、「常識のない生徒」「面接の準備をしていない=入学意欲が低い」と判断されてしまいます。
特徴③|面接マナーができていない
面接でのマナーがあまりにもできていないと、低評価に繋がり不合格の要因となる可能性があります。
面接のマナーについては、
- 入退室時のマナー
- 着席時のマナー
- 言葉遣いのマナー
- 挨拶のマナー
などが考えられます。
上記で挙げた、「服装・身だしなみ」や「言葉遣い・態度」もマナーに含まれていますが、それとは別に、一般的な面接における礼儀作法というものがあります。
この点も、上記と同じく、一度や二度間違えただけで、直ちに低評価になるようなことはありません。常識的な挨拶や礼儀ができていれば問題視されることはありませんが、「終始、全くできていない」となると評価は違ってきます。「失礼・無礼な人」と評価されるような行動はもっての外ですが、そこまではいかなくとも、「マナーの知識がない、練習していない=努力不足、志望意欲が低い」といった低評価につながり、不合格の要因となってしまう可能性があります。
面接のマナーについてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「高校受験の面接について|超カンタン!丸わかりガイド」
特徴④|志望校に対する理解不足
面接では生徒の人柄や個性を見ていますが、同時に、生徒の入学志望度や熱意も見ています。
高校側としては、入学意欲が高い生徒を合格させたいと考えているのですが、例えば、受験する高校のことをよく調べていないような生徒に対しては、そのような入学意欲や熱意を感じ取ることができません。
つまり、「本気で入学したいと考えているのなら、高校の理念や教育方針にも目を通しているはず」と考えているのです。
各高校では、「求める生徒像」「生徒に期待する姿」「教育理念」「自校の特色」などを公表しています。これらを総称して「アドミッションポリシー」といいます。このアドミッションポリシーは、各高校のホームページやパンフレットなどで誰でも簡単に知ることができ、また、学校見学などでも確認することができます。
志望校に対する理解が著しく不足していると、「自分が受験する高校のことを何も調べないで、試験だけ受けに来た」と判断される可能性があり、面接試験においては当然低評価となってしまいます。
特徴⑤|面接の練習不足
面接での生徒の回答があまりにも「しどろもどろ」になってしまうと、低評価に繋がり落ちる原因となる可能性があります。
意表を突くような質問をされた場合、ある程度焦ってしまうこともありますが、その程度では低評価につながりません。ただ、当然のように聞かれる質問(例:自己PR、志望動機、良くある質問 等)についてが、終始曖昧であったり、不完全な回答ばかりになると、当然評価は下がります。
面接試験に挑むにあたって「何も準備していない」「思いつきで回答している」「一貫性がない」「回答が矛盾だらけ」などの場合、面接官の心証は悪くなります。上記と同様ですが、「面接の練習を十分にしていない=入学意欲が低い、努力が足りない」という評価になり、結果として試験に落ちてしまう要因となります。
面接で成功するためのポイントと対策
最後に、面接試験を成功させるためのポイントと対策方法についてご紹介します。
中学生は面接に慣れていないこともあり、ポイントを押さえた対策や練習を独自で行う必要があります。最低限、下記の項目については押さえて対策しておきましょう!
面接官が見るポイント
面接官は、生徒の人柄や考え方を観察し、自校に合った生徒を入学させたいと考えています。
主な着眼点としては、
- 高校の求める人物像に合致しているか?
- 入学意欲は高いか?
- 適切な言葉遣いやマナーはできているか?
- 自己表現力は備わっているか?
- 論理的・客観的な思考力は備わっているか?
といった点が挙げられます。
面接する側としては、当たり前の項目と言ってもよい内容ばかりです。
しかし、面接経験の乏しい中学生が、何の準備もなく上記の項目を全てクリアすることは難しいでしょう。
ですから、面接を受ける前にしっかり事前の準備をしておく必要があります。
あらためて自分を見つめ直し、上記の項目に沿ったエピソードや出来事を整理し、回答案を一つひとつ入念に考えていきましょう。
自分1人で完結するのではなく、必ず学校の先生や親、家庭教師や塾の先生などの第三者に添削してもらい、アドバイスや意見をもらいながら修正と改善を繰り返していくことがポイントです。
自己PRの重要性
面接試験においては「自己PR」が重要となります。
面接では「自己PRは必ず聞かれる」と考えておいてよいでしょう。また、推薦入試などの出願書類でも自己PRを記述する「自己PRカード」「自己PR書」などがあります。
自己PRが重要とされる理由としては、
- 生徒の人物像を端的に知るため
- 高校が求める生徒を選抜するため
- 自己分析ができる生徒かどうかを見極めるため
が挙げられます。
面接では、自己PR以外にも様々な質問がされるのですが、それらの回答の「軸になる考え方=自己PRの内容」と考えておきましょう。
各高校は、自校の求める生徒像や特色、教育理念に合致した生徒を選抜したいという考えが中心にあります。つまり、それらに沿った内容で、上手に自己PRを考える必要があるのです。
自分の経験を振り返り、志望校の求める生徒像に合ったエピソードを盛り込むように工夫しましょう。
自己PRの書き方についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「中学生のための自己PR書き方ガイド|書き方のコツと例文をご紹介!」
よくある質問への対策
高校受験の面接では、「よく聞かれる質問」というものがあります。
これらは必ず聞かれる訳ではありませんが、頻出であることは間違いありません。試験当日の緊張を少しでも和らげるためにも、よくある質問に対する想定回答は準備しておきましょう。
よく聞かれる質問としては、
- 志望理由について
- 自己PRについて
- 部活動や生徒会活動について
- 中学生活で頑張ったこと
- 得意科目・苦手科目について
- 趣味や特技について
- 自分の長所や短所について
- 高校入学後に頑張りたいこと
- 将来の進路や夢について
- 時事問題や社会問題について
などが挙げられます。
基本的には、ありのままに自分らしく回答すれば良いのですが、その為には事前の準備が必要です。
どの質問に対しても言えますが、「○○です」「はい・いいえ」などの単発回答ではなく、「なぜそのように思うのか?」といった具体的な理由や根拠が求められます。それぞれの回答に合わせて、理由や根拠となるエピソードを考えておき、試験当日ではそれらをスムーズに回答できるよう準備しておきましょう。
面接で聞かれる質問についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「高校の面接でよく聞かれること|10種類の質問と回答例をご紹介!」
模擬面接をする
面接での想定回答がまとまったら、今度は「自然に言えるための練習」が必要です。
言いたいことは頭に入っていても、いざ面接官を前にすると緊張してしまい上手く言葉で表現できないことがよくあります。
生徒1人に与えられる面接時間は10分程度がほとんどですので、簡潔に分かりやすく回答する必要があります。そのために、模擬面接を何度も繰り返し「回答慣れ」をしておきましょう。
模擬面接は、家族や担任の先生など、大人の人に面接官役をしてもらい、実際の面接のような雰囲気を作り出すことがポイントです。最初は照れてしまうと思いますが、繰り返しやっていく中ですぐ慣れてきます。むしろ、慣れるまで繰り返すくらいが調度良い目安になります。
また、面接本番を想定し、「時間を計りながら練習する」「鏡を見ながら練習する」「動画撮影してチェックする」などの練習方法も効果的です。
自分の言葉として自然に回答できるよう、納得いくまで練習をしておきましょう。
まとめ
今回のコラムでは、高校受験の面接で落ちる人の特徴について解説しました。
常識的なことができれば大きく減点されることはないはずなので、試験当日は緊張せず、思い切って自分自身を表現しましょう!
面接は、これからの人生で何度も経験することになります。将来に役立つスキルにもなるので、受験を良いキッカケと捉えて頑張ってください。
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