通信制高校は人生終わり?|その理由を詳しく解説します。
公開日:2024年5月1日
このコラムでは、「通信制高校に進学すると人生終わりなの?」といった疑問や不安がある方に向けて、なぜそのように思われてしまうのかについて詳しく解説します。通信制高校への進学を検討している方は必読の内容になってますので、是非ご覧ください。
通信制高校とは?
通信制高校の特徴
通信制高校とは、生徒が自宅で学習を行う新しい高校教育の形です。
通信制高校では、生徒は毎日学校に通う必要がありません。「レポート」と呼ばれる教材を中心に自宅で学習を進めた上で「単位認定試験」を受け、その単位を取得することで高校卒業の資格を得ることができます。
入学時の学力試験がないため、不登校経験のある生徒や全日制高校を中退した生徒にとって、通いやすい学校となっています。
通信制高校についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「通信制高校とは?気になる仕組みを徹底解説!」
「通信制高校は人生終わり」と言われる4つの理由
通信制高校に通うことが「人生終わり」というわけではありません。ただ、そのような考えが浮かんでしまう要因として、いくつかの理由が考えられます。
文部科学省のデータを元に、通信制高校のデメリットや不安要素について解説します。
1. 通信制高校への進学者は圧倒的少数
令和3年に文部科学省が発表したデータによると、中学生の約91.3%が全日制高校に進学しています。これに対し、通信制高校へ進学する中学生の割合は約6.3%にとどまります。この数字から、「全日制高校への進学が一般的である」という結論が導かれます。
ですから、通信制高校へ進学した場合、「なぜその選択をしたのか?」と尋ねられたり、誤解されてしまう機会が増える可能性があります。
通信制高校を選択する理由としては、以下のようなケースが多いです。
- 中学時代に不登校で出席日数が足りず、全日制高校への進学ができなかった
- 学力が低く、全日制高校への受験に失敗した
- トラブルが原因で全日制高校を中退した
このように通信制高校への通学は、不登校や高校中退といった一方的な先入観を持たれる可能性があります。
2. 大学への進学率が低い
文部科学省の令和5年の統計によれば、通信制高校の大学進学率は約24.1%です。これに対して、全日制高校に在籍する生徒の進学率は約76.9%と、大学進学率において約3倍の開きがあります。
このデータから、通信制高校は大学進学にあまり適していないことがわかります。
通信制高校の生徒の大学進学率が低い理由には、以下のようなものが考えられます。
- 通信制高校の学習内容が簡単すぎて、大学受験に十分対応できない
- 自己学習が多いので、受験勉強における自己管理が困難
- 周囲にライバルがおらず、切磋琢磨する環境が整っていない
一般的に、大学を卒業している方が職業の選択肢が広がり、就職にも有利に働くため、大学受験に不利な通信制高校は「人生終わり」と言われてしまうことが考えられます。
参照 : 文部科学省 学校基本調査-令和5年度 結果の概要-
3. 進学も就職もしない人が多い
文部科学省の統計によると、通信制高校を卒業した後、就職や大学・専門学校進学以外を選択する生徒の割合は約30.9%です。これに対し、全日制高校を卒業した生徒の割合は4.4%となっています。
進学や就職以外の選択肢というのは多岐にわたります。例えば、
- 若年無業者(ニート)
- 大学受験浪人
- 起業
といった選択肢があげられます。
全日制高校卒業者と比べると、かなり高い割合で進学や就職以外の選択をしていることから、このデータは深刻な問題を示唆しています。卒業後に就職も進学もしていないとなると、他者からするとあまり良いイメージが沸きません。
このような客観的事実から「通信制高校=人生終わり」といった先入観を持たれる可能性が考えられます。
4. 高校中退率が高い
数年前のデータにはなりますが、全日制高校と通信制高校の途中退学率に大きな差があります。
令和元年の文部科学省の統計によれば、全日制高校の中退率は1.3%に対し、通信制高校の中退率は5.6%となっています。このデータから、通信制高校に通う生徒の方が高校を中退する割合が高い傾向にあることが分かります。
通信制高校の生徒が中退する理由としては、
- 自己学習が難しく、レポートの提出が間に合わない
- 学力が足りず、卒業に必要な単位を取得できない
- 学校にほとんど通わないため、モチベーションが維持できない
といったケースが考えられます。
高校を中退した場合、一般的には就職や進学に不利になるとされています。このような数字から、通信制高校に進学しても中退してしまう可能性を感じ、不安になってしまう人もいるでしょう。
参照:
文部科学省 高等学校通信教育の現状について
R2児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
通信制高校のメリットとは?
「通信制高校への進学=人生終わり」ではありません。それは、通信制高校にしかないメリットが数多くあるからです。メリットを最大限活かすことができれば、大きな可能性を秘めていることも理解しておきましょう!
1. 入学しやすい
通信制高校は入学時に学力検査を行わない学校が多いです。ですから、通信制高校は「現時点で高校に合格できる学力がない」と感じる人にとって進学しやすい環境が整っており、進学後も同級生との学力差を気にすることなく、自分のペースで学習することができます。
また、通信制高校で取得できる高卒資格は全日制高校と同等であり、卒業後に専門学校や大学への進学も可能です。
通信制高校は「中学時代は不登校だったけれど、高校には進学したい」「高校に入ってから勉強を頑張り、大学に進学したい」と考える人にとって、新たなスタートを切るための選択肢として適しています。
2. 様々なコースが用意されている
最近の通信制高校には多様なコースが用意されています。全日制高校に比べ、自分の興味のあることを深く学べる環境が整っていることも魅力の1つです。
例えば、
- マンガ家やアニメーターを目指すコース
- 声優を目指すコース・プログラミング
- eスポーツなどIT分野に力を入れてるコース
などがあります。
将来の夢に直結することを学べるので、「学校の勉強はやりたくないが、興味のあることや好きなことは深く学びたい」という人にはおすすめです。
3. 自由な時間が多い
通信制高校では自由な時間が多いため、勉強以外の「興味のあること」や「やりたいこと」に集中することができます。自分のやりたいことに集中した結果、本人の才能が開花し大成功を収めることもあります。
例えば、レスリングのメダリストである浜口京子さんも通信制高校の出身です。全日制高校ではレスリングの練習に十分な時間を割くことが難しかったため、よりレスリングに集中できる環境を求めて通信制高校を選択したそうです。その結果、オリンピックで2大会連続銅メダルという結果を残すことができました。
自分の目指す道が決まっている場合、通信制高校は非常にメリットのある選択肢になる可能性があります。
通信制高校を有意義に過ごすための3つのポイント
最後に、通信制高校進学後に「どうすれば有意義に過ごせるか?」について解説します。
1. 夢や目標を持つ
通信制高校生活を有意義に過ごすためには、「夢や目標を持つこと」が最も大切です。それは短期的な目標であっても構いません。具体的な夢や目標を持って学校生活を過ごせば、卒業へのモチベーションも高まります。
例えば、
- 美容師、保育士、看護師などの資格をとりたい
- 海外留学をしたい
- ゲーム・アニメに携わる仕事がしたい
などです。
夢や目標が明確であれば、それに向かって努力する意欲が湧きます。その上で困難に直面した時には、高校の先生に相談してみましょう。過去に同じような進路に進んだ先輩の例を聞くことでイメージが湧き、目標に近づくことができるでしょう。
2. 生活リズムを安定させる
通信制高校は通学の必要が無いため、生活リズムが乱れやすくなります。
毎朝早く起きる必要がないので、つい夜更かしをしてしまい起床時間が昼過ぎになってしまう、といった昼夜逆転状態になることがよくあります。
昼夜逆転状態に陥ると、自律神経の乱れからメンタルが不安定になり、やる気が低下してしまうことがあります。ですから、規則正しい生活を送るように心がけましょう。
そのためには以下のような工夫が役立ちます。
- 起床時間・就寝時間・食事の時間を決めておく
- 家族とコミュニケーションを取る時間を毎日確保する
- 就寝前の1時間はスマートフォンを使用しない
このような工夫によって、生活リズムを整え、時間を効率的に使うことができ、「自分の好きなこと・興味のあること」と「通信制高校での学習」を両立することができるでしょう。
3. 学習のサポートをしてもらう
通信制高校で最も苦労することは、「自己学習を進めること」ではないでしょうか。
通信制高校に通う生徒は学力に不安を感じていることが多く、そのような場合は家庭教師や学習塾などのサポートを受けることも一つの方法です。
第三者にサポートを依頼することで、以下のような効果が得られます。
- 学習計画を作成してもらい、レポートを期限通りに出すことができる
- 理解できない箇所を教えてもらい、学習面のストレスを軽減できる
- 「褒める」「励ます」などのメンタル面のフォローをしてもらえる
このような学習面とメンタル面のサポートを受けることで、レポートや単位認定試験なども順調にクリアできるようになります。さらに、学校のフォローだけではなく、本人の希望があれば大学受験のサポートも受けることができ、通信制高校から大学進学を目指すことも可能です。
まとめ
今回は、「通信制高校=人生終わりなのか?」という疑問について解説しました。全日制高校と通信制高校をデータで比較すると、通信制高校の方が不安要素の多い選択ではありますが、決して「通信制高校=人生終わり」ではありません。
通信制高校のメリットを最大限に活かし、将来の夢に一歩近づくことができる可能性も沢山あります。
通信制高校への不安を抱える方々にとって、今回のコラムが一助となれば幸いです。
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