内申点の換算方法を知ろう|内申点の仕組みと計算方法について

公開日:2024年5月15日

公立高校受験で重要となる内申点。その仕組みと計算方法はやや複雑です。
内申点の換算方法は地域によって異なり、また受験する高校によっても異なります。今回のコラムでは内申点の換算方法やその仕組みついてわかりやすく解説します。

内申点の換算とは何ですか?

内申点の換算とは、地域によって異なる計算方法に基づいて内申点を算出することです。
内申点は生徒本人や保護者の方には非公表になっているので、正確な内申点は、在籍する中学校の先生と受験する高校の先生にしかわかりません。
ただし、内申点は通知表の成績が基になっていることから、過去の成績を参考にすることで、ある程度の予測ができます。

素内申点について

「素内申点(素点)」とは5段階の評定点をそのまま足し上げた点数のことを指します。
通知表の評定は学期ごとにつけられますが、内申点の場合は学年ごとにつけられます。したがって、多少のズレが生じる可能性はありますが、概ね学年ごとの各科目の評定平均値、または学期末の評定点が参考となります。
例えば、9科目オール3であった場合の素内申点は、3×9=27点となります。オール4であった場合は、4×9=36点ということになります。

換算内申点について

上記で算出した「素内申点」を住んでいる地域の計算方法に当てはめて計算した点数を「換算内申点」といいます。
この換算内申点の計算方法は都道府県によって大きく異なります。異なる点としては

  • 対象となる学年が異なる
  • 技能4科目の評定を重視する(例:技能4科目を2倍で計算する)
  • 中学3年生の評定を重視する(例:中学3年生を2倍で計算する)

などがあります。
詳細については、お住まいの地域の教育委員会ホームページなどで確認しましょう。

内申点についてもっと知りたい方はこちら
「内申点とは何だろう?|基礎から学ぶ内申点の知識」

地域によって異なる換算方法[関東・関西]

全国47都道府県ごとに内申点の計算方法は公表されていますが、本コラムでは関東7都県、関西6府県の公立高校一般入試における内申点換算方法をご紹介します。
地域によって計算方法が違い、特色があることが分かると思います。

東京都

東京都の内申点換算方法は、

  • 中学3年生の成績のみが対象となる
  • 技能4科目の成績は2倍で計算する

が特徴となります。

具体的な計算式は下記の通りです。

[中3の5科目の素内申点合計]+[中3の4科目の素内申点合計×2]
=(5×5)+(4×5×2)
=65点満点

神奈川県

神奈川県の内申点換算方法は、

  • 中学2年生と3年生の成績が対象となる
  • 中学3年生の成績を2倍で計算する

が特徴となります。

具体的な計算式は下記の通りです。

[中2の9科目の素内申点合計]+[中3の9科目の素内申点合計×2]
=(9×5)+(9×5×2)
=135点満点

埼玉県

埼玉県の内申点換算方法は、

  • 中学1〜3年生の成績すべてが対象となる
  • 中学3年生の成績を2倍で計算する(※高校や学科により、1:1:3や1:2:3などで計算する場合もあります。)

が特徴となります。

具体的な計算式は下記の通りです。

[中1の9科目の素内申点合計]+[中2の9科目の素内申点合計]+[中3の9科目の素内申点合計×2]
=(9×5)+(9×5)+(9×5×2)
=180点満点

千葉県・茨城県・栃木県・群馬県

千葉県・茨城県・栃木県・群馬県の内申点換算方法は、

  • 中学1〜3年生の成績すべてが対象となる

が特徴となります。

具体的な計算式は下記の通りです。

[中1の9科目の素内申点合計]+[中2の9科目の素内申点合計]+[中3の9科目の素内申点合計]
=(9×5)+(9×5)+(9×5)
=135点満点

大阪府

大阪府の内申点換算方法は、

  • 中学1〜3年生の成績すべてが対象となる
  • 中学1年生と2年生の成績を2倍で計算する
  • 中学3年生の成績を6倍で計算する

が特徴となります。

具体的な計算式は下記の通りです。

[中1の9科目の素内申点合計×2]+[中2の9科目の素内申点合計×2]+[中3の9科目の素内申点合計×6]
=(9×5×2)+(9×5×2)+(9×5×6)
=450点満点

兵庫県

兵庫県の内申点換算方法は、

  • 中学3年生の成績のみが対象となる
  • 主要5科目の成績を4倍計算する
  • 技能4科目の成績を7.5倍計算する

が特徴となります。

具体的な計算式は下記の通りです。

[中3の5科目の素内申点合計×4]+[中3の4科目の素内申点合計×7.5]
=(5×5×4)+(4×5×7.5)
=250点満点

京都府

京都府の内申点換算方法は、

  • 中学1〜3年生の成績すべてが対象となる
  • 各学年の技能4科目の成績を2倍で計算する

が特徴となります。

具体的な計算式は下記の通りです。

[中1の5科目の素内申点合計+中1の4科目の素内申点合計×2]+[中2の5科目の素内申点合計+中2の4科目の素内申点合計×2]+[中3の5科目の素内申点合計+中3の4科目の素内申点合計×2]
={(5×5)+(4×5×2)}+{(5×5)+(4×5×2)}+{(5×5)+(4×5×2)}
=195点満点

奈良県

奈良県の内申点換算方法は、

  • 中学2年生と3年生の成績が対象となる
  • 中学3年生の成績を2倍で計算する

が特徴となります。

具体的な計算式は下記の通りです。

[中2の9科目の素内申点合計]+[中3の9科目の素内申点合計×2]
=(9×5)+(9×5×2)
=135点満点

滋賀県

滋賀県の内申点換算方法は、

  • 中学1〜3年生の成績すべてが対象となる

が特徴となります。

具体的な計算式は下記の通りです。

[中1の9科目の素内申点合計]+[中2の9科目の素内申点合計]+[中3の9科目の素内申点合計]
=(9×5)+(9×5)+(9×5)
=135点満点

和歌山県

滋賀県の内申点換算方法は、

  • 中学1〜3年生の成績すべてが対象となる
  • 中学3年生の成績を2倍で計算する

が特徴となります。

具体的な計算式は下記の通りです。

[中1の9科目の素内申点合計]+[中2の9科目の素内申点合計]+[中3の9科目の素内申点合計×2]
=(9×5)+(9×5)+(9×5×2)
=180点満点

内申点の計算方法についてもっと知りたい方はこちら
「内申点の計算方法|自分の点数をシミュレーションしてみよう!」

受験する高校によって異なる換算方法

上記で算出した換算内申点が、自分の内申点となります。
実際に高校を受験する際には、この換算内申点を入試の総合点の中の「内申点の配点」に応じて、もう一度換算されます。
少しわかりにくいと思いますが、簡単に言えば、

「素内申点」 ⇒「換算内申点」⇒「入試の点数」

の3段階で計算され、最終的な合否を決める点数になる、ということです。
ここで言う「入試の点数」とは、受験の合否を決めるための「学力テスト」や「その他の点数」を含めた総合点のことです。
分かりやすいように、東京都の都立高校一般入試を例に下記でご説明します。

都立高校一般入試での内申点の換算

都立高校の一般入試は、学力テスト700点+内申点300点合計1000点満点となっています。

例えば、素内申点がオール3であった場合、素内申点の合計は、

3×9科目=27点

となりますが、東京都の場合は技能4科目を2倍で計算する(65点満点)ので、

(3×5)+(3×4×2)=39点

が「換算内申点」となります。
次に、この換算内申点39点を上記の内申点の配点300点満点に換算すると、

39÷65×300=180点

となります。
つまり、最終的な受験における内申点の点数は、「180点/300点」ということになります。この点数と、学力テストの合計点やその他の点数(東京都の場合は、英語のスピーキングテスト「ESAT-J」の点数(20点満点)が加算されます。)を合計した点数が総合点となり、最終的に受験の合否が決まります。

高校や学科により異なる換算方法

上記は都立高校の一般入試を例に挙げましたが、この内申点の配点比率は高校や学科ごとに異なります。
また、学力テストや内申点の他に、面接や小論文など、その他の要素を点数化し、合否の点数に加算することもよくあります。

内申点をどの程度重視するかは高校によって方針が異なり、その配点比率も高校ごとに様々なので、受験校を選定する際には詳細を確認しておく必要があります。
ただし、内申点を全く考慮しないといったことはないので、どの高校を受験するにせよ、一定の影響力があると考えておきましょう。

まとめ

今回のコラムでは、内申点の換算方法について解説しました。
その方法は地域や学校・学科ごとに異なるため、初めて高校受験する方にはわかりにくい側面があると思います。
内申点は高校受験において非常に大切な要素となるので、中学校の進路指導の先生や担任の先生に相談してみるのもよいと思います。
志望校合格に向けて、このコラムが皆さんのお役に立てれば幸いです。

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