高校受験でよく出る小論文のテーマを詳しく解説|中学生必見!
公開日:2024年7月29日
高校受験の推薦入試などでは小論文の試験が実施されます。小論文はデータやグラフなどの資料を読み取り、記述する形式が多いです。
本コラムでは、小論文でよく聞かれる出題テーマに焦点を当て詳しく解説します。小論文対策が必要な中学生は必見の内容です!
小論文の基礎知識
まず始めに、小論文について概要を解説します。中学生は小論文に慣れていないことが多いですが、作文との違いを理解することでイメージが沸きやすくなります。
高校入試の小論文とは?
小論文とは、出題されたテーマについて自分の意見や考えを書き、「なぜそのような意見・考えになるのか?」という理由や根拠を論理的に説明し、読み手が納得できる内容にする文章のことです。
つまり、自分の意見が「客観的に見てしっかり筋が通っていること」を文章で示していくことが重要となります。
小論文の書き方
高校受験の小論文は、400〜800字程度の文字数になることが多く、指定された文字数の最低8割以上(目標は9割以上)は埋める必要があります。
小論文の基本構成は、「序論」「本論」「結論」の3部構成になります。
それぞれの文字数の割合は、「序論:本論:結論=1:7:2」程度のバランスが目安になります。
それぞれの文章をバランス良く配分できるように、原稿用紙にあらかじめ目印をつけておきましょう。
小論文のポイント
小論文の試験で最も評価されるポイントは、「論理性」と「説得力」です。
つまり、問題で聞かれている意図を正確に理解し、それに対する自分の意見が「如何に説得力があり、論理的な裏付けがあるか?」という点がポイントとなります。
この説得力を示すためには、具体的かつ客観的な論拠が必要となります。
- どのような論拠を用いるか?
- どのような論理構成を組み立てるか?
といった知識や思考力も必要となり、そのような点についても評価のポイントとなります。
また、小論文の試験では文章の書き方(書式、誤字・脱字、表現能力、文章の構成、など)についても評価されています。
小論文・作文の試験は基本的に減点方式であることが多いので、この様な点にもしっかりとした対策が必要です。
作文との違い
小論文と作文は似ているように感じてしまいますが、記述の方向性や書き手の立ち位置が全く異なります。
作文は、与えられたテーマについて、他者の意見や感情ではなく、実体験を交えながら自分自身の考えや感じたことを素直に書き表すことが求められます。
例えば、
- 私は〜だと思います。
- 私は〜だと感じます。
といった具合で、自分の気持ちや感想を前面に出して記述します。
一方で、小論文の場合は「自分はどう思ったか?」という書き方ではなく、客観的な事実に基づく論理性を示すことが求められます。
例えば、
- このグラフが示すとおり〜であることが考えられます
- ○○という事実から〜ということが分かります
といった具合で、自分の主張が客観的なデータや事実から導かれた意見であることを書かなければいけません。
つまり、作文は「主観的な立場で書く文章」であるのに対し、小論文は「客観的な立場で書く文章」という大きな違いがあります。
高校入試の小論文についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「高校入試の小論文の丸わかり完全攻略ガイド!|模範解答例・解説付き」
高校受験でよく出る!小論文のテーマ9選
小論文の試験は、グラフや表などの資料や文章を読み取り解答するタイプの問題が多いので、
正確かつスピーディーに資料や文章の内容を読み取る力も必要です。また、テーマについての関連知識も必要となります。
ここでは、高校受験の小論文試験でよく出題されるテーマについて、都立高校の出題例を交えて解説しますので、参考にしてみてください。
1. 地球温暖化
小金井北高校 |
---|
文字数:80-100 |
サンマの不漁の原因の一つとして、地球温暖化の影響の可能性を指摘する資料を読み、サンマが日本付近に来なくなった理由として考えられることを、資料「サンマの分布と回遊」「年平均海面水温の平均値との差の推移」等を基に説明する。 |
「地球温暖化問題」は、ニュースでも頻繁に取り上げられているテーマなので、よく出題されます。地球温暖化の原因や、これによる様々な影響、地球温暖化対策として行われている様々な取り組みなどを調べ、関連知識を身につけておきましょう。
2. 環境問題
小平高校 |
---|
文字数:600 |
「2050年までのプラスチック廃棄物発生量の推計」と「海面浮遊汚染物質(プラスチック類)の観測結果」の二つのグラフ資料を読み取り、特徴を記述する。また、それらを踏まえた上で、大量のプラスチックごみが海洋に流出することで起こり得る問題と、その問題を解決するために自分自身が取り組むべきことを具体例を含めて論じる。 |
環境問題については幅広いテーマになりますが、代表的なものとして「ゴミの問題」「リサイクル」「環境破壊」「森林の減少・砂漠化」などが挙げられます。
現代において注目されている問題なので、しっかりと調べておきましょう。
3. 食糧問題
小平高校 |
---|
文字数:600 |
「2020年度末時点の世界の人々の飲み水への入手状況」と「安全に管理されていない飲み水を利用している人々の国籍の割合」という二つのグラフ資料を読み取り、特徴を記述する。また、それらを踏まえた上で、SDGsの「全ての人が安全で安価な飲み水を入手できること」を実現するためにはどうしたら良いか。国や個人として取り組むべきことを具体例を含めて論じる。 |
食糧危機の問題や水不足の問題もよく出題されるテーマです。これらは地球温暖化や人口増加と関連している問題です。具体的にどのような問題が発生しているか、どのような対策や取り組みが行われているかを調べておきましょう。
4. エネルギー
新宿高校 |
---|
文字数:151-200 |
日本の1990年、2010年及び2019年の各年の最大電力発生日における、1日の電気の使われ方の推移を示したものと会話文から、どのようにダムが活用されているかを、エネルギー面に着目して考え、説明する。 |
エネルギー問題についてもよく出題されるテーマです。SDGsや地球温暖化と関連していますが、火力発電や原子力発電に頼らない、太陽光、風力、地熱などからエネルギーを得る取り組みや、石油に代わる環境に優しい代替エネルギーの開発などについて調べておきましょう。
5. 学校生活
蒲田高校 |
---|
文字数:500 |
本校が期待する生徒の姿「身に付けた知識・技術・能力を生かし、ボランティア活動や地域貢献をする生徒」を踏まえて、あなたは本校でどのような高校生活を送りますか。具体的にあなたの考えを述べなさい。 |
学校生活については幅広いテーマが扱われますが、主に高校に入学してからの活動や取り組み、抱負などを聞かれることが多いです。このテーマは作文の試験でもよく出題されます。
6. 少子高齢化社会
三田高校 |
---|
文字数:400-450 |
高齢者が快適に過ごせるようなバリアフリー化を2例挙げ、高齢者とともに安心して暮らせる社会をつくるために、バリアフリー化に加えて必要なことは何かについて考えをまとめる。 |
少子高齢化社会については、現在の日本が抱える問題として注目されているテーマです。
介護問題、少子化問題、バリアフリー、などと関連していますので、実情や取り組みなどを調べておきましょう。
7. 仕事や働き方
武蔵野北高校 |
---|
文字数:600 |
小問1の分析を含めて、選択したテーマの資料全体から読み取れる課題を解決するために、どんな仕事をするべきか述べよ。現存する仕事でも、あなたが新たに創造した仕事でもよい。また、その仕事への就業又は起業のために、あなたが高校時代、そして大学時代に獲得しておきたい能力・技能等の修得に向けて取り組むべき事柄に関して、学習面と学習以外の学校内外の活動について述べよ。 |
高校卒業後、社会に出た時にどのような仕事をしたいか、どのような社会人になりたいか、などがテーマになります。また、働き方として「テレワーク」「フレックスタイム制」「労働時間」などの関連知識についても知っておきましょう。
8. 地域社会
戸山高校 |
---|
文字数:150-160 |
資料を使って、東京都内に位置する二つの地域の人口増加率及び人口構成の特徴と、そこから発生すると考えられる村落や都市の問題について、説明する。 |
地域社会の問題としては、人口格差、地域過疎化、人口の都市部集中、などの様々な問題が扱われやすいです。また、地域活性化、ボランティアなどのテーマについても扱われることがあります。
9. 社会問題
調布北高校 |
---|
文字数:320-400 |
「多様性」に関する文章を読み、「より多様性のある文化を実現する」ために、あなたは具体的にどのような行動が必要だと考えるか、述べなさい。 |
社会にまつわる問題については幅広いテーマが扱われます。特に、教育格差、グローバル化、多様性、ジェンダーレス社会、人種差別、などについて調べておきましょう。
引用:東京都教育委員会「都立高等学校入学者選抜における推薦に基づく選抜で実施した集団討論、小論文・作文、実技検査のテーマ等一覧」
小論文の力が上達する4つの方法
特に推薦入試において、小論文は非常に重要な科目の一つです。小論文の力を向上させるためには、日々の学習や生活の中で意識的に取り組むべきことがいくつかあります。ここでは、その具体的な方法について詳しく解説します。
1. 日頃からニュースや時事問題に興味を持つ
小論文のテーマは、時事問題や社会問題などが多く取り上げられます。そのため、日頃からテレビのニュース番組や新聞、インターネットのニュースサイトなどで最新の情報をチェックすることが重要です。
興味を持ってニュースを読み、自分なりの意見や考えを持つ習慣をつけることで、文章に深みが生まれます。また、ニュースを通じて得た情報を友人や家族と議論することで、さらに理解が深まり、論理的な思考力も鍛えられます。
2. 専門用語などの語彙力を高める
小論文では、豊富な語彙力が求められます。特に専門用語や抽象的な概念を理解し、適切に使いこなすことができると、文章の説得力が格段に向上し、テーマについての知識があることをアピールできます。
これを実現するためには、日頃から新聞やニュース、評論文など、様々なジャンルの文章を読み、多様な言葉に触れることで語彙力を高めることができ、効果的です。また、新しい単語や表現を見つけたら、その意味を調べ、実際に使ってみることも大切です。
3. 過去問をなるべく沢山解く
過去問を解くことは、小論文の試験対策において非常に有効です。
沢山の過去問を解くことで、出題傾向や問題のパターンを把握することができ、本番での安心感が増します。また、実際に書いてみることで、自分の文章の弱点や改善点を発見することができます。さらに、沢山の過去問を解くことで様々な時事問題や社会問題について知るキッカケにもなります。
過去問を解く際には、必ず時間を計って解くことで、試験本番に近い環境で練習することが重要です。これにより、時間配分の感覚も養うことができ、試験本番で焦らずに対応できるようになります。
4. 必ず先生に添削してもらう
自分で書いた小論文は、必ず先生に添削してもらいましょう。
第三者の視点から指摘を受けることで、自分では気づかなかったミスや改善点が明確になります。
特に、論理の展開や文章の構成、表現の適切さなどは、自分だけでは判断しにくい部分です。先生からのフィードバックを受けることで、具体的な改善方法がわかり、次回の小論文に活かすことができます。添削指導を通じて、自分の文章の癖や弱点を把握し、継続的に改善していくことが重要です。
まとめ
今回のコラムでは、小論文で出題されるテーマに焦点を当て解説しました。
推薦入試では、面接と併せて小論文・作文のいずれかが実施されることがほとんどですが、学校で詳しく教わらない分野なので、推薦入試を検討している人は、なるべく早い時期から練習しておきましょう。
家庭教師のマスターでは、高校受験の作文・小論文対策も行っています。ご興味のある方は気軽にお問合せください。
もっと知りたい方はこちら
⇒【高校受験コース】について
家庭教師のマスターについて
家庭教師のマスターの特徴
平成12年の創立から、家庭教師のマスターは累計2万人以上の子供たちを指導してきました。その経験と実績から、
- 勉強大嫌いな子
- テストで平均点が取れない子
- 特定の苦手科目がある子
- 自宅学習のやり方、習慣が身についていない子
への指導や自宅学習の習慣づけには、特に自信があります!
家計に優しい料金体系や受験対策(特に高校受験)にもご好評いただいており、不登校のお子さんや発達障害のお子さんへの指導も行っています。
指導料金について
指導料:1コマ(30分)
- 中学生:900円/1コマ
- 小学1年生~4年生:800円/1コマ
- 小学5年生~6年生:850円/1コマ
- 高校生:1000円/1コマ
家庭教師マスターではリーズナブルな価格で高品質の家庭教師をご紹介しています。
2人同時指導の割引き|ペアレッスン
兄妹やお友達などと2人一緒に指導を受けるスタイルの「ペアレッスン」なら、1人分の料金とほぼ変わらない料金でお得に家庭教師の指導が受けられます!
※1人あたりの指導料が1コマ900円 → 1コマ500円に割引きされます!
教え方について
マンツーマンで教える家庭教師の強みを活かし、お子さん一人ひとりにピッタリ合ったオーダーメイドの学習プランで教えています。
「学校の授業や教科書の補習」「中間・期末テスト対策」「受験対策」「苦手科目の克服」など様々なケースに柔軟な対応が可能です。
指導科目について
英語・数学・国語・理科(物理・生物・化学)・社会(地理・歴史・公民)の5科目に対応しています。定期テスト対策、内申点対策、入試対策・推薦入試対策(面接・作文・小論文)など、苦手科目を中心に指導します。
コースのご紹介
家庭教師のマスターでは、お子さんに合わせたコースプランをご用意しています。
ご興味のある方は、下記をクリックして詳細を確認してみてください!
無料体験レッスン
私たち家庭教師のマスターについて、もっと詳しく知って頂くために「無料の体験レッスン」をやっています。
体験レッスンでは、お子さんと保護者さまご一緒で参加して頂き、私たちの普段の教え方をご自宅で体験して頂きます。
また、お子さんの学習方法や課題点について無料のコンサルティングをさせて頂き、今後の学習プランに活かせるアドバイスを提供します。
他の家庭教師会社や今通われている塾との比較検討先の1つとして気軽にご利用ください!