平均点と偏差値の違いを分かりやすく解説
公開日:2025年1月14日
受験勉強でよく目にする「平均点」と「偏差値」。
このコラムでは、それぞれが示す意味や違いを分かりやすく解説します。また、受験勉強における平均点と偏差値の活用法についてもご紹介します。
模試の結果やテストの成績を自己分析する上で、是非お役立てください。
平均点とは何か?
平均点とは、試験を受けたすべての人の点数を合計し、その人数で割った値のことを指します。
これは、全体の傾向を把握するための基本的な指標であり、テスト結果を評価する際に頻繁に使われます。
ここでは、平均点の計算方法やその持つ意味を具体的に見ていきましょう。
1. 平均点の基本的な計算方法
平均点の計算は非常にシンプルです。次の式を使います:
平均点 = (すべての得点の合計) ÷ (受験者数)
例えば、あるクラスで5人がテストを受け、それぞれの点数が80点、70点、90点、60点、100点だったとします。この場合、平均点は次のように計算されます。
平均点 = (80+70+90+60+100)÷ 5 = 80
平均点はクラス全体の成績を一目で把握するのに便利ですが、個々の成績のばらつきまでは示してくれません。
2. 平均点が示すものとは?
平均点は、全体の成績の「中央的な傾向」を表す指標です。
例えば、平均点が高ければ「そのテストは比較的簡単だった」もしくは「受験者の学力レベルが高かった」と考えることができますし、低ければ「難しかった」「学力レベルが低かった」と判断することができます。
ただし、平均点には限界もあります。
特定の受験者が極端に高い点数や低い点数を取った場合、平均点は大きく影響を受けます。したがって、平均点を見る際には、その数字がどのように算出されたかを把握しておくことが重要です。
3. 平均点を超えることの意味
平均点を超えるということは、受験者全体の中で「平均以上」の成績を収めたことを意味しています。
これは、自分の成績が全体の中でどの位置にあるかを把握するうえで、大きな指標となります。
ただし、平均点を超えることが必ずしも十分な結果とは限りません。例えば、競争の激しい受験では、平均点を超えるだけでは合格ラインに届かない場合もあります。
4. 平均点のメリットとデメリット
平均点のメリットとしては、まず、テスト全体の難易度や受験者全体の傾向を把握しやすい点が挙げられます。また、シンプルで分かりやすい指標であるため、成績を比較する際の基準として役立ちます。
しかし一方で、極端に高い点数や低い点数が平均点に大きな影響を与える可能性があり、全体の実態を正確に反映しないデメリットもあります。
また、平均点は受験者全体の成績のばらつきを示すものではないため、成績の分布状況を把握するには不向きです。
このように、平均点は単独で用いるだけでは不十分な場合があり、偏差値や成績の分布など他の指標と組み合わせることで、より正確な理解が得られると言えるでしょう。
偏差値とは何か?
偏差値は、成績の位置を全体の中で相対的に評価するための指標です。
単純な点数では把握しづらい「自分の成績がどのくらい優れているのか、あるいは劣っているのか」を分かりやすく示しています。
特に、受験や模試の結果を分析する際に頻繁に用いられ、競争の中での自分の位置を理解するのに欠かせない指標です。
ここでは偏差値の計算方法や意義、活用場面について詳しく解説していきます。
1. 偏差値の計算方法とその意味
偏差値の計算方法は以下の式を用います。
偏差値 = 50 + 10 × (得点 – 平均点) ÷ 標準偏差
この式では、得点が全体の平均点からどれだけ離れているかを「標準偏差」を用いて標準化し、それを基準値(50)に加えることで算出されます。
例えば、模試で平均点が70点、標準偏差が10点のテストで、自分の得点が80点だった場合の偏差値を計算すると、以下のようになります。
偏差値 = 50 + 10 × ( 80 − 70 ) ÷ 10 = 60
この偏差値60という値は、「全体の中で平均よりも上に位置している」ということを意味します。偏差値は、50が平均値であるため、自分の成績が全体の中でどの程度の位置にあるかを把握する際に便利です。
偏差値の計算は、自分で算出することが非常に難しいです。実際には、模試の結果などに記載されている数値で確認することが一般的です。
計算方法をさらに詳しく知りたい方は、下記のコラムで解説していますので、ご確認下さい。
偏差値の意味や求め方についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「偏差値って何だろう?|偏差値の意味や求め方(計算方法)を解説」
2. 偏差値が示すものとは?
偏差値は、単なる点数の優劣ではなく、成績が全体の中でどのような位置にあるかを示しています。偏差値50を基準とし、それより高ければ「平均以上」、低ければ「平均以下」と評価されます。
また、偏差値は全体の受験者数や成績のばらつき(分布)も考慮して計算されるため、単純な点数よりも公平に個々の成績を評価できます。
例えば、偏差値70であれば上位2.3%以内、偏差値30であれば下位2.3%以内に位置していることを示します。
このように偏差値は、受験生の中での自分の位置を把握するのに非常に有効な指標です。
3. 偏差値を利用する場面
偏差値は主に、受験や模試などで必ずと言って良いほど利用されています。
例えば、志望校の合格基準を偏差値で示すことで、受験者は自分の成績がその基準を満たしているかどうかを判断できます。
また、模試の結果から偏差値を見て、自分の得意科目や苦手科目を把握し、学習計画を立てる際にも役立ちます。さらに、偏差値は成績の比較にも使われます。同じテストを受けた人たちの中での順位を客観的に示すため、どの学校や学習塾でも重視される指標となっています。
4. 偏差値のメリットとデメリット
偏差値には多くのメリットがあります。
まず、全体の中での自分の位置を相対的に把握できるため、単なる点数よりも成績の評価が公平で明確です。また、志望校の合格基準や競争相手との比較が容易になり、具体的な目標設定に役立ちます。
しかし一方で、偏差値にも欠点があります。
特に、受験者数が少ない場合や成績分布が偏っている場合には、実態を正確に反映しないことがあります。また、偏差値だけに過度に依存すると、点数そのものや本質的な学力の向上が軽視される危険性もあります。
偏差値は非常に便利な指標ですが、それだけにとらわれず、点数や学習内容を総合的に見ながら活用することが重要です。
平均点と偏差値の違い
受験の結果を分析する際、「平均点」と「偏差値」はどちらも欠かせない指標ですが、それぞれが示す意味や活用方法は異なります。
ここでは、両者の基本的な違いと判断基準、評価方法、どちらを重視すべきかについて解説します。
1. 平均点と偏差値の判断基準
平均点は、受験者全体の得点の傾向を示す指標です。計算は単純で、全員の得点の合計を人数で割ることで算出されます。そのため、平均点はテスト全体の難易度を把握するのに役立ちます。
一方、偏差値は全体の中での自分の成績の位置を示す指標であり、得点が平均点からどの程度離れているかを、標準偏差という統計的な値を用いて算出します。
簡単に言えば、平均点は「全体的な傾向」、偏差値は「自分が全体の中でどの位置にいるか」を示すものであり、それぞれの判断基準が異なります。
2. 評価方法としての違い
平均点は絶対的な値を用いて評価するのに対し、偏差値は相対的な位置づけで評価します。
この違いにより、平均点は「そのテストが全体的に簡単だったのか難しかったのか」を示すのに適していますが、偏差値は「自分が他の受験者と比べてどのくらい優れているか」を示すのに優れています。
例えば、ある模試で平均点が高い場合、受験者全体が高得点を取りやすい問題だった可能性があります。しかし、偏差値が高い場合は、たとえ平均点が高くても、自分が他の受験者よりも良い成績を収めていることを意味します。
このように、評価方法としての性質が異なるため、状況に応じて使い分ける必要があります。
3. どちらを重視すべきか?
平均点と偏差値のどちらを重視すべきかは、目的や状況によって異なります。
例えば、テストの難易度を把握する際には平均点が役立ちます。一方、志望校の合格可能性を判断する際には偏差値の方が重要です。
特に、競争が激しい受験の場合は、自分が全体の中でどの位置にいるかを把握できる偏差値を重視すべきです。
4. 両者を活用するバランス
平均点と偏差値は、どちらか一方だけで十分というわけではなく、両者をバランスよく活用することが大切です。
例えば、テストの平均点を見ることで問題の難易度や全体的な傾向を把握しつつ、偏差値を確認することで競争の中での自分の位置を把握することができます。
また、学習計画を立てる際にも、平均点と偏差値を組み合わせると効果的です。
平均点が低い科目では基礎を重点的に学び、偏差値が低い科目では他者との差を埋めるための対策を練ると良いでしょう。
このように、両者を適切に活用することで、効率的な学習と的確な結果分析が可能になります。
受験勉強における平均点と偏差値の活用法
受験勉強を効率的に進めるためには、平均点と偏差値を正しく理解し、効果的に活用することが重要です。
これらの指標は、自分の現状を把握し、目標を設定し、成績を向上させるための貴重な手がかりを提供してくれます。
ここでは、受験勉強における平均点と偏差値の活用法について詳しく解説します。
1. 目標設定における平均点の役割
平均点は、テスト全体の難易度や受験者全体の得点傾向を把握するのに役立つ指標です。自分の成績が平均点と比べてどの位置にあるかを知ることで、目標を設定しやすくなります。
例えば、模試の結果で平均点が70点だった場合、自分の点数が60点ならまず平均点を目指すことが妥当な目標となります。一方で、自分の点数が80点だった場合は、さらに上の目標を設定することで、学力を伸ばすキッカケになります。
平均点は、勉強のスタートラインや次のステップを考える際の基準として非常に有効です。
2. 偏差値を用いた志望校選び
偏差値は、志望校選びにおいて最も重要な指標です。志望校の合格基準となる偏差値と自分の現在の偏差値を比較することで、目標との差を明確にできます。
例えば、第一志望校の偏差値が65で自分の偏差値が58であれば、そのギャップを埋めるための具体的な学習計画が必要です。一方、現在の偏差値が目標の偏差値に近い場合でも、余裕を持って合格できるようさらに努力することが求められます。
このように、偏差値を参考にすることで、志望校選びや受験勉強の優先順位を決めやすくなります。
3. 成績の伸ばし方と偏差値向上
偏差値を向上させるためには、他の受験生よりも優れた成績を取る必要があります。そのためには、単なる基礎固めにとどまらず、応用力や実践力を養う学習が求められます。
具体的には、得意科目で確実に高得点を狙う一方、苦手科目の克服にも注力することが重要です。
また、模試の結果を活用し、どの分野で得点を伸ばすべきかを分析することも効果的です。偏差値は全体の中での相対評価であるため、成績を効率よく伸ばすためには、自分の弱点を的確に把握し、重点的に学習することが欠かせません。
4. 総合的な学力を測る方法
平均点と偏差値を組み合わせることで、自分の総合的な学力をより正確に把握できます。
平均点を基準に、自分の成績が全体の中でどの程度の位置にあるのかを確認し、さらに偏差値を通じて他の受験生との相対的な位置を把握します。
また、学力を総合的に測るには、点数や偏差値だけでなく、各科目ごとの得意・不得意や理解度を分析することも必要です。模試の解答を見直し、間違えた問題の原因を特定することで、自分の学力の全体像を明らかにできます。
このように、複数の指標を活用しながら総合的な学力を把握し、受験勉強を計画的に進めることが成功への鍵となります。
まとめ
平均点と偏差値は、受験勉強において自分の成績を正確に把握し、目標達成に向けた学習計画を立てる上で欠かせない指標です。
ただし、平均点や偏差値だけにとらわれるのではなく、学力を総合的に評価し、弱点を克服することも重要です。目の前の数字に一喜一憂するのではなく、それを自分の成長につなげる姿勢が、成功への近道となるでしょう。
平均点と偏差値を正しく理解し、上手に活用することで、受験勉強をより効果的に進めてください。
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