発達障害の小学生|その特徴や症状の理解、支援方法や接し方を解説
公開日:2024年2月27日
「発達障害」という言葉は、2004年に公布された「発達障害者支援法」によりこの言葉の定義が明確になり、それ以降から一般の認知度も浸透し始めました。
今の親御さん世代にとって「発達障害」という言葉自体に馴染みがなく、お子さんが「発達障害の傾向にある」と言われると、強い不安や焦りを感じる方が多いかもしれません。しかし、発達障害は、親御さんが正しい知識を得て適切な支援を行えば、徐々に改善され必ず成長します。
本コラムでは、発達障害(ASD・ADHD・LD・SLD・グレーゾーン)を持つ小学生の特徴とその支援方法をわかりやすく解説します。親が知っておきたい基礎知識(接し方、学校での支援、サポート機関)についても詳しく説明します。
発達障害とは?
発達障害には、
- ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)
- ADHD(注意欠如多動症)
- LD・SLD(限局性学習症)
- 境界知能
- グレーソーン
といった、いくつかの異なるタイプが存在します。
1人のお子さんが複数の症状を示すことも多く、明確な境界線は存在しません。
例えば、ADHDの特徴が強いがASDに近い対人関係の困難も示している、といったように複数の症状が併発しているケースがほとんどです。
ですので、どういった傾向が強く、どういった症状が併発しているのか?といった、お子さんの特性を正しく把握し、それによる学校生活の中での困難を見極めてあげることが大切になります。
「正しい知識」と「適切な支援方法」を理解することで、問題なく学校生活を送れるお子さんも多いため、早期の対応が大切です。
発達障害の種類と特徴
1. ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)
ASDは幼児期における行動上の問題から明らかになることが多く、男子に多いとされています。学校生活での集団行動や同級生とのコミュニケーションにおいて困難を経験しやすい傾向にあります。
自閉スペクトラム症
ASDのお子さんの中でも「自閉症の傾向」があるお子さんは、集団の中で周りを気にせず奇声を上げたり、1人で跳ね回るようなことがあります。これは周りの子に怯えているわけではなく、「他人と繋がる」という感覚が少ないためです。
また、この症状は、言語の発達に遅れが見られる場合もあります。相手の言葉をオウム返しで言うことや、代名詞の逆転など独特な言語の使用が見られることも多いです。また、特定の事柄に対するこだわりが強く、予定やルールの変更に敏感で、繰り返し行う特定の行動に強い興味を示すことがあります。
アスペルガー症候群
ASDの中でも「アスペルガーの傾向」が強いお子さんは、知能や言語の発達には問題がないことが多いのですが、表情や仕草といった非言語的なコミュニケーションを苦手とし、学校での集団活動や友人関係に課題を抱えることがあるので、理解と支援が必要です。
ASDの特徴まとめ
集団行動が苦手 |
言語の発達に遅れがみられる |
表情や仕草といった非言語的なコミュニケーションが苦手 |
2. ADHD(注意欠如多動症)
ADHDは、3〜4歳から顕在化すると言われており、「不注意」「多動性」「衝動的な行動」の3つの特徴があげられます。
「不注意」
「不注意」は細かいところまで注意することが苦手で、「ケアレスミスを何度も繰り返してしまう」「集中力が続かない」「忘れ物、落とし物が多い」などの特徴があげられます。例えば、学校生活において宿題や提出期限の決められたものを守れないなどの困難が起こりやすいです。
「多動性」
「多動性」は「落ち着きがない」「うろうろ歩き回ってしまう」「おしゃべりが止まらない」などの特徴があげられます。例えば、学校生活では授業中に立ち歩いてしまい、先生に怒られたり、授業の内容を聞き逃すといったことが多いです。
「衝動的な行動」
「衝動的」というのは、「思いつきの行動が多い」「思いついたことをすぐ言ってしまう」「カッとなって大声を出してしまう」「順番が待てない」といった特徴があげられます。
例えば、学校生活においては「授業中などにその場に合わない質問をしてしまう」「同級生とのケンカやトラブルが起こりやすい」といった傾向があります。
ADHDの特徴まとめ
ケアレスミスや忘れ物が多く、提出物を期限通り出すことが苦手(不注意) |
落ち着きがなく、授業中でも常に動いたり話してしまう(多動性) |
思いつきの行動が多く頻繁に同級生とトラブルを起こしてしまう(衝動的) |
3. LD・SLD(限局性学習症)
LD・SLDは、他の分野には問題がないのですが、特定の分野で非常に困難が生じる発達障害です。具体的には「読字障害」「書字障害」「算数障害」の3種類があげられます。
「読字障害」
「読字障害」は、知的な遅れはないのに、文字を読むことが極端に苦手といった特徴があります。
読字障害のあるお子さんは、「音読」や「算数の文章題」が非常に苦手です。学校生活においては、国語の授業での音読に強い拒否反応を示したり、算数の文章問題が極端に解けない、といった傾向がみられます。
「書字障害」
「書字障害」は、文字や文章を書くことに困難が生じるといった特徴があります。例えば「わ」と「れ」や「ツ」と「シ」といった形の似た文字を中々書き分けられない、といった症状がみられます。学校生活では「漢字の書き取りが極端に苦手」「高学年になっても時々カタカナを忘れてしまう」といった傾向がみられます。
「算数障害」
「算数障害」は、コミュニケーション能力や他の科目には問題ないのですが、算数の能力(計算)のみが極端に苦手な特徴があります。
例えば、「繰り上がりや繰り下がりが極端に苦手」「高学年になっても指を使わないと計算ができない」といった症状がみられます。学校生活では、「算数のテストだけ特別悪い点数を取ってしまう」「何度教えてもかけ算や割り算が理解できない」といった傾向がみられます。
LD・SLDの特徴|まとめ
音読や文章問題が極端に苦手(読字障害) |
ひらがなやカタカナや漢字の書き取りが極端に苦手(書字障害) |
計算がとても苦手で算数のみ悪い点数を取ってしまう(算数障害) |
4. 境界知能
「境界知能」とは、同年齢の子供に比べて7〜8割に位置する知能指数(IQ)を指し、一般的にはIQが70〜84に該当するお子さんを指す用語です。(通常の小学生の平均IQは90〜110程度です)。
「境界知能」に分類される子供は意外にも多く、30人のクラスの中で約4〜5人(約14%)が該当するとされています。
「境界知能」に分類される子供は、IQが平均よりも低いため、学校生活において様々な困難が生じます。ただ、明らかな知的障害ではないため、行動に問題がない場合は判別が難しく、「境界知能」であることに気づかずに対応が遅れることが多いのが特徴です。
「境界知能」に分類されるお子さんは、学習方法の工夫によって十分なサポートが可能です。例えば、授業についていけないお子さんであれば、前もって予習を行うなど、お子さんに合った効果的な学習方法を見つけることで対応することもできます。
5. グレーゾーン
「グレーゾーン」とは、特定の発達障害や学習障害の症状が明確には現れていないものの、発達障害のあるお子さんに近い行動や特徴が見られることを指します。発達障害と診断されたお子さんと比べて、学校での問題が少ないように感じられますが、実際はそうではありません。
グレーゾーンの場合、特定の診断名がつかないため、支援が受けづらかったり、学校からのフォローも希薄になりやすいのです。
また、境界知能のお子さんと同じく、発達障害の傾向が強いお子さんよりも気づきにくく、対応が遅れることも多いです。
「グレーゾーン」のお子さんには、発達障害の傾向が強いお子さんと同じく、どういった特性があるのか?を保護者が正しく認識し、適切に支援することが非常に重要です。
お子さんの行動に対して「やる気がないだけじゃないのか?」と考えてしまい、叱ってしまうことがありますが、その前に、お子さんの特性を理解し適切に支援することで、お子さんの成長を助けることに繋がります。
発達障害の診断について
発達障害の診断を行えるのは主に医師(医療機関)であり、その中でも、小児科医、児童精神科医、小児神経科医、または発達外来での受診が一般的です。これらの医療機関は、大学病院や総合病院に所属しています。
医療機関で受診するかどうか迷った場合は、医療機関以外の専門機関で相談することも一つの選択肢です。発達障害の傾向が強いお子さんのサポートに特化した相談機関では、お子さんやその家族にとって重要な情報や支援のヒントを得ることができます。
簡易チェックポイント
「いきなり医療機関で診断を受けるのは抵抗がある」と感じる方は、簡単なチェックポイントを利用して、お子さんがどういった傾向にあるかを確認することができます。ただし、これはあくまで専門的な診断ではないので、正確な診断結果を知りたい方は医療機関を受診し、医師の診断を受けることをお勧めします。
ASDのチェックリスト
✓ | 相手の感情を表情や雰囲気から読み取ることが苦手 |
✓ | 同級生の友人が少ない |
✓ | 周りを気にせずマイペース過ぎる行動をとってしまう |
✓ | 何故そうしたのか?どうやってそうしたのか?といった説明が苦手 |
✓ | 言葉の意味を理解することが難しい |
✓ | 他人の気持ちを想像するのが苦手 |
✓ | 一人で遊ぶことが多い |
✓ | 急な予定変更に対して臨機応変な対応ができない |
✓ | 聴覚・触覚といった特定の刺激に過度に反応してしまう |
✓ | 順番や物の配置などのこだわりが過度に強い |
✓ | 好きなものに没頭しやすく、切り替えができない |
ADHDのチェックリスト
✓ | 注意力を維持することが難しく、ケアレスミスが多い |
✓ | 興味の対象が移り変わりやすい |
✓ | 提出物や宿題をギリギリまでやらない |
✓ | 忘れ物や物をなくしてしまうことが多い |
✓ | 授業中にじっと座っていられず、立ち歩いてしまう |
✓ | その場に関係のない話や質問をしてしまう |
✓ | 急に話しかけてしまい、相手の邪魔をしてしまう |
✓ | 怒りの感情をコントロールできず、友達とトラブルを起こしてしまう |
✓ | 好きなことを我慢できず、他のことより優先してしまう |
LD・SLDのチェックリスト
✓ | 音読が苦手で、正しく読めない |
✓ | 読み間違いが多く、自分で言葉を変えて読んでしまう |
✓ | 文章を区切る位置がわからない |
✓ | 文字を抜かして読んでしまう |
✓ | 文字を書くのが苦手 |
✓ | オリジナルの漢字を書いてしまう |
✓ | 作文がとても苦手 |
✓ | 指を使わないと暗算ができない |
✓ | 数字の桁が理解できない |
✓ | 繰り上がり・繰り下がりの計算が苦手 |
✓ | ひっ算を一度覚えてもすぐ忘れてしまう |
✓ | 時計や単位などの概念を理解することが苦手 |
WISC検査
WISC検査とは、「言語理解」「知覚推理」「処理速度」「ワーキングメモリー」の4つの指標とIQ(知能指数)を数値化する検査です。
お子さんの「得意なこと」と「苦手なこと」が数値化されることにより、保護者がお子さんの特性を正確に把握できるといったメリットがあります。
特性の正確な把握ができれば、お子さんへの接し方や支援方法の的確なヒントを得ることできます。
WISC検査は、教育支援センターや児童相談所、学校などの公的機関、医療機関、民間のカウンセリングルームなどで受けられますが、必ず実施しているとは限りません。各都道府県に設置されている「発達障害者支援センター」に問い合わせると実施可能な機関を知ることができます。
WISC検査は、約2,000〜4,000円程度の費用がかかり、約2時間ほどかかる検査になります。また、予約が混み合っていることも多く、検討している場合は早めに問い合わせた方が良いでしょう。
ただし、WISCの結果は、お子さんの発達状況や、得意・不得意を把握する上で非常に便利な手段ですが、その結果だけで発達障害の診断が確定するわけではありません。発達障害かどうかについては、あくまで専門の医師による総合的な判断になりますのでご注意ください。
発達障害の小学生に起こりやすいトラブル
ASDの傾向が強いお子さんに起こりやすいトラブル
1. 集団行動が苦手
ASDの傾向が強いお子さんは集団行動を苦手としています。ただ、学校生活では集団行動が前提となる為、学校が「つらい場所」になってしまうことが多いです。また、小学校の授業ではグループ活動が多いので、集団行動をうまくできず、クラス内で「浮いた存在」になることが多々あります。その結果、学校に行くことを嫌がるようになり、不登校になってしまう子も多いです。
2. 場の空気を読めない
ASDの傾向が強いお子さんは、全体の中で自分の役割を理解したり、自分の持ち時間を認識することが苦手な子が多いです。
例えば、「45分間以内で10名が順番に発表する場で、自分1人だけで20分以上発表してしまう」といった、協調性に欠ける行動を取るなどがあります。
また、相手の表情から気持ちを察することが苦手な為、悪気なく相手を傷つけるような言葉を発してしまうこともあります。その結果、クラス内で孤立してしまうことがあります。
ADHDの傾向が強いお子さんに起こりやすいトラブル
1. 不注意で忘れ物・落とし物・なくし物を頻繁にしてしまう
ADHDの傾向が強いお子さんは、小学生なってから、不注意からの忘れ物などが多発します。
小学生になると、提出物や宿題にとどまらず、運動会、遠足など様々な行事がありますが、それに伴う準備や用意が増え、お子さんの注意力のキャパシティを超えてしまうのです。
その結果、「家の鍵をなくしてしまう」「保護者のサインが必要なプリントを出さない」などといった問題が起こりやすくなります。
2. 落ち着きがなく授業の邪魔をしてしまう
ADHDの傾向が強いお子さんは、「じっとしていられない」「落ち着きがない」など様々な多動の症状があります。
貧乏ゆすりをしてしまう子もいれば、イスや机を動かして音を出してみたり、中には授業中に立ち歩いてしまう子もいます。
また、話してはいけない場面で話し続けてしまうなど、授業の邪魔をしてしまい、クラスメイトから不満が上がったり、先生から厳しく怒られてしまうこともあります。
3. 衝動的な行動で相手を傷つけてしまう
ADHDの傾向が強いお子さんは、「思ったことをそのまま口にしてしまう」といった衝動性があります。
「相手がどう思うか?」を考えずに、自分の「言いたい」という気持ちが勝ってしまい、時には相手を傷つける言葉や失礼な言葉を発してしまうことがあります。その結果、同級生とのトラブルに発展することもあり、また、先生に対しても同様の言動をしてしまい、反感を買ってしまうこともあります。
LDの傾向が強いお子さんに起こりやすいトラブル
1. 「努力不足」「やる気不足」だと勘違いされてしまう
LDの傾向が強いお子さんは、「読字障害」「書字障害」「算数障害」といった3つの特徴があります。それぞれ、「文字を読むこと」「文字を書くこと」「計算をすること」といった、一般的にできて当たり前のレベルのことができない、といったことがあります。
ただし、それ以外の能力(コミュニケーション能力、暗記力など)には問題がないお子さんも多いため、発達障害であるかどうかの見極めが難しいケースが多々あります。その為、LDではなく「本人の努力不足」「やる気不足」だと勘違いされてしまい、適切なサポートを受けられずに苦労することがあります。
2. 学習の遅れから劣等感を感じてしまう
LDの傾向が強いお子さんは、小学校に入学後すぐに、周囲との学力差が顕在化し始めます。
低学年の間はそこまでの差を感じないこともありますが、学年があがるにつれて学力差が大きく広がり、劣等感を強く感じてしまうお子さんも多いです。
特に小学高学年以降になると、周りからの目が気になり始め、授業についていけないことを恥ずかしく思ったり、自信を失くしてしまうこともあります。
その結果、勉強が嫌いになってしまったり、不登校になってしまうことがあります。
不登校になる原因ついてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「子どもが不登校になる原因と親の対応方法とは?」
発達障害の小学生との接し方
理解と共感の大切さ
発達障害のお子さんと接する際には、まず本人の目線に立つことが大切です。お子さん独自の感性や感情を理解し、個性を尊重することが信頼関係を築く第一歩となります。日頃から、「子供がなぜそう考えるのか?」を想像し、共感する姿勢を持つと良いでしょう。
また、兄弟や同学年の子供たちと比較するような発言は避けましょう。
「お兄ちゃんはこんなこと簡単にできたのに…」といった発言は、お子さんを深く傷つけてしまい、親子関係に大きな溝を生む原因となります。小学生の時期にこのような溝ができると、中学生や高校生になった際に反抗期が強まる可能性も高まります。
まずは、子どもの考えや個性を尊重し、他の子と比べずに自己肯定感を高めることが大切です。
コミュニケーションの工夫
発達障害のお子さんとのコミュニケーションにおいては、感情的にならないことがとても大切です。「どうしてこんなこともわからないの!?」と感情的に接してしまうと、多くのお子さんは心を閉ざしてしまいます。また同時に、自信を失ってしまい、できるはずのことでも「どうせやっても無理だから…」といったネガティブな気持ちになり、消極的になってしまいます。
お子さんが「失敗したこと」を叱責するのではなく、「得意なこと」や「できたこと」を褒めてあげることが大切です。そうすることで、お子さんは「自分の良いところ」を理解し、自信もつきやすくなります。
家族ではどうしても感情的になってしまったり、根気強く勉強を教えることが難しい場合には、家庭教師などの第三者に頼ることも有力な手段です。
もっと知りたい方はこちら
⇒【発達障害コース】について
家族のメンタルケア
発達障害の特性を理解し、家族全体で力を合わせて取り組むことが重要です。
家族の中でお互いに理解し合い、協力することが、発達障害のお子さんに安心感をもたらします。
同時に、お子さんがストレスや疲労が溜め込んでしまわないよう、家族全体でストレス発散になるようなサポートや休息を確保しましょう。
例えば、地域のスポーツ少年団などに所属することをお子さんに勧め、週末はスポーツなどの習い事をさせるのも1つです。お子さんが学校以外のコミュニティに参加することで、学校とは別の交友関係が広がり、お子さんの発達やストレス解消も促されます。
お子さんの特性に合わせた伝え方
発達障害の傾向があるお子さんには、なるべく「分かりやすく」「単刀直入に」「簡潔に」伝えるとよいでしょう。
例えば、机を片付けてほしい時には、「今から机にあるノートを片付けようか!」といった、単純明快な伝え方が良いでしょう。
逆に、「●●くんの机だけ散らかってるね〜」(※比喩的な表現)「机を片付けたら、宿題をやって、その後学校の準備もしなさいよ」(※複数のことを一度に言う)
「ちゃんと片付けてね〜」(※「ちゃんと」のような曖昧な表現)といった伝え方は、発達障害の傾向があるお子さんに上手く伝わらないことが多いです。
比喩的な言い回しや曖昧な表現、あれこれ同時に言う、などは、真意を理解できないことが多く、何をやれば良いのか分からなくなることがあります。やんわりとした表現や察してもらうような言い方よりも、一つのことを端的に伝える方が、コミュニケーションを円滑にできるでしょう。
発達障害の小学生へのサポート
学校への相談と連携
発達障害の傾向がある小学生をサポートするためには、学校との密な連携が不可欠です。学校との定期的な面談を通じて、お子さんの発達に合わせたサポートプランを共有していくことが重要です。
また、学校の特別支援教育支援員やスクールカウンセラーへの相談も効果的です。専門家の意見や提案を受け入れ、それを取り入れたアプローチをすることで、お子さんにより適した支援が可能になります。
通級指導教室の利用
現在の学校では、通常の授業に参加しつつ、本人の発達に合わせて、一部の授業を別の教室で受けることができる、通称「通級」といった制度があります。
特別支援級とは違い、学校生活の大部分は普通学級で過ごし、集団授業では対応が難しい部分のみ、個別でお子さんの発達障害特有の課題に焦点を当てた取り組みが行われます。
学習面だけではなく、生活面での課題の克服にも取り組んでもらえるので発達障害の傾向にある小学生は積極的に活用したい制度です。
放課後デイサービスの活用
発達障害のお子さんをサポートしていく上で、放課後デイサービスを利用することも一つの方法です。放課後デイサービスでは6歳〜18歳と幅広い年齢の障がいがある子どもを受け入れています。基本的な活動内容は、「自立支援と日常生活の充実のための活動」「創作活動」「地域交流の機会の提供」「余暇の提供」とされており、事業所によってはお子さんの送迎もしています。
また、放課後等デイサービスでは、お子さんへの支援だけではなく、保護者との面談を通じて相談にのってもらえたり、日々の支援状況について具体的なフィードバックがもらえます。
保護者と放課後デイサービスのスタッフとでコミュニケーションをとることで、よりお子さんに適した支援方法を見いだすことができるでしょう。
参照:
厚生労働省「放課後等デイサービスガイドライン」
「放課後等デイサービスの現状と課題について」
各種医療機関への相談
発達障害の治療やサポートにおいては、専門の医療機関と連携することでより効果的な支援方法の提案を受けることができます。
発達障害かどうかを診断したり判断する際には、生育歴が重要な情報となります。相談したいことをあらかじめ整理しておき、「今困っていることはどんなことか?」をメモなどにまとめておくと、正確な診断やアドバイスが受けやすくなります。
資料としては、母子手帳、小学校の通知表、幼少時の様子を記録したビデオなどが有用です。WISC検査などを受けたことがあれば、その結果も持って行くと良いでしょう。
公的機関への相談
お子さんに発達障害の傾向があると感じ、医療機関での診断を受けるべきかどうか悩んでいる場合は、地域の発達障害者支援センターなどの公的な機関に相談することをおすすめします。
専門機関の相談窓口では、診断を受けたい場合に、近くの病院を紹介してくれることもあります。相談窓口や専門家に相談することで、具体的な手段や情報を知ることができます。
相談できる主な公的機関は以下の通りです。
発達障害者支援センター
※全国の一覧はこちらから検索できます
・児童発達支援センター
・児童相談所
・児童家庭支援センター
家庭教師の検討
発達障害の傾向が強い小学生の場合、学習面でのサポートが不可欠です。
小学校で教わる「漢字の読み書き」や「計算などの基礎的な学習」は、将来生活していく上でも必要となるものばかりです。
しかし、発達障害の傾向が強いお子さんは、環境の変化に敏感であったり、多人数のいる場所での集中が難しいことから、塾に通うことは難しいことが多いです。そのため、発達障害の特性を持つ小学生には、自宅でマンツーマン指導が受けられる家庭教師がお勧めです。
家庭教師は自宅で学習ができるため、環境を変えずに安心して授業を受けることができます。また、集中力が切れてしまっても、自分の好きな時間に休憩を取ることができるため安心です。
家庭教師のマスターでは、発達障害のお子さんへの学習サポートを行っております。ご興味のある方は、是非気軽にご相談頂ければ幸いです。
まとめ
以前は発達障害という言葉が浸透していなかったため、発達障害の傾向があるお子さんをお持ちの親御さんは、漠然とした心配事を抱えていらっしゃる方が多いです。発達障害はお子さんによって症状が多種多様ですが、近年では多くの対処法があり、様々なサポートの方法もあります。それらを活かして前向きに進んでいくことを願っております。
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