勉強しない中学生|やる気の出ない理由とその解決策とは?

公開日:2024年4月11日

中学生になると、さまざまな理由で勉強をしなくなる子どもが増えてきます。反抗期もあり、親が注意しても無理に勉強させることは難しいです。
このコラムでは、25年にわたり勉強嫌いの子どもたちと向き合ってきた「家庭教師のマスター」が、勉強をしない中学生の「やる気の出ない理由」と「やる気を引き出すための解決策」をご紹介します。

中学生が勉強しない4つの理由

1. 授業についていけない

中学校に進学すると、小学校時代と比べて授業のペースが速くなり、学習量も大幅に増えます。
また、近年では学習指導要領が変わり、教科書の内容量も増え、中学で学ぶ内容も増加しています。2021年度から使用される中学校の教科書は、教科ごとの平均ページ数の合計が1万1280ページと、平成以降で最多というデータもあります。このように教科書のページ数が増えた結果、授業の進行速度も以前よりかなり速くなりました。
当然、授業のスピードが速くなると、ついていけずに勉強がつまらなく感じる子が増えてしまいます。しかも、勉強がつまらなくなると、

やる気が失われる⇒勉強をしなくなる⇒次の授業にもついていけなくなる

という悪循環に陥りやすくなってしまいます。
この悪循環に陥ると、学校のテストの成績も急速に下がってしまうので注意が必要です。授業についていけず、さらにテストでも低い点数を取ってしまうと、苦手意識が強くなり、勉強をしなくなるキッカケとなります。

参照:文部科学省 小学校・中学校・高等学校用教科書「体様のめやす」の改正について

2. 部活が忙しい

中学生になると、部活動が始まります。体育系の部活動や吹奏楽部などの厳しい練習に参加した場合、練習が忙しく体力を消耗し、勉強する意欲が湧きにくくなることがあります。
また、小学生の時と比べて家で過ごす時間も減ります。
例えば、朝から練習があるような部活に参加した場合は、早朝に家を出る必要があり、土日や祝日などに大会や遠征、練習試合などがあると、休日も一日中拘束されてしまいます。
家にいる時間が短く、その上疲労が蓄積している状態が続くと、「家にいる時間くらいは休みたい」と考えるようになり、勉強する意欲が低下しやすくなります。その結果、勉強が後回しにされることになります。

3. スマートフォンを持つことによるゲームやSNSへの熱中

中学生になると、スマートフォンを持つ子供も増え、友達とSNSで交流したりスマホのゲームで遊んだりする機会が増えます。
当然ながら、そういった「勉強よりも楽しいこと」に時間を割くと、勉強時間が減少してしまいます。また、現代のゲームはテレビに接続せずに直接スマートフォンやタブレットで遊ぶことができるため、子供たちは部屋や布団の中でも遊ぶことができ、規律を守って使用することが難しくなっています。
その結果、スマートフォンの使用過多による寝不足で授業に集中できず、勉強への意欲も低下してしまう子供が増えています。

4. 反抗期

中学生になると、反抗期も強まり、親の言うことを素直に聞かなくなる場面が以前より多くなるでしょう。
反抗期の中学生は、大人の指示や命令に対して拒否感や抵抗感を抱きやすい時期なので、「勉強しなさい!」という親の声に対して特に反抗的な態度を取ります。

反抗期自体は悪いものではありません。むしろ、お子さんが成長する上で必要なステップなので、多少は大目に見ることも大切です。
しかし、あまりに勉強しない様子に痺れを切らして「いつになったら勉強するの!」などと感情的な発言をしてしまうと、「今やろうと思ったのに!」といったような強い反発を招きます。その結果、「勉強=怒られるもの」という構図になり、お子さんの勉強嫌いが加速してしまいます。そして最終的には勉強に対する意欲が低下してしまうのです。

中学生のやる気を奪う親の5つの行動

1. 「勉強は将来役に立たない」といった話をしてしまう

中学生が勉強をしなくなる原因として、親が「勉強は大人になってから役に立たない」といった考えを子供に伝えてしまっていることがあります。
例えば、

  • 勉強ができなくても私の人生は何とかなった
  • 勉強をしなくても高校に行くことができた
  • 名前さえ書けば入れる高校もある

といったエピソードを子供に話してしまうことで、子供は「勉強しなくても高校に行けるじゃないか」と考えてしまいます。
その結果、勉強に対する意欲が低下し、勉強をしなくなってしまいます。

2. 勉強している子どもの前で、親がゆっくり休んでしまう

子供が頑張って勉強しているときに、目の前で親がゆっくり寛いでいる光景を見てしまうと、「なぜ自分だけ勉強しなければいけないのか?」と不公平を感じてしまうことがあります。
このような「不公平感」を抱いてしまうと、徐々にやる気が低下してしまい、最終的には「親が休んでいるなら自分も休みたい」という気持ちになることがあります。その結果、勉強への意欲が低下し、勉強をしなくなってしまいます。

3. ネガティブな言葉をかけてしまっている

お子さんに対して「こんな点数見たことない」「お兄ちゃんはもっとできてたわよ」といったネガティブな発言をしてしまうと、当然お子さんの自己肯定感は低下してしまい、勉強へのやる気も失われてしまいます。
反抗期や思春期の中学生は非常に繊細で、普段は反抗的な言葉遣いをしているかもしれませんが、一方で大人の話はよく聞いている子が多いです。
特に自分自身の評価には敏感で、「自分はやってもできないんだ」と思わせてしまうと、やる気を失い、勉強をしなくなってしまいます。

4. 「勉強しなさい!」としつこく言う

中学生のお子さんが勉強をしない時に、「勉強しなさい!」としつこく言うのは効果的ではありません。むしろ、反抗心を招き逆効果になります。
特に反抗期の中学生は、「やりなさい!」と高圧的に言われることに対して強く反発します。「あなたの将来を考えて言ってるのよ!」といった言い方をしても、親の意図とは逆に「放っておいて!」という気持ちになり、勉強嫌いになってしまいます。
仮に机に向かわせたとしても、強制されているという気持ちが勉強の効果を台無しにしてしまい、勉強したのにも関わらず成果が見られないとますます自信を失ってしまいます。その結果、勉強の意欲が下がりやすくなり、やる気も失われてしまうのです。

5. 本人の自主性に任せる

色々な方法を駆使して勉強するように促しても子供が勉強しない時に、
「これ以上言っても無駄だ」
「本人がやりたいと言うまで放っておこう」
「落ちるところまで落ちて本人が苦労すればわかるだろう」
といった考え方に陥ることがあると思います。
しかし、これはかえって悪い方向に進む可能性が高く、本人が焦り始める頃には既に手遅れになってしまうことがほとんどです。

また、親から「勉強しなさい!」と言われると反発するのですが、一方で、何も言われなくなると「親は自分のことを諦めたんだ」と思い、余計に勉強をしなくなってしまう子も多いです。
つまり、「本人の自主性に任せる」という考え方は、最終的には「子供がますます勉強しなくなる」キッカケになってしまうかもしれません。

中学生に勉強をさせる5つの方法

1. 予習をさせる

授業に遅れてしまい、やる気が出ないという悪循環に陥っている場合は、予習・復習を行いましょう。
特に重要なのは予習です。予習をしてから授業に参加することで、内容を理解しやすくなり、授業中に自信を持つことができます。このような積極的な学習姿勢は、自己肯定感やる気の向上につながります。

具体的には、以下のような好循環が生まれます。

予習をする⇒授業が理解できる⇒自信が生まれ自己肯定感が上がる⇒やる気が増す⇒更に予習する

もちろん復習も重要なのですが、お子さんの勉強への意欲が低い場合、まずは予習に焦点を合わせましょう。勉強が苦手な子供たちにとって、予習は自信を身につける第一歩です。

2. 短時間でできる勉強法を提案する

部活動などで忙しく家にいる時間が短いことが原因で、勉強への意欲が低下しているお子さんには、短時間でできる効率的な勉強法を身につけさせることが効果的です。
地域のトップ高校を目指さない限り、長時間勉強をする必要はありません。教科書のポイントに絞り、そのポイントを重点的に学習する勉強法を取り入れれば、十分に平均点以上を目指すことができます。
「勉強は長時間やらないといけないもの」というイメージがあると、なかなかやる気が出づらくなってしまうことがあります。部活などで忙しいお子さんには「まずは短い時間でポイントだけおさえよう!」といった声かけをすることで、やる気を高めやすくなります。

3. 学習環境を整える

過剰なスマートフォンやゲームの利用によって、勉強のやる気が低下しているお子さんには、「勉強する環境を整えること」が特に効果的です。
勉強する時はスマホやゲームを別の部屋に置くようにし、子供の視界に入らないようにすることで集中力を高めることができます。
また、就寝時には部屋にスマートフォンを持ち込まないようにすることも必要です。スマートフォンを最初に持たせる時に「就寝時には部屋にスマホを持ち込まない」といった約束をしておくと良いでしょう。
このように学習環境を整えることで、勉強時間や睡眠時間がしっかり確保され、余計なやる気の低下を防ぐことができます。

4. 家庭教師を利用する

反抗期の強いお子さんの場合、親や学校の先生が何を言っても聞かず、勉強を全くしなくなってしまう子がいます。例えば、塾に通わせたとしても無断で塾を休んでしまうなど、手に負えないことも多くなるでしょう。

そんな時は、家庭教師を頼むことをおすすめします。
家庭教師であれば自宅に先生が来るのでサボることもなく、学習習慣がつきやすくなります。また、お子さんが大人の言うことに抵抗を示す場合でも、歳の近い大学生の先生の話となると聞く耳を持つケースも多いです。さらに、家庭教師はお子さんの本音を聞き出し、親御さんに適切に伝えるといった「親子関係の架け橋」的な役割も果たします。
このように、家族内でのコミュニケーションに行き詰りを感じるときは、思い切って家庭教師に頼むことでお子さんの意欲を引き出せるかもしれません。

5. 適度に声をかける

「勉強しなさい!」と口にする回数が多すぎると、逆に勉強を避けるようになることがありますが、一方で全く声をかけないのも良い方法ではありません。
そのため、お子さんに声をかける際は、「勉強しているかどうかを確認する程度」が良いでしょう。
例えば、お子さんと「20時から21時まで勉強する」と約束した場合は、20時が近づく前に声をかけましょう。また、声をかけるときは「そろそろ時間だから頑張ってね!」という応援するような言葉がけをすることで、お子さんの反発を防げるでしょう。声をかける際には、「子どもが勉強する意欲を持っている」という前提を含ませることが重要です。
このように、適度・適切な声かけによって、お子さんもやる気を持って勉強に取り組んでくれるでしょう。

親が取るべき3つのアプローチ

1. 勉強についてポジティブな会話をする

お子さんに対して、「勉強が役に立った具体的な事例」「勉強しておいて良かったと感じた学生時代の体験談」などを普段の会話の中に取り入れることは効果的です。
例えば、

  • 学校で学んだことが実生活で役立った経験
  • 入学した高校で一生の友達ができたこと
  • 学校で学んだことが、仕事の思わぬ場面で役立ったこと
  • 高校生活や大学生活で素晴らしい体験ができたこと

などを積極的に共有することで、お子さんの勉強に対するネガティブなイメージが払拭されることがあります。
勉強に関連した良い体験や成功体験を共有することで、「自分も高校に行ってみたい!」「大学に行ったら楽しい出来事が待っていそう!」と、お子さんが勉強に対して前向きな考えを持つ手助けとなるでしょう。

2. 子どもと一緒に何かに取り組む

お子さんが勉強に打ち込んでいるときは、なるべく親御さんも何かに取り組むことが大切です。例えば、読書資格の勉強などがおすすめです。
お子さんと共に、親御さんも一緒に勉強することで、家庭内に学習習慣の一体感が生まれ、「勉強をしているのは自分だけじゃないんだ!」という気持ちが生まれます。
子供だけが勉強しているのではなく、親の学ぶ姿勢も示していくことで、お子さんに良い手本を見せることができ、同時に、子供が勉強に取り組む励みにもなります。「勉強しなさい!」と言うだけではなく、実際の行動を通じて家族で学ぶ雰囲気を作りましょう。

3. 結果より過程(プロセス)を褒める

親ができるお子さんへの最大のアプローチは「褒めること」です。当然、誰しも怒られるより褒められる方がやる気になります。
ただ、「褒める」ということにもコツが必要です。単純に「80点を取った」という結果について褒めるだけでなく、過程(プロセス)についても褒めるようにしましょう。
よく、「結果が全てだ」という考えを持つ親御さんもいらっしゃいますが、良い結果を得るには良い過程が必要です。逆に言えば、過程が良ければ、すぐに結果が出なくても最終的には良い結果が得られるでしょう。
しかし、結果が出なかった場面で、過程を褒めずにお子さんを否定してしまうことがあります。その結果、お子さんはやる気を失ってしまい、勉強をしなくなってしまいます。
どんな結果であれ、お子さんが努力した過程を認めてあげ、褒めてあげましょう。

まとめ

中学生になると、お子さんの勉強が疎かになることがよくあります。
しかしながら、親が勉強を促すことも難しく、将来の高校受験を考えると不安も増します。
子供の将来に不安を感じることは自然なことですが、その感情を伝える方法には注意が必要です。中学生の勉強意欲を育むためには、忍耐と適切なアプローチが必要です。このコラムがその一助となれば幸いです。

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この記事を企画・執筆・監修した人

家庭教師のマスター教務部

この記事は、家庭教師のマスターを運営している株式会社マスターシップスの「家庭教師のマスター教務部」が企画・執筆・監修した記事です。家庭教師のマスター教務部は、教育関連で10年以上の業務経験を持つスタッフで編成されています。
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