不登校の中学生は何をするの?|昼間の過ごし方や家でやること
公開日:2024年4月23日
スマホを普段から使いこなしている中学生が不登校になった場合、時間を忘れてゲームやSNS、YouTubeやTikTokなどの動画視聴に没頭してしまい、怠惰な生活に陥ることがあります。かといって、あまり口うるさく注意するのも気が引けてしまいます。
不登校になった中学生のお子さんに対して、どのような接し方や方向付けをしたら良いのか分からない方のために、お子さんの状況に合わせた「適切な昼間の過ごし方」について解説し、家族ができる支援策についてご紹介します。
不登校の中学生の家での過ごし方
不登校の中学生が、学校を休んでいる間にどのような過ごし方をしているかについては、文部科学省が公表している詳しいデータがあります。
参照:文部科学省「不登校児童生徒の実態把握に関する 調査報告書」
上記表の通り、ゲーム、動画(YouTubeやTikTok)、SNS、テレビなど遊び関係の行動が目立ちます。
これらについては、息抜き程度でやっている分には問題ないですが、やり過ぎになっているようでは問題です。場合によっては昼夜逆転してしまう原因ともなり得るので、保護者の方が制限時間を設けるなどの対応が必要です。このデータはあくまでも統計であり、お手本ではありません。「みんなゲームばかりやっているんだったら、うちも大丈夫かな?」とは捉えないようにしましょう。
不登校の中学生が昼間に家でやること
不登校になった中学生は日中のほとんどを家で過ごします。
学校では新しい学習がドンドン進んでいるので、学習の遅れが気になってしまう所ですが、焦りは禁物です。
お子さんの状況や段階に応じて、適切な家での過ごし方がありますので、段階を「初期」「中期」「後期」に分けて、それぞれの段階に合った「適切な過ごし方」について解説していきます。
不登校の初期段階
不登校の初期段階では、お子さんは心は疲弊し弱り切っています。体調不良(腹痛、頭痛、原因不明の高熱など)を併発することもよくあり、まずはお子さんの回復に専念することが大切です。
ゆっくり休む
まずは心や体調を整えるためにも十分な睡眠や休息を取りましょう。刺激になるような行動やプレッシャーを与えるような行動は避け、できるだけリラックスできる環境を整えてあげましょう。お子さんの気持ちが落ち着き、明るい表情を見せたり、前向きな発言が出るようになるまでは、気長に待つことをお勧めします。
好きなことだけをする
心や体をリラックスさせるために、自分の趣味や好きなことをやることが効果的です。例えば、読書をしたり、好きなアニメや動画を観たり、ゲームや漫画、SNSなどでも構いません。もちろんやり過ぎには注意が必要ですが、好きなことやって気分転換し、気持ちをリフレッシュさせましょう。
不登校の中期
不登校の中期段階では、少しずつ家族に明るい表情を見せるようになったり、いつも通りの会話ができるようになってきます。お子さんの状況が改善方向に進んでいるので、ほっと一安心してしまいがちですが、この中期段階での対応が、今後のためには重要となる時期となります。
お子さんは心を開き始め、落ち着きを取り戻してきているので、少しずつ前に向かった行動を始める時期です。もちろん無理強いはよくありませんが、気長に見守りながら少しずつ前進してみましょう。
適度に外出する
不登校になると、どうしても家にこもりがちになります。不登校の中期段階に入ったら少しずつ外出の機会を増やしてみましょう。
例えば、夜ご飯の買い出しに連れて行く、休日に必要なものを買いにショッピングモールに出かけるなどでも良いです。
近所のコンビニにお使いを頼んだりすることも、本人が不安がらなければ問題ないでしょう。
家事の手伝いをする
不登校になり好きなことばかりをやらせていると、ダラダラ過ごすようになり、その生活に慣れてしまうことがあります。そうなってしまう前に、規則正しい生活に戻る必要があります。その為には、家庭内の役割を何か与えていくことが効果的です。
例えば、料理の手伝い、掃除の手伝い、ペットの世話、洗濯の手伝いなど、負担になりすぎないことであれば何でも構いません。
ただし、「○○をやりなさい!」「暇なんだから○○くらい手伝いなさいよ!」のような高圧的な言い方は良くありません。
「一緒に料理作ってみない?」「○○を手伝ってくれたら助かる〜!」のように気軽な感じで伝えてみましょう。
家庭外での活動に参加する
お子さんの気持ちにもよりますが、可能であれば外での活動にもチャレンジしてみましょう。例えば、地域のボランティア活動、スポーツクラブ、趣味のサークルなどが考えられます。
これらを自分からやりたいと言いだすことはあまりないので、家族の方から誘ってみたり頼んだりするようなアプローチが必要となることが多いです。お子さん1人で参加させるのではなく、家族の方と一緒に参加する形であればベストです。地域のイベントでスタンプラリーや謎解きラリーなどもよく開催されています。「これ行ってみたいんだけど、一緒に参加してくれない?」のような自然な形で誘ってみるとよいでしょう。
勉強を始める
不登校の中期段階では、お子さんは落ち着きを取り戻し、少しずつ学習面の遅れや進路についての不安が頭をよぎり始めます。
この段階では、いきなり復学させたり、塾に通い始めるなどは難しいことが多いのですが、かといって何もやらない状態が続くと不安ばかりが募り、最終的には諦めてしまうこともあります。
まずは、家で勉強する、公共の施設や図書館で自習する、などの方法で学習に取り組む形作りから始めましょう。
学習する課題については、保護者の方が相談に乗り一緒に決めていく方が良いです。答え合わせなどをやってあげて、一緒に協力しながら取り組んでいく姿勢を意識しましょう。
不登校の後期
不登校の後期段階では、お子さんは前向きな行動を起こし始める時期です。
中期から後期への移行が一番ポイントとなる時期ですが、無理が生じないように慎重に進めていくことが大切です。この移行期間につい焦ってしまい、無理強いをしてしまうことで初期段階に逆戻りしてしまうケースもあります。
お子さんとの対話を大切にしながら、具体的な学習方法や高校受験・進路についての相談も少しずつしていきましょう。
学校に少しずつ登校する
お子さんが復学希望の意思を示したら、まずは学校の担任やスクールカウンセラーとの相談の場を設けましょう。不登校になっている期間は学校の先生が定期的に家庭訪問してくれることが多いですが、そのタイミングで相談を持ちかけても良いでしょう。
保健室登校や別室登校、放課後登校など、様々な選択肢を提示してくれることが多く、お子さんも交えて一番状況に合った形での復学を考えてみましょう。復学を目指す場合は、学校との連携が不可欠です。お子さんの意見を取り入れながら、適切な形を考えていきましょう。
教育支援センターやフリースクールに通学する
学校の復学が難しければ、教育支援センター(適応指導教室)やICT(オンライン授業)、フリースクールなどを検討してみるのも一つの方法です。
不登校になると出席日数のことが気になりますが、教育支援センターやICTを活用することで出席扱いにできます。
教育支援センターは公的機関なので無料で利用することができ、不登校の専門家から適切なアドバイスや学習方法の選択肢を教えてもらうことができます。
フリースクールは、教育支援センターとよく似た活動内容なのですが、民間の団体となるため有料となります。
どの機関を利用するかは、お子さんと一緒に面談し、相談しながら決めていきましょう。
家庭教師を利用する
不登校のお子さんは、外出を避けたがる傾向が強くなります。
塾の場合は学校のように通わなければいけませんが、家庭教師は自宅まで先生が通ってきてくれるので、不登校のお子さんの学習に適しています。
また、家庭教師は1対1の指導スタイルなので、お子さん一人ひとりに合わせて学習カリキュラムを組み、不登校により遅れてしまった科目や単元にさかのぼって教えてもらうことも可能です。
前の学年の内容を勉強することを「恥ずかしい」と感じてしまうお子さんもいますが、家庭教師であれば、周りの目を気にせず、分からないところを納得いくまで習うことができます。
加えて、家庭教師は、他者とのつながりが希薄になりがちな不登校のお子さんの精神面でのサポートが期待できます。大学生の家庭教師であれば、お子さんのお兄さん・お姉さんのような存在として、プライベートの面(趣味や遊びの相手、話し相手)でも良き相談者になってくれます。時には一緒に話題のスイーツを食べに行ったり、一緒に買い物に出かけたり、映画を観に行ったり、と塞ぎ込みがちで単調になりがちなお子さんの生活に彩りを加えてくれることが期待できます。
受験に向けた学習の再開と進路の相談
お子さんが高校受験を控える中学3年生であった場合、進路についての不安が必ず生じます。
不登校の中学生の場合、気になることは「学力の遅れ」と「出席日数」です。
学力の遅れを取り戻すには、自主学習だけではなく塾や家庭教師の力を借りることをお勧めします。始める時期は早いに越したことはないですが、お子さんに無理のない時期を見計らいましょう。
また、出席日数の影響については、様々な選択肢を考えたり対策をすることで軽減できます。前述しましたが、保健室登校をすることで出席扱いにしてもらえますし、教育支援センターに通うことでも出席日数として扱われます。(教育支援センターの場合は学校からの許可が必要です。)
また、高校受験では調査書(内申書)の成績が大きく影響しますが、入試のスタイルによってその影響度に強弱があります。
例えば、私立高校の一般入試では学力検査(入試テスト)での点数でほとんど合否を判定し、内申点がほとんど影響しない学校も多くあります。また、通信制高校や定時制高校などは出席日数をほとんど加味しません。
学校ごとに内容は異なるので、事前に募集要項を調べて志望校を決めると良いでしょう。
不登校の中学生の高校受験についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「不登校からの高校受験|高校選びから内申書の対策までを徹底解説」
不登校の中学生へ家族ができること
お子さんが不登校になった場合、家族のサポートは必要不可欠です。
サポートの方向性を正しく理解し、適切な支援と協力をしていきましょう。
家族関係を見直し、一緒に寄り添う
お子さんが不登校になった場合、これまでの教育方針やコミュニケーション方法の振り返りを行うことが大切です。と言うのも、不登校は家庭内での問題が原因となっていることが非常に多いからです。
例えば、「過保護や過度な期待はなかったか?」「無関心な態度などで、子供を孤立させることはなかったか?」といった点を客観的に再確認し、それらが子供に与える影響を理解することが大切です。場合によっては、家族の意見や専門家の意見に耳を傾けてみるのも良いでしょう。
不登校になる原因が、全て家庭にあるということはありませんが、お子さんに向き合い、寄り添ってあげることは、原因の解決や子供の気持ちを支えることにつながります。
不登校になりやすい家庭についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「子供が不登校になるのは母親が原因?|育て方の影響や改善策について」
不登校であることを責めない
不登校になっているお子さんには、「学校を休んでも大丈夫だよ」と伝えてあげましょう。親御さんの世代では「学校を休むことはいけないこと」という価値観で育ってきた方が多く、この一言がなかなか言えない方も多いようです。
お子さんは不登校になった自分に対して、何らかの自責の念や後悔を感じていることがほとんどです。その気持ちを理解せず、頭ごなしに責めてしまうと、「不登校になっている自分はダメな人間なんだ…」といった劣等感や自己肯定感の低下につながり、お子さんをさらに追い詰めてしまいます。
まずは、お子さんの気持ちにより添い、お子さんなりの「学校に行きたくない理由」に耳を傾けましょう。
周囲と比較しない
昨今では、不登校は珍しいことではありません。不登校になる中学生は年々増え続けており、令和5年度の文部科学省発表のデータによると約17人に1人が不登校になっています。つまり1クラスに1人以上が不登校になっているということです。
学校に行っていないことを特別な問題として考えたり、周囲の目を気にしたりする必要はなく、同じ状況にある家庭が沢山いることを理解しておきましょう。ですから、兄弟や親戚、周りの同級生と比較して「○○さんは毎日学校に行ってるよ!」「なんであなたは不登校になっちゃったの?」などの言葉がけはしないようにしましょう。お子さんの自尊心や自己肯定感を下げてしまうだけではなく、親子関係にも亀裂が生じてしまう可能性があります。
参照:文部科学省「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
親子のコミュニケーションを深める
不登校になると、どうしても他者とのコミュニケーションが不足しがちです。
1人で過ごす時間が増えると、なかなか気持ちを切り替えることができず、不登校の期間が長引くこともあります。
ですから、これまで以上に家族で過ごす時間を増やすようにしてみましょう。家族みんなで映画鑑賞を楽しんだり、一緒に料理を作ってみるだけでも効果的です。また、休日には少し遠出して、キャンプをしながら自然と触れあったり、BBQをするなど、家族での共同作業をしてみるのも良いでしょう。
家族で楽しい時間を過ごすことが、お子さんの心を癒やすことになり、親子関係にも良い影響が生まれ、お子さんは本音を話してくれやすくなります。
将来の進路や夢について考える
不登校になったお子さんとの会話の中で、将来の進路や夢について話してみることも良い効果が生まれやすいです。
不登校の初期段階ではこの様な話題を出すのは難しいですが、後期段階に入ったら前向きに話し合ってもよいでしょう。
漠然とした内容でも構わないので、将来の進路(具体的な志望校)や夢(なりたい職業など)について話すことは、お子さんのモチベーションアップにつながります。「何のために勉強するのか?」「何のために努力するのか?」という目的意識が芽生えたら、お子さんは前向きに進みやすくなります。
家族の方から「勉強が役に立った具体的な事例」や「勉強しておいて良かったと感じた学生時代の体験談」などを普段の会話の中に取り入れることも効果的です。
例えば、
- 勉強したことが実生活で役立った経験
- 入学した高校で生涯の親友ができたこと
- 勉強したことが、仕事の思わぬ場面で役立ったこと
- 高校生活や大学生活で素晴らしい体験ができたこと
などをお子さんと共有することで、「自分も高校に行ってみたい!」「大学に行ったら楽しい出来事が待っていそう!」と言う気持ちが芽生え、お子さんが前向きになる手助けとなるでしょう。
カウンセリングや相談窓口を利用する
各都道府県や市町村には、不登校のお子さんを支援している公的機関があり、学校以外での相談窓口として利用できます。
各機関には不登校に詳しい専門家が在籍しており、お子さんの状況に合ったアドバイスや支援を受けることができます。
家族だけで悩みや不安を抱えるよりも、外部からの助言やサポートにより解決できることも多くあります。
子育て相談窓口
全国の市区町村に設置されている相談窓口です。お住まいの市役所や区役所にてご確認ください。
子育て全般について相談を受けており、不登校についての相談もできます。
教育支援センター
教育委員会等が運営する公的機関です。
不登校の生徒が学校に通わなくても学習できる環境の支援、生徒や保護者との教育相談、心理カウンセラーによる面談等を提供しています。市の施設など、公の建物の中にあることが多く、利用料は無料です。
児童相談所
厚生労働省が運営する公的機関です。
18歳未満の子どもやそのご家族を対象として、子育てやしつけの悩み、不登校、発達障害、子どもの行動上の問題などについて相談することができます。
ひきこもり地域支援センター
すべての都道府県・指定都市にある、行政が運営するひきこもりに特化した相談窓口です。(NPO法人などに委託しているケースもあります。)
ひきこもり本人やご家族からの相談を受け付け、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つ支援コーディネーターが中心となって相談支援などを行います。
まとめ
中学生のお子さんが不登校になると、反抗期や思春期であることもあり、対応や接し方に迷う親御さんはとても多いです。
大切なことは、まずお子さんの味方になってあげて寄り添ってあげることです。そうすれば、お子さんは家族に心を開き、次第に耳を傾けてくれるようになります。
焦らず気長に見守りながら、前向きに進んでいけるようサポートしてあげて下さい。
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