高校生のいじめ|いじめを乗り越える・自分を守る方法とは?
公開日:2025年4月15日

このコラムでは、高校生のいじめ問題に不安を感じている保護者や生徒に向けて、いじめ被害に遭った際に取れる対応策について紹介します。さらに、いじめを受けた子どもに見られる変化や、解決しなかった場合の対処法、いじめの相談窓口についても詳しく解説します。
高校生のいじめとは?
いじめは小中学校だけでなく、高校生の間でも深刻な問題として存在します。
高校生になると人間関係がさらに複雑になり、いじめの内容も多様化します。進路や恋愛、部活動など、さまざまな場面でいじめが起こる可能性があり、精神的にも大きな負担を与えます。
ここでは、いじめの定義や具体例、高校生特有のいじめの特徴、そしていじめが起こる背景について詳しく解説していきます。
1. いじめの定義
いじめとは、特定の相手に対して継続的に精神的、または肉体的な苦痛を与える行為を指します。
文部科学省では、「自分よりも弱い立場にある者に対して、意図的・継続的に精神的・身体的苦痛を与える行為」とされています。
重要なのは、被害を受けた本人が「つらい」と感じているかどうかです。たとえ加害者側が「ふざけているだけ」と主張しても、受け手が苦痛を感じている場合、それはいじめに該当します。
2. 高校生のいじめの種類
高校生になると、いじめはさらに複雑化し、表面化しにくいケースも増えます。具体的には次のようなものがあります。
クラス内でのいじめ
クラス内では、いわゆる「クラスカースト」と呼ばれる構造が生まれやすく、人を見た目や性格、家庭環境、成績などでランク付けする傾向があります。その中で、下のランクとみなされた生徒は仲間外れにされたり、無視されたり、陰口を言われたりすることがあります。
表立った暴力はなくても、こうした関係性が深刻ないじめにつながることも多いです。
男女間でのいじめ
高校生になると、恋愛や異性との関わりが増えることで、男女間でのいじめが発生しやすくなります。
例えば、交際しているカップルに対する嫉妬や誤解から嫌がらせを受けたり、見た目に関する悪口(ルッキズム)を言われることもあります。また、性的なからかいや噂話といった問題も、男女間のいじめとして顕在化することがあります。
部活動でのいじめ
部活動内では、特に上下関係が厳しい部活ほど、先輩からのしごきや攻撃的な発言が起こりやすいです。
「指導」と称した過剰なしごきや暴言が行われることもあり、精神的・肉体的な負担が大きくなるケースもあります。部活動内の空気に逆らえず、黙って耐える生徒も多く、表面化しづらい問題です。
SNSを利用したいじめ
現代の高校生にとって、SNSはいじめの温床にもなり得ます。
クラスのグループLINEにわざと入れてもらえない、個別に無視される、匿名で悪口を投稿されるなど、ネット上でのいじめが後を絶ちません。
SNS上のいじめは、学校外でも続くため、心の逃げ場がなくなることも大きな特徴です。
3. いじめに発展する原因とは
高校生のいじめは、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こります。
主な原因としては、人間関係のストレスや集団内の同調圧力、自分の劣等感を隠そうとする心理、あるいは個人のストレス発散などが挙げられます。
また、高校生は進路や恋愛、友人関係といった多くの課題を抱える時期です。こうした不安や焦りが、他人を攻撃する形で表れることもあります。
さらに、SNSの普及により、陰湿ないじめが誰にも気づかれないまま進行するケースも増えています。
4. 高校生のいじめの現状
高校生の間でのいじめは依然として大きな社会問題です。文部科学省が発表した令和5年度の調査結果からは、いじめの認知件数や深刻さが年々増している実態が明らかになっています。
いじめの認知件数
令和5年度のデータによると、高等学校でのいじめの認知件数は73,568件となり、前年度よりも増加しました。
特にSNSを利用したネットいじめや、集団での無視・嫌がらせなどが多く報告されており、これらは表面化しにくいことから、実態としてはさらに多い可能性も指摘されています。
また、重大事態として報告された事案も1,306件にのぼり、深刻ないじめが多発していることがわかります。
高校生の自殺者の人数
同じく令和5年度の調査では、高校生の自殺者数は260人(警察庁調査では353人)と報告されています。
いじめが自殺の直接的な原因と断定されるケースは一部ですが、文部科学省は「いじめが自殺に影響した可能性のあるケースもある」としています。学校や家庭、周囲の大人がいじめのサインに気づき、早期に対応する重要性が改めて浮き彫りとなりました。

高校生がいじめを受けているときに起こる5つの変化
いじめは高校生にとって、心や体に大きな影響を及ぼす深刻な問題です。いじめを受けている生徒は、自分でも気づかないうちにさまざまな行動や感情面の変化を起こします。
ここでは、特に目立つ5つのサインについて詳しく解説します。
1. 学校に行きたがらなくなる
いじめを受けている生徒は、登校すること自体が苦痛になりやすくなります。
朝になると「お腹が痛い」「気分が悪い」と体調不良を訴えたり、無断で遅刻や早退、欠席をするようになることもあります。
登校を促しても、何かと言い訳をして家に留まろうとするケースが増え、次第に不登校に発展することもあります。これは、生徒の心身が「学校=怖い・行きたくない」と感じている状態です。
2. 家で学校の話を避けたがる
家庭でも、保護者から学校のことを聞かれても「別に」「普通」と話をはぐらかしたり、そもそも話題にしようとしなくなります。
いじめについて話すことで、「つらさを再認識するのを避けたい」あるいは、「親に心配をかけたくない」という心理が働いている場合が多いです。
これが長く続くと、家庭内での会話や信頼関係も薄くなり、子どもの孤立感を強めてしまいます。
3. 学校以外の友達との交流が増える
いじめを受けることで、学校での居場所がなくなると、外部に「安心できる人間関係」を求める傾向が強まります。
例えば、オンラインゲームやSNS上で知り合った友人や、他校やアルバイト先の友人との交流を増やすようになります。こうした新たなつながりは一時的な支えにはなるものの、現実逃避の手段となったり、インターネット依存に発展するケースも少なくありません。
状況によっては、オンライン上で新たないじめに巻き込まれる危険性もあるため注意が必要です。
4. 過度なダイエットなどを始める
いじめを受けている高校生は、自分に対する自己否定感が強くなる傾向があります。その結果として「もっと痩せなければ」「もっと変わらなければ」と、過度なダイエットを始めるケースもあります。
例えば、体重や外見に強い執着を持つようになり、極端に食事量を制限したり、逆に過食しては吐くなどの行動を繰り返し、心身の健康に大きな影響を与えます。これが摂食障害などの病気につながることもあります。
5. 精神が不安定になる
いじめを受けていると、心に大きなダメージを受けているため、普段なら気にしないような些細な出来事にも過敏に反応し、急に怒り出す、泣き出すといった感情の起伏が激しくなることがあります。
また、逆に、無気力になり何事にも関心を示さなくなる「抑うつ状態」になることもあります。
場合によっては、自傷行為に至る危険性もあるため、早めのケアや専門家への相談が必要です。

いじめがわかった時に保護者ができる9つの対応策
いじめが発覚した際、保護者の対応は子どもを守る上で非常に重要です。以下の9つの対応策を参考に、子どもを安心させる環境を整えましょう。
1. 信頼できる学校の先生に相談する
まずは、子どもが信頼できる担任の先生や学年主任、生徒指導担当の先生などに早めに相談しましょう。
いじめの現状を共有し、学校側に事態を把握してもらうことが解決の第一歩となります。第三者が関わることで、いじめが表面化しやすくなり、学校としての適切な対応を促すことができます。
2. 無理に学校に行かせない
子どもが強いストレスを感じている場合は、無理に登校させないことが大切です。登校を無理強いすることで、さらに子どもを追い詰めてしまう可能性があります。
「学校に行くべき」という固定観念は一度脇に置き、心身の回復を優先しましょう。
3. 子どものメンタルケアを徹底する
心が傷ついた子どもには、安心できる環境づくりが必要です。しっかり話を聞き、共感し、批判せずに受け止める姿勢を大切にしましょう。
また、気分転換に外出する、趣味に付き合う、好きな料理を用意するなど、日常生活の中で心のケアを行うことも効果的です。
4. 子どもをなるべく1人にさせない
孤独感を抱えさせないように、保護者が交代でそばにいる、祖父母や親しい人と過ごさせるなど、子どもを1人きりにしない工夫をしましょう。
可能であれば、フリースクールなどの居場所を利用するのも1つの方法です。
5. いじめの証拠を残しておく
いじめの加害者や学校に正式に対応を求める際や、法的措置を検討する際に備え、LINEのやり取りやSNSの投稿、録音データなどを保存しておくことが重要です。
客観的な証拠があることで、問題解決に向けた交渉がしやすくなります。
6. 法的措置をとる
いじめの内容が重大な場合、弁護士に相談し、損害賠償請求や刑事告訴といった法的手段を講じることも考えられます。法的措置は精神的負担も伴いますが、いじめの抑止力にもなります。
7. 通信制高校、定時制高校への転校を検討する
環境を変えることで、子どもが再び安心して学べる場を確保することができます。
通信制高校や定時制高校は、自分のペースで学べる仕組みが整っているため、精神的な負担の軽減にもつながります。
また、近年では通信制高校から大学や専門学校に進学する人数も増えているため、子どもに合った環境を薦めることが重要です。
通信制高校についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「通信制高校とは?気になる仕組みを徹底解説!」
8. 高卒認定を取得し、大学や専門学校を目指す
高校にこだわらず、将来的に高卒認定試験を受け、大学や専門学校を目指す進路も有効です。
無理に学校に在籍し続けるよりも、本人に合った柔軟な学び方を模索することが大切です。
9. 住む地域を変えることを検討する
いじめが深刻で環境を大きく変えた方が良い場合、引っ越しをするという選択肢もあります。
家族全員で移動するケースもあれば、祖父母が住む地域、親戚のいる地域に子どもだけ転校するケースもあります。
新しい環境で生活のスタートを切ることができれば、安心感や前向きな気持ちを取り戻すことにつながります。

学校以外のいじめに関する相談先
いじめは学校内だけでなく、外部の専門機関にも相談することが大切です。以下は、信頼できる外部相談窓口の一例です。
これらの窓口は、いじめや子どもの悩みに対して専門的な支援を提供しています。一人で悩まず、ぜひご活用ください。
1. 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)
いじめや子どもの悩み全般について、24時間対応の相談窓口です。
2. こどもの人権110番(法務省)
いじめや人権問題に関する相談を受け付けています。
参照:「こどもの人権110番」
3. ヤング・テレホン・コーナー(警視庁)
東京都内の若者を対象に、いじめや非行などの悩みを受け付けています。
4. 児童相談所虐待対応ダイヤル(厚生労働省)
児童虐待に関する相談や通報を受け付ける窓口です。
5. 教育相談センター(東京都いじめ相談ホットライン)
東京都が設置するいじめ相談専用のホットラインです。
6. 警察、弁護士
いじめが犯罪行為に該当する場合、最寄りの警察署や弁護士に相談しましょう。

まとめ
高校生のいじめは、誰にでも起こり得る問題ですが、表面化しにくく、時には命に関わる深刻な問題です。
だからこそ、一人で抱え込まず、周囲のサポートを積極的に活用しながら、子ども自身が「自分は守られている」と感じられる環境づくりを心がけましょう。
大切なのは、子どもを一人にせず、安心できる場所をつくってあげることです。適切なサポートで、必ず解決に向かいます。
家庭教師マスターではお子さんのメンタルケアや自宅での学習のフォローを行なっております。
お子さんのいじめや、それに伴う不登校でお困りの保護者の方は一度ご相談ください。
家庭教師のマスターについて
家庭教師のマスターの特徴
平成12年の創立から、家庭教師のマスターは累計2万人以上の子供たちを指導してきました。その経験と実績から、
- 勉強大嫌いな子
- テストで平均点が取れない子
- 特定の苦手科目がある子
- 自宅学習のやり方、習慣が身についていない子
への指導や自宅学習の習慣づけには、特に自信があります!
家計に優しい料金体系や受験対策(特に高校受験)にもご好評いただいており、不登校のお子さんや発達障害のお子さんへの指導も行っています。
指導料金について
指導料:1コマ(30分)
- 中学生:900円/1コマ
- 小学1年生~4年生:800円/1コマ
- 小学5年生~6年生:850円/1コマ
- 高校生:1000円/1コマ
家庭教師マスターではリーズナブルな価格で高品質の家庭教師をご紹介しています。
2人同時指導の割引き|ペアレッスン
兄妹やお友達などと2人一緒に指導を受けるスタイルの「ペアレッスン」なら、1人分の料金とほぼ変わらない料金でお得に家庭教師の指導が受けられます!
※1人あたりの指導料が1コマ900円 → 1コマ500円に割引きされます!
教え方について
マンツーマンで教える家庭教師の強みを活かし、お子さん一人ひとりにピッタリ合ったオーダーメイドの学習プランで教えています。
「学校の授業や教科書の補習」「中間・期末テスト対策」「受験対策」「苦手科目の克服」など様々なケースに柔軟な対応が可能です。
指導科目について
英語・数学・国語・理科(物理・生物・化学)・社会(地理・歴史・公民)の5科目に対応しています。定期テスト対策、内申点対策、入試対策・推薦入試対策(面接・作文・小論文)など、苦手科目を中心に指導します。
コースのご紹介
家庭教師のマスターでは、お子さんに合わせたコースプランをご用意しています。
ご興味のある方は、下記をクリックして詳細を確認してみてください!
無料体験レッスン
私たち家庭教師のマスターについて、もっと詳しく知って頂くために「無料の体験レッスン」をやっています。
体験レッスンでは、お子さんと保護者さまご一緒で参加して頂き、私たちの普段の教え方をご自宅で体験して頂きます。
また、お子さんの学習方法や課題点について無料のコンサルティングをさせて頂き、今後の学習プランに活かせるアドバイスを提供します。
他の家庭教師会社や今通われている塾との比較検討先の1つとして気軽にご利用ください!