小学生が不登校になる主な原因と親がすべきサポート
公開日:2024年11月26日
このコラムでは、小学生の不登校について詳しく解説します。文部科学省の令和5年度データから分かる不登校の小学生の人数や割合、小学生が不登校になる原因、親ができるサポート、不登校になった小学生にやってはいけないこと、についても解説します。
小学生の不登校の現状【令和5年度】
先ず始めに、文部科学省で公表された不登校に関する令和5年度の最新データを元に、小学生の不登校の現状についてご紹介します。
1. 不登校の定義
文部科学省では、不登校児童生徒を「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。
つまり、病気や経済的な理由以外で年間30日以上欠席した場合は、「不登校児童」として扱われます。
2. 不登校の小学生の人数と割合【令和5年度】
文部科学省が令和6年10月に公表した「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」によると、全国の在籍小学生6,100,280名のうち、不登校の小学生は130,370名(全体の2.1%)とのことです。
不登校児童生徒数は11年連続で増加し、過去最多となっています。
不登校の小学生の内訳としては、
とのことです。
このデータから、年間欠席日数3ヶ月未満の児童が半数以上を占めており、また、「ほとんど出席していない児童=出席10日以下」の割合は少ないことが分かります。
不登校になっても、保健室登校や教育支援センター、ICTの活用など、何らかの形で出席していることが考えられます。
3. 不登校児童数の推移【令和5年度】
小学生の不登校は年々増加傾向にあります。
下記に、最新データから10年間分を一覧表にまとめてみました。
不登校児童数の推移|過去10年
これらの表からも、不登校の児童数は年々増加しており、その割合も増加していることがわかります。特に、令和2年のコロナ禍以降、その増加ペースは急激に加速しています。
近年、不登校であることは特別なことではありません。お子さんの状況に合わせて、柔軟に対応していくことが大切です。
4. 不登校の小学生について学校側が把握した事実
小学生の不登校の主な要因は、学校生活への意欲低下(32.2%)、生活リズムの乱れ(24.5%)、不安・抑うつ(22.7%)が中心です。また、親子関係や友人関係、学業不振も影響しており、不登校は多くの要因が複雑に絡み合っていることがわかります。
ただし、このデータは学校側が把握した内容に基づいているため、必ずしも子どもや家庭の実態を完全に反映しているとは限りません。学校に相談された内容や表面化した問題のみが集計されているため、実際にはより複雑な事情が背景にある可能性もあります。
不登校児童生徒について把握した事実 | 小学生 |
---|---|
学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった | 32.2% |
生活リズムの不調に関する相談があった | 24.5% |
不安・抑うつの相談があった | 22.7% |
親子の関わり方に関する問題の情報や相談があった | 17.0% |
学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた | 14.7% |
いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった | 11.5% |
家庭生活の変化に関する情報や相談があった | 9.3% |
障害(疑い含む)に起因する特別な教育的支援の求めや相談があった | 8.8% |
個別の配慮(障害(疑い含む)以外)についての求めや相談があった | 8.5% |
教職員との関係をめぐる問題の情報や相談があった | 4.4% |
転編入学、進級時の不適応による相談があった | 3.3% |
あそび、非行に関する情報や相談があった | 2.3% |
学校のきまり等に関する相談があった | 2.0% |
いじめの被害の情報や相談があった | 1.8% |
※「長期欠席者の状況」で「不登校」と回答した不登校児童生徒全員につき,当てはまるものをすべて回答。
小学生が不登校になる6つのよくある原因
小学生が不登校になる背景にはさまざまな要因が複雑に絡み合っていることが多いです。
以下では、代表的な6つの原因を挙げ、それぞれについて詳しく解説します。
子どもがどのような理由で学校に行けなくなってしまうのか、その要因を理解することで、適切なサポートができるようになるでしょう。
1. いじめや人間関係のトラブル
いじめや友人関係のトラブルは、小学生の不登校の原因として非常に多く見られます。
小学生はまだ幼いこともあり、友達をからかったり、心ない言葉を投げかけたりすることも多いです。そのため、ちょっとした誤解や意見の違いから、孤立感や疎外感を感じることがあります。
例えば、「グループから仲間外れにされる」「特定の友達としか話さなくなる」「陰で悪口を言われていると感じる」などが、子どもにとって大きなストレス要因となり、不登校につながりやすくなります。
いじめが発生している場合は、子どもの心に深い傷を残すだけでなく、登校すること自体が恐怖になってしまいます。
また、友人との間に問題がある場合でも、自己表現が上手くできない子どもは親や教師に相談できず、一人で抱え込んでしまうことも多いです。
このようなケースでは、心の負担が大きくなり、最終的に登校が難しくなる可能性が高まります。
いじめによる不登校についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「いじめの原因について|その理由や背景を考える」
2. 勉強が分からない
授業についていけない、勉強が分からないという気持ちも、不登校の大きな原因の一つです。
小学生のうちは学習の基礎が重要な時期ですが、理解が追いつかないと、「勉強が苦手」「学校がつまらない」と感じるようになります。
自分だけが他の子どもより遅れていると感じると、自信を失い、学校そのものが嫌になるケースも多く見られます。
特に、算数や国語などの基礎科目でつまずくと、授業の内容が次第に難しくなり、ますます理解が追いつかなくなります。そして、理解できないことが続くと、授業中の緊張感や不安が強まり、やがて登校意欲が低下してしまうこともあります。
また、授業中に質問することができない子どもや、親に勉強の不安を伝えられない子どもほど、孤独感を抱え込みやすくなります。
3. 親子関係の問題
小学生のうちでも、高学年になるにつれて親子関係に変化が見られることがあり、これも不登校の原因になり得ます。
低学年のお子さんに多い事例として、「母親から離れたくない」「学校には親がいないので不安」といった理由で、登校時に泣いてしまったり、母親にしがみついて離れないなどの行動をおこすことがあります。さらにエスカレートすると、頭痛や腹痛などの体調不良につながるケースさえあります。
小学生の高学年は、少しずつ親の手を離れて自立する準備を始める時期でもありますが、過保護や過干渉の親に育てられた場合、親に依存しすぎてしまい、学校や集団の場で不安を感じやすくなることがあります。
反対に、親が厳しすぎる場合も、子どもはストレスを感じ、親の期待に応えられない自分に対して自己嫌悪や無力感を感じることがあります。
また、思春期の入り口に差し掛かると、親に対して反発心が芽生えたり、親との距離感が難しく感じたりすることが多くなります。親の前では素直になれず、自分の気持ちをうまく伝えられない子どもほど、内に抱え込む傾向が強く、不登校につながりやすくなります。
不登校になる原因についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「不登校は単なる甘え??|不登校と甘えの関連性について」
親の過干渉についてもっと知りたい方はこちら
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4. 環境の変化に馴染めない
転校、クラス替え、引っ越しなどの環境の変化も、不登校のきっかけとなることが多いです。
小学生は特に敏感な時期で、新しい環境や友達、クラスのルールに適応するのが難しいと感じることが多々あります。引っ越しや転校などで、これまでの安心できる環境がなくなると、学校に通うこと自体に不安や抵抗感を抱くようになることもあります。
また、家族構成の変化(親の再婚や別居、兄弟が増えるなど)も、子どもにとっては大きなストレスとなり、不登校に結びつくことがあります。
学校生活と家庭の変化が重なると、子どもにとって安心できる場所が少なくなり、自己表現や感情をうまく発散できない状態が続き、不登校に至るケースもあります。
5. 生活リズムの乱れ、遊びの影響
小学生の生活リズムが乱れることも、不登校の原因の一つです。
夜遅くまでゲームをしたり、スマホを使っていると、睡眠不足や朝起きられない状態が続き、登校するのが難しくなります。生活リズムの乱れは、登校意欲だけでなく、学習の集中力や体力にも影響を及ぼします。
特に小学生は自己管理が難しいため、スマホやゲームなどの誘惑に負けてしまうことがよくあります。スマホやゲームによる夜更かしが続くと、体調不良や集中力の低下にもつながり、さらに学校への意欲が薄れてしまいます。
また、日中に遊び過ぎてしまい、夜に興奮状態が続いて眠れなくなるといった問題もあります。
このように生活リズムの乱れが習慣化すると、登校への意欲を失うばかりか、健康面でも影響が出る可能性が高まります。
子どものゲーム・ネット依存についてもっと知りたい方はこちら
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6. 発達障害や病気の関係
発達障害や持病が原因で、学校に通うことが難しくなる場合もあります。
発達障害には、ADHD(注意欠如・多動性障害)やASD(自閉スペクトラム症)などがあり、こうした特性を持つ子どもは集団生活の中でストレスを感じやすく、特に学校での対人関係や学習活動に苦痛を感じることが少なくありません。
また、持病がある場合は体調管理が必要であり、通学が難しい日が多くなると、不登校の傾向が強くなることがあります。
慢性的な病気や障害がある場合、毎日の学校生活に支障をきたすことがあり、本人も不安や葛藤を抱えがちです。周りに理解されないことが多いと、「自分は学校に合わない」と感じやすくなり、登校への抵抗感が生まれやすいのです。
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不登校の小学生への親のサポート|7選
不登校になってしまった小学生へのサポートは、親にとっても悩みが多いテーマです。
学校に行くことを強要せず、子どもが安心できる環境を整えることが重要です。以下に7つのサポート方法をご紹介します。
1. ゆっくり休ませ、自分の好きなことをさせる
不登校の子どもは、心身ともに疲れていることが多いため、無理に学校に行かせようとするのではなく、まずは十分に休ませてあげることが大切です。
また、自分の好きなことに取り組む時間を持つことで、少しずつ気持ちが落ち着き、心の安定を取り戻すことができます。
親としては「これで大丈夫かな…」と不安に思うかもしれませんが、休息は回復に必要な時間ですので、焦らずに見守りましょう。
2. 「休んでも大丈夫だよ」と伝える
不登校の子どもにとって、親からの「休んでも大丈夫だよ」という言葉は大きな支えとなります。
学校を休むことに対する罪悪感を抱えている子どもも多く、「自分はダメなんじゃないか…」と思い込んでしまうことがあります。そのため、「無理に行かなくてもいいよ」というメッセージを伝えることで、子どもは少しずつ安心して自分のペースで考えることができるようになります。
3. 子どもの話をよく聞いてあげ、努力や頑張りを認めてあげる
子どもの気持ちを理解するためには、しっかり話を聞くことが大切です。
お子さんが不登校に至るまでの間、学校に行きたくない気持ちと闘ってきたことや、苦しいけど我慢してきたことを理解してあげ、まずはそこに対してねぎらいの言葉をかけてあげて下さい。
不登校の理由をすぐに教えてくれるわけではないかもしれませんが、日々の些細な会話を通して、少しずつ心の内を引き出せることがあります。何気ない日常の話題でも「よく頑張っているね」「一生懸命考えているんだね」といった言葉をかけることで、子どもは自分が認められていると感じ、自己肯定感が高まります。
4. 生活のリズムを整える
不登校が続くと、生活リズムが乱れがちです。
夜更かしや昼夜逆転にならないよう、少しずつ規則正しい生活に戻すことを意識しましょう。
毎日のリズムが整うと、心の安定にもつながります。いきなり早起きを強要するのではなく、少しずつ寝る時間や起きる時間を整える工夫をすると無理なく改善できます。
昼夜逆転の治し方についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「昼夜逆転の治し方|不登校、引きこもり、ゲーム・ネットのやり過ぎの子ども」
5. 家族で過ごす時間を増やす
家族でのリラックスした時間が、子どもにとって大きな安心感をもたらします。
例えば、一緒に食事をしたり、テレビを見たり、家族でゲームや読書を楽しむなど、特別なことをする必要はありません。家族が一緒に過ごすことで、子どもは「自分には家族がいる」と感じられ、孤独感や不安感が和らぎます。
家族が子どもにとっての「安全基地」となるよう、温かく見守りましょう。
6. 担任の先生やスクールカウンセラーと連携する
子どもが不登校になったときは、学校と連携を図ることも重要です。
不登校の原因や状況によっては、担任の先生やスクールカウンセラーから、「保健室登校」「別室登校」「オンライン授業(ICT)」など、お子さんの状況に合わせた支援体制を一緒に考えてくれます。
学校側に状況を理解してもらうことで、今後のサポートがスムーズになり、子どもにとっても「自分のことを理解してもらえている」という安心感を持ちやすくなります。
保健室登校についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 保健室登校とは?|メリット・デメリットや教室復帰への流れを解説
7. 不登校支援をしている機関に相談する
不登校支援を専門に行っている機関に相談することで、親も子どもも安心してサポートを受けられる環境が整います。
以下のような学習支援や教育支援機関を利用することで、子どもの学びや社会性を補完することができます。
| 全国の市区町村に設置されている相談窓口です。お住まいの市役所や区役所にてご確認ください。 子育て全般について相談を受けており、不登校についての相談もできます。 |
---|---|
教育支援センター (適応指導教室) | 教育委員会等が運営する公的機関です。 不登校の児童が学校に通わなくても学習できる環境の支援、児童や保護者との教育相談、心理カウンセラーによる面談等を提供しています。市の施設など、公の建物の中にあることが多く、利用料は無料です。 |
児童相談所 児童相談センター 児童家庭支援センター | 厚生労働省が運営する公的機関です。 18歳未満の子どもやそのご家族を対象として、子育てやしつけの悩み、不登校、発達障害、子どもの行動上の問題などについて相談することができます。 |
ひきこもり地域 支援センター | すべての都道府県・指定都市にある、行政が運営するひきこもりに特化した相談窓口です。(NPO法人などに委託しているケースもあります。) ひきこもり本人やご家族からの相談を受け付け、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つ支援コーディネーターが中心となって相談支援などを行います。 |
8. 不登校期間の学習支援方法を検討する
不登校になると、まず気になるのは「学習の遅れ」です。学校に通えない間、授業の進度から取り残されてしまうことで、復学する際に支障が出る可能性があります。
「学習の遅れ」に対する心配は親だけでなく、子ども自身も抱いていることが多く、この不安が復学のハードルをさらに高くしてしまうこともあります。
将来の進路や復学を見据え、不登校期間中の学習環境を整えることは非常に重要な課題といえるでしょう。
1. 教育支援センター(適応指導教室)
教育支援センター(適応指導教室)は、教育相談やカウンセリングだけでなく、お子さんへの学習支援も提供している公的な機関です。各自治体の教育委員会が運営しているため、基本的に無料で利用できます。
教育支援センターでは、お子さんがリラックスして過ごせるよう、自由な活動時間が確保されている一方で、学習の時間もきちんと設けられています。
お子さんのペースや理解度に合わせたカリキュラムが組まれ、個別指導や自主学習を通じて学習を進められるため、無理なく学びを続けられる環境です。
また、在籍校と連携を取りながら様々なサポートを行うことも特徴です。
さらに、大きなメリットとして、教育支援センターに通うことで、一定の条件を満たせば学校の「出席扱い」として認められる場合があります。これは、長期間の欠席による学習遅れが懸念される場合に非常に心強いサポートです。
※ただし、教育支援センターは学校ではないため、卒業資格は取得できません。
出席扱いの条件は以下の通りです:
- 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係があること
- 教育支援センターに通所・入所し、相談や指導を受けていること
利用を検討する場合、まず学校の先生やスクールカウンセラーに相談してみることをおすすめします。
2. ICTの活用
「ICTを活用した学習」とは、パソコンやタブレットなどのデジタル機器を使用し、インターネットを通じて学習を行う方法です。
文部科学省が進める「GIGAスクール構想」では、すべての義務教育を受ける児童生徒が1人1台のPCを持ち、高速ネットワークを利用できる環境を整備する計画が進行中です。特にコロナ禍以降、ICT学習の普及が加速し、在宅での学習支援がより利用しやすくなっています。
文部科学省は、不登校の小・中学生が自宅でICTを使った学習活動を行う場合、以下の条件を満たせば「出席扱い」として評価に反映できるとしています。
- 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること
- 訪問等による対面指導が適切に行われること
- 計画的な学習プログラムであること
- 校長が対面指導や学習活動の状況等について十分に把握すること
- 基本的に学校外の公的機関等で相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること
- 当該学習の計画や内容が、その学校の教育課程に照らし適切と判断される場合であること
このような条件を満たしている場合、自宅でのICT学習は学校での出席と同様に評価され、成績にも反映される仕組みです。
特に、コロナ禍の令和2年以降、不登校児童生徒の在宅ICT学習が急速に増加し、デジタル機器を活用した学びのサポートがより身近になっています。
3. 学びの多様化学校(不登校特例校)
「学びの多様化学校(不登校特例校)」は、学校に通うことが難しい児童・生徒のために、通常の学校よりも柔軟なカリキュラムを提供する特別な学校です。
授業時間数が少ない、体験型学習を重視するなど、個々のペースに合わせた学びをサポートし、通いやすい環境が整えられています。
令和6年時点で全国に35校(公立21校、私立14校)しかありませんが、行政は将来的に300校まで増やす計画を進めており、居住地に関わらず通えるような体制を整えるため、分教室型の導入も検討されています。
学びの多様化学校のカリキュラムは、年間の総授業時間数を750〜770時間程度に設定しています。これは通常の学校よりも少なく、柔軟なスケジュールで通学できるよう配慮されています。
また、授業内容には体験学習や校外学習、コミュニケーションスキルの向上を目指すプログラムなどが組み込まれており、一人ひとりの学力や個性を尊重した学びが提供されます。
学びの多様化学校は、文部科学大臣から正式に指定を受けた学校であるため、在籍している学校からの転校(編入)が可能です。
さらに、出席すれば通常の学校と同様に「出席扱い」となり、卒業資格も取得できます。
これにより、不登校特例校で学んだ後、通常の高校やその先の進学もスムーズに進められるようになります。
ただし、学びの多様化学校に入学(編入)するには、いくつかの条件を満たす必要があります。
文部科学省の基準では、年間30日以上の欠席があることが不登校の基準の一つとなりますが、具体的な判断は各学校や教育委員会が行います。そのため、断続的に不登校の傾向が見られる場合でも、条件を満たすことが可能です。
入学を検討される際は、まず在籍校や地域の教育委員会に相談し、必要な手続きを確認すると良いでしょう。
4. フリースクール
フリースクールは、不登校の子どもたちを支援するために、学習活動や教育相談、体験活動などを行う民間の施設です。
NPO法人、ボランティア団体、個人経営の団体などが運営しており、不登校用の学びの場や塾のような存在といえます。
フリースクールには、教育支援センターと似た内容のサポートが提供されていることが多いですが、規模や活動内容には幅があり、各フリースクールで特徴が異なります。
フリースクールは民間施設であるため、基本的に有料です。
料金は施設によって異なりますが、一般的には入会金が10,000円〜50,000円程度、月額費用が10,000円〜50,000円程度です。具体的な費用については、各団体のホームページで確認するのが良いでしょう。
また、フリースクールは入学資格が不要で、誰でも参加できるのが特徴です。
定められたカリキュラムや時間割がなく、その日の活動内容は子ども自身が自由に選べる場合が多いため、子どもが自分のペースで好きな活動に取り組むことができます。
フリースクールは学校ではないため、卒業資格を取得することはできないですが、一定の条件を満たせば「出席扱い」として認められる場合があります。この「出席扱い」とするための条件は、以下の通りです。
- 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること
- フリースクールにおける相談・指導が個々の児童生徒にとって適切であること
- 当該施設に通所又は入所して相談・指導を受ける場合を前提とすること
- フリースクールにおける学習計画や内容が、学校の教育課程に照らし適切であること
これらの条件が満たされているかどうかを基に、最終的には学校の校長と教育委員会が「出席扱い」にするかどうかを判断します。
フリースクールの利用を検討している場合は、まず学校の先生やスクールカウンセラーに相談し、「出席扱い」になるかどうかも確認しておくと安心です。
フリースクールについてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「フリースクールの5つのタイプと子どもに合った選び方」
5. 家庭教師
不登校のお子さんの場合、外出することに抵抗を感じるケースが多いため、家庭教師の利用が適しています。
家庭教師は自宅まで先生が来てくれるため、通学や外出の負担がなく、安心して学習に取り組むことができます。
また、家庭教師は1対1での指導のため、周りの目を気にせず集中でき、お子さんの学力や学習状況に合わせた個別のカリキュラムを作成できるのが大きな特徴です。
さらに、不登校による学習の遅れがある場合でも、基礎からさかのぼって指導できるため、無理なく勉強を再開し、苦手な分野を重点的に学ぶことが可能です。
また、大学生の家庭教師を選ぶと、お兄さんやお姉さんのような親しみやすい存在になりやすく、勉強面以外にもプライベートな相談相手として心の支えになることがあります。
時には勉強以外の活動として、一緒に話題のスイーツを食べに出かけたり、ショッピングに行ったり、映画鑑賞を楽しんだりすることも、不登校のお子さんの気分転換や生活に彩りを添える時間となります。
こうした気軽な交流が、他者とのつながりが希薄になりがちな不登校のお子さんにとって、心の支えとなり、精神面でのサポートにもつながります。
もっと知りたい方はこちら
⇒【不登校コース】について
不登校の小学生にやってはいけないこと
不登校の小学生に接する際、親としてできることを考えることが大切ですが、逆に「やってはいけないこと」もあります。
以下に、よくある親の行動で、逆効果を招く可能性が高いものを紹介します。親子の信頼関係を保ちながら、子どもの心に寄り添うためのポイントを確認しましょう。
1. 無理に学校に行かせる
不登校の子どもに対し、無理に学校に行かせようとするのは逆効果です。
「行かなければいけない」とプレッシャーをかけることで、子どもの不安や緊張がさらに高まってしまいます。
学校に行けない子どもの多くは、心理的な理由や対人関係の問題で心に大きな負担を抱えています。その状態で無理に通学させようとすると、かえって学校への抵抗感が強まり、親子関係にも悪影響が出てしまうことがあります。
まずは子どもが学校に対する不安を和らげ、安心できる環境を整えることを優先しましょう。
2. 登校しないことを責める・怒る
登校しないことで子どもを責めたり怒ったりするのも避けるべき行動です。
子どもにとって、学校に行けないことは不安や罪悪感を伴い、「自分はダメな子だ」と感じてしまうことがあります。親からの叱責や怒りは、そうした気持ちをさらに強め、子どもの自己肯定感を下げてしまう可能性があります。
子どもが学校に行かない理由や、学校に行けないことで感じている不安や葛藤を理解しようと努め、気持ちに寄り添ってあげることが大切です。安心できる家庭環境を築くことが、学校復帰の一歩となるでしょう。
3. 今の学校への復学にこだわる
「今の学校に戻ることが一番」と考えてしまう親も少なくありませんが、復学の場所にこだわりすぎると、かえって子どもの負担になります。
不登校の背景には、いじめや対人関係、学習の遅れなどがある場合も多く、今の学校環境が子どもにとって適さない可能性もあります。
復学することがゴールではなく、子どもが安心して学べる環境を見つけることが大切です。
教育支援センターやフリースクール、学びの多様化学校(不登校特例校)など、他の選択肢も検討しながら柔軟に考えることが子どものためになる場合もあります。
4. 子どもとの距離を置く、避ける
子どもが不登校になったとき、親が戸惑いやショックから距離を置いたり、避けたりするケースがあります。
しかし、こうした行動は子どもに「理解してもらえていない」「自分は愛されていない」と感じさせ、さらに孤独感を強めてしまいます。
不登校の子どもは、家族の存在やサポートを必要としています。親としては、子どもが話しかけやすい雰囲気を作り、焦らずに寄り添う姿勢を見せることが大切です。
何気ない会話や一緒に過ごす時間を通じて、子どもが「自分は見守られている」と感じられるよう、穏やかな態度で接していきましょう。
まとめ
小学生で不登校になったお子さんとその親御さんは、今の状況への心配に加え、将来への不安も多く抱えていらっしゃることでしょう。しかし、さまざまな対処法やサポート手段があり、これらを活用することで前向きな一歩を踏み出すことができます。
不登校の状況は決して簡単なものではありませんが、適切なサポートを受けることで、子どもが自信を持って未来に向かって進むための力が育まれるはずです。
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