通信制高校とは?気になる仕組みを徹底解説!

公開日:2024年4月25日

このコラムでは、「通信制高校ってどんなところ?」といった疑問や不安がある方に向けて、通信制高校の概要や仕組みを詳しく解説します。高校受験で通信制高校の入学を検討する方は、是非この記事をご覧ください!

通信制高校とは?

通信制高校の特徴

通信制高校とは、生徒が自宅で学習を行う新しい高校教育の形です。
学校に通わずに、自分の好きな場所で学べるという柔軟性が通信制高校の一番の魅力です。
また、卒業時に得られる高校卒業の資格は、全日制高校を卒業した際に得られるものと差がありません。そのため、通信制高校から大学や専門学校への進学を目指すことも可能です。

全日制高校との違い

登校について

全日制高校では指定された時間に学校に登校する必要がありますが、一方、通信制高校は毎日登校する必要がなく、自宅や他の場所で学習が可能です。ただし、完全に登校が不必要というわけではなく、通信制高校では「スクーリング」と呼ばれる登校日が設けられています。通信制高校に所属する生徒は自分で登校頻度を選択することも可能です。

授業について

全日制高校は学校が定めた時間割に基づいて授業が行われ、1日に5時間から7時間の授業を受けなければなりません。一方、通信制高校ではスクーリングの日に授業を受けることがありますが、その他の日は自宅で「レポート」と呼ばれる課題を進める必要があります。つまり「レポートを提出することで授業の代わりになる」という点が最大の違いです。

通信制高校と全日制高校では、学習形式や授業スケジュールが異なるため、進路を選択をする際には、それぞれの特徴を理解することが重要です。

通信制高校の3つのメリット

1. 自由な時間が多い

通信制高校では、生徒が自宅や好きな場所で学習するため、自由な時間が多くなります。そのため、趣味・仕事などと学校の勉強を両立させることが可能です。さらに、学校への通学時間がないため、余った時間を自分の趣味やアルバイトに充てることもできます。
つまり、学業だけではなく、自分の「好きなこと」「やりたいこと」にも集中することでき、充実した生活を送りやすくなります。

2. 学校での人間関係に悩みづらい

通信制高校は通学の頻度が少ないため、他の生徒との接触が少なくなります。
そのため、クラスやグループでの人間関係に悩むことが少ないというメリットがあり、ストレスを抱えずに学習を進めることができます。
人間関係でのストレスや悩みで不登校になったお子さんなどには最適の環境かもしれません。

3. 多様性を受け入れる環境がある

通信制高校では、様々な背景を持つ生徒が在籍しています。
例えば、中学時代に不登校で全日制高校を受験できなかった生徒や、何らかの理由で高校を中退した生徒が多く在籍しています。そのため、自分と似たような状況の人と出会いやすく、居心地の良い環境が整っています。
また、通信制高校で働く職員は、そういった生徒を指導する経験が豊富なので、進路相談などにも親身に対応してくれるでしょう。

通信制高校の3つのデメリット

1. 自己管理が大変

通信制高校は自由な時間が多い反面、自己管理能力が求められます。
例えば、生徒自身がレポートの提出期限に遅れないように学習計画を立て、学習を進めるペースを自己管理する必要があります。
また、学習のペース管理だけでなく、生活のリズムが乱れないような管理も必要です。決まった時間に学校に行く必要がないので、朝の起床時間や就寝時間などが全て自己管理に委ねられてしまいます。そのため、場合によっては、生活リズムが乱れてしまう(昼夜逆転するなど)生徒もいます。

2. 友達を作る機会が少ない

通信制高校は登校日が少ないため、他の生徒と交流する機会が限られます。その結果、「社交性」や「コミュニケーション能力」の向上に課題が生じることがあります。また、学校行事などのイベントも、全日制高校と比べると少ないため、部活動や文化祭などを通じて同級生と友情を深めるといった経験がしにくい傾向にあります。

3. 学習内容がやさしく、大学受験に不向き

通信制高校では、教材や授業内容を個々の生徒の学力や進度に合わせて調整されます。学習内容は全体的にやさしく設定されており、大学受験に必要なレベルや内容が十分にカバーされていない場合があります。
また、自主学習が中心となるため、不明な箇所が出てきた際に誰にも質問ができず苦労することがあり、大学受験に向けての学力が身につきにくい環境とも言えるでしょう。

通信制高校の仕組みについて

レポートについて

通信制高校では、毎日授業に参加しない代わりに、学校が指定する回数のレポートを作成・提出することが求められます。
レポートの提出回数は文部科学省によって決められており、学校ごとに大きな差はありません。履修科目や生徒の状況(全日制高校から転入してきたかどうか)などによっても異なりますが、週に2〜3枚程度の高校が多いようです。
提出されたレポートは教員によって添削され、登校日に指導が行われます。主に穴埋め問題選択式の問題が多く、教科書で学習した内容を元に作成されます。以前までは郵送する方法が一般的でしたが、近年ではパソコンやタブレットを活用し、WEB上でレポートを提出できる学校も増加しています。

スクーリングについて

スクーリングは学校やコースによって特色が異なります。
例えば、

  • 全日制高校と同じように毎日登校するコース
  • 月1~2回登校するコース
  • 普段は登校せず、年に1回1週間程度の合宿を行うコース

など、学校によって様々なスタイルが存在します。

スクーリングは通信制高校を卒業するためには必須なので、自分の生活リズムや学習スタイルに合ったスクーリングの学校を選ぶことが大切です。例えば「自己管理が苦手」「高校で友達を作りたい」など、自宅で学習を続けることに不安がある人は、スクーリング日数が多いコースのある高校を選択する方がよいでしょう。また、「仕事やスポーツ・芸能活動などと高校生活を両立させたい」「人間関係の構築が苦手」といった人はスクーリング日数が少ないコースのある高校を選択するのがおすすめです。

テストについて

通信制高校では全日制高校の「定期考査」とは異なり「単位認定試験」と呼ばれるテストが行われています。
通信制高校の単位認定試験を受験するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • レポートの提出を行っていること
  • 一定回数以上のスクーリングに出席していること

多くの通信制高校では、単位認定試験は年度末に1回行われますが、スクーリング回数が多い学校やコースでは、年2回以上行われることもあります。単位認定試験は、科目ごとの最終テストとして実施されるため、その範囲は通常の定期考査よりも広い傾向があります。ただし、主なテスト範囲はレポートであるため、レポートを中心に学習していれば単位を獲得することは難しくありません。

入試について

通信制高校の入学試験では、一般的に書類審査、作文、学力試験、面接などの選抜プロセスが行われますが、学校によって試験内容に違いがあります。
学力試験は、あくまで「受験者の現在の学力を確認するためのもの」であり、学力不足を理由に不合格になることはほとんどありません。面接では意欲や志望動機を確認し、受験者の個性や意欲を評価します。いわゆる「落とすための面接」ではないので自己表現が苦手な生徒でもリラックスして臨むことができるでしょう。

卒業について

通信制高校は、3年以上在籍し、定められた単位を修得することで卒業が可能です。上述の通り「レポートの提出」と「スクーリングの出席」が単位認定試験を受けるための条件となるので、レポートの未提出やスクーリングの欠席が多いと認定試験が受けられず卒業が難しくなります。

通信制高校の入学時期と費用

入学の時期について

通信制高校の多くは2学期制を採用しており、入学の時期は主に4月と10月になります。このため、新入生の募集は3〜4月と8〜9月に行われることが一般的です。また、学校によっては随時募集を行っているところもあります。
全日制高校からの転入や編入に関しては、新入生と同じタイミングで募集する学校と随時募集を行っている学校とがあります。詳細な募集時期に関しては、高校へ直接問い合わせて下さい。

年間でかかる費用について

通信制高校には、全日制高校と同様に公立・私立という区分があり、費用は学校やコースによって異なります。
公立高校の場合は年間で約3万円〜6万円私立校の場合は約25万円〜100万円となることが一般的です。
私立高校の場合、自宅学習が主体になるか、通学が主体になるかによって大きく金額が異なります。また、就学支援金の対象となる場合、学費が一部免除になるケースもあります。

通信制高校の学費についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「通信制高校の学費とは

通信制高校の進学・就職の可能性

進学率について

令和5年の文部科学省のデータによると、通信制高校の大学進学率は約24.1%となっています。
また、専門学校・専修学校進学率は約22.7%となっており、通信制高校に通う生徒のうち約2人に1人は大学や専門学校に進学していることがわかります。
ただし、全日制高校に通う生徒は約76.9%が進学しているので、全日制高校に比べると通信制高校の進学率は低いと言えます。

就職率について

通信制高校に通う生徒の就職率は約14.9%となっています。全日制高校に通う生徒の就職率は14.2%となっており、就職率に関して言えば、通信制高校と全日制高校の差はほとんどありません。
高校を卒業してすぐに就職するという生徒は全体的に減少傾向にあり、この傾向はどのような学校に通っていても同じであることがわかります。

参照 : 文部科学省 学校基本調査-令和5年度 結果の概要-

まとめ

今回は「通信制高校とは?」という漠然とした疑問にお答えするため、通信制高校の概要や仕組みをご紹介しました。
近年では通信制高校への関心が高まり、大学や専門学校への進学も可能な学校が増えていますので、新たな選択肢として検討してみても良いでしょう。通信制高校についてご存知のない方に、今回のコラムが役立つことを願っています。

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