単位制の高校とは?|学年制との違いやメリット・デメリットを解説

公開日:2024年5月9日

単位制の高校への進学を検討しているが、イマイチ仕組みが良く分かっていない。そんな方に必見のコラムです。学年制の高校との違いや、単位制の高校のメリット・デメリット、留年の有無などを徹底解説していきます。

単位制の高校とは?

単位制の高校とは、学年の区分が無く、単位を取得すれば卒業が認められる高校のことです。昭和63年に通信制と定時制の高校で初めて導入され、平成5年からは全日制の高校でも導入が始まっています。従来は通信制高校で多く導入されてきましたが、近年では定時制や全日制の高校でも「単位制」を導入する高校が増えてきています。

文部科学省 単位制高等学校について

高校における単位制と学年制の違い

学校教育法では、高校の卒業資格取得条件として以下の2つが定められています。

  1. 必須科目を含む74単位以上を取得すること
  2. 高校に3年間在籍すること

1つ目に挙げた単位の取得方法が「単位制」「学年制」の2つに分けられます。
ここでは、単位制の高校と学年制の高校の違いを見ていきましょう!

1. 取得する単位の順番

学年制の高校では、1年ごとに取得する単位が決められているため、取得する単位の順番を自分で決めることは出来ず、学校のカリキュラムに沿って単位を取得していくことになります。
それに対して、単位制の高校では、在籍期間内で単位を取得すれば卒業資格が得られるため、特に単位取得の順番に制限がありません。そのため、自分の好きな順番で単位を取得していくことが出来ます。

2. 留年の有無

前述のとおり、学年制の高校では、1年ごとに取得しなければいけない単位が決められており、それを取得できなかった場合は「留年」となり、再度同じ学年で単位を取り直さなければいけません。それに対して、単位制の高校では、そもそも「学年」という概念が無く、「74単位を取得すれば卒業資格が得られる」という仕組みのため、「留年」することもありません。

単位制高校に通う6つのメリット

高校における単位制の特徴が分かったところで、次は単位制高校に通うメリットを見ていきましょう!

1. 進路に合った授業を選べる

単位制高校では、自分の進路に合わせて好きな科目や教科を履修することができます。例えば理数系の大学へ進学を希望しているのであれば、受験に必要な数学や理科系の履修を増やして、社会の履修を減らすというようなことが可能です。つまり、自分の進路にとって不必要な科目は履修せずに、必要な科目だけを集中的に履修することで、効率的に勉強を進めることが出来るということです。

2. ライフスタルに合った時間割を組める

学年制の高校の場合、時間割はあらかじめ決められているので、それに沿って単位を取得していくことになります。
一方で、単位制の高校の場合は、卒業資格となる74単位を取得すれば良いので、必要な単位のみを履修して、他の時間は勉強以外に充てることが可能です。仕事やスポーツなど、学業以外に力を入れたい物がある場合、自分のライフスタイルに合った時間割を組むことが出来るのが、単位制高校のメリットと言えます。

3. 自分のペースで勉強が出来る

学年制の高校の場合、学年ごとのカリキュラムが組まれているため、それにそって勉強を進めていくことになります。そのため、分からない分野があってもそのまま勉強は進んでいってしまいます。
一方で、単位制の高校の場合、自分で履修を組むことが可能なため、得意な科目は早めに履修をして、苦手な科目は後でじっくり時間をかけて履修していく、というようなことが可能になります。そのため、常に自分のペースに合わせて勉強を進めていくことができます。

4. 少人数での授業が多い

学年制の高校の場合、学年全ての生徒が同じ科目を履修するため、基本的に授業は、大人数での集団授業となります。
一方で、単位制の高校の場合、生徒ごとに選択する科目が異なり分散するので、必然的に少人数での授業が多くなります。
ですので、「集団授業が苦手」「人前で質問がしづらい」というような方には、この点も単位制高校のメリットとなります。

5. 編入・転入がしやすい

学年ごとに取得する単位が決められている学年制の高校の場合、その制度上、学年途中での編入や転入は難しいケースが多々あります。一方で、単位制の高校の場合は、「学年ごと」といったしばりが無いので、編入や転入がしやすいという点もメリットの1つと言えます。

6. 文理の変更がしやすい

学年制の高校の場合、文系・理系のコース選択は、「高校2年の進級時」「高校3年の進級時」などタイミングが決められていることがほとんどです。また、学年ごとに教育課程が定められているため、コースを学年の途中で変更することは基本的に不可能です。
一方で、単位制の高校の場合はそもそも文系・理系のコース分けが無いため、自分の履修科目の選択によって、柔軟に文理を変更することが可能となります。

単位制高校に通う3つのデメリット

ここまで単位制の高校に通うメリットを見てきましたが、最後に、単位制高校におけるデメリットは何があるのかを見ておきましょう。

1. 自己管理が必要

単位制高校に通うメリットとして、「自由に履修や時間割を組める」という点が挙げられますが、反面、それをしっかりと管理する自己管理能力が必要になります。
学年制の高校では時間割が決められているため、学校に毎日通うだけで自動的に勉強は進んでいきます。
しかし、単位制の高校の場合、自分で時間割を組み、それに沿って勉強を進めていくことになります。そのため、自己管理がしっかり出来ていないと、予定通りに勉強が進まず、最終的に必要な単位が取得できない、ということになってしまうことがあります。
また、単位制の高校の場合、単位ごとに学費がかかってくるため、単位を落としてしまうと費用も無駄になってしまうという点にも注意が必要です。

通信制高校の学費についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「通信制高校の学費とは」

2. 人と接する機会が少ない

学年制の高校の場合、学年ごとにクラス編成が行われ、毎日そのクラスで授業を受けることになります。そのため、必然的にクラスの団結力は高まり、クラスメイトと接する機会も増えます。
しかし、単位制の高校の場合、生徒によって選択する科目や登校日が異なるうえに、授業は基本的に少人数です。そのため、学年制の高校に比べると他の生徒と接する機会が少なくなってしまいます。
近年、一部の私立の通信制高校では、クラブ活動コミュニケーションの機会を多く設けている高校もあるので、「単位制の高校に通いたいが、他の生徒ともコミュニケーションを取りたい」という方は、そのような高校を選ぶことがおすすめです。

3. 勉強したい授業が開講されないことがある

ほとんどの大学では単位制を採用していますが、大学の場合は生徒数が多いので、基本的にあまり人気の無い授業でも開講されます。しかし、単位制の高校の場合、生徒数自体が大学と比べると多くないため、生徒数が少なくなってしまいそうな授業は、そもそも開講されないというケースがあります。
そのため、単位制の高校を選ぶ場合、自分が履修したい科目や授業がちゃんと開講されているかを、事前に確認する必要があります。

まとめ

今回は、単位制の高校について詳しく解説しました。単位制と学年制の仕組みや違いを理解したうえで、自分にピッタリの高校選びが出来ることを願っています!この記事が皆さまの高校選びに少しでも役立てば幸いです。

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