通信制高校のデメリットとは?
公開日:2024年5月20日
今回のコラムでは、通信制高校のデメリットについて詳しく解説します。また、どうすればデメリットを軽減できるか?といった解決策についてもご紹介します。通信制高校への進学や転校を検討する方は、是非ご覧ください!
通信制高校とは?
通信制高校とは、生徒が自宅で学習を行う新しい高校教育の形です。
ただし、完全に登校不要というわけではなく、通信制高校では「スクーリング」と呼ばれる登校日が設けられています。通信制高校に所属する生徒は自分で登校頻度を選択することも可能です。
スクーリングの日以外は、自宅で「レポート」と呼ばれる課題を進め、定期的に「レポート」を提出する必要があります。つまり「レポートを提出することで授業の代わりになる」という点が、全日制高校との最大の違いです。
また、卒業時に得られる高校卒業の資格は、全日制高校を卒業した際に得られるものと差がありません。そのため、通信制高校から大学や専門学校への進学を目指すことも可能です。
通信制高校についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「通信制高校とは?気になる仕組みを徹底解説!」
通信制高校の8つのデメリット
1. 通信制高校へ進学する生徒は少ない
文部科学省が発表した令和3年のデータによると、中学生のほぼ9割が全日制高校に進学しています。一方で、通信制高校へ進む中学生はわずか6.3%ほどです。
ほとんどの中学生が全日制高校に進学するため、通信制高校を選んだ場合には、なぜその選択をしたのかという質問をされることが増える可能性があります。
通信制高校を選ぶ理由としては、次のようなケースがよく見られます。
- 小中学時代に不登校で、全日制高校へ進学できなかった
- 学力が低く、全日制高校への受験に失敗した
- トラブルが原因で全日制高校を中退した
このように、通信制高校への選択肢をとると、「不登校」「学力が低い」「高校を中退してしまった人」といった偏った見方をされることもあります。
2. 生活リズムが乱れやすい
通信制高校は自由な時間が多い反面、自己管理能力が求められます。
例えば、毎日決まった時間に学校に行く必要がないので、起床時間や就寝時間などが全て自己管理に委ねられてしまいます。
そうなると、「毎日夜更かしをしてしまい、昼過ぎに起きる」といったように、生活リズムが乱れてしまう(昼夜逆転するなど)ことがあります。
昼夜逆転してしまうことで自律神経が乱れやすくなり、やる気が起こりにくくなります。その結果、レポート提出が遅れがちになり、高校卒業に必要な単位の取得に支障をきたすこともあります。また、生活リズムの乱れが常態化すると、高校卒業後に就職や大学進学をした際には、寝坊や遅刻が増えてしまい苦労してしまいます。
3. 独学で進める必要がある
通信制高校は登校の頻度が少ないので、授業で教わる頻度も当然少なくなります。
ですから、自宅において独学で学習を進めることが基本になります。つまり、自宅での学習中に答えや解き方のわからない問題が出てきても、自分で解答・解説を読み、解決しなければなりません。この様な場合、解説を読んでもなかなか理解できずに時間がかかってしまうことや、結局解答できないといった問題に直面することもあるでしょう。
4. 友人が作りづらい
通信制高校では登校日が少ないため、同級生との交流頻度が限られてしまいます。
ですから、高校の友人を作る機会が少なくなってしまい、「社交性」や「コミュニケーション能力」を身につける機会が少なくなります。
また、全日制高校と比較すると、学校行事(文化祭・体育祭)や部活動などのイベントも少ないため、同級生や違う学年の先輩・後輩と関係性を深める機会も減少する傾向があります。
5. 大学進学率が低い
通信制高校の学習内容は全体的にやさしく設定されており、大学受験に必要なレベルや内容が十分にカバーされていない場合があります。
文部科学省の令和5年の統計によれば、通信制高校の大学進学率は約24.1%です。これに対して、全日制高校に在籍する生徒の進学率は約76.9%と、大学進学率において約3倍の開きがあります。
このデータから、通信制高校は大学進学にあまり適していないことがわかります。
一般的に大学を卒業した人の方が職業の選択の幅が広がるため、大学への進学率が低いことは大きなデメリットといえるでしょう。
6. 就職も進学もしない人が多い
文部科学省の統計によると、通信制高校を卒業した後、就職も大学・専門学校進学もしない生徒の割合は約30.9%です。これに対し、全日制高校を卒業した後、就職も大学・専門学校進学もしない生徒の割合は4.4%となっています。
つまり、全日制高校卒業者と比べると、かなり高い割合で進学や就職以外の選択をしています。
卒業後に就職も進学もしていないとなると、他者からするとあまり良いイメージが浮かばず、様々な面接や試験において大きなデメリットになる可能性があります。
7. 中退率が高い
数年前のデータにはなりますが、全日制高校と通信制高校の中退率には大きな違いがあります。
例えば、令和元年の文部科学省の統計によると、全日制高校の中退率は1.3%であるのに対し、通信制高校の中退率は5.6%となっています。つまり、通信制高校に通う生徒の方が高校を中退する率が4倍以上も高いことを示しています。
高校を中退すると一般的に就職や進学に不利になると考えられていますが、通信制高校に通うことでそのリスクが高まる可能性が考えられます。
参照:
文部科学省 高等学校通信教育の現状について
R2児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
8. 学費が高い
通信制高校の学費は、全日制高校の学費と比べて安いと言われることがありますが、実はそうではありません。
例えば、私立の通信制高校に通う場合、学校や選択するプログラムによっては、全日制の私立高校と同じくらいの学費がかかることがあります。(例えば、私立の通信制高校では、授業料だけでも40〜90万円ほど必要です。)
また、週1日のスクーリングを選ぶ場合と週5日間のスクーリングを選ぶ場合では、施設費などに大きな差が生じます。入学金や授業料、その他の費用をすべて考慮すると、卒業までに約50万円から300万円ほどの費用がかかります。
通信制高校であっても全日制の高校と同様の学費がかかることは、デメリットとして考えられることがあります。
通信制高校のデメリットを解決する方法
1. 大学や専門学校に進む
就職の面接などで出身校を尋ねられた時は、最終学歴を答えることが一般的です。
そのため、たとえ通信制高校出身であっても、最終学歴が大学卒であれば、「〇〇大学出身です」と、答えることになります。
つまり、大学や専門学校に進めば、将来の面接において通信制高校に通っていたことを言及することは少なくなるでしょう。
もし出身高校について尋ねられたとしても、卒業後に大学や専門学校に進学していれば、「在学中に努力して合格した」というプラスのイメージを与えることもできます。ですから、通信制高校に進学したとしても、卒業後に大学や専門学校へ行くことができれば問題ないと言えるでしょう。
2. 規則正しい生活を送る
通信制高校へ進学した後は、生活リズムが乱れないように規則正しい生活を送るよう心がけましょう。
「起床時間・就寝時間・食事の時間を決めておく」「家族とコミュニケーションを取る時間を毎日確保する」などの最低限のルールを自主的に定め、それらを守るように徹底しましょう。そうすることで、規則正しい生活をおくることができ、生活リズムの乱れからくる学校の問題を回避しやすくなります。
通信制高校に通うと、その自己管理の難しさや生活リズムの乱れが要因となり、中途退学につながることがあります。
例えば、「レポートの提出が遅れてしまう」「単位認定試験を受けない」などが考えられます。
したがって、規則正しい生活を送り、適切な学習ペースを維持するためには、学習面でのサポートを必要とする場合もあります。
このような支援を受ける場合は家庭教師がおすすめです。家庭教師であれば、自宅で指導を行うため、提出物のスケジュール管理から部屋の整理整頓や生活面のアドバイスまで幅広くサポートを受けることができます。
3. 塾や家庭教師を利用する
進学後の学習に不安を感じる場合は家庭教師や塾などを利用し、学習面でのサポートを受けましょう。
不登校の経験により基本的な学習内容が理解できてない場合は、特に有効です。
塾や家庭教師から学習面のサポートを受けることで、レポートや単位認定試験なども順調にクリアできるようになり、高校をスムーズに卒業しやすくなります。
また、学校のフォローだけではなく、大学受験のサポートを受けることもできるので、通信制高校から大学進学を目指すことも可能です。
通信制高校は自由な時間が多く、ある意味、志望校に絞った受験対策をしやすい側面があるので、やり方次第では大学進学の可能性を高めることができます。
通信制高校の大学進学についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「通信制高校から大学進学する方法|デメリットや大学進学するコツを解説」
4. スクーリングが多いコースを選ぶ
通信制高校で他の生徒との交流を深めたいのであれば、スクーリングが頻繁なコースを選ぶことがおすすめです。
スクーリングが多いコースでは、全日制高校のように、ほぼ毎日学校に通うことができるので、友人関係を築きやすくなるでしょう。また、同じ通信制高校に通う生徒同士であれば、小中学校時代の経験が似ていることも多く、お互いに共感しやすいでしょう。
5. 明確な夢や目標を持つ
通信制高校卒業後に進学も就職もしないという事態にならないように、明確な夢や目標を持つことが大切です。
例えば、「美容師・保育士・看護師などの資格をとりたい」「大学で経営を学びたい」などです。夢や目標が明確にあれば、自ずと在学中の取り組みも具体的になります。
「夢や目標はあるけれど、どのような学校に進学していいかわからない」という人は、スクーリングの際に通信制高校の先生に相談してみるとよいでしょう。過去の卒業生の中で同じような進路に進んだ生徒の具体例を紹介しながら、進路の相談にのってくれます。
6. 公立の通信制高校に通う
公立の通信制高校は、その学費の安さが一番の特徴です。
運営する都道府県によって費用は多少異なりますが、卒業までにかかる授業料は通常2万5千円程度となります。学費以外にレポートの郵送費用などがかかりますが、それらを合わせても卒業まで約10〜15万円程度の費用で済みます。また、公立・私立を問わず、通信制高校には授業料の減免制度があります。学費が心配な方は、この制度を利用することも検討してみましょう。
通信制高校の無償化についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「通信制高校の学費無償化|制度解説」
まとめ
今回は「通信制高校のデメリット」について解説しました。
たしかに、通信制高校への進学には様々なデメリットが存在します。しかし、そのデメリットに対して適切に対応すれば、目指す進路に進むことができます。
通信制高校への進学を検討する方に、今回のコラムが役立つことを願っています。
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