フリースクールの5つのタイプと子どもに合った選び方
公開日：2024年7月17日
このコラムでは、フリースクールを5つのタイプに分け、それぞれを詳しくご紹介します。また、フリースクールの概要やメリット・デメリット、選び方についても解説します。お子さんに適した環境選びの参考にしてください。
フリースクールとは？
フリースクールは、従来の学校に通えない、または通うことが難しい子どもたちに、個々のニーズに合わせた教育を提供する場所です。
フリースクールでは、学校生活に馴染めない子どもや、特別な支援が必要な子どもにとって、安心して学べる環境を提供しています。
ここでは、フリースクールの概要、学習内容、費用、そして進路について詳しく説明します。
フリースクールの概要
フリースクールは、何らかの理由で学校に通えなくなってしまった子ども向けの学びの場です。
従来の学校とは異なり、固定されたカリキュラムや時間割に縛られることがなく、子どもたち一人ひとりに合わせた教育プランが組まれます。
多くのフリースクールでは、子どもたちが自由な雰囲気の中で自分のペースで学び、成長することができ、小規模でアットホームな環境を提供しています。
子どもと教師・スタッフとの距離が近く、学習面だけではなくメンタル面のケアも行ってくれることが最大の特徴です。
フリースクールに通う子の特徴
フリースクールには入学制限がなく、希望すれば誰でも通うことができます。
主に、従来の学校に通えなくなった不登校の子どもがフリースクールに通っています。また、フリースクールに通うお子さんの中にはADHDやASDなどの発達障害の傾向を持つ子も多く、集団生活に馴染めない子や従来の学校のカリキュラムやルールでは窮屈に感じてしまう子も多くいます。
フリースクールはこのような子どもにとっての学びの場としてだけではなく、コミュニケーションやソーシャルスキルを身につける場としても機能しています。
フリースクールの学習内容
フリースクールの学習内容は、非常に多様です。
基礎的な教科である国語、数学、理科、社会、英語だけではなく、芸術や音楽、スポーツ、自然体験など、子どもの興味や関心に合わせた様々なプログラムが提供されています。学習だけではなく、メンタル面のケアとして、個別のカウンセリングやサポートも行われます。
また、季節ごとにイベントがあることも特徴で、夏は森に昆虫を捕まえに行ったり、お正月の前後には餅つき大会をするようなところもあります。このような勉強以外の体験を通して、社会性やコミュニケーション能力を育むことができます。
このように、フリースクールに通う子どもたちは、自分のペースで学びながら、興味のあることを深く学ぶことやコミュニケーション能力を高められる環境になっています。
フリースクールの費用
フリースクールの費用は、施設によって異なります。
多くの場合、入学金や月謝が必要となりますが、その額は学校の規模や提供するプログラムによって変わり、一般的には月々1万円〜5万円程度の費用がかかると言われています。詳細を知りたい場合は直接、施設に問い合わせをするといいでしょう。
フリースクールに通う子どもたちの進路
フリースクールに通う子どもたちの進路は、多岐にわたります。
多くの子どもたちは、フリースクールでの学びを通じて、自信や自己肯定感を高め、将来的に再び従来の学校に復帰することを目指します。
また、一部の子どもたちは、フリースクールでの学びを続けながら、高校や大学、専門学校への進学を果たすこともあります。
フリースクールでは、個々の進路に合わせたサポートが行われており、子どもたちの将来の選択肢を広げるための支援が充実しています。
フリースクールの5つのタイプ
フリースクールとは、従来の学校教育の枠にとらわれず、子どもたち一人ひとりのニーズに応じた学びの場を提供する教育施設です。
ただし、多様な背景や理由で普通の学校に通えない子どもたちが主なため、フリースクールにはさまざまなタイプが存在します。各フリースクールの特徴をよく理解し、子ども自身や家庭の状況に合った選択をすることが大切です。
ここでは、フリースクールの代表的な5つのタイプについてご紹介します。
1. 子どもたちの居場所になるタイプ
このタイプのフリースクールは、学習だけでなく、学校や家庭でのストレスを抱える子どもたちが、自由に過ごしながら心の安定を図ることができる場として、子どもたちが安心して過ごせる「居場所」としての役割を果たします。
このタイプのフリースクールは、スタッフや他の子どもたちとの交流を通じて、少しずつ社会性を身につけ、自分らしさを取り戻すことができます。
2. 学校復帰が目標のタイプ
このタイプのフリースクールは、子どもたちが将来的に通常の学校に復帰することを目標としており、学習の遅れを取り戻すためのサポートや、学校生活に必要なスキルを身につけるためのプログラムが用意されています。
個別指導や少人数制のクラスで、子どもたち一人ひとりのペースに合わせた指導が行われ、学校復帰への準備を整えます。
3. 専門家がサポートするタイプ
このタイプのフリースクールでは、教育や心理の専門家が常駐しており、専門的なサポートを提供します。
学習障害、発達障害、心理的な問題を抱える子どもたちに対して、個別のニーズに応じた指導やカウンセリングを行います。
専門家による支援があることで、子どもたちは安心して学び、成長することができます。
4. 医療機関と連携してサポートするタイプ
医療機関と密接に連携しているフリースクールもあります。
このタイプのフリースクールは、医療的なケアが必要な子どもたちに対して、医師や看護師が定期的に訪問し、健康状態や精神状態をチェックしながら学びのサポートを行います。
医療機関との連携により、子どもたちは安心して学校生活を送ることができ、健康面やメンタル面と学習面の両方で適切な支援を受けることができます。
5. 自宅訪問するタイプ
このタイプのフリースクールでは、スタッフが生徒の自宅へ訪問して学習や生活のサポートを行います。
いじめなどの人間関係のトラブルで同年代の子どもと交流することに抵抗がある子どもや、何らかの理由で外出することが難しい子どもに適しています。
自宅での学びやすい環境を整えながら、子どもたちの学習を支援し、少しずつ自信を取り戻していくことができます。
子どもに合ったフリースクールの選び方5選
子どもの教育環境について考えるとき、フリースクールはとても魅力的な選択肢の一つです。普通の学校ではうまく適応できない子どもたちに対しても、フリースクールはその子に合った学び方を提供してくれます。
しかし、たくさんのフリースクールがある中で、どこが一番合っているかを見つけることは簡単ではありません。そこで、フリースクールを選ぶときに考えたい⑤つのポイントを下記でご紹介します。これらのポイントを参考にして、子どもに合ったフリースクールを見つけましょう。
1. 子どもの興味や好きなことに合っているか
フリースクールにはそれぞれ、違ったプログラムや教え方があります。
子どもの興味や好きなことに合ったプログラムを提供しているかどうかを確認しましょう。
例えば、アートや音楽が好きな子どもには、それらに力を入れているフリースクールが向いています。また、自然の中で学びたい子どもには、外での活動が多いフリースクールが合っているかもしれません。
2. 学校の考え方が家庭の価値観と合っているか
フリースクールの教育方針や考え方が、家庭の価値観と合っているかも重要です。
学校での教え方や大切にしている教育方針が、家庭の考え方と違っていると、子どもが戸惑ってしまうこともあります。
フリースクールを選ぶときには、その学校の教育方針をよく調べて、家庭の考え方と比べて検討してみましょう。
3. 学びやすい環境が整っているか
フリースクールの環境も重要な要素となります。
教室の雰囲気やクラスの大きさ、先生と子どもの関係など、子どもが安心して学べる場所かどうかを確認しましょう。
特に、小さいクラスで個別に教えてくれる環境は、子どもが集中しやすく、先生とも親しくなりやすいです。
4. 学校の評判や実績を調べる
フリースクールの評判や実績も大切な要素です。
卒業生がどのような進路に進んでいるか、他の保護者からの評価はどうか、など、学校の信頼性を確認する情報を集めましょう。
インターネットの口コミもある程度参考になりますが、実際に学校を見に行ったり、説明会や体験入学に参加してみることをおすすめします。
5. 子どもの意見を大事にする
一番重要なことは、子どもの意見を大事にすることです。
フリースクールを選ぶときは、子どもが自分で興味を持って選べるようにしましょう。学校見学や体験入学を通じて、子どもがその学校で学びたいと思えるかどうかを確認してください。
子ども自身が選んだ学校であれば、より積極的に学びに取り組むことが期待できます。
まとめ
今回のコラムでは、フリースクールの概要や特徴についてご紹介しました。
フリースクールを選ぶ際には、教育方針やカリキュラム、学校の雰囲気などをよく理解し、子どもにとって最適な環境を選ぶことが重要です。
このコラムが、フリースクールについての理解を深める一助となれば幸いです。
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