公立高校でかかる学費はいくら?|高校入学後にかかる費用も解説
公開日:2024年9月10日
このコラムでは、公立高校にかかる学費、入学後の費用、学費を軽減できる制度について、詳しく解説していきます。「私立よりは公立の方が安い」というイメージがあると思いますが、実際どれくらいかかるのか?ぜひ参考にして頂ければと思います。
公立高校の学費について
お子さんが中学生3年生になると、将来の高校進学に向けて学費やその他の費用について気になる方も多いのではないでしょうか?
「公立高校は、私立高校に比べて学費が安い」と言われていますが、それでも家庭によっては大きな負担となることもあります。
ここでは、公立高校に進学する際にかかる学費やその支払い方法、さらにはその他の関連費用について詳しく解説していきます。
※ここでいう「学費」とは、文部科学省における「学校教育費」と「学校外活動費」を基に紹介していきます。
公立高校でかかる学費の概要
公立高校に通う際にかかる学費は、私立高校と比較すると非常に抑えられています。主にかかる費用として、「学校教育費」と「学校外活動費」に分かれます。
【学校教育費の内容】
- 入学金等
- 授業料
- 修学旅行費等
- 学校納付金等
- 図書・学用品・実習材料費等
- 教科外活動費
- 通学関係費
等にかかる費用となります。
【学校外活動費の内容】
- 補助学習費(塾、家庭教師、通信教育、問題集など)
- その他の学校外活動費
等にかかる費用となります。
【年間の学費総額】
参照:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」
御覧の通り、公立高校と私立高校を比べると2倍程度の差があることがわかります。
また、前回の調査(平成30年度調査)に比べ10%程度上がっているのもわかるかと思います。
私立高校と比べて安いとはいえ、年々目に見えて高くなるのは、やはり家庭の負担が増えて大変になります。
公立高校の学費の支払い方法と支払い時期
公立高校の学費は、通常、年度ごとに分割で支払います。
一般的には年に2回から4回に分けて支払うことが多くなっています。
支払い方法は、口座振替や振り込みが一般的ですが、自治体や学校によってはクレジットカードでの支払いも可能な場合があります。
支払い方法や支払い時期については学校や都道府県ごとに設定されていますので、必ず確認するようにしましょう。
公立高校入学後の費用について
公立高校に進学する際は、授業料以外にも様々な費用が別途かかります。これらの費用は、子どもの高校生活を充実させるために必要ですが、事前にどのような支出があるのかを把握しておくことで、家計の計画を立てやすくなります。
ここでは、公立高校入学後に必要となる具体的な費用について詳しく見ていきましょう。
1. 公立高校入学後に必要な学用品・実験実習材料費
公立高校に入学すると、まず必要になるのが学用品や実験・実習の材料費です。
教科書やノートはもちろんのこと、指定の制服や体育着、学校指定の鞄なども購入しなければならない場合もあります。
さらに、各教科ごとに必要な教材や道具も揃える必要があります。
例えば、理科では実験用の器具、音楽では楽譜や楽器の購入が必要になることがあります。
これらの費用は学校や履修する科目によっても異なりますが、入学初年度にかかる費用はおおむね5万円前後になることが多いです。
2. 公立高校でかかる教科外活動費・修学旅行費
教科外活動費
教科外活動費とは、
- クラブ活動(部活動)
- 学芸会・運動会・芸術鑑賞会
- 各教科以外の学級活動(ホームルーム活動)
- 生徒会
- 臨海・林間学校
等にかかる費用となります。
部活動によって費用の差はありますが、ユニフォームや練習用具、大会参加費、遠征費などが挙げられます。
特に、運動部や音楽部などでは道具や楽器が必要な場合が多く、年間で見積もると、部活動費だけでも数万円から十数万円程度かかることがあります。
修学旅行費
修学旅行は高校生活の重要なイベントです。
修学旅行の費用は、行き先や期間によりますが、7万円から10万円程度になることが一般的です。
ただ、あくまでも修学旅行にかかる費用となりますので、空港や集合場所までの交通費、自由行動時のお土産代やお小遣いも考えるとプラス数万円程度は見積もっておくと安心できるかと思います。
また、費用の納付方法は、学校納付金と合わせて積立、一括納付、旅行会社経由のローン等、学校や都道府県ごとに決まっていますので、あらかじめ確認しておきましょう。
3. 昼食代
高校生の場合、お弁当を持参するか、学校で昼食を購入することが一般的ですが、毎日の積み重ねで大きな支出になることがあります。
例えば、学校の学食で購入する場合、1食あたり500円程度が相場とされており、月々の昼食代は1万円以上になることもあります。
お弁当を作って持たせる場合でも、材料費や作る時間の確保が必要となります。
筆者の実体験から言いますと、お弁当の方が、学食だけにするよりも半分程度の費用で済みましたが、なによりもお弁当を作る時間の捻出と継続することの方が大変でした。
学校以外でかかる費用
1. 塾や家庭教師などの学習費用
公立高校に通う生徒の多くが、学業の補強や進学対策のために塾(予備校)や家庭教師を利用しています。
塾の費用は、通う頻度や科目数、塾の種類によって大きく異なりますが、月額で1万円から3万円程度が一般的となっています。ただし、大学受験を見据えた予備校のコースや個別指導の塾の場合は、さらに高額になることがあります。
また、家庭教師を利用する場合は、1時間あたりの料金が2000円〜5000円程度かかることが多く、週に数回の指導でもかなりの費用が必要です。
これらの学習費用は、学力向上や志望校への進学の為には大切ですが、家計に与える負担も当然大きくなります。事前にどの程度の費用の捻出が可能なのか、検討している塾や家庭教師が本当にお子さんに合っているのか等、家庭内での話し合いや試算をした上で決めることが大切です。
塾や家庭教師の費用についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 家庭教師と塾、結局どっちが安い??|かかる料金を徹底比較!
2. スマホ・タブレットなどの通信費
高校生にもなると、スマホやタブレットの使用が増えるので、通信費も無視できない支出の一つとなります。
これらのデバイスは、情報収集や学習アプリの利用に便利ですが、その分データ通信量が増えるため、通信費が高くなる傾向があります。
通信費は、契約しているプランやデータ使用量によって異なりますが、月額3000円から1万円程度が一般的です。
また、家庭でWi-Fiを利用する場合でも、インターネット回線の月額がかかります。
さらに、通信費以外にも、スマホやタブレット本体の購入費用や、故障時の修理費用なども考慮しておく必要があります。
これらの費用を抑えるためには、データ使用量を管理したり、学割プランや家族割引を活用したりする方法があります。家庭での利用ルールを決め、計画的に使用することで、無駄な出費を防ぐことができます。
公立高校の学費負担を軽減できる制度
1. 高等学校等就学支援金制度
高等学校等就学支援金制度は、家庭の所得に応じて公立高校の授業料を補助する制度です。
この制度により、家庭の年収が一定額以下であれば、年間の授業料が軽減または無償化される場合があります。
都道府県によっては、年収制限が撤廃されたケースもありますので、気になる方は是非お住いの都道府県ページや最寄りの役所にてご確認下さい。
もっと詳しい要件や申請方法が知りたい方は、下記より該当の都道府県ページ、窓口にてご確認下さい。
2. 高校生等奨学給付金制度
高校生等奨学給付金制度は、授業料以外の教育にかかる費用(※教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、教科外活動費、生徒会費、PTA会費、入学学用品費、修学旅行費、通信費等)を支援するための制度です。
この給付金は、低所得世帯の家庭に対して支給され、教材費や交通費、部活動費など、さまざまな費用に充てることができます。給付金の金額は家庭の所得や子どもの学年によって異なりますが、返済不要の給付金であるため、返済の心配はありません。
申請方法については各自治体の窓口や学校を通じて行い、必要書類を揃えて手続きを進めます。もっと詳しい要件や申請方法が知りたい方は、下記より該当の都道府県ページ、窓口にてご確認下さい。
3. 公立高等学校等における授業料減免
公立高等学校等における授業料減免制度は、家庭の経済状況に応じて授業料の全額または一部を免除する制度です。この制度は、特に収入が低い家庭や、急な経済的困難に直面した家庭に対して支援を行うことを目的としています。
授業料減免を受けるには、自治体や学校に申請書を提出し、収入証明書や経済的困難を証明する書類を提出する必要があります。
この制度を利用することで、授業料の負担を大幅に軽減し、家庭の経済的な安定を図ることができます。どのような場合に減免が適用されるかは、各自治体の規定により異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
もっと詳しい要件や申請方法が知りたい方は、下記より該当の都道府県ページ、窓口にてご確認下さい。
まとめ
このコラムでは、「公立高校でかかる学費はいくら?」をテーマに、公立高校の学費や入学後にかかる関連費用、さらに負担を軽減するための制度について詳しく解説しました。
公立高校は私立に比べて学費が抑えられているものの、家庭にとっては依然として大きな負担となる場合があります。
授業料以外にも、部活動費や修学旅行費、塾の費用など、多岐にわたる出費が予想されます。上記の情報を参考に、計画的な家計管理にお役立て下さい。
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